カランカラン、とドアに付けられた鐘が鳴る。
「いらっしゃい、あら、レイさん。 そっちの娘は……海軍の期待の新星ね。 ナンパでもしてきたの?」
「いやいや。 以前、コーティングの仕事でジンベエから紹介されてな。 先程、久方ぶりにそこで会ったんだ。」
「あら、そう。」
入ったのは『シャッキー'S ぼったくりbar』
バーとは名ばかり、と言うわけでもありませんが実質的には凄腕の情報屋と殆ど変わりは無い、はずです。 多分。
「悪いが、この娘の掌の手当てをやってくれないか?」
「良いわよ。 こっちに来なさい、お嬢さん。」
私がバーカウンターに座るとシャッキーさんはカウンターの下から救急箱を取り出しました。
「さ、傷跡を見せて頂戴。」
カウンターの上に両手を置いて、掌を上に向けます。
「思ったより深いわね。 痛いけど我慢しなさい。」
何をする気ですか、と聞く間も無かった。
消毒液を手にぶっかけられた後、野菜を塩もみするかの如く揉まれました。
「ッ〜〜〜〜〜〜!!!」
痛い。 滅茶苦茶痛い。
チラリとシャッキーさんの顔を見てみれば笑みが浮かんでいます。
この人、絶対にSです。 間違いありません。
その後は軽く包帯を巻いて終わりました。
「これで良し。 一週間したら包帯を取って、まだ傷が残ってるようなら包帯を新しいのに変えること。 分かったかしら?」
「はい。 ありがとうございました。」
「どういたしまして。 お代は五十万ベリーになります。」
「お金取るんですか!? しかも高い!」
「冗談よ。 五万でいいわ。」
「結局とるんじゃないですか。」
財布から一万ベリー札を五枚出します。
「嘘よ、嘘嘘。 レイさんの頼みだもの。 ここでお金を取ってもどうせレイさんが取ってあなたに返すわ。」
「はあ、そうですか。」
出した一万ベリー札を財布に戻します。
「それじゃ、ありがとうございました。」
「待ちなさい。 君はこれからどうするつもりなのかな?」
「もちろん、海軍を続けますとも。 天竜人は嫌いですが、だからと言って海軍を辞めてしまっては、何をするにも足りない物が多すぎますからね。 出来る限り、天竜人にはもう関わらないようにしたいですけど、私は私の正義を貫きます。」
「…………そうか。 そこまで腹を括ったならば私からは何も言うことはない。」
どの選択肢を選んでも一定数の犠牲は避けられない。
なら、より多くの命を救える方を選んだ方がいいでしょう。
「それでは。 また何時か、天竜人のいない時を狙って会いに来ます。」
「ああ。 楽しみにしているよ。」
『シャッキー'SぼったくりBAR』から出て、走り出します。
不審者に絡まれても面倒ですから。
海軍の駐屯地へと戻り、自分とノッブに充てがわれた部屋に戻る。
ノッブは先に帰っていたようでベッドで眠っています。
シャワーを浴び、着替えてからベッドに潜ります。
翌日
天竜人の護衛のために来ていた私達海兵は本部へと戻るために出港しました。
道中では何もなく、無事に本部へと到着。
そして、現在
「やっぱり、駄目だったかい?」
「はい。 ボルサリーノ大将は何も悪くないのは分かっていますが、やはり、私は二度と天竜人関連の任務は受けたくありません。」
「そうかい。 残念だねぇ。 でも、分かったよぉ。 君達二人の脱退を許可するよ。 それで、これからはどうするんだい? やっぱりクザンのとこに行くのかな?」
「いえ。 私は私で何処にも所属しません。」
「新しく派閥を作るのかい? それは大変そうだねぇ。」
「大変でも私がやると決めたことです。」
「まあ、君なら人望は厚そうだし、案外、人は集まると思うよぉ。」
ええ〜〜、ホントでござるかぁ〜?
有り得ないと思うんですけどね。
「それでは、短い間でしたがお世話になりました。」
「うん、頑張りなよぉ。」
「はい、ありがとうございます。 では、失礼しました。」
パタリ、とドアを閉めて部屋の外に出ます。
さて、やることは山積みですね。
「さあ、ノッブ。 ゼロからのスタートです。」
「そうじゃな。 ま、わしはお主について行くだけじゃけどね。」
「何言ってるんですか。 きっちり働いて貰いますからね。 まずは、センゴク元帥の所に行って、話を通し、次におつるさんの所で隊員の募集を始めて貰って。 出来れば訓練兵からも何人かノッブみたいに欲しいですね。」
「やる事多いのう。」
「ですね。 それじゃあ早速始めましょうか。」
お待たせしました。
センター試験やら受験勉強やらで遅れました。
なのにfgoではギル様とメルトリリスを当ててしまった。
嬉しいけど、忙しくて中々育成できない……!