十連一回でふじのん二人引き、呼符単発でセイバー式さん。
さすがにその後もう一回十連引いたら、何も出ませんでしたけど。
私、沖田さん。 今、海上レストランバラティエにいるの。
そして、目の前にゾロさんとくいなさんがいるの。
いや、ホントに何でこんな事になったんですかね。
狙ってないのに。
というか、くいなさん麦わらの一味に入ったんですね。
東の海に二人組の凄腕の賞金稼ぎが居るっていうのは聞いてたので予想はしてましたが。
それに、ゾロさんもくいなさんが死んで無いのに三刀流になってますしね。
くいなさんが死んで、『和道一文字』を貰ったから三刀流になったという解釈でしたから、ちょっと意外です。
そして、『和道一文字』はくいなさんの物、と。
それはさておき。
どうしてこうなったかと言うとですね、実は結構前からここには来てたんですよ。
休暇を取ったら、殆どバラティエに来てましたね。
そして、今回も休暇を取ってノッブと一緒にバラティエに来てみれば、あら不思議。
巨大な船が鷹さんによってスッパーンっと、キレイに斬られてるじゃありませんか。
何事かと思って見てみれば、先日グランドラインから居なくなったクリーク海賊団。
あっれー? これって原作のサンジさんが仲間になる時の奴じゃ無いですかー。
完全に休暇モードだった私とノッブは今回は諦めて、また後日って事にしようと思ったのですが、何故か鷹さんに見つかり、あれよあれよという間にゾロさんとくいなさんのコンビと戦うことに。
取り敢えず鷹さん。 一発ぶん殴っても良いですか? 良いですよね?
「ハァ、完全に休暇を楽しむつもりで来てたんですが、まあ、約束しちゃってますしね。」
会ったときに勝負を仕掛けられたなら受けて立つって。
「オイこら、クソマリモ剣士!! ウチの常連のオキタさんに怪我なんかさしてみろ! この場でボッコボコにしてやっからな!」
とサンジさんからゾロさんに野次が飛びます。
「別に大丈夫ですよ〜。 これでも長い事、海軍本部で将校やってますから。」
「か、海軍本部の将校だぁ!?」
おっと、その声は長っ鼻のウソップさん。
「ええ、そうですよ。 海軍本部少将。 こっちは部下のノッブこと、オダ・ノブナガです。」
「ん? おお、わしの事か。」
ええ、あなたの事ですよ。
「か、海軍本部の将校とゾロ達にどんな繋がりがあんだよ。」
「ある意味、ゾロさんとくいなさんの師匠、になりますかね。 やー、意外でしたよ。 お二人共、海賊になってるなんて。」
「世界一の大剣豪になる為に悪名だろうと何だろうと、世界中に知らせてやるためだ。」
「同じくです。 それに世界一を目指すためにも、仲間が必要でしたから。 …………特に航海士が。」
「ああ、ゾロさんの方向音痴、直らなかったんですね。 ご苦労様です。」
多分、ルフィさんと出会うまで相当な苦労をしてきたであろう、くいなさん。
さらに言えば、出会ってからもナミさんと会うまでは苦労が続いていたでしょうね。
「まあ、お二人にはまだ早いですが、少しだけグランドラインのレベルというのを教えてあげましょう。 ノッブは待機しててください。」
「ん。 分かったのじゃ。」
そう言ってノッブはバラティエの二階にジャンプして観戦しはじめました。
「では、始めましょうか。 先手は譲りますよ?」
剣を二本とも持ち、構えはしません。
「チッ、『鬼斬り』!!」
先に突っ込んできたゾロさんの攻撃を数歩後ろに下がり、左の刀で真上に流す。
これで胴体はガラ空き。
そこに蹴りを入れて、ゾロさんと私の距離を離し、ゾロさんの攻撃の間に背後に周って来てた、くいなさんの攻撃を半回転して右手の刀でガード。
再度、攻撃を仕掛けてきたゾロさんをバク宙で避けます。
「随分といい連携ですね。 ゾロさんとか意地でもそういう事はしないと思ってたのですが。」
「長い間、一緒にいると嫌でも呼吸が合ってくるんです、よっ!」
くいなさんの袈裟斬りを左の刀で受け止めると、くいなさんがしゃがみ、顔のあった所からゾロさんの突きが来たので、顔を横に傾けて避けます。
しゃがんだくいなさんの横振りを足で踏み付け、ゾロさんの二本の刀で挟むような攻撃は後ろに跳んで避けます。
「そう言えば、お二人には言ってませんでしたが、私、悪魔の実の能力者なんですよね。」
私の持つ二本の刀に風を纏わせ、振り抜く。
放たれた風は斬撃となって二人に向かいます。
「『烈風』!」
くいなさんは避けましたが、ゾロさんはそれを受け止めようとして、どんどん押されて行きます。
そして遂にはバラティエの足場から落とされ、海に落ちました。
「ゾロ!?」
ですが、直ぐに浮き上がり、足場に戻って来ました。
「さて、ある程度グランドラインのレベルを分かって貰ったところで…………どうします? 続けますか?」
その言葉に対し、ゲホゲホと咳き込みながらもしっかりと答えました。
「当たり前だ。 勝てなくても敵に背を向けて逃げたとなりゃ、剣士失格だ。」
「私も。 一矢報いるくらいも出来ないんじゃ悔しくて夜も眠れなさそうだし。」
「フフッ、その負けん気の強いところとか一切変わってませんね。 良いでしょう。 受けて立ちます。」
左手の刀は鞘に戻し、構えます。
刀の周りに風を集める。
「三刀流、奥義……!」
「奥義……」
三人同時に大技を出す構えに入り、
「『三千世界』!!」
「『
「穿つ……『疾風迅雷』!」
一瞬の交差の後、ゾロさんの三本の刀は斬り落とされ、弾かれた『和道一文字』は地面に突き刺さった。
軽くしか覇気を込めてなかったとは言え、流石は大業物。 そこらの数打ちの雑刀とはワケが違いますね。
後でちゃんと刀を見ておきましょう。
もしかしたら刃溢れくらいはしてるかもしれません。
「さて、今回も私の勝ちだったワケですが、私に勝ちたいなら鍛えるだけでなく、刀も選んだ方が良いですよ。 特にゾロさん。 くいなさんには大業物の『和道一文字』がありますが、ゾロさんは大業物はおろか、業物すら持ってませんよね? 私の今の刀は上業物の『乞食清光』と大業物の『菊一文字則宗』です。 そこらの雑刀では文字通り太刀打ちできませんよ? ところで鷹さん? なにチャッチャと帰る準備してるんですか?」
「この海賊達を追ってきたのは暇つぶしだ。 さきの戦いで満足したからな。 帰る。」
「だから好きになれないんですよ、七武海。」
ジンベエさん以外。
自由人過ぎます。
「そこの二人。 名は何という?」
「ロロノア・ゾロ。」
「くいな。」
ゾロさんとくいなさんが鷹さんに名を告げると、鷹さんはフッと笑い、
「貴様等にはこの俺を超えられる可能性がある。 期待しているぞ。」
そう言いました。
原作を知っていたけれど驚きました。
鷹さん、『強さ』と言う点で人を見る目は確かですが、滅多にその事を口に出す事が無いんです。
それが「期待している」なんて…………ニセモノだったりしません?
「さて、私達はこのまま観戦してますのでお構いなく。」
「いや、何だよ観戦してますって。 あっちの海賊、捕まえねぇのか?」
とツッコミを入れるウソップさん。
「休み中にまで働きたくないです。 誰かが死にそうな時には手を出しますが、それ以外では手出ししませんので。」
その後は殆ど原作通りでした。
クリーク海賊団は壊滅。 ギンさんが海賊団全員を小さなボートに乗せて去っていきました。
原作と違うところはナミさんを追った人員にくいなさんが追加されていた事と、ギンさんが毒を喰らわなかった事ですかね。
全部、私の風で散らしましたから。
そして、現在
「で、何か申し開きはありますか? フルボディ大尉?」
近くの海軍基地に来てます。
理由はバラティエの人からバラティエを壊した主犯にしてクリーク海賊団がここに来ることになった大元の原因の海兵が現在補給中でこの基地にいると聞いたから。
詳しく聞いてみれば、出るわ出るわ違反の数々。
器物損害、通常時における軍艦への一般人の乗船、名誉毀損、食い逃げ、軍艦の個人的使用、捕らえていた海賊の脱走、及び脱走を報告しなかった事。
え? ガープさん? アレはもう半ば私物化してますから。
良い訳が無いですけどもう諦めてます。
結果
「降格、及び減給処分とします。 降格は三階級。 減給した分は全てバラティエへの慰謝料と弁償代に充てる事とします。 後日、正式に書類を送ります。 マリンフォードに帰還後、自室にて待機。 非常時を除き、自室から出ることを禁じます。 以上です。」
全く、海兵がこんな事をするなんて信じられませんね。