また遅くなってしまい申し訳ない
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大巨人のオーズが倒れ、海軍側の士気が一気に上がる。
だが、その勢いに乗った巨人族の海兵が白ひげに攻撃を仕掛けるも、白ひげはその場から一歩も動かないままその海兵を一撃で倒した。
たったそれだけで海軍側に傾いていた場の空気が傾いた。
「野郎ども!!
オーズを乗り越えて進めェ!!!」
「「「「おおおぉぉぉォォォォ!!!」」」」
たったその一声だけで白ひげ海賊団の団員に発破をかけた。
「仲間がやられて士気が上がるって厄介過ぎません?」
「それが白ひげ海賊団だよ、どの海賊団よりも強い絆で結ばれているからだ。
そう簡単には士気は下がらないさ。」
「じゃあ、せめてプレッシャーを掛け直しときましょうかね。」
沖田がそう言うと持っている刀の周りに風が渦巻き始め、それが武装色によって黒く染まる。
渦巻く風を圧縮し、腕を引き絞る。
それを察知したのかマルコが沖田と白ひげの間に入り、白ひげも自身のもつ薙刀に覇気を込める。
「擬・絶劍 無窮三段」
その場で刀を突くと、圧縮された空気が放たれ、真っ直ぐに白ひげに向かっていく。
マルコがその身で受け止めようとするが、風は容易く上半身に穴を開けて進む。
それを見た白ひげは笑うと薙刀を大きく振りかぶった。
「俺を舐めるんじゃねぇよ、小娘!」
先程同様に薙刀に衝撃を込めて向かってくるそれにぶつけた。
僅かな拮抗の後、放たれたその一撃は沖田の攻撃を霧散させた。
「うっげ、未完成とは言えどアレを簡単に防ぎますか、フツー。」
「見たところ貫通力特化の遠距離技ってとこォかね〜〜。
また、物騒な技を思い付いたもんだねェ。
ただ、マルコが間に入って威力を削がれたねェ。
それでも白ひげに放つにはまだ威力不足みたいだけどォ。」
「まあ、そこは今後の課題って事で。」
何時の間にか沖田の側に来てたボルサリーノが沖田の技を分析する。
「いってぇよい!
土手っ腹にあんなでかい穴開けられたのなんて久し振りだよい!」
「知りませんよ、勝手に間に割り込んで来たんじゃないですか。」
復活したマルコが文句と共に襲い掛かって来るのを避け、その一瞬の間にボルサリーノがマルコに蹴りを叩き込んだ。
高速で吹き飛ばされていくマルコとそれを追うボルサリーノを見送り、背後から迫って来ていた敵を一瞥もする事無く斬り伏せる。
「ちょっとやり過ぎましたかね。」
技を放つ前よりも多くの敵が自分を狙って来ているのに気付き、プレッシャーを与えると共に敵の警戒度を上げて、優先的に倒すべき相手として認識された事を悟る。
「まあ、隊長格は他の方が抑えてますし、雑魚なら何人来ようとただのカモですけどね。」
そう言いながら剣を抜こうとしたところで、
「「「あああああああああああ…………」」」
どこからとも無く聞こえる声に一瞬、戦場の動きが止まった。
明らかに場違いな悲鳴が複数聞こえ、両軍共にその悲鳴の出所を探す。
「「「あああああああああああ………!」」」
段々と大きくなる声、1番初めに気が付いたのは見聞色の覇気を扱える一定以上の実力の者。
そして、その者たちの見る先を追う様にその他が視線を上へと向ける。
船が降って来ていた。
「「「は、はあぁぁぁぁぁぁぁ!!!??」」」
あまりのインパクトにあちこちで驚きの声が上がる。
落ちて来た船はそのまま丁度、氷の無い場所に落ちた。
そして、海の中から這い上がってきたのは
「インペルダウンからの脱獄囚共だ!!」
先日、シャボンディ諸島で七武海バーソロミュー・くまに敗れた億超えルーキーの一人、麦わらのルフィを筆頭に元七武海、ジンベエとクロコダイル、革命軍幹部のイワンコフなどのメンバー、そしてインペルダウンに幽閉されていた凶悪な海賊達が顔を揃えていた。
その内の一人、ルフィのエースと兄弟だという爆弾発言の後、白ひげの元に行き、何やら話した後、エースの元へと向かうべく走り出す。
そして白ひげがそれを援護する様に白ひげ海賊団のメンバーに伝えた。
明らかに風向きが変わり始めた。
「…………すみません、ちょっと抜けます。
サカズキさんにもし、私が入れた海賊がインペルダウンから脱獄したら慈悲も容赦も無く、片端から斬り捨てると言ってますので。」
側にいた海兵にそれだけ伝えるとオキタは一気に駆け出す。
狙うは明らかにあの集団の支柱的な存在である麦わらのルフィ。
まずはリーダー的存在を殺す、その他の雑魚は自分より強い奴がやられて浮き足だった所を狙えば良い。
一気に加速して、刀を振り被る。
だが、その刀が首に届く前に横槍が入った。
「麦わらボーイに手ェ出すんじゃないよ!!
DEATH・WINK!!」
それを月歩で避け、着地。
「恨みはねぇが、お前は邪魔だ。
着地した瞬間を狙ってクロコダイルが仕掛ける。
「おや、砂で風を止められるとでも?」
それに対してオキタは真上からの砂嵐を一刀両断して防ぐ。
「悪ぃ、助かった! イワちゃん、クロコダイル!」
「良いからヴァナータは早く行きなさい!
全く、いきなりとんでもない子が出てきたチャッブルね。」
「戦場で愚痴とは随分余裕そうですね?」
気付けばイワンコフの首元に刀が迫っていた。
(この子ッ、かなり速いッチャブル!?)
オキタの突きを間一髪で避け、反撃に出る。
それに合わせる様にクロコダイルも仕掛ける。
「
「
その反撃を大きく後ろに跳ぶ事で避け、一旦距離を取る。
手に持っていた刀を鞘に戻して居合いの型を取る。
「おおおォォォォ!! 俺をインペルダウンに入れやがった恨みィ!!」
それをチャンスと見た一人の脱獄囚が真横から攻撃を仕掛けようとする。
「バカッ、およしッチャブル!」
振りかぶった棍棒を振り下ろす。
だが、その棍棒が当たる寸前でオキタがギリギリで避ける。
「奇襲前に声を出す様なバカで助かりました。」
感情の籠っていない冷たい声でそう呟くと同時に抜刀。
襲いかかってきた男の首を狙い、断ち切る。
「まずは一人。」
刀を振るって付いた血を払う。
「中将殿に続けぇぇぇ!!!」
「キャプテンバギー!
あの野郎の敵討ちと海兵共の迎撃、しても良いですよね!?」
「お、おお…! ド派手にやっちまえ!」
オキタが集団を足止めしていた間にルフィ達を守っていた白ひげ海賊団の守りを突破した海兵達が合流。
更に集団後方にいた脱獄囚達が海兵の迎撃に移り、完全に混戦状態に移る。
(チクショー! いきなり中将に目ぇ付けられたら逃げられる訳ねーだろ!
少なくとも俺より強い囚人を一瞬で殺す様な奴だぞ!?
こうなったら、上手く目を逸らしてその間に進むしかねぇ!!
頼むから上手くいってくれよ!?)
そんな中、比較的弱い囚人達の指揮を取っていた赤鼻のバギーは外面は堂々としているが、内面ではかなりビビりまくっていた。
ルフィが一人で戦場を突き進む中、オキタはクロコダイルとイワンコフの二人がかりで抑えられている。
このままでは突破されると分かっていながらも、動けないオキタは見聞色で周りを探る。
(やっぱり来てますよね。
態々、ここまでぶつけに来るとは本当にいい性格してますよ。)
感知したのは七武海、ドフラミンゴと元七武海のくま。
「ここは譲りますよ。」
そう言い残すと、一気に反転して先頭集団を追いかけ始める。
勿論、クロコダイルとイワンコフも追い掛けようとするが、背を向けたオキタの前に2人の人物が立ちはだかる。
「フッフッフ、久し振りだなワニ野郎。
インペルダウンの中はどうだったんだ?」
「邪魔だ、鳥野郎。
今度はテメェを地獄に落としてやろうか?」
「くま!?
久しぶりに会ったんだから話でもしたいところだけど、生憎とここは戦場。
いくら身内でも……あまり手加減は、」
「ああ、無駄だ、革命軍幹部。
そいつはもうくまじゃねぇ。」
くまに話しかけてたイワンコフにニヤニヤと笑いながらドフラミンゴが暴露を始めた。
その頃、オキタは先頭集団に追いついていた。
先頭を走る麦わらのルフィ、それに付随する様にジンベエとオカマ集団が追いかけていく。
そのすぐ後ろをバギー率いる脱獄囚の海賊達が走っていた。
ルフィの走る前にいる白ひげ海賊団の船員達が海兵の相手を出来る限りして、ルフィ達が進む道を切り開いている。
多少は白ひげ海賊団の壁を抜けて、ルフィ達に迫る海兵もいるが、良くて数発攻撃を当てられる程度でその勢いを止められていない。
「麦わらァ!!」
「ゲッ、ケムリン!」
そこに現れたのは海軍の中で一番、麦わらのルフィと因縁のあるスモーカー。
ロギアの特徴と海楼石の十手でルフィの動きを止めた。
ジンベエはモリアの相手をしている為に助けに入れない。
ルフィに馬乗りになり、海楼石の十手を喉に突き付ける。
そこに乱入してきたのは海軍側の味方であるはずの王下七武海が1人、ボア・ハンコック。
そのままこっそりルフィにエースの錠の鍵を渡すと、覇気を纏った攻撃でスモーカーの足止めに入った。
だが、そのスモーカーによって足止めされていた時間があれば、海軍本部で二番目に速いオキタが追い付くのは簡単な事だった。
ルフィを自身の間合いの内に入れたオキタは剃、月歩、縮地の3つを同時に使って一気に加速する。
更にはルフィの進む方向の先には王下七武海のミホークが待ち受ける。
「クソッ、麦わらの!
さっき襲ってきた中将がそっち行ったぞ!!」
「……あんな強ェの二人となんて戦ってらんねぇ!
俺はエースを助けに来たんだ!!」
そう言って加速すると共にミホークを迂回して先に進もうとするが、その動きは完全に見切られ、ミホークの斬撃が戦いの隙間を縫う様に飛び、ルフィを襲った。
「射程範囲だ。」
その勢いで壁まで吹き飛ばされ、体勢を立て直す前に上からオキタが襲い掛かる。
それを間一髪で避け、追い付いてきたミホークとオキタの二人から距離を取る。
二人は横並びになりながらも何の会話もせずにいる。
「どいてろ麦わら!!
俺達が止めてやる!!」
そう言って2人に向かって4人が、武器を持って走って行く。
「鷹の目ェ!
俺達を覚えてるかァ!?」
「おめェに昔挑んだ男だ。
しかし今やパワーアップした"新人類"!!」
「そして俺らは
「あの時の借り、返させて貰うぜ!」
だが、その程度で二人を止められる筈もなく、
「虫ケラの顔などいちいち覚えちゃいない!!」
「後で斬りに行く予定でしたが、そちらから態々来てくれるとは好都合ですね。」
鎧袖一触、一瞬の内に斬り伏せられる。
それを見たルフィは自分でどうにかするしか無いと、反撃に出ようとする。
「にゃろ…!
ゴムゴムのJETバズ…!!?」
が、攻撃の直前で技を地面に叩き付けて強制的にキャンセルする。
(純粋な直感か……もしくは見聞色の覇気か。
まあ、どちらでも構いませんが。)
そこで出来た隙にオキタは一気に懐に入り込んで心臓目掛けて突きを放つが、これも間一髪で避けられる。
そのまま二人の猛攻を致命傷だけは回避しながら凌いでいく。
そこに後から走って来ていたバギーの一行が差し掛かる。
「! ゴムゴムのJET身代わり!」
「テメェ麦わらァ!
いきなり何しやがギャアアアァァァ!!?」
斬撃を無効化できるバラバラの実の能力者であるバギーを盾にして二人の攻撃を止める。
「テンメェ!!
何しとんじゃ、麦わらァ!!!」
いきなり盾にされたバギーがルフィに掴みかかるが、バギーの後ろから迫るオキタ目掛けてもう一度投げられる。
「ゴムゴムの身代わり!!」
「邪魔です。」
だが、斬撃が効かないと即座に判断したオキタは刀ではなく、鞘を振るう。
「ぶべらぁッ!?」
顔面にクリーンヒットし、何処かに飛ばされていったが、ルフィは既にその場から走り去っていた。
「ありがとうバギー!!
おめェの事忘れねェ!!」
走り去っていくルフィに追撃を加えようとする2人だが、
「ビスタ!! ジョズ!!
援護しろよい!!」
「「了解!!」」
2人の前に白ひげ海賊団の隊長2人が立ちはだかった。
桜剣は沖田さんの二つ名です。
やっぱ考えとかないと色々と不便なので。
因みに大将になった時の二つ名の名前に入る動物は、壬生狼から取って狼かなと思ってます。
桜セイバーのまんまやんとか言ってはいけない、イイネ?