海風に舞う桜   作:座右の銘は天衣無縫

5 / 36
第四話

やって来ました! マリンフォード!

 

いやぁ〜〜、ついにやって来ましたよ、海軍の総本山です。

 

前回から数日、時に海王類とドンパチしたり、時にガープさんが他の海軍の軍艦に絡みに行ったり。

お風呂? 勿論、入りましたよ!

能力者ですからシャワーと半身浴でしたけど!

 

カームベルトに入ってからは晴天続きだったので気分も清々しいです。

 

そしてガープさんに案内されて着いたのは海軍本部の一室です。

数ある応接室の一つ、でしょうか。

 

ここで待ってろと言われたので待ってるのですが、暇なのでお茶を淹れて、それを飲みながら刀の手入れをしています。

 

我ながら意味の分からない状況です。

 

そして待つこと数分、コンコンとドアがノックされたので刀をしまって、どうぞ、と声をかける。

 

「失礼する。」

 

入ってきたのはカモメの剥製が乗った帽子を被った男の人です。

この人がガープさんの言っていたセンゴクさんでしょうか。

 

「初めまして。 オキタ・ソウジと言います。」

 

「大将のセンゴクと言う。 それで、君がガープの言っていた志望者かね?」

 

「はい。」

 

「ふぅむ。 年齢制限に引っ掛かるも実力は既に一般の海兵以上、か。 正直に言わせて貰おう。 海兵として迎えることには問題はない。 だが、特別扱いする訳にもいかない。 そこで訓練兵として海兵の養成所に入って貰うことになるが。」

 

「はい! 一向に構いません。」

 

「即答、か。 分かった。 養成所には明日から行くと良い。 ちなみにだが養成所では飛び級が認められている。 ガープから聞いたが、早く海兵になりたいなら、それ相応の実力が必要だ。 で、だ。 住む場所なのだが、実は訓練兵用の寮は今は空きがなくてな、そこで、何処か将校の家でも構わないか?」

 

「はい。」

 

「そして最後に、、君にとっての『正義』を教えて欲しい。」

 

「『正義』ですか。 う〜〜〜ん、、、、、やっぱり人を、市民を守りたいですね。 ただの自己満足かもしれませんけどね。」

 

「『護る正義』、か。 私は一旦失礼する。 住む場所が決まったら、また伝えに来るのでこの場所で待ってて貰いたい。 トイレはここを出て左にずっと行った突き当りを右、その先にある。」

 

「はい、ありがとうございました。 そして、これからもよろしくお願いしますね、センゴク大将!」

 

「! ああ、こちらこそよろしく。」

 

そう言ってセンゴクさんは部屋から出て行きました。

これからもよろしくお願いします、なんてまだ言うのが早かったですかね?

 

まあ、訓練がどれだけ辛かろうと音を上げるつもりも、諦めるつもりもありませんし。

遅かれ早かれ海兵にはなりますから、問題ない、、、ですよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side センゴク

 

ガープから聞かされていた期待の新人。

実際に会ってみて分かった。

 

相手が私という(自分で言うのもアレだが)大物にも関わらず、物怖じせずに自分の意見をしっかりと言える度胸。

そして何処となく人を惹き付けるようなカリスマ性も感じた。

さらに最後の言葉、人によっては生意気なまでの過剰な自信だと言うのもいるだろう。

 

だが私からすれば彼女は驕りも慢心もしていない。

確実に自分の能力がどれくらいかを把握し、その上で自信を持っている。

 

戦闘能力もガープからの話ではピカイチ。

アレはキッカケさえ掴めれば大化けする逸材だ。

 

今のご時世に彼女のような逸材が入ってきてくれるのは本当に喜ばしい事だ。

最近はガープの報告に胃を痛めるばかりだったが、その分の報いがようやく回ってきてくれたな。

 

さて、彼女の住む場所を決めねば。

取り敢えずクザンとサカズキ、及びその一派は除外だ。

まだ訓練兵なのに奴らに染められるかもしれん。

と、なるとボルサリーノとその一派か。いや、ゼファーもアリだな。

 

うむ、ゼファーが良いだろう。

奴なら彼女の『正義』を殺さずに育ててくれる。

 

それに奴は養成所の教官だ。

他の訓練兵と比べれば待遇が良いが、仕方あるまい。

先行投資だ。

 

さて、養成所に話を通しに行き、ゼファーにも言っておくか。

どうせ養成所で訓練兵を扱いている最中だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 沖田

 

ああ、お茶が美味しいです。

結構良い茶葉を使ってますね。

 

お菓子、、は控えておきましょう。

間食は女性の天敵です。

 

コンコン

 

あ、戻って来ましたね。

さて、何方のお宅に泊まることになるんでしょうか。

 

「入るぞ。」

 

うわお、何か凄い体の大きな男の人が入ってきました。

その後ろにセンゴクさん。

 

「この娘か? センゴク。」

 

「ああ。 元海軍大将、現海兵養成所の教官のゼファーだ。」

 

「あ、はい。 明日からお世話になります。」

 

「いや、今日からだ。」

 

「あ、じゃあこの人のお宅に?」

 

無言で頷かれました。

 

「分かりました。」

 

「ついて来い。 案内してやる。」

 

「は、はい。」

 

そのままゼファーさんの後ろをついて行くのですが、

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

会話が、、会話が無いぃ・・・・!!

 

どうするんですか、コレ。

メチャクチャ気まずいですよ。

 

「・・・・・センゴクから聞いた。 期待の新人だそうだな。」

 

「え、あ、まあ。 そう言う風になってますけど、私としては全然まだまだだと思ってます。」

 

「フッ、そうか。 一つ言っておくが、俺は相手が居候の人間だろうと訓練では手は抜かんぞ。」

 

「の、望むところです。」

 

「そうか。」

 

会 話 終 了

 

え、こんなの何日も続いたら流石に沖田さんグロッキー状態になりますよ。

 

何か、何か会話の種になるようなものは、、、、

 

「ぜ、ゼファーさんって家族とかいるんですか?」

 

そう、誰にでも通用する家族の話!

 

「・・・・前は妻と息子が居た。」

 

「居た?」

 

「俺への復讐に来た海賊に殺されたんだよ。」

 

しまったぁぁ! 地雷踏んだぁぁ!!

すっかり忘れてました!!

 

そうだ、この人海賊に家族と教え子殺されて、教え子を殺した海賊が七武海になったのが理由でネオ海軍創ったんでした!!

 

「す、すみません。」

 

「気にするな。」

 

ゴメンナサイ、無理ですぅ!!

 

「似た者同士だ。 お前も俺も家族を海賊に殺された、な。 傷の舐め合いをする気は無いが、互いに他の奴らには話せない事も話せるだろうよ。」

 

「しょ、正直有って欲しくない似た者同士ですね。」

 

「同感だな。 着いたぞ。」

 

丁度良いタイミングでゼファーさんの家に着きました。

 

「そう言えば私物は無いのか?」

 

「え? あ、はい。 今持ってるので全部ですね。」

 

刀二本と今着ている服だけです。

私がそう言うと、何か渡されました。

 

「真っ直ぐ行けば商店街がある。 雑貨やら服やら揃えてこい。」

 

渡されたのは現金でした。

それも結構な額。

 

「いやいやいやいや!? こんなに貰えませんよ!」

 

「じゃあ、これから服もそれだけで過ごすのか? 一応、妻のも残ってるはずだがホコリ被ってるぞ?」

 

「うぐ。 分かりました。 いつか絶対に返させて貰います。」

 

「返さなくて良い。 そのまま持っとけ。」

 

そういう訳にはいかないでしょうに。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。