ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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6.5章『陽だまりのTOKIMEKI CRISIS』
91話_決心するPhoenix


「IS様、L様、人間界でお忙しい中レギュラー出演のオファーを承諾して頂き、誠にありがとうございます。私、この番組のプロデューサーであるフミハル・アスモダイと申します。お二方、今後もどうぞ宜しくお願いします」

「此方こそ今回のオファー、嬉しい限りです。冥界に於いても此方で作り上げたゲームが身近になりつつある中、何時までも人間界での普及だけに拘ってはいけないと思っていた所でしたので」

「IS様やZ様が出られる中、二大天才ゲーマーの呼び声高い私も出ない訳には行きませんわ。それに今冥界では私達がこよなく愛するゲームに偏見を抱かれる方々が多いのも事実、我々の積極的な情報発信が冥界におけるゲームの普及には欠かせませんし」

 

駒王学園での体育祭を終えてから数日が経過したある日、此処冥界は魔王領ルシファードの中心部にあるTV局のスタジオにて、ゼファードルを主役としたゲームバラエティ番組『ZSTV』の初回放送分の収録が行われ、レギュラー出演者としてのオファーを承諾したらしい一誠とレイヴェルも当然それに参加、今は番組プロデューサーであり元72柱の一角アスモダイ家出身である、身体の所々から牛の如き角を生やした以外は普通の成人男性とほぼ変わらない風貌、ブラックスーツを身に纏いメガネを掛けた如何にもサラリーマンだと言わんばかりの出で立ちの悪魔――フミハルと挨拶を交わしていた。

今日は初回の収録とあって主役であるゼファードルや、レギュラー出演者である一誠達の紹介に重きを置いた放送内容にするらしく、其々のインタビューと、ゼファードルとレイヴェルのゲーム対決(実況は一誠)が収録される事となった。

 

「それでは、収録を開始します。お二方、どうぞこちらへ」

「了解です」

「分かりましたわ」

(今日はIS様と初めての収録、この時だけは他の方々もおりません。Z様からも「お前の想いのまま、ぶつかって行けよ」と応援を頂いた以上、悔いの残らない様に行きますわ!)

 

フミハルとの挨拶を終えたのを合図に他のスタッフから呼び出された2人、その中でレイヴェルは、収録終わりに自らの想いを一誠に伝えようと決意していた。

 

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「はい、OKです!皆様、収録の方お疲れ様でした!」

 

収録が終わった事を告げるスタッフの声、それと共に僅かながら緊張していた一誠達も何処か解けた様子となった。

幾らゲーム大会や発表会等の公の場に出る事が多いと言ってもTV収録は初めてである、それ故の緊張感は否めなかったのだ。

とはいえそれもひと段落した、それを受けて一誠は己に割り当てられた楽屋へと戻って行った。

 

「L、しっかりな。ISにお前の想い、ぶつけて来い!」

「はい。勿論ですわ、Z様!」

 

それを見てレイヴェルも己の想いを告げようと一誠の楽屋へと向かおうとする、そんな彼女に向け、ゼファードルはそう一声掛けた。

それに応ずる様にレイヴェルは、速足で一誠の楽屋へと向かった。

 

「IS様、お時間宜しいでしょうか?」

『L?ああ、構わないが』

 

数十秒後、一誠がいる楽屋へと辿り着いたレイヴェルは、扉越しに彼から許可を貰い、入って行った。

 

「そういえばL、駒王学園に転校してきて少しの日にちが経ったが、人間界での学校生活はどうだ?」

「お心遣いありがとうございますわ。ですが、心配ご無用ですわ。ゲーム好きに人間も悪魔も、貴族も平民もありません、直ぐにクラスの皆様と仲良くなれましたわ」

 

唐突なレイヴェルの訪問に少し驚いた様子の一誠だったがそれも一瞬の内、駒王学園に転校して来たばかりの彼女を気遣うなど、何時もの彼に戻った。

悪魔勢力において名門と言っても良い元72柱の一角フェニックス家令嬢であるレイヴェル、そんな彼女が人間界の、冥界における平民と同等の高校生達ばかりな学園生活に溶け込んで行けるのかと心配するのは彼だけでは無かったが、其処はゼファードルと並ぶ天才ゲーマーとして人間界及び冥界を股にかけて活躍中の彼女、何の心配も無かった。

 

「IS様、その人間界は駒王学園へ私が転校して来た件に関してなのですが。

 

 

 

恐らくは粗方お察しかと思われますが、今回私が人間界に来たのは私とIS様との、もっと言えばグレモリー家とフェニックス家との関係構築を諦めきれぬ支援者のごり押しで成された物です」

「っ!やはり、と言うべきか…

この前のパーティでのLの反応からしてまだ聞かされていなかったであろう転校の話が、幾ばくも経たない内に実現した事、知らされていた筈だろう義兄さんからの連絡が無かった事もそうだが、そもそもフェニックス家令嬢であるLが転校して来る時点でおかしいと思っていたが…」

 

いや、心配はあった。

そもそも今一誠が言った様に、フェニックス家のお嬢様であるレイヴェルには態々人間界の高校に通う理由が無い、ましてや冥界の学校から転校するという形式を取ってまで。

それにも関わらず今回の転校である、一誠も何となくその理由に感づいていたが、いざ本人の口から聞かれて、言い知れぬ感情が渦巻くのは当然であろう。

理不尽と言うしかない話をごり押しするフェニックス家の支援者達に、その根底にある思惑に対する怒り、そんな思惑に巻き込まれてしまったレイヴェルに対する心配…

 

「ですがIS様、いえ、イッセー様!私の想いは、支援者の思惑とは関わりありません!

 

 

 

私は、レイヴェル・フェニックスは、貴方をお慕いしております!でなければ例えフェニックス家の、悪魔社会の為と言えどこんな理不尽な話は受けませんわ!」

「え、L…?」

 

だが、それはレイヴェルの告白で吹き飛んだ。

 

「L、いやレイヴェル、俺は既に7人の恋人がいる」

「存じておりますわ」

「その今いる恋人達とさえ、恋人らしい事を中々させられないでいる」

「イッセー様はゲームクリエイターとしてお忙しい身、増して今は禍の団によるテロ活動への懸念から、ライダーシステム開発にも労力を割かねばならないと聞いております、致し方ない事情があるのは承知の上ですわ」

「更に言えば生粋のおっぱい星人だ、変態と言うしかない言動で不快な想いをさせるかも知れない」

「英雄色を好むと言いますわ、そうこなくては。私、おっぱいには自信ありますの」

 

レイヴェルの想いを聞き、最初は混乱の余り唖然としていた一誠、だがその意味を理解し、その想いの程を、己の現状を話した。

自らの性癖まで話す一誠、それでもレイヴェルの想いは揺れる事などなかった。

 

「其処までの覚悟を以て、政治的な思惑より生まれた理不尽に敢えて身を任せた、か。

 

 

 

なら、その想いを受け止めない訳には行かないな。此れからも宜しく頼む、レイヴェル。これからはゲームクリエイター『IS』とゲーマー『L』としてではなく、恋人同士として」

「!は、はい、イッセー様!」

 

その揺るがぬ想いを目の当たりにした一誠の答えは『YES』だった。

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