オーディンと日本神話の神々との会談から数日が経過したある日、
「義父さん、此処に俺との会談を望む方がおられるとの事ですが…」
「詳しくは向こうから口止めされているから言えないけど、イッセー君にとって馴染みのある、他勢力の方だよ。本来ならこの件には魔王様が同行すべきと言って良い程の存在なんだけど、外交担当であるセラフォルー殿は拒否を貫いているし、サーゼクスも色々と手が離せない様でね、魔王の親であり、イッセー君の義理の父でもある私が代行として選ばれたのさ。セラフォルー殿も最近、我儘が過ぎるのでは無いかな…?」
他勢力の存在から会談を申し込まれた一誠と、その案内をする事となったジオティクスの2人は、魔王領ルシファードのとあるホテルに到着し、一誠との会談を望む存在が待っているだろう部屋へと向かっていた。
その折、己が今回の会談で同行を任ぜられる事となった経緯を思い出し、他勢力との交渉担当であるにも関わらず拒否の姿勢を貫いたセラフォルーへの不満をぶつぶつと呟き始めるジオティクスだったが、余談である。
「ほっほっほ、今一度来たぞい」
「い、イッセーさん、今日はよろしくお願いします」
「お、オーディン様に、ロスヴァイセさん!?何故此処に!?」
他勢力の偉い人らしき存在が待っているであろう部屋へと辿り着き、入室する一誠とジオティクス、其処には、会談後直ぐに帰国した筈のオーディンと、ロスヴァイセの2人がいた。
「ISよ、初めて会うた時に話した事を覚えておるか?」
「話した事…まさか?」
「そうじゃ、ロスヴァイセを嫁に貰ってはくれんかと頼んだじゃろう、
その事で今日は改めて、ロスヴァイセ本人も交えて話をしようと思うてな。これは事前にお主の義兄であるサーゼクスにも話しておる、向こうも乗り気でのう、後は当人同士がどう思うておるかのみ。其処で今日、その場を設けて貰ったのじゃ。ささ、立ち話も何じゃ、はよう座らんか」
「あ、はい」
「失礼します、オーディン殿」
北欧に帰った筈のオーディンとロスヴァイセが何故いるのか思わず聞く一誠、それに対するオーディンの答えはなんと、
「あ、改めまして、オーディン様の秘書である、ロスヴァイセと申します」
「は、はい。改めまして、リアス・グレモリー様の『兵士』、兵藤一誠と申します」
「随分堅苦しいのぉ、お見合いかっ!」
「事実上のお見合いですよ、オーディン殿」
一誠とロスヴァイセとのお見合いの為の再来日だった。
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「どうかなイッセー君、1人の男としてロスヴァイセさんは?」
「そうですね、義父さん。以前オーディン様がおっしゃっていた通り、色んな所に気配りの出来る、しっかりした女性だと、魅力的な方だと思います。俺自身、一度でも使うと決めたらタガが外れたかの様にお金を使い込んでしまう面があるので、そういう時に手綱を引いてくれる方がいると有難いですね」
一誠もロスヴァイセも何処か緊張した様子で始まったお見合いだったが、既に見知った仲だったが故、直ぐに会話は弾み、其々の人となりを色々と知って行くにつれ、お互い相手に惹かれていっていた。
「ロスヴァイセさん、オーディン様から聞いているとは思いますが、俺には既に8人もの恋人がいます。もし貴方と、その、結婚を前提とした関係になるとしても、貴方には寂しい想いをさせてしまう」
とは言え一誠には既にリアス、朱乃、アーシア、白音、黒歌、イリナ、ゼノヴィア、そしてレイヴェル…
既に8人も恋人がいる身、そんな自分を受け入れてくれるのか、と不安になった一誠が聞こうとしたが、
「わたすは何番目でも構わねぇだ!イッセーさがわたすの事を想ってくれるなら!」
それは杞憂だった。
「わたす?」
「ねぇだ?」
「…ロスヴァイセよ、素が出ておるぞ」
ロスヴァイセの口からふと出た、方言丸出しな言葉遣いに一誠とジオティクスがポカンとしている一方、オーディンは彼女の『素』の言動に頭を抱えていた。
「はっ!?す、すいません、つい慌てた時の癖が…
い、イッセーさん、今のは忘れて」
「…可愛い」
「ふぇっ!?か、可愛い、ですか?」
ロスヴァイセも思わず出てしまった己の『素』に恥ずかしくなったのか慌て、呆れられてしまったかと焦る彼女だったが、一誠の反応はまるで違っていた。
ロスヴァイセの思わぬ一面が可愛く見え、また少し彼女に魅力を感じたのだ。
「ロスヴァイセさん。俺で良ければ、宜しくお願いします!」
「はい!此方こそ不束ですが宜しくお願いします、イッセーさん!」
色々とハプニングがあったが、こうしてロスヴァイセは一誠の婚約者になったのだ。
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「うーん、やはりコイツを通常サイズのガシャットに押し込むのは、今の技術的に無理があったか…」
ロスヴァイセが一誠の婚約者として悪魔勢力に移籍、その折にリアスの戦車として転生し、駒王学園の公民教師に就任してから数日が経ったこの日、一誠は自室にて渋い顔をしながら、完成したばかりの、いや、完成したとは正直言えそうもないガシャットを見つめていた。
『TADDLE LEGACY』の文字と威風堂々とした騎士が佇む姿がデカデカと描かれたラベルが貼られたそのガシャットは、白を基調とした本体部がまるで大理石の様な風合い、金色のグリップガードがアンティーク調の形状となっている等、今までのガシャットとは違った豪華な外見となっていた。
だがその本体部は所々破損によって基盤が剥き出しになり、其処から断線したらしい配線が飛び出してしまっていて、端子部にすら配線が無造作に飛び出してしまっていた。
『タドrル、レガsシー!』
「一応ライダーガシャットとして使えなくは無い様だが、破損している状況下で酷使させる訳にも行かない、ロスヴァイセに何かあっては不味い。後でコイツのデータをデュアルサイズのガシャットに移植し、ガシャット本体は捨てよう。デュアルサイズのガシャットなら問題なく収まる筈だ」
とは言えスイッチを押せば、タイトルをコールする声と共に、一誠の背後にラベルのそれと同じ絵柄のスクリーンが登場する事から、ライダーガシャットとして使える状態ではある。
然しながらタイトルコールの声が途中で途切れたり、スクリーンもノイズが走ったりで、十全に使えると言えないのは明らかだった。
例によってバグスターウィルスに対する免疫付加処置を施され、ライダーに変身出来る程の適性が判明していたロスヴァイセに渡す予定だったこのガシャットだがこんな状態で渡して、それを使用した彼女の身に何か起こってしまったら、そう危惧した一誠は、デュアルサイズのブランクガシャットにデータを移し替える事にし、破損してしまった方は廃棄する事を決めた。
(ちゃんと使えるのに捨てるなんて勿体ないですよ、イッセーさん!そのガシャットは私用のみたいですし、捨てる位なら貰っちゃいます!)
そんな一誠の言葉をロスヴァイセがしっかり聞いていて、それを受けて彼女が勿体ない精神丸出しにしていたとは、彼は気づかないままだった…
次章、ハイスクールDevil×Ex-aid――
「京都と言えばてんいち始まりの地!折角京都に来たんだ、てんいち総本店で昼飯にしようじゃないか!」
「ヴァーリって、こんなにテンション高かったっけ…?」
「確か美猴が言っていたな、ラーメンの事となると人が変わると」
修学旅行で京都の地へとやって来た一誠達――
「IS殿、母上をお頼み申しまする!」
だがこの地にも、禍の団による魔の手が迫っていた――
「八坂殿、我々と共に来て頂こうか」
京都の妖怪達を統べる八坂の身を狙う、禍の団・英雄派――
「会いたかったぜ、クソ兄貴!」
「俺は会いたくなかったよ、クズが…!」
そして、思わぬ存在との、再会――
8章『修学旅行はHURRICANE NINJA』
お久しぶりです、不知火新夜です。
また投稿が遅くなってしまってすいませんでした。
さて、今後の予定ですが、6月中は諸事情がある為、8章の投稿は7月になってからとさせて頂きます。
続きを待っている方、本当にすいません。