ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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106話_そしてNext Dayへ…

「折角IS殿達に来て頂いたばかりか、母上の頼みも聞いて頂いたのじゃ、何のもてなしも無しでは申し訳ない。此処は我ら『裏京都電子競技倶楽部』の実力をお見せする事を以てもてなしとしよう!」

 

一誠が、八坂からの護衛の依頼を快諾してから数分後。

家屋が立ち並ぶ地域の一角にある木造の集会所を思わせる外見ではあるが、その内部は様々なアーケードゲームの筐体が立ち並ぶという何ともミスマッチな業態の施設――裏京都に唯一存在するゲームセンター『裏京都電子遊戯館』に、九重にそう言われ勧められるまま招かれた一誠達は其処で、彼女達のゲーマーとしてのハイレベルなパフォーマンスに釘付けとなった。

まずは言い出しっぺである九重はドレミファステップをプレイ、

 

「『初音ミクの消失-DEAD END-』のREALIZE!?幾ら妖怪と言えど無茶」

「まあまあ見ていてください、皆様。九重様の、我らのリーダーの、『2B(トゥービー)』の実力を!」

「2B?何処かで聞いた様な名前だ。確か…」

 

したのだが、その選曲と難易度設定はは無茶であると一行が止めようとした。

未だにレイヴェルもゼファードルもクリア出来ないその曲、妖怪と言えどまだ幼い九重に出来る筈がないと制止しようとしたが、それは狼の様な顔をした山伏姿の妖怪――木の葉天狗の少年に阻まれた。

こうして始まった九重のプレイ、一行の殆どが無理だと言わんばかりの視線を向ける中、木の葉天狗の少年が口にした名前に何か引っかかるものがあった一誠は、もしやと考えた。

そして、

 

「うーん、惜しいのじゃ。MISSは0じゃが、POORがあるとは…」

「く、クリアしただと!?しかも殆どパーフェクトに近い…!」

「信じられない、あの体躯の何処にあれ程の脚力とスタミナが…」

「す、凄いです!まるでタップダンスみたい…」

「いやアーシア、タップダンスでもあんなマシンガンみたいな激しい踏み込み音しないと思うよ」

 

見事にクリア、しかも殆どパーフェクトに近い形で完走して見せた。

年端も行かない九重が見せたスーパープレイに一同が驚く中、

 

「思い出した…!

つい最近、初めてこの曲のREALIZE譜面を完走したというニュースが流れ、そのクリア動画がアップされていたのだが、そのプレイヤーの名が2Bだ!まさか九重がその2Bだったとはな…」

「IS様はご存じでしたか。ええ、彼女こそが我ら裏京都電子競技倶楽部のエースである九重様こと、天才ゲーマー2Bです!今はまだ幼き身、この裏京都を統べる八坂様の後継という立場も相まって公式大会への出場は叶わないままですが、何れはあのLやZ、2大天才ゲーマーとも比肩しうる方ですよ!」

 

一誠は以前、彼女が実際に完走した光景を映したプレイ動画を見ていたのもあって、

だが、それだけでは終わらなかった。

 

「妾は複雑怪奇なタイプのゲームにはどうもついて行けん。どちらかと言うと『バンバンタンク』みたいなシンプルなゲームが好きじゃ」

 

と言った八坂は、一誠が開発した、戦車を駆って敵軍の本拠へと単身突っ込んでいく縦スクロールシュータータイプのシューティングゲーム『バンバンタンク』をプレイ、

 

「じゅ、十六連打…」

「な、何か声を掛けた瞬間、P(ペサンテ)40持ち出して戦車砲ぶっ放してきそうな気迫を感じる…」

「もしくはC(カルロ)V(ヴェローチェ)33を乗り回しながら機銃掃射して来そうだ…」

「…!」

 

したのだが、画面の光景に集中する余り無言となり、某元祖ゲーム名人の代名詞である、ボタンを押す指を意図的に痙攣させる事で小さく早く連打する連打方法――通称『十六連打』を駆使し、出て来る敵や障害物を一網打尽にしていた。

かと思えば、

 

「レッツゴーカズキぃぃぃぃ!」

「此処で超必殺を叩き込んで終わりです、ダイゴさん!」

「甘いわ葉山家の小童風情が!全てブロッキングしてくれる!」

「此処でカズキの超必殺を、ダイゴがブロッキングで凌いだ!これはカズキにとっては大誤算か、なんちて」

 

先程の木の葉天狗の少年、葉山(はやま)和希(かずき)と、烏の様な羽を背中から生やした山伏姿の妖怪――烏天狗の青年、風間(かざま)大悟(だいご)がバクレツファイターで対戦、残りHP1まで追い込まれた大悟の操作キャラに和希が超必殺を叩き込もうとするも、瞬時の判断でそれをさばき切り、超必殺技発動後の硬直状態に陥っていた和希の操作キャラに逆転の一撃をお見舞いするという、何時ぞやの名勝負の再現を見せるという光景もあった。

 

「凄いな、裏京都のゲーマー達のパフォーマンスは。まだまだ世に知られていないだけで、相当の実力を有したゲーマーはゴロゴロいるのかもな、裏京都電子競技倶楽部の皆、とりわけ九重の様な」

 

そんな裏京都電子競技倶楽部のゲーマー達による、世界で活躍する有力なゲーマー達にも見劣りしないパフォーマンスに一誠は喜びを露わにした。

 

「IS殿、どうか母上をお頼み申しまする!」

「ああ、九重!八坂さんは俺が、俺達が守って見せる!」

 

そして帰り際、母を思う九重の言葉に、一誠は快く応じた。

 

------------

 

「然しイッセー、二つ返事で応じて良かったのか?」

 

裏京都を出て、宿泊場所である京都サーゼクスホテルの部屋に戻った一誠とヴァーリ、其処でヴァーリは一誠の判断の意図を聞いた。

 

「今この京都には裏京都の妖怪達や俺達だけじゃない、バラキエルにセラフォルー・レヴィアタンといった各勢力の実力者がいる。八坂襲撃の首謀者が禍の団で、また襲撃を仕掛けようとしているのは明白ではあるが、だとしても彼らに任せればいい話ではないのか?幾らクウガとかいう存在に一誠を頼れと言われたという話があるとしても…」

「いや、無理だろう。俺の推測が正しければの話だが、禍の団との戦いはもう、俺達ライダーの力が無ければ泥沼化するだろう。それこそ『超越者』である義兄さんら実力者をつぎ込まねばならない位に」

「何?どういう事だい、イッセー?」

 

セラフォルーやバラキエルら実力者がいる以上、一誠達が首を挟む必要は無いと問い質そうとしたヴァーリだったが、一誠はそれを両断、

 

「禍の団の一派である英雄派が各勢力の重要拠点に何度も襲撃を仕掛けているのは、今更確認するまでも無いな。その目的はアザゼルさん曰く、神器持ちの禁手化を強引に至らせる為であると」

「ああ」

「だが、それだけで貴重な神器使いを使い潰すとは正直思えなかった。龍の手(トゥワイス・クリティカル)の様なありふれた神器ですら千に届くかどうかの割合でしか存在しない。そんな貴重な神器使いを、その様な目的『だけ』で使い潰せる程、人員に余裕がある訳じゃないと思う。襲撃の目的は他にもあると以前から考えていた」

 

自らの『推測』をヴァーリに話し始めた。

 

「其処で今日聞いた八坂さんへの襲撃に関する話。バラキエルさんからの話では、八坂さんの実力は魔王様や龍王にも比肩する程。にもかかわらず連中が使役した魔獣らしき存在に、八坂さんを含めた妖怪達の攻撃が殆ど通じなかった。という事は…!」

「成る程、奴らは構成員達の禁手化を強引に至らせるだけでなく、各人外達の情報を収集し、魔獣か、それに似た存在を生み出す神器を有した存在が、その情報を基にしたアンチモンスターを作り出す為に襲撃を仕掛けて来ていた訳か。随分と抜け目ない奴らだ」

「ああ。バカの一つ覚えと軽く見ていたが、訂正せざるを得ないな。だが、そんな奴らでも、情報を集められなかった人外がいる。それが」

「バグスターウィルス、及びその力を得て戦う仮面ライダー、という訳か」

「今話した事は全て俺の推測だが、クウガの攻撃が普通に通っていたのも、クウガが俺達仮面ライダーと同等の存在であれば説明が付く」

 

各人外勢力の重要拠点に度々襲撃していたのは禁手を強引に引き起こすだけでなく、人外の情報を集める為、それを基にしたアンチモンスターが作られている以上、堕天使であるバラキエルや、悪魔であるセラフォルーが幾ら実力者であろうと通じない…

そんな悲観的な、だが嫌でもそうだと納得出来てしまう推測を聞き、流石のヴァーリも頷かざるを得なかった。

 

「今や禍の団は、各人外に対する対抗戦力を有している。それを無視出来るのが俺達仮面ライダーだけである以上、俺達が戦わなければ、禍の団を討伐せねばならない。奴らが仮面ライダーにすらも対抗出来てしまう前に…!

 

禍の団との戦いは、京都の地で終わらせる。絶対に…!」

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