ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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107話_Second Day

修学旅行2日目。

昨日はてんいち総本店での昼食に、銀閣寺と金閣寺を訪ねる等、京都市北東側に位置する北区と左京区方面を回った一誠達、今日は京都市西側に位置する西京区と右京区に跨る、日本紅葉の名所100選にも選ばれている名勝、嵐山へと向かう事にした。

まず初めに訪れた天龍寺、室町幕府の初代将軍であった足利尊氏が、政敵であった後醍醐天皇を弔う為に、亀山殿という亀山天皇の子孫の離宮を改める形で建立されたこの寺院にやって来た一行が敷地内へ入ると、

 

「イッセー殿、待っておったぞ。方々も、今日は宜しく頼む」

「はい、八坂さん。今日は宜しくお願いします」

 

其処には昨夜、護衛を依頼して来た八坂が待っていた。

禍の団からその身を狙われている最中に裏京都から出て大丈夫なのかとツッコまれそうな状況だが、それについては今日の早朝、修学旅行中での八坂の身の振り方について妖怪達が話し合った所、何と当の本人が名所のガイドを兼ねて一誠達に同行すると言い出したのだ。

当然と言うべきか八坂のその発言を、話し合いの参加者揃って止めようとした。

妖怪の攻撃が効かない魔獣を使役出来るというアドバンテージがありながら、妖怪達の本拠地である裏京都に乗り込まず、会談の為に出て来た所を襲撃して来た事を鑑みれば、禍の団に裏京都へ直接殴り込む術を持っていないのは明白、此処は裏京都で待機しているのが最善ではないか、と。

だが八坂は、

 

「それは妾も分かっておる、この地で身を潜めておれば彼奴等は手が出せん。何れ警戒態勢を強める事で動きづらくなるであろう、なるべく早くカタを付けたいが、妾がこの地にいればそれも叶わぬ。

 

じゃがそれは妾達とて同じ、いや彼奴等以上に時間が無いのじゃ!イッセー殿が、仮面ライダーの方々が京におられるのは何時までじゃ!?今日も含めて3日、いや2日余りしか無いのじゃぞ!何れ帝釈天殿の使者と色々と話す機会もやって来る、其処を突かれてしもうたら妾は一たまりも無いわ!」

 

それを分かった上で、一誠達仮面ライダーが滞在している今のうちにカタをつけたがっており、自らを囮として襲撃者をおびき寄せようとしていたのだ。

その悲痛な叫びに部下達はこれ以上諫める事が出来ず、結果として八坂の同行が決まったのだ。

 

------------

 

「色々な所を歩き回ったな、流石は京都の妖怪を統べる八坂殿だ。天龍寺に二尊院、常寂光寺といった寺社に嵐山竹林、まるで自分の庭の如く先導してくれた」

 

こうして同行する事となった八坂のガイドで天龍寺を始めとした嵐山の名所を回った一誠達は、ゼノヴィアが感心する通り、地元である事の利を活かした効率的な観光ルートを考案していた為、当初の予定よりも多くの名所を回る事が出来た。

とはいえ普段は裏京都にて妖怪達を統べる身分、こうしたガイド役は初めてだった為か所々たどたどしい場面はあったが。

 

「此処の湯豆腐は、昆布の出汁が絶妙に効いていて絶品じゃ」

 

そうこうしている内に昼間となり、これまた八坂のお薦めである湯豆腐屋で昼食をとる事にした。

 

「これはイッセー殿の分じゃ。此処は様々な薬味がある、色々と試してみると良いぞ」

「はい、ありがとうございます」

 

其処でも八坂は、普段なら絶対にしないであろう湯豆腐の取り分けをすすんで行い、薬味の存在など、食べ方のアドバイスまでしていたが、

 

「ゼノヴィア、アーシア。何か八坂さん、イッセー君に随分とくっ付いてない?」

「言われてみればそうだ。確かに護衛を頼んで来たのは八坂殿だし、やると言い出したのはイッセーだ、そのイッセーの側にいないのは可笑しな話ではあるが、だからとは言え、あれはべったりし過ぎだね。しかも自分をさりげなくアピールしている様な…」

「ま、まさか八坂さんも、イッセーさんの事が…!?」

「あるかもね、元々ISとしてのイッセー君のファンだったんだし。其処に絶体絶命のピンチから救い出すなんて言われたらコロッといっちゃうでしょ、そりゃ」

「流石に経験者が言うと説得力があるね」

 

そんな八坂の姿を見て何か感づいたのだろうか、イリナ達3人はそう小声で話し合っていた。

 

「うん、流石は八坂の肥えた舌を唸らせた湯豆腐だ。優しくも旨味溢れるいい味だ。それにしても、恋人が9人では終わらないか、イッセーの周囲の賑やかさは、留まる所を知らないな」

 

そんな光景をヴァーリは微笑ましい様子で眺めていた。

 

------------

 

そんな場面があった昼食も終わり、

 

「あっ、イッセーさん!八坂様の護衛、お疲れ様です!」

「ロスヴァイセ、お前も見回りお疲れ様」

 

見回りをしていたロスヴァイセとも合流し、嵐山での名所の1つである渡月橋へと辿り着いた一誠達だったが、

 

「危ない、八坂さん!」

「むっ!?こ、これは…!」

 

何かただならぬ気配を察知した一誠が八坂の元へ飛んだ次の瞬間、

 

「イッセーさん、八坂さん、これはもしや…」

「うむ。どうやら、妾を狙う輩がまたも仕掛けてきおったわ」

「ですね。あの霧といい、それによって飛ばされた先らしいこの真っ白な空間といい…」

 

一誠達3人に突如ぬるりと生暖かい感触が全身を包み、次の瞬間彼らは真っ白な空間にいた。

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