ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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110話_Third Day,不殺の極み

英雄派の襲撃から丸1日経過したこの日、八坂の案内で清水寺や祇園等を中心に回った一誠達。

その間も昨日の様な奇襲が無いかと警戒していた彼らだったが、幸いと言うべきか分からないが襲撃は無かった。

とは言え昨日の襲撃から英雄派が京都の地、或いはその周辺に未だ潜伏しているのは明らか、狙いも八坂の身であると判明した為、三大勢力や妖怪達、彼らに協力する人外勢力が戦力をこの地へと派遣し、英雄派及びそれ以外の禍の団関係者を捕えようと、この地を守ろうと包囲網を張り、一般人が巻き込まれる事の無い様、大掛かりな人払いの結界を展開していた。

一誠達もまた就寝時間でありながらホテルを抜け出して包囲網に参加、英雄派の襲撃を今か今かと待っていた。

…その1人である一誠は「変身前を狙わないとも限らない、昨日も変身する前に誠次郎から攻撃されたからな」と言って既にガシャコンキースラッシャーを装備、そのスロットに昨日完成させたばかりのガシャットを装填しているという半ばフル装備な状態で待機していたが。

そんな時、

 

「八坂さん伏せて!」

「む、分かった!」

 

一誠が突如、八坂に対して叫ぶ様に指示を飛ばし、咄嗟に彼女が伏せたのを確認した後、

 

「迷える魂に導きの光を!」

『キメワザ!マキシマムマイティ・クリティカル・フィニッシュ!』

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

そんな掛け声を放ちながら逆袈裟斬りの様な斬撃を、さっきまで八坂がいた空間へと放った。

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ…!?」

 

余りに突然な一誠の行動に皆が驚く中、その斬撃が虚空を薙ぐかと思われたその時、何かを切り裂いたかの様な音が響き渡り、其処からゲオルグと思しき叫び声が微かに聞こえて来た。

 

「うにゃ!?な、何か私の中に、もやもやしたのを纏った光球みたいなのが…」

 

と思いきや、その消滅した地点から霧の様な物を纏った光球が出現、それは黒歌の元へと向かって行き、そのまま彼女の身体へと入って行った。

 

「リプログラミング成功だ。これで英雄派はもう絶霧の力を使う事は、それによる強制転移を行う事は出来ない。それにしても、絶霧は黒歌を選んだか。相応しいと言えば相応しいか」

 

突如として自らの体内に入った物に混乱する黒歌、周りもまた一連の出来事に動揺を隠せない中、それを引き起こした一誠は1人、そう呟いていた。

其処へ、

 

「見た事無い紋様の魔法陣、それもかなりの大きさ…!

皆さん、襲撃の様です!」

 

一誠達の目前に出現した大きな魔法陣、其処から英雄派の大軍が現れた。

だが昨日一誠達が遭遇した時とは、様子がまるで違っていた。

絶霧を用いての奇襲を仕掛けて来なかったのもそうだが、その絶霧の使い手であるゲオルグは息も絶え絶えで、メンバーの肩を借りた状態で、一誠の姿を見つけるや否や、彼を睨み付けていた。

 

「兵藤、一誠…!

貴様、ゲオルグに何をしたぁぁぁぁ!」

 

大軍の先頭に立つ曹操は開口一番、何かを仕掛けたであろう一誠に対して叫ぶように問い質した。

 

『ガッシューン』

「昨日、大急ぎで完成させたこのガシャットの力さ。このガシャットが持つのは『不殺』の力。敵を殺さずして鎮圧させる、傷つける事無く無力化させる、そんな力だ!」

『マキシマムマイティエックス!』

 

その曹操の問いに対する答えとして、ガシャコンキースラッシャーに装填していたガシャットを取り出し、見せびらかしながら起動させた一誠、すると、

 

「イッセー君!?今、イッセー君の眼が…」

「イッセーの眼が、赤く…?」

「大丈夫ですか、イッセーさん!?まさか慢性的な寝不足の余り、充血ですか!?」

「え、それ本当なんですか、アーシアさん!?出撃して大丈夫だったんですか、イッセーさん!?」

 

突如として一誠の身に起こった異変、それにイリナ達は驚き、襲撃の真っただ中にも関わらず彼の身を案じた(黒歌は自らの身に起こった異変に対する混乱の余り、気付いていなかった)。

そう、ガシャットを起動した瞬間、他のガシャット同様にラベルと同様の絵柄が描かれたスクリーンが出現すると同時に、一誠の眼が赤く光り輝いたのだ。

だがこれは決して充血による物では無い、と一誠は自らの恋人達を宥める様に声を上げた。

 

「大丈夫だ皆、これは充血ではない。この眼の赤い輝きは、俺が極限に至った証。悪魔に転生してはや半年、様々な理不尽を目の当たりにしたり、様々な苦難に直面にしたりしながら強さを、皆を守る力を追い求めた末に至った、不殺の極致を示すものなり!行くぞ、トーテマ!」

『了解だ、父上!』

「今こそ、迷える魂に導きの光を!マックス大変身!」

『マキシマム・ガシャット!ガッチャーン!レベルマックス!最大級のパワフルボディ!ダリラガン!ダゴスバン!最大級のパワフルボディ!ダリラガン!ダゴスバン!』

 

己の進化を誇示するかの如く語る一誠、その後トーテマと呼んだガシャットを媒体とするバグスターと思われる、麦わらの一味であるサイボーグの様な声の主と言葉を交わし、変身動作を終えた。

だが銀色のパネルが彼の身体を通過した後に変化したその姿は、エグゼイドの基本的な姿であるアクションゲーマーレベル2と、装填しているガシャット以外は全く同じにしか見えなかった。

ところがその後、後方に出現したままになっているスクリーンから、

 

「で、デカァァァァァいッ説明不要!」

「何あれ!?エグゼイドの、顔!?」

「凄く、大きいです…」

「アーシア、その発言は色々と問題になるぞ」

「いやヴァーリさん、そう言うのも仕方ないと思いますよ。あの巨大な、ロボット?を見たら…」

「あれがあのガシャットの、力の根源…?」

 

エグゼイドの顔を巨大化した様な姿のロボット――マキシマムゲーマが出現したのだ。

その異様な姿に再び驚きに包まれる中、ガシャット上部のスイッチを押し込んだエグゼイド、

 

「はぁっ!」

『マキシマムパワー!エェェェェックス!』

 

それを合図にマキシマムゲーマの下部が大きく口を開け、それにエグゼイドは入って行く。

彼が入ったのを受けて、マキシマムゲーマから両腕、両足を含めた胴体が飛び出し、最後に入り込んだエグゼイド自身の頭が飛び出した。

 

「仮面ライダーエグゼイド・マキシマムゲーマーレベル99(マキシマム)!ノーコンティニューで、クリアする!」

 

一回り大きなロボットに乗り込んだ様な姿となったエグゼイド――マキシマムゲーマーレベル99は、着地と共にそう宣言した。

この宣言と共に京都を、八坂を巡る戦いは始まった…!

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