ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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112話_Third Dayの、戦いの終わり

マキシマムゲーマーレベル99となったエグゼイドが自らの力を振るい、英雄派メンバーから神滅具を奪取する少し前、此処でも異変は起こっていた。

 

「その程度かい?そんな様ではその魔剣が泣くよ!」

「くっ!これが仮面ライダーの力だと言うのか!?」

 

剣士繋がり故かジークと対峙するブレイブだったが、戦況はファンタジーゲーマーの力と、禁手化した魔剣創造の力を存分に発揮するブレイブが終始優勢であった。

ジークも、首から3本目の腕として出るという衝撃的な形で具現化する神器『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』――持ち主の力を倍にする――を活かし、投げつけるだけで戦士の身を両断する程の凶悪な切れ味と、五大龍王の一角であるファーブニルをも打ち破る龍殺しの呪いを併せ持った、北欧において最強の剣として知られるグラム等の3振りの魔剣を駆使して応戦するも、ドーム状の障壁で防御され、ワープによる奇襲を受け、纏う瘴気を腕型にしての打撃や、分身を形成しての体術、それが神器の力で次々と生み出される聖魔剣を握り、四方八方から振るわれては対応出来るはずもない。

ならば少しでも手数を増やそうと、腕を4本増やした禁手『阿修羅と魔龍の宴(カオスエッジ・アスラ・レヴィッジ)』を発現させ、残る2振りの魔剣と、教会のエクソシストが持っている光の剣も抜き放つが、結果は大して変わらなかった。

そして、泣きっ面に蜂という諺がある様に、英雄派にとっても悪い出来事は重なった。

 

「がっ!?あぁぁぁぁぁ!?」

「曹操!?」

 

そう、エグゼイドが曹操から神滅具を分離させたのだ。

まさかの事態に、自分が戦闘中であるにも関わらず、その方向へと向いてしまうジーク。

その隙をブレイブが見逃すはずもない。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「ぐっ!?あがぁぁぁぁ!?」

 

ジークの意識が曹操へと向いたのを見計らって、瘴気をジークの身に、魔剣を所持する腕に集中させ、腕をねじ切らんばかりに締め上げ、手指を強引に広げさせた。

ジークもブレイブがやろうとしている事に気付いて抵抗するも、その強烈なパワーの前には人の身である彼が耐えられる筈もなく、手放してしまった。

 

「グラムにバルムンク、ノートゥングにディルヴィング、そしてダインスレイヴ…

北欧にその剣ありと言われた魔剣ばかりだ。これはテロリストである君が、世界の平穏を脅かす君が持っていい物ではない、僕が頂こう!」

「馬鹿め、その魔剣たちは己が意思で使い手を選ぶ!君如きが使い手に選ばれるとでも思ったか!」

 

こうしてジークが手放した5振りの魔剣を、瘴気を操って奪取したブレイブだが、ジークの表情からは余裕が見受けられた。

 

「む!?この膨大な気、僕を飲み込まんとするプレッシャー…!

成る程ね、彼の言う通り、僕が使い手であるかどうかを試すという訳か…!」

 

彼の言う通り、ブレイブがその魔剣達を手に取ろうとした瞬間、それを拒絶するかの様に刀身から妖しい輝きを放ち、ブレイブに力をぶつけようとする。

 

「ふざけるな!作り物風情が、武器風情が神にでもなったつもりか!調子に乗るな!」

「なっ!?魔剣の力を逆に飲み込もうとでも言うのか!?なんて思い上がった事を!」

 

その行為に怒りを露わにしたブレイブは何と、腕から大量の瘴気を吹き上がらせ、魔剣を屈服させようと覆いつくした。

魔剣もそうはさせんと言わんばかりに妖しい輝きを強くするも、

 

「良いか!武器が生命を殺すのではない、生命が他の生命を殺すんだ!武器はその為の道具に過ぎない!道具を活かすも壊すも、それを使う生命の思い次第だという事を忘れるな!」

 

ブレイブの想いを体現するかの様に吹き上がり続ける瘴気の勢いに押されて行き、次々と瘴気に飲み込まれて、抵抗を止めた様に輝きを失ってゆく。

そして、

 

「僕が選んだんだ!この仮面ライダーブレイブが、リアス・グレモリー様の騎士、木場祐斗が!皆を守る為に、リアス様の想いを叶える為に!」

 

最後まで抵抗していたグラムも例外なく瘴気に飲み込まれ、それが晴れた後には妖しい輝きを失い、ブレイブの左手に装備されていた。

 

「あ、あり得ない。魔剣が君を選んだ、いや、君が魔剣を強引に支配したとでも言うのか…?」

 

一連の光景を目の当たりにしていたジークは、今起こった事が信じられないと言わんばかりに呆然としていたが、

 

「撤退だ!残念だが、実験は諦めざるを得ない!これ以上被害が拡大したら元も子もない!」

「くっ分かった…!

兵藤一誠!この屈辱は忘れないぞ!首を洗って待っているが良い!」

「今度はぜってぇにぶっ殺してやる、クソ兄貴!そして神滅具を返して貰うからな!」

 

ゲオルグの撤退を促す声に、弾かれる様に彼の元へと移動して突如として出現した魔法陣に入った。

英雄派の面々はどういう訳か1人の死者を出す事無く、誰一人欠ける事も無く、とはいえ何の成果を上げる事も出来ず、それどころか魔獣創造以外の神滅具、ジークが持っていた伝説の魔剣の数々を失うという結果を以て、曹操達が吐いた捨て台詞を残して去って行った。

 

「終わった、のか…?」

「おっと!大丈夫ですか、八坂さん?」

「う、うむ…

テロリスト共との戦いは、終わったの、だな。妾はもう、禍の団から狙われる事は、無いのだな…?」

「ええ、恐らくは。少なくとも英雄派が持っていた神滅具のうち3つは此方の物となりました、その中には絶霧もあります、よって急に何処かへと飛ばされ、奇襲を受けるという事は無いでしょう」

「そう、じゃな。わ、妾ともあろう者が、情けない。安堵の余り、腰が抜けてしもうたわ」

 

八坂を、京都の地を守り切り、神滅具を3つも奪取する等した末に撤退に追い込んだという、大勝利と言うべき結果に終わったこの戦い、もう英雄派の脅威に晒される事は無くなったのだと理解した八坂は、安堵の余り崩れ落ちていた。

 

「凄いな、木場。まさか伝説に聞く魔剣の数々を奪取するとは」

「イッセー君こそ、神滅具を3つも奪取したそうじゃないか。英雄派のリーダーから黄昏の聖槍を分離させる所、僕も見ていたよ」

「奪取、と言うべきなのか、あれは?俺がしたのはあくまで神器の所有に関する『初期化』まで、黄昏の聖槍がイリナを、絶霧が黒歌を、そして赤龍帝の籠手が俺を選んだのはあくまで神器の意思だ。実際、ヴァーリに宿っていた白龍皇の光翼も『初期化』したが、ヴァーリの身に留まったままだ」

『当然だ、イッセー。ヴァーリは歴代最強にして最高の相棒だからな。例え私に選ぶ権利があるとしても、私は迷わずヴァーリを選ぶ』

 

態勢を崩してしまっている八坂を介抱しながら、集まって来た仲間達とこの戦いを振り返るエグゼイド。

最高に近い形で平穏を守れた事で、晴れやかな気分となった修学旅行3日目は、こうして終わりを告げた。

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