ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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9章『学園祭のTADDLE FANTASY』
121話_Government内の抗争


兵藤一誠の弟である兵藤誠次郎が、テロ組織である禍の団に与していた――

この衝撃的な事実は全世界に、特に悪魔社会において瞬く間に広まる事となった。

 

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この事について話すにあたり、まずは悪魔社会の政治情勢について説明しよう。

現在の悪魔社会は、サーゼクスら四大魔王をトップとした所謂貴族社会で、魔王が主導して政を執り行ってはいるが事はそう単純には進まない、その政治構造に楔を打ち込んでいる勢力が存在するのだ。

それは元72柱の1位である『大王』バアル家を頭目とした貴族派、四大魔王よりも大王家を重要視し、純血である事や古くからの手法に拘る風潮の強い派閥である。

人間から転生したリュディガー・ローゼンクロイツがレーティング・ゲームにおけるトップランカー(現在7位)に登りつめて最上級悪魔となる等、表向きには実力重視を謳いながらもその実、純血を尊び転生悪魔を軽視する貴族主義な状況は、この貴族派が影響力を保持し続けている事による所が大きいのだ。

 

さて、そんな状況に少なからず変化を齎したのは最近の事、リアス達若手悪魔の、特にリアスとゼファードル、四大魔王と血縁にある悪魔達の活躍が切っ掛けとなった。

リアスは元々サーゼクスの妹という出自、バアル家出身の母ヴェネラナ譲りの滅びの力を宿した事による素質の高さ、『裏』の管理を担っている駒王町で(バグスター達の暗躍のお陰ではあるが)トップクラスの治安の良さを成し遂げた実績、絶世の美少女と言って良い端正な容貌とグラビアアイドル顔負けのスタイルから『紅髪の滅殺姫(ルイン・プリンセス)』として冥界において相当な人気を有してはいたが、今年になって一誠を眷属とし、彼が開発したライダーシステムを取り入れた事でめきめきと実力を上げていき、非公式とはいえライザー・フェニックスとのレーティング・ゲームで完封勝利、グリゴリの最高幹部であるコカビエルを処断、駒王学園にて実施された会談の場に乱入した禍の団への対処に主導的な役割を果たし、北欧の悪神ロキらによる襲撃を返り討ち、京都での禍の団・英雄派の襲撃を未然に防ぐという様に実績を積み上げた事でその人気は留まる所を知らず、彼女が会合の場で宣言した『兄と同じく魔王になる』という夢の実現も近い内に実現するだろうと見られる様になった。

一方のゼファードルは元々グラシャラボラス家を継ぐ立場に無かった上、人間界を度々放浪する(実際はゲーム大会に出場したり、弟子達のコーチングをしたりする為だったが)等の素業の悪さから『凶児』と忌み嫌われ、専門家の評価も若手悪魔の中で最下位ではあったが、サイラオーグとのレーティング・ゲームで大金星を挙げ、続くソーナとのレーティング・ゲームでも彼女やその眷属達をフルボッコにして大金星がまぐれでは無かった事を証明すると評価は一変、正式にグラシャラボラス家次期当主の座に収まり、今や『グラシャラボラスの若頭』として人気を不動の物としていた。

人間だった一誠が生み出したライダーシステムを手に活躍するリアスと、人間が生み出したビデオゲームでの活躍を引っ提げて悪魔社会に殴り込むゼファードル、方向性は違えど『若手二強』と称えられる程となった2人の活躍は、純血悪魔の転生悪魔達への意識を少しずつ変えて行く事となった。

一方のバアル家の次期当主であるサイラオーグ、ゼファードルとのレーティング・ゲームでの惨敗は勿論ではあるが、続くシーグヴァイラとのレーティング・ゲームでは勝利こそしたものの、そのやり方は『自らが最前線に立ちシーグヴァイラ及びその眷属を蹂躙する』という自分自身の高い戦闘能力に物言わせた作戦も何もないごり押し戦法だった事が災いして評価を得られず『若手二強』に対する『若手三弱』の一角に数えられる様になってしまった。

そんな四大魔王の親族ばかりが活躍し、大王家の跡取りが無様を晒す状況が、貴族派にとって面白くないと思うのは当然である。

一応サーゼクスの妻であるグレイフィアが、禍の団に加わっていた旧魔王派の家の出身である事、アジュカの血縁であるディオドラが禍の団と協力していた事、そもそもセラフォルーの妹であるソーナが『若手三弱』の一角に数えられている等、四大魔王の周囲に付け入る隙が無い訳では無いが…

そんな状況下で一誠の弟がテロ組織に加わったというスキャンダルに貴族派が食いつかない筈がない、貴族派の悪魔達は早速情報の裏どりを行い、それを冥界のマスコミ各社にリークする事で一誠の、彼の主であるリアスの失脚を、リアスの兄であるサーゼクスの影響力低下を目論んだ。

だがその矢先、

 

『兵藤家の恥さらしが一線を越えた 縁切りした筈の存在に苦しめられ続ける兵藤家』

『恥さらしによる悪行の数々 逆境に晒され続けた兵藤家の苦難の歴史』

『天才クリエイターに癌の如くへばり付く悪鬼 兵藤誠次郎の悪行三昧』

 

といったゴシップ記事が、悪いのは誠次郎自身のみであって一誠やリアスは、グレモリー家や兵藤家は一つも悪くないという論調が次々と掲載され、それらを掲載した雑誌等の媒体は一誠達の人気も相まってバカ売れ、世論は吐き気を催す邪悪だと言うしかない誠次郎の存在に振り回される一誠達に対する同情や、逆境にも負けず天才ゲームクリエイターとして大成した一誠を称えるものばかりと、貴族派の企みはものの見事に潰された。

この自分達の動きを先読みするかの如きタイミングで掲載された一連の記事、まさかこれは魔王達がリークしたのではないか、そう思い立った貴族派の面々は、

 

「サーゼクス、これは一体どういう事だ?」

「どういう事、とは?」

「しらばっくれるな!」

 

サーゼクスの邸宅へ出向き、彼を問い詰めた。

この行動の結果どうなったかは後に語る事としよう…

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