ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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↓遊戯王SEVENSの情報、並びにラッシュデュエルなる新ルールを知った時の感想。

超・占事略決じゃねぇか!


128話_Kingは1人、このボクだ!

「はぁっ!」

 

開始早々、小手調べだと言わんばかりに大量の剣型エネルギーを生成、ラードラへと射出するトゥルーブレイブ。

 

「甘い!」

 

ラードラもその攻撃は読めていたか、射出されるタイミングで斜め後方へと飛び上がって回避、火球を放つが、

 

「甘いのは其方ですよ!」

「やるな!」

 

瞬時にラードラの後方へと移動する事でそれを回避、そのまま斬りかかるも、先程の攻撃も含めて事前情報にあった為に即座に反応、尻尾を振りかざして剣撃を弾いた。

 

(このままでは埒があきませんね、ならば!)

 

一連の攻防を経て戦場を地上から空中へと移した両者、その戦況は拮抗していた。

トゥルーブレイブによる剣型エネルギーと、ラードラによる火球の打ち合いがあったり、トゥルーブレイブが持ち前の瞬間移動を駆使しての近接戦闘に持ち込むもラードラがそれを凌いだり、互いが相手に有効なダメージを与えられないまま時間だけが過ぎていた。

その状況を良しとしなかったトゥルーブレイブは、此処で捨て身と言って良い策を仕掛けた。

 

「くっ其処です!」

「な、がぁっ!?」

 

ラードラが大き目な火球を放とうとした瞬間、真正面に転移し、直撃するのも厭わずに斬りかかったのだ。

まさかの行動に驚いたのはラードラ、故に対処が遅れ、斬撃をもろに受けてしまった。

だが今しがた直撃した火球も高エネルギーの物、食らってタダでは済まないとラードラは思ったが、

 

「き、効いていない、だと!?ぐぁっ!?」

 

振り向いた先のトゥルーブレイブは全くの無傷、まさかの事態にまたも驚いた隙に連続で斬撃を浴びてしまい、それが決定打となってその身が転移の為の光に包まれて行った。

 

「効いていない訳ではありません。ですがレガシーゲーマーには元々、自分が受けた傷を自動的に回復する能力を有していたのです。今までは破損による悪影響か機能しませんでしたが、修復を遂げた今は問題ありません!」

「態々種明かしとは律義だな、貴様は…

凄まじい力だ。それ程の力を生み出す兵藤一誠、何とも恐ろしき叡智よ…」

 

その去り際、何故無傷でいられたのかをトゥルーブレイブは明かした。

その訳に何処か納得した様子で、ラードラは消え去った。

 

『サイラオーグ・バアル選手の『戦車』、リタイア!』

 

------------

 

『第四試合を終え、バアルチームは残り4名!ぎりぎりまで追い込まれました!まずは一矢報いたい所です!第五試合を開始します!』

「シュートアウト!」

 

第四試合が終わり、未だ全員健在なリアス側と比べてサイラオーグ側は残り4人、崖っぷちに追い込まれたと言っても過言では無い状況の中、リュディガーの掛け声と共に振るわれたダイス。

その目は、

 

『リアス・グレモリー選手、サイラオーグ・バアル選手、共に出した目は6!合計は最大値、12です!』

 

共に最高値の6、このルールで最も多くの眷属を出せる数となった。

これによってリアス側は勿論だが、サイラオーグ側にも複数の選択肢が齎される事となった。

現在サイラオーグ側で残っている眷属は、兵士の駒7つを有したレグルスと、残る1人となった『僧侶』のミスティータと『女王』のクイーシャ、そして駒価値12扱いのサイラオーグ自身。

今の状況ならミスティータとクイーシャの2人を出すか、サイラオーグ自身が出るかの2択を選べるという事である。

尤も、王自身がリタイアした瞬間に敗北が決まる以上、リスクの大きい選択は普通しないだろうが…

 

「白音や祐斗、ロスヴァイセが新たな姿を見せちゃったし、サイラオーグが自ら出て来る可能性もあるし、此処で仕掛けましょう。ギャスパー、行けるかしら?」

「はい!任せて下さい、リアスお姉様!」

 

とはいえ相手はシーグヴァイラとのレーティング・ゲームの際に自ら前線に立つという『普通しない』選択をしたサイラオーグ、自ら出て来るかも知れないと予測し、リアスは大胆な手を打った。

今まで新たな力を得た眷属を温存していた(が、出した眷属が新たな力に目覚めまくった)リアスだったが、サイラオーグが自ら出て来ても良い様にワイルドカード(新たなガシャットを手にしたギャスパー)を投入すると決めた。

 

「残りの駒9は…

朱乃、お願いね」

「うふふ、お任せください、リアス。ギャスパー君と共に、必ずや勝利をお届けしますわ」

 

となれば残る駒価値は9、ギャスパーと共に出撃させるのは朱乃に決まった。

 

------------

 

巨大な石造りの塔が並ぶフィールド、其処には、

 

「まさか、貴方達が参戦するとは。特に彼が出て来るとは思いませんでした」

「ギャスパー・ヴラディ、君の神器は使用が禁じられている筈。それでも出て来るなんてね…」

 

金髪をポニーテールにした女性――『番外の悪魔』アバドン家出身の『女王』クイーシャと、ギャスパーと同様に一見すると美少女に見えなくもない小柄な少年――断絶されていたと思われた元72柱の一角サブノック家の末裔ミスティータ。

 

「今、その訳を教えましょう…!」

『ガッチャーン…!』

 

対峙する2人の疑問に答えるべく話始めるギャスパー、その手にはアタッチメントを装着した事でバグルドライバーⅡにしたガシャコンバグヴァイザーⅡと、

 

『仮面ライダークロニクル…!』

「変、身!」

 

一誠から託されたガシャットがあった。

バグルドライバーⅡを装着してガシャットを起動したギャスパーはそのまま、

 

『ガシャット、バグルアップ!』

 

ガシャットを装填し、バグルドライバーⅡのスイッチを押した…!

 

------------

 

「此処は一体…?」

 

嘗て一誠達が陽太郎達との模擬戦の為に転移したステージを彷彿とさせる闇深い空間。

自らの媒介となっているガシャットを用いて変身しようとしたギャスパーに力を齎そうとしたゲムデウスは突然、この空間へ転移した。

まさかの事態に驚きを隠せなかったゲムデウスだったが、焦る事無く状況を把握しようとしている様は流石にバグスターの『王』と言うべきか。

そんな彼の前に、

 

「初めましてと言うべきかな、ゲムデウス」

「我が半身…?

否、その底知れぬ気配、もしやうぬが我と我が半身を繋ぎ合わせた…?」

 

ギャスパーそっくりな存在が現れた。

一瞬ギャスパーかと思ったゲムデウスだったが、ギャスパーとは似て非なる気配を感じ取り彼がギャスパーの様でギャスパーではない存在と察知、同時に彼こそが自分とギャスパーを繋げた存在だと、ギャスパーが自分の半身になれた要因だと見抜いた。

 

「流石はバグスターの『王』って訳か。そういう事になるね」

「それで、我をかような場へと呼び寄せるは如何なる訳か?」

「簡単に言えば、挨拶かな。これからギャスパーと一緒に戦うんだ、折角だからね」

「左様か。では改めて、我が名はゲムデウス。バグスターの『王』である」

「僕は、そうだね、ギャスパー・バロールとでも呼んでよ」

「我が半身が宿した神器の源流を名乗るか、大胆な奴よ。だがこれ程うぬに相応しき名も無い」

 

そんなギャスパーに似た存在――バロールと自己紹介したゲムデウスは、

 

「ではバロールよ、参ろうぞ。我が半身も待っておる」

「そうだね、ゲムデウス。今こそ我ら」

「「1つに!」」

 

闇深い空間に差した一筋の光へと向かって行った…!

 

------------

 

『天を掴めライダー!刻めクロニクル!』

 

所変わってギャスパー達がいるバトルフィールド。

今しがた変身準備を終えたギャスパー、直後に上空へと浮かび上がる緑のパネル、その後変身音声が流れる中でバグルドライバーⅡを囲う様に、時計の如き配置で出現するローマ数字、

 

『今こそ時は、極まれりぃぃぃぃ!』

 

1から12まで全て出現した次の瞬間、浮かんでいた緑のパネルがギャスパーの身を押しつぶすかの様に通過、消えた後には、

 

「第1位眷属は絶版だァ…!」

 

仮面ライダーの『王』と呼ぶに相応しい姿となったクロノス――仮面ライダークロノス・クロニクルゲーマーの姿があった…!


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