ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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3話_Devilとの会談

「粗茶です」

「ありがとうございます、朱乃先輩」

 

公園にて『堕天使』の少女から襲撃されるも難なく退けた一誠だったが其処でリアスと遭遇、話し合いを要求された彼はあっさりとそれに応じ、彼女が部長を務める『オカルト研究部』の、駒王学園旧校舎にある部室へと通された。

既にそこには部長であるリアス、部員だという事が判明した白音の他、白音の姉でオカルト研究部顧問を務める歴史教師の塔城黒歌(くろか)、オカルト研究部副部長を務める姫島(ひめしま)朱乃(あけの)、部員の木場(きば)祐人(ゆうと)の、オカルト研究部の全部員が集結、入って来た一誠に興味津々と言いたげな視線を向けていた。

リアスにも負けないスタイルの良さと温厚な性格から『駒王学園の2大お姉さま』のもう一角として知られる朱乃、背丈はともかく3サイズではリアス達にも匹敵するナイスバディな体躯と蠱惑的な雰囲気から『駒王学園のセクシーティーチャー』として有名な黒歌、イケメンで柔和な物腰から『駒王学園の王子様』として女子から絶大な人気を誇る祐人、そしてリアスに白音と、駒王学園における有名人が揃いも揃って自分に視線を向けているという状況に若干居心地の悪さを感じる一誠ではあったが、それも予想出来た事だと覚悟を決めて勧められた椅子に座り、朱乃から出されたお茶を一飲みした。

 

「それで、兵藤一誠君。ちょっと呼びにくいわね、イッセー、と呼んでもいいかしら?」

「はい。そちらが呼びやすい呼び方で構いませんよ」

「ならイッセー、何件か聞きたい事があるけど、良いかしら?」

「ええ」

 

それを切っ掛けとして始まった一誠とリアス達との話し合い、

 

「まずは、貴方がどれ位『この世界』の事に付いて知っているか、話して貰ってもいいかしら?」

「分かりました」

 

最初の、これから話し合う事に対する前提となるであろう質問に、一誠は答えていく。

 

突然だが、この世界に住まう『高度な知的生命体』は人間だけではない。

先程一誠を襲った堕天使や、その堕天使が『堕ちる』前の存在である天使、そして彼らと対立している勢力である悪魔といった『三大勢力』の他、各地の言い伝えに出て来る土着の神族に妖怪等、果ては魔獣やドラゴンと言った超常的な存在も、この世界で暮らしている。

その中でも殊に大きな影響力を有しているのが『三大勢力』であり、天使はこの世界の天上にあると言われる『天界』を、悪魔や堕天使はこの世界の地下の奥深くにあると言われる『冥界』を其々本拠地とし、この世界――俗に言う『人間界』に、少なからず影響を及ぼしている。

その代表例と言って良い物が『神器(セイクリッド・ギア)』や『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』であろう。

まず神器、これは天使勢力のトップである『聖書の神』が作り上げたシステムの産物であり、それを宿す事で様々な能力を有する事が出来、殊に『神滅具(ロンギヌス)』と呼ばれる激レアな神器は段違いの能力を有していると言われている。

因みにこれを先天的に宿せるのは人間、或いはその血を引く者のみであり、一応持ち主から奪い取る事で後天的に宿す事も可能ではあるが、持ち主の生命力、ひいては魂と密接に結びつくという性質上、抜き取られると死に至ってしまうし、後天的に宿した者も元から持っていた能力が使えなくなったり制御に全力を費やされる事を強いられかねなかったりもするが、これは余談。

次に悪魔の駒、これは一言で言うと、他種族を悪魔として生まれ変わらせるアイテム、である。

実を言うと三大勢力は遥か昔、其々の存亡を賭けた大戦争を引き起こした事によって勢力が大幅に弱体化、特にトップであった4人の魔王が揃って戦死した悪魔勢力が、事態を打開する為に開発したのが、他種族を自らの勢力に引き込める悪魔の駒である。

これを用いて、他種族の才有る存在を招き入れる事によって悪魔勢力は大きく持ち直す事に成功したのだが、それによる弊害もまた生まれた。

それが『はぐれ悪魔』と呼ばれる存在だ。

悪魔の駒によって悪魔に生まれ変わった存在――転生悪魔は、転生させた悪魔の眷属となるのだが無論、事はそう単純に運ぶ筈は無い。

中には無理矢理転生させられたり、眷属として過ごす中で主人への反逆の意志を募らせたりする存在もいるかも知れない。

はぐれ悪魔とは、そういった存在が主人を殺したり脱走したりして、お尋ね者となった悪魔の事である。

 

「と、これ位ですね、俺が知っている事は」

「ありがとう、イッセー。どうやら一通りの事は知っているみたいね」

 

と、一誠がこの世界の事、というか『裏』の事に関して自分が知っている事を全て明かし、リアスも一通り知っていると見て、満足げにうなずいた。

 

「それじゃあ次に、さっき見た時に変身、で良いのかしら?貴方がなっていたあのゆるキャラみたいな姿は一体何?」

「あの姿ですね。あれははぐれ悪魔の様な、この街を、この街に住まう人々の命を脅かす敵と戦う為に俺が生み出した戦士です。俺はあの姿を『仮面ライダー』と呼んでいます」

「仮面ライダー…!?」

 

そのリアスの次なる質問、先程変身していたキャラクターについての説明を求められて応じた一誠、その際に朱乃が何やら驚いた様な様子を見せたが、一誠は構わず説明を続ける。

 

「その仮面ライダーになる為の力を取り込んだのが、この『ライダーガシャット』です。このガシャットを、俺が腰に巻いている『ゲーマドライバー』に差し込む事で、仮面ライダーに変身出来ます」

「それが、そのゲームのカセットみたいな物が、その仮面ライダーに変身する力を…

聞いた感じでは神器みたいだけど、それらしき力は感じないし、何よりイッセーが作ったそうだから、神器とは違うみたいね。それ程の力が、本当に…」

「論より証拠、実演しますね」

 

そう説明しながら、据置型ゲーム機の様なバックル――ゲーマドライバーと、ゲームカセットの様な物体――ライダーガシャットを見せる一誠、その説明に何処か半信半疑な様子のリアスを見て、変身を実演する事にした。

 

『マイティアクションエックス!』

「い、イッセー先輩の背後に、何か画面みたいなのが!?」

「それに、空間が転移したかの様に歪んだ!?」

「これが、仮面ライダーの、仮面ライダーに変身するライダーガシャットの力…!」

「やっぱり、間違いない…!」

『おぉ父上、絶世の美女が勢ぞろい、これは実に心踊りますぞ!あ、序でにワタクシを滾らせるクソイケメンまでいるとは』

「ソルティ、お前は後で、パラドに絞められて貰うぞ」

『ち、父上!?そんな殺生なぁ!其処はせめてポッピーピポパポかギリルに!』

「な、何かスクリーンから変態丸出しな声が聞こえて来たのにゃ…」

 

その実演で繰り広げられる光景に驚きを隠せない一同、その中で朱乃は何処か確信めいた様に頷いていた中、スクリーンから聞こえて来たソルティの変態丸出しな声に、何とも微妙な空気が流れた。

 

「お前の空気を読まない発言でこの場が白けたんだ、その責任は後で取って貰う!それはともかく、行くぞ!ライダー、変身!」

『ガシャット!レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?アイムア仮面ライダー!』

 

そんな状況にしたソルティに対して厳罰を宣告した一誠、後ろから聞こえて来るソルティの抗議も無視し、一連の流れで先程変身したキャラクター――仮面ライダーへと、その姿を変えた。

が、

 

「更に行きます。皆さん、良く見ていてください!大変身!」

『ガッチャーン!レベルアップ!』

 

此処で更にワンアクション加わった。

ゲーマドライバーの前面にあるピンク色のドアの様な機構、その取っ手を右手で掴み、開くと、

 

「ハァッ!」

『マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション、エックス!』

 

前方に出現した姿見サイズの、戦士の絵がピンク色で描かれたパネルを通過すると共に空高く大ジャンプして異空間へと転移、そのアクションゲームのステージの様な異空間でジャンプや飛び蹴りの様なアクションを見せた直後、その身体は頭部を残して飛び散った、と思いきや残った頭部から身体が飛び出て、その状態で元の場所へと帰還した。

 

「俺が変身している仮面ライダー、その名はエグゼイド。アクションゲームをモチーフとした仮面ライダーです。先程の姿はアクションゲーマーレベル1、そしてこの姿は、アクションゲーマーレベル2!」

 

帰還した今の姿――仮面ライダーエグゼイド、アクションゲーマーレベル2の姿は、先程の姿――アクションゲーマーレベル1とは、大きく変わっていた。

ピンク髪を立たせた様な頭部や胸部のディスプレイこそ余り変わらないものの、その身は4頭身から8頭身位のスマートな体型へと変化し、ピンクを基調としたライダースーツに覆われ、背中にはアクションゲーマーレベル1の時は頭部だったパーツが背負われている。

そして関節部や脛といった急所部分に装着された装甲と、先程までのゆるキャラ感とは一線を画した、正に戦士と言える姿になった。

 

「仮面ライダーさん!」

「うおっと!」

「あ、朱乃!?」

 

と、そんな姿を見た朱乃が突如、エグゼイドに抱き付いて来た。

 

「ずっと、ずっと会いたかった、会って、あの時のお礼が言いたかった…!

まさか、イッセー君が仮面ライダーさんだったなんてびっくりですわ…」

「ああ、あの時の娘さんか!まさか朱乃先輩がそうだったとは、運命とは分からない物ですね…」

 

リアス達が驚くのにも構わずエグゼイドを抱きしめる朱乃、エグゼイドもまた、彼女と初めて出会った日の事を思い出し、その過去を思い返していた。

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