「此処が、俺の家です。ささ、どうぞ」
リアス達との話し合いを経て、彼女の眷属となった一誠、その際に「これから部長達とは家族も同然の身、ならば隠し事は無しで行きたい」と、彼女達全員を家に招待する事にした。
『裏』の事に付いて云々以前に突然他人の家に押しかけるのもどうか、と遠慮しようとしたリアス達だったが「家族は皆、『裏』の事を知っています。それにはぐれ悪魔の駆除の件でも家族が関わっていますし、管理者である部長と顔合わせした方が良いかと思いまして」と勧められ、応じた。
「ただいま。帰ったぞ、バガモン」
「お帰りだガ、父ちゃん。其処にいるのが、さっき言っていたお客さんだガ?」
「ああ。お茶の準備は?」
「ンガ。ささ、此方へどうぞガ」
数分後に一誠の家へと到着した一行、その玄関のドアを開け、待っているだろう家族に帰宅を告げる一誠、だが彼らを出迎えたのはバガモンと呼ばれた『異形』だった。
「あ、あのー、イッセー先輩?今のが、イッセー先輩の『家族』ですか?」
「イッセー君を父ちゃんと呼んでいたし、そう、だろうけど…」
「なんか、何処からどう見ても只物じゃ無かったのにゃ…」
「というか、イッセー君を父ちゃん呼ばわりって、イッセー君は高校生ですよね…?」
「一体何者なの、彼?は…」
何処からどう見てもハンバーガーにしか見えない頭と右肩、何処からどう見てもベルトコンベアにしか見えない左腕、辛うじて人の様に見えなくもないそれ以外の部分は全身鎧で覆われたバガモンの外見は、とても人には、一誠の『家族』には見えなかった。
「彼はバガモンと言います。詳しくは中で話しますが、彼、いや『彼ら』は俺が生み出した、文字通りの『家族』です。あ、何時も俺が昼に食べているハンバーガー、あれはさっきのバガモンが作った物です」
「え」
だがそんなバガモンも、一誠にとってはれっきとした『家族』だ。
そんな彼らについての説明をする為にもリアス達をリビングに招き入れた一誠、その際に告げた衝撃の事実によって白音が驚きの余り固まったりしたが、流された。
「粗茶をどうぞガ」
「あ、ありがとう…」
「バガモン、お茶入れて貰って直ぐに悪いけど、パラドとポッピーを呼んで来てはくれないか?部長達はこの街の『裏』の管理を担っている、お前達の事も紹介しておきたい」
「ンガ」
左腕――ベルトコンベアになっている左腕の先端に取り付けられたフック型の手で器用にお盆を持ちつつ右手でお茶を配る姿が何故か様になっているバガモンに未だ戸惑いを隠せないリアス達、一方で一誠にとってはもう慣れた光景なのかさして気にする事無く、何処かの部屋にいるであろう他の『家族』を呼ぶようバガモンに頼んでいた。
「さて、アイツが呼びに行っている間に話を進めますね。先程、俺が仮面ライダーに変身する為の力をライダーガシャットが有していると言いましたが、其処には、さっきのバガモンと同じ様な存在が、俺の『家族』達が関わっています」
「彼の様な存在が…?」
「もしかして、さっきのバガモンに、さっきイッセーがエグゼイドに変身した時に声が聞こえた、あのソルティとか言う変態っぽい奴はイッセーの使い魔的な存在で、その力を用いて仮面ライダーに変身しているって事なのかにゃ?」
「ご明察です、黒歌先生」
「な、何だか理解が追いつきませんわね。イッセー君が仮面ライダーだった事にも驚きですが、その力を提供しているあのバガモンという存在とイッセー君がどういう関係なのも…」
その間に話を進める事にした一誠、仮面ライダーへの変身にはバガモンの様な存在が関わっている事を話すと、黒歌がドンピシャな推察を立てた。
そう、黒歌の言う通り仮面ライダーは、ゲーマドライバーを介してライダーガシャットに取り込まれたバガモン達の『力』を用いて変身する戦士の事である。
「へぇ、アンタがこの街の管理者なんだ。流石親父が仲間入りを望む程のモノはある、が、まだまだそれを発揮する為のピースは全然揃っていないって所かな」
「ちょっとパラド、これからパパのご主人様になる人だよ!パパの顔に泥塗る真似はしないの!」
と、再び話し始めた一誠達の元に、バガモンと共に二人の人物がやって来た。
一人は水色のTシャツに紫色のレギンスを着用し、黒のコートを羽織った、パラドと呼ばれた少年。
リアスに対して値踏みする様な視線を向けたり、その大いなる可能性を見出しながらもまだまだ未熟だと言わんばかりの発言をしたり等の傲岸不遜な態度を除けばマトモな存在ではある。
パラドの態度を嗜めていたもう一人の、ポッピーと呼ばれた少女も、ピンク色のショートボブに音符の飾りが付いた王冠の様な髪飾り、パステルカラーを基調とした服装に音符やスピーカーといった音楽関係の物体を模した飾りといった出で立ちは奇抜ではあったが、それでも異形としか言いようのないバガモンと比べれば、これもまたマトモと言え、
「えーと、それってもしかして『ドレミファビート』に出て来る、ポッピーピポパポのコス?」
「コスじゃないよ、本人だよ!」
「ポッピー、オイラ達の事知らないのにそう言われても信じないと思うガ…」
無かった。
その少女の出で立ちは、元は同人ゲームとして産声を上げ、後に専用筐体を持ったアーケードゲームになる程の人気を有する事となった人気音ゲー『ドレミファビート』のマスコットキャラクター、ポッピーピポパポそっくり、というかコスプレだった。
「バガモンの言う通りだぞ、ポッピー。パラドも部長に対して失礼だろう、その態度は。まあともかく、お前達もこっちに座ってくれ」
それを祐斗に指摘され、何故か自分がそのポッピーピポパポだと主張するポッピーと、その言動に常識的な突っ込みを加えるバガモン、一誠もまたポッピーとパラドの言動を嗜めたが、今は説明が先かと思ったのか一言注意するに留め、3人に対して座る様促した。
「さて、改めて紹介します。左側にいる黒いコートの男はパラド。真ん中にいる女の子はポッピーピポパポ、呼びにくいならポッピーと呼んで下さい。そして俺の隣にいるのがバガモン。3人共俺の『家族』です。3人共、真ん中にいるのがリアス部長。知っているだろうけどこの街の『裏』の管理を担っている方で、俺の王となった方だ。で、その左側にいるのが朱乃さんと木場、右側にいるのが黒歌先生と白音ちゃん、4人はいわば、俺の同僚的な存在かな」
「パラドだ、宜しくな」
「皆宜しくね!ポッピーだよ!」
「オイラ、バガモンだガ!そういえば白音ちゃんってまさか、オイラが作ったハンバーガーを何時も絶賛してくれているって父ちゃんが言っていた…」
「は、はい」
「ありがとうガ、白音ちゃん!いやぁ『家族』以外に感想聞く機会なかったから、凄く嬉しいガ!」
「わ、私こそ、何時も最高なハンバーガーを作ってくれて、本当にありがとうございます!あ、さっき見た目の事で驚いてしまって、すいませんでした。イッセー先輩が中々バガモンさんに会わせてくれなかったのは、この事だったんですね…」
「白音ちゃんが謝る事じゃないガ。ゲーム画面の中で出るならともかく、リアルで出て来るのがこんな姿だったらびっくりするのは当然だガ」
その3人が座り、改めて互いの紹介をした一誠、その中でバガモンが、何時も自分のハンバーガーを美味しいと言ってくれる女の子が白音である事に気付き、満面の笑み(その顔付きの関係でいまいち伝わりにくいが)で白音に感謝の意を伝え、白音もまた何時も美味しいハンバーガーを作ってくれるバガモンに感謝と、先程その容貌の件も相まって固まっていた事に対する謝罪の意を伝えていた。
それに対して気にしていないとバガモンが返し、その場が落ち着いたのを見計らって一誠が口を開いた。
「彼ら3人の正体は『バグスター』、俺の家族であり、ライダーガシャットに力を与えてくれる存在であり、
13年前、俺が4歳の頃に生まれた、コンピュータウィルスをベースとした電子生命体達です」