ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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16話_魔の道on Stage

翌日の放課後、同学年である一誠とアーシア、そして祐斗は何時もの通りオカルト研究部の部室へと向かっていた、と言ってもいつもと変わらぬ様子の祐斗やアーシアとは違い、一誠は何処か物思いにふけている様子ではあったが。

 

「イッセー君、難しい顔をしてどうしたんだい?」

「イッセーさん、もしかして部長さんの事を…?」

 

そんな只ならぬ様子を察知したのか、2人が聞いて来る。

 

「ん?ああ、今日の部活の前に事情を話すとは聞いていたが、果たしてどの様な内容か、今から気になっている。部長は悪魔勢力のトップである魔王様とは兄妹、その立場ゆえに生ずるものでは無いか、と」

「確かに、気になりますよね…」

「そうだね。でも今から悩んでもしょうがないよ。部長の話を聞いてから考えよう」

 

そうした会話を交わしながら歩みを進める3人、やがて旧校舎にある部室へと辿り着いた、が、

 

「…まさか僕が此処に来るまでこの気配に気がづかなかったなんてね」

 

祐斗が何か気配を察知したのか、部室のドアを開けようとしていた手を止めた。

何の事だか分からないと言いたげなアーシアや、思案していた様子の一誠は気付いていなかったが、

 

「数メートルまで近づかねば気付かぬ程、気配を隠す技量を持った強大な存在、か…

気にはなるが、一先ず入ろう。此処に留まっていても何も始まらない」

 

祐斗の言葉で、部室内で待っているであろう存在を察知した一誠、然し外で待っていてもどうしようもないと考え、部室に入った。

其処にはリアスに朱乃、黒歌に白音が既に待機していた他、昨日会ったばかりのグレイフィアもいた。

心なしか、部室内はピリピリした雰囲気が感じられる。

朱乃は何時もの笑顔こそ変わらない様だが何処か底冷えのしそうなそれに見えるし、リアスは不機嫌な様子を隠せていない、黒歌は気だるげな体勢からぶつぶつと呪詛の様なものを呟いているし、白音は厄介事は御免だと言わんばかりに部屋の片隅に避難してお菓子を食べていた。

 

「全員揃ったわね。実を言うと、部活を始める前に話があるの」

「お嬢様、宜しければ私が話しますが…?」

「大丈夫よグレイフィア、私が話すわ。実はね…」

 

そんな何時もとは明らかに違う雰囲気の部室内で、オカルト研究部のメンバーが揃った事を確認、一誠達に事情を説明しようとするグレイフィアを遮り、自ら説明を始めようとするリアス。

 

「魔法陣?これは、グレモリーの魔法陣では無いな…」

「…フェニックス」

 

其処へ前触れも無く、グレモリー家の物とは違った形状の赤い魔法陣が出現した、その時だった。

 

「何!?まさか直ぐ使う事になろうとはな!アランブラ、頼むぞ!」

『タドルクエスト!』

「お任せあれ、お父様!ヒケース!」

 

今しがた出現した魔法陣から炎が噴き出した事、それを見た一誠が瞬時に懐から水色のライダーガシャットを取り出して起動させた事、その瞬間一誠の背後に『TADDLE QUEST』の文字と城壁がデカデカと映ったスクリーンが出現した事、其処から赤と白を基調としたカラーリングの魔法使いみたいな恰好をしたバグスター――アランブラが登場した事、そしてそのアランブラの掛け声と共に右手の杖から霧状の水流が魔法陣に噴射された事、一連の出来事がほんの数瞬の内に繰り広げられたのは。

 

「うわっぷ!?な、何だこれは!?」

「火の勢いが収まらぬだと!?木造建屋内でかような勢いの火を放つとは一体何を考えておるか!ならばこれで頭を冷やすが良い!コゴエール!」

 

その魔法陣から誰かが登場した様で、アランブラの杖から噴射される水流に呑まれていたが、にも関わらず炎は吹き上がったまま、その勢いを見て、木造である旧校舎に引火する可能性が頭を過ぎり憤慨するアランブラは、今度は杖から絶対零度の冷気を放って、その登場した存在を凍らせようとするが、

 

「うわ!?つ、冷た!?なんのぉ!」

 

一部が凍ったのもほんの数瞬、氷は砕かれ、またも炎が吹きあがり、冷気を押し返さんとしてきた。

 

「おのれ小癪なぁ!ならば伝説の魔法を喰らうが良い!クダケチール!」

「な!?待てアランブラ!」

 

その状況にアランブラはブチ切れ、一誠の制止も聞こえていないのか杖から膨大なエネルギーを放ち、

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「うわ!?」

「「「「「「きゃぁ!?」」」」」」

「何という事だ…!」

 

それは標的に直撃、爆発した。

その爆発による衝撃波や爆風はすさまじく、突然の衝撃と言うのも相まってか、前もって知っていた一誠や放った本人であるアランブラ以外の部室内にいる面々がよろめきそうになっていたのに対し、一誠は爆殺するという手に出たアランブラの対応に頭を抱えていた。

 

「アランブラ、お前何を考えている!?」

「あ…

も、申し訳ありませぬ、お父様!余りにも彼奴が火を止めぬが故、火の勢いが収められぬが故、頭に血が上ってしまい…」

「確かに鎮火を頼もうとお前を呼び出しはしたが、幾ら何でもクダケチールはやり過ぎ」

 

そんな暴挙を見過ごすわけにはいかないと、恐らくは悪魔であろう相手を爆殺するという犯罪に手を出した事を見過ごすわけにはいかないと、一誠はアランブラを叱り出した。

が、

 

「おのれ貴様ぁぁぁぁ!」

「…だろう。

恐らく取り返しのつかない事態は避けられたのだろうが、普通なら標的を爆殺してしまう程の魔法だ、それを怒りのままに使う等もってのほかだ、分かったな!」

「ははっ申し訳ありませんでした、お父様!」

 

突如出現した炎、それが大きくなると共に人の形となっていき、やがて爆殺された筈の存在になって行く光景を目の当たりにし、最悪の事態は免れたと安堵した。

が、それでもアランブラの暴挙が許される物では無いと、一誠は引き続きアランブラを叱った。

 

「さてグレイフィアさん。今しがた迷惑極まりない非常識な手段で登場したそちらの方は一体?」

「此方はフェニックス家の三男、ライザー・フェニックス様で、

 

 

 

リアス様の婚約者です」

「婚約者、ですか…

成る程、繋がった」

 

アランブラへの躾もひと段落し、炎を撒き散らしながら登場するという暴挙にでた存在、赤いスーツ及びワイシャツを着崩した、ガラの悪いホストと言いたげな風貌の男――ライザーの素性をグレイフィアから聞いた一誠、それで大方の事情を理解したのか、そう呟いていた。

 

「やあ、愛しのリアス。会いに来たぜ。さ、式場も決めた事だし式のプランについて、ぬぉ!?」

「シバール。どうやら客人の様だが、客人には客人なりの礼儀があろう。それをまあ、木造建屋にも関わらず火を撒き散らしながら登場したり、お父様の主君に堂々とセクハラを仕出かしたり、まるで躾がなっておらんな。暫くは其処で大人しくしてもらおうか」

「くっまた貴様か、何処までも俺の邪魔をしやがって…!」

 

その間にライザーがリアスに堂々と近寄り、手を取ろうとした所でアランブラの魔法によって腕を拘束され、イライラしながらもリアスの向かいの席に座らざるを得なかったという光景が繰り広げられていたが、それはまた別の話。

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