ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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17話_運命のGame、開幕!

「何度も言った筈よライザー!私は貴方とは結婚しないわ!」

「ああ、聞いたさ。だがそういう訳にも行かないだろう。そもそもこの縁談は、純血悪魔をこれ以上減らさぬ為の、グレモリー家とフェニックス家、そして魔王サーゼクス・ルシファー様の総意なんだ。大体、その意志が通る程君のお家事情は切羽詰まっていないという訳じゃないだろう?」

 

オカルト研究部の部室に突如として、魔法陣から炎を撒き散らして登場するという非常識極まりない方法で押し入って来た、リアスの婚約者らしい悪魔ライザー・フェニックス。

リアスとライザーとの婚約に関して話し合いが行われたのだが、それは最早話し合いの体を成していない、言い争いの域に入ってしまっていた。

 

「余計なお世話よ!私はグレモリー家の次期当主、婿を自分で選ぶ権利は私にもあるわ!その上で言わせて貰うわ、私は貴方の様な存在とは結婚なんてしない!」

 

婚約を拒むリアスと、婚約を推し進めようとするライザーという構図、先程の暴挙を何とも思っていないと言わんばかりに婚約をしつこく迫る彼に、リアスはそう言い放った。

それが気に食わなかったのか、ライザーは舌打ちしながら、

 

「あのなリアス。俺もな、フェニックス家の看板を背負って今日、此処に来たんだ。家名に泥を塗られる訳には行かないんだよ!」

 

身体から熱気を撒き散らしつつ、

 

 

 

 

 

「俺はお前の眷属全員を焼き尽くしてでも、おごっあがぁ!?」

 

そう、リアスを脅迫しようとしたが、その言葉は寸での所で遮られた。

 

「貴様、今何と言った…?」

「うぐ、が、あ、きさ、ま…!」

 

ライザーが脅しの言葉を口にしようとしたその時、先程までライザーの腕を拘束していたアランブラが、今度は杖から鎖の様なものを生成し、瞬時にライザーの首を絞め上げたからだ。

 

「常識の常の字も知らぬチンピラめが、お父様やお仲間の方々を焼き尽くすだと!?先の放火未遂やセクハラでは飽き足らず、まだその様な暴挙に出るか!良いだろう、ならばそのまま絞め殺してやろうぞ!」

「ぐ、お、ごが、あ、ば、馬鹿な、焼き切れんだと…!?」

「無駄だ!貴様のしょうもない炎で、我が魔力で生まれし鎖が焼かれるとでも思うたか!」

 

リアスの眷属、つまりはアランブラの父である一誠すらも焼き尽くさんとしたライザーへの怒りが再燃したアランブラによる絞め上げ、ライザーも力業ではほどけないと踏んで手から炎を生成して鎖を焼き切ろうとするもびくともしない。

このままアランブラによってライザーが呼吸困難によってくたばる、そう思われたその時、

 

 

 

「お待ちください、これ以上は看過出来ません。サーゼクス様の命により此処にいる身故、尚も事を荒立てると言うのなら、私も一切の遠慮は致しません」

 

グレイフィアが止めに入ろうと、アランブラに向けて敵意を向けた。

 

「貴様確か、お父様の主君の家に仕えし者であったか。生憎だがこれはお父様達への危害を未然に防ぐための正当防衛である、邪魔立てすると言うならまずは貴様から」

「アランブラ!杖を下ろせ」

 

この場にいる誰よりも強烈な力を感じる気配、それを向けられながらもどうという事は無いと言わんばかりに、アランブラが空いていた左手をグレイフィアに向けようとしたが、一誠がそれを止めた。

 

「お父様?宜しいのですか、お父様達に危害を加えかねないこ奴等を野放しにして?」

「此処は話し合いの場であって殺し合いの場では無い。分かったなら杖を下ろせ」

「ははっ了解いたしました」

 

一誠達を焼かんとしていたライザー達を放っておいていいのかと疑問を一応投げ掛けたアランブラだったが、父親である一誠からそう言われれば素直に従うのかライザーを解放、グレイフィアへと放とうとしていた魔力も霧散させた。

 

「グレモリー家もフェニックス家も当人の意見が食い違う事は分かっておりました。故に、もしこの場で話が纏まらない場合の最終手段を用意しました」

「最終手段?まさか…」

 

アランブラが杖を下ろし、一切の敵対行動を中止した事で話を再開したグレイフィア、彼女が出した提案にリアスは何か見当が付いた様だ。

 

「それでは『レーティング・ゲーム』で決着をつけるのは如何でしょうか?」

 

レーティング・ゲーム。

それは一言で言うと『死ぬ可能性が殆ど無い戦争』で、今現在の悪魔勢力においてその成績が勢力内における地位にまで大きく影響される程の影響力を有する競技である。

異空間に使い捨てのバトルフィールドを創り出し、其処で上級悪魔が自らを『(キング)』として自らの眷族達と共に対戦相手と戦い、王を先に倒すか降参させる、または制限時間内に撃破した眷属の総合点で競うこの競技、本来なら成人した上級悪魔しか王として公式戦に参加出来ず、未成年であるリアスの参加は無理な筈なのだが…

 

「お嬢様もご存じの通り、公式のレーティング・ゲームは成人した上級悪魔しか王として参加出来ません。しかし非公式のゲームであれば話は別です。この場合、多くが」

「身内同士か御家同士のいがみ合い、という事ね…!」

 

あくまでそれは公式ゲームの話、記録の残らない非公式なゲームであれば参加不可能では無いのだ。

その事実に、自らがゴネた時の事を見越してレーティング・ゲームという落としどころ(と言えない何か)を予め両家が用意していた事に憤りを隠せないリアスだったが、

 

「良いわ、レーティング・ゲームで決着を付けましょう、ライザー」

 

裏を返せば婚約破棄を迫る上でこれ以上に無い好機とも言える、そう考えて承諾した。

 

「へぇ、受けるのか。それは構わないが、そっちの眷属はそれで全員か?」

「急に何?今の時点でアランブラ以外の全員が今回参加できるメンバー、アランブラはイッセーの使い魔みたいな存在だけど、それがどうかしたの?」

 

そんなリアスの意志が(ライザーにとって)良い意味で意外だったのか、或いは案の定か、ともあれリアスの参加表明に意味深な笑みを浮かべていたライザーがふとその様な質問を投げ掛け、リアスもその真意を図りかねながらも素直に答えた。

 

「いや何、随分と分の悪過ぎる勝負に出たな、と思ったまでだ。其処の目障りな魔法使いが使い魔だと言うのは意外だったが、それを抜きにすればお前の眷属は王であるお前含めて7人。一方の俺の眷属は」

 

その答えに対しライザーは一層笑みを深めながらその意図を話し、

 

「俺を含めて16人、フルメンバーだ。いくら其方に『雷光の巫女』や『幻惑の猫姉妹』がいると言っても、この人数、経験の差、そして『不死』は覆せまい」

 

指をパチンと鳴らしながら、分の悪すぎる勝負に出たと言うに至る事実を突きつけた。

そのライザーの合図と共に彼の後方から魔法陣が展開、其処から15人もの女性が現れた、が、

 

「え、L(エル)!?Lじゃないか!久しぶりだな、L!」

「あ、IS様!?何故IS様がこちらにおられるのですか!?」

 

その中の1人の姿を見た一誠が、予想外の反応を見せた。

まるで知り合いを見かけたと言わんばかりに現れた女性に声を掛ける一誠、声を掛けられた女性――一誠からLと呼ばれた、金髪の縦ロール、アーシアよりも若干小柄ながら出る所は出た体躯をフリル付きのワンピースで包んだ如何にもお嬢様だと言わんばかりの少女もまた、一誠をISとしての顔を知っているのか、この場にいる事に驚いた様な反応を見せていた。

 

「イッセー、彼女とは知り合いなの?」

「ええ。

 

 

 

数年前に彗星の如く現れて以降、ゲーム業界においてその名を大いに轟かせている天才ゲーマー。俺が開発したゲームのレベル・インファナル(最高難度)を、クリアなど絶対に不可能だと言われていたチャレンジの数々を尽く攻略して見せた史上最強プロゲーマーとして名高い2人の内の1人が彼女、Lです」

「ええ、リアス様。その縁でIS様とは様々なイベントで顔を合わせておりますわ。それにしても驚きですわ、まさかIS様がリアス様の眷属になっていたとは…」

「俺も驚いた。L達が悪魔だとは薄々感づいていたが、まさかライザー殿の眷属だとは。世間とは案外狭い物だ」

 

 

 

『え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』

 

そんな一誠達の関係を尋ねて来たリアスにそう答えた一誠とL、その事実はこの場を震撼させた。

 

「え、Lってイッセー君が言っていた通り2大プロゲーマーとしてZ(ゼータ)と共に話題になっている、あの!?」

「まさかそんな存在がそっちにいたにゃんて…」

 

 

 

「まさか貴様が、俺の妹レイヴェルを馬鹿げた道に歩ませた張本人だったとはな。しかも其処の目障りな魔法使いの主だそうじゃないか」

 

天才ゲーマーLと天才ゲームクリエイターIS、その2人の接点が意外な所で繋がった事に驚き、ざわめきを隠せない一同、だがそれはライザーのその言葉で鎮静化、というより凍り付いた。

 

「貴様は後日ゲームの場で俺が直々に燃やしてやろう、覚悟しておけ!帰るぞ、お前達!」

 

そんな空気も何のそのと言わんばかりに一誠に向けてそう宣告しながら帰って行ったライザー、余りの早業にアランブラ達も怒りを露わにする暇がなかった。

 

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その後、残っていたグレイフィアから10日後の深夜0時にレーティング・ゲームを行う事が発表されたが、その間一誠は固まったままだった。

 

「イッセー?だ、大丈夫?」

 

その一誠の様子から、ライザーの殺気にあてられて気絶したのではないか、或いは恐怖の余り表情を変える事すら出来なくなってしまったのではないかと心配になり、リアスは声を掛けた、が、

 

「馬鹿げた、道?馬鹿げた道、だと?」

 

当の一誠が抱いた感情はまるで違っていた。

 

「あの焼き鳥野郎…!

この俺が生み出したゲームの数々を、そのゲームに惹かれてこの世界に入った皆を馬鹿にしたな…!」

 

それは怒り、己の才を、己が生み出したゲームを、そしてそのゲームに惹かれた存在をボロクソに罵倒された事によって抱いた膨大な怒りだった。

 

「部長。この戦い、絶対に負ける訳には行きません」

「え、ええ、分かっているわ」

「ですが今のままでは、あの焼き鳥野郎の言う通り絶望的なのは事実、

 

 

 

其処で皆さん、仮面ライダーになりませんか?」

 

その怒りに満ち溢れたままの口調で告げられた提案、それがこの世界の未来を、大きく変える事になる…!

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