(時を止める神器、それは自らですら制御出来ない程の力を有する、か。まさか…)
先日のリアス達に行ったのと同じく、ギャスパーの身に入り込んでの、バグスターウィルスの投与処置を開始したパラド。
彼はギャスパーに対して、彼に関するリアスの話に対して、何か予感めいた物を感じていた。
デイウォーカーと呼ばれる日差しを浴びてもある程度は平気なタイプの
数年前にそんな現状を脱するべく故郷を離れたが、その矢先に付近で活動していたヴァンパイアハンターによって殺されてしまい、其処を偶然、旅行で通りかかったリアスによって救われ、眷属になった。
だが、手にしていた神器の力は強烈過ぎて自分でも制御が効かず、敵は勿論のこと、仲間達すらも危害を及ぼしかねないと判断したリアスの兄であるサーゼクスが、今の様な封印を施す事を決定、実施された。
その神器『
そんなギャスパーの持つ力の強大さに、パラドはとある存在を浮かべながら、処置を進めていた。
すると、
「っ!?こ、この気配に、注入したバグスターウィルスの反応…!
ま、間違いない!コイツは、コイツは…!」
処置を施していたギャスパーの身から放たれた強大な気配と、注入していたバグスターウィルスの顕著な反応をパラドは感じ取り、自らの予感が間違いでは無かったと確信した。
「親父!大変な事が分かった!」
『どうしたパラド、血相を変えて?』
そうと分かれば早速連絡しなければ、とパラドは即断し、身につけていた通信機で一誠――エグゼイドに連絡を取った。
「コイツは、ギャスパーは…!
王の、半身だ…!」
『なん、だと…!?』
――――――――――――
「ギャスパーが『王の半身』になりえる存在とはな…
もしかしたら、俺がリアスの眷属になったのは一種の運命だったのかも知れないな…」
「イッセー、どうしたの?王の半身って一体何の事…?」
ギャスパーへの処置が成功したのを確認した矢先にパラドからの連絡を受けたエグゼイドは驚きを隠せず、そう呟いていたのを、リアス――ゲンムは聞き逃さなかった。
無理もない、エグゼイドにとって1つの夢である『究極のゲーム』の完成、その夢に近づいたのだから。
「ああ、リアス。何処から説明しようか…
まずは、ギャスパーが変身するライダーについてだが、それは既に確定している。コイツだ」
エグゼイドもその件は別に隠すほどの物でもないと考えたのか、或いは恋人に対して隠し事は無しだと考えたのか、素直に説明を開始し、その際にPCの画面を見せた。
其処に映っていたのは、黒と黄緑の王冠みたいな頭髪、黒をベースに黄緑色の装飾が施されたライダースーツやローブを纏ったライダーだった。
「仮面ライダークロノス。ストラテジーをモチーフとした指揮官だ」
「ストラテジー…
ということは、変身する為に使うガシャットは『ハコニワウォーズ』と『ホームガーディアン』かしら?」
「ああ、そうだ。
だがそれは世を偲ぶ仮の姿。その実態は、仮面ライダーの『王』!トップクラスの戦闘スペックと反則級の能力を有した最強の戦士!」
「最強の、戦士…!」
そんな仮面ライダー、ギャスパーが変身するであろう仮面ライダーであるクロノスがどういう存在かを聞き、驚愕するゲンム。
そんな彼女の様子を他所に、エグゼイドは新たな画像を開くべくPCを操作しながら、話を進める。
「その為のガシャットが、完成させる事が俺の1つの夢である『究極のゲーム』、プレイヤー1人1人が仮面ライダーとなり、時にはバグスターと、時には他の仮面ライダーと、日夜戦いを繰り広げるサバイバルゲーム『仮面ライダークロニクル』…!
その頂点に立つ存在がクロノスなんだ。そしてそのクロノスに変身する為の力を齎す、仮面ライダークロニクルガシャットを媒体としたバグスターは、
仮面ライダークロニクルのラスボスにしてバグスターの『王』、ゲムデウス!」
「ゲムデウス…!
何だか、神々しい感じのバグスターね、流石は王と言った所かしら。そんな王の力を受け止められる存在に、クロノスに変身出来る資格を持った王の半身に、ギャスパーがなり得る、という事?凄いわね…」
こうして映し出された新たな画像に映っていたのは、背には翼を、頭部には天使を思わせる輪を有し、ローブの様な服に身を包んだ神々しい姿のバグスターだった。
そんな存在であるゲムデウスの凄さに、そのゲムデウスのパートナーに、自らの眷属であるギャスパーがなり得るという事実が判明した事に、ゲンムは彼の、根本的な意味で今まで孤独だった彼の将来に希望の光が見え、その行く末に心を躍らせていた。
「とは言え今言った様に仮面ライダークロニクルはまだまだ完成していない、ギャスパーもまた己の身に持つ力を制御出来ていないのが現状だ。いきなりクロノスとしての力を振るえと言われても無茶という物、それでギャスパーの状況が悪化しては本末転倒だ。だから」
『ハコニワウォーズ!』
『ホームガーディアン!』
「長い期間を掛けて、己の『力』に慣らしていくべきだな」
だがそれ程の存在にギャスパーがいきなり変身するのは危険極まりない、ただでさえ自分自身ですら自らの神器を制御出来ず、その為の名目で投与されたバグスターウィルスが思いのほか力を発揮している中でどう作用するかも分からない。
暫くは経過措置だと言わんばかりに、エグゼイドは懐から、黒色の『HAKONIWA WARS』とラベリングされた物と、緑色の『HOME GUARDIAN』とラベリングされた物、2つのガシャットを取り出して起動させる。
すると背後に2つのスクリーン――片方は『HAKONIWA WARS』の文字と敬礼のポーズを取る士官らしきキャラクターがデカデカと映った物、もう片方は『HOME GUARDIAN』の文字と様々な兵器が1体の標的を狙う光景がデカデカと映った物だ――が出現し、其処から2人の男、いや2体の人型バグスターが現れた。
「我が父よ、パラドから聞いたぞ。我らが王の半身たり得る存在が判明したと…!」
「パパ。私とマサムネが呼ばれたのは、王の半身たり得る存在のサポート役として、という事かな?」
現れたバグスターは、パラドやポッピーピポパポ同様、人にしか見えない姿だった。
まずマサムネと呼ばれたバグスターは、某その特徴的なハイトーンボイスで90年代の音楽業界を沸かせた歌手そっくりな姿に士官服を身に纏った、年齢が判別しにくい男性、もう1体のバグスターは、某シェアハウスで暮らす人々の生活を映した番組において『王子』と呼ばれたモデルそっくりな姿にこれまた士官服を身にまとった、大体20〜30歳位の男性に見える。
そんな2体のバグスターに、エグゼイドは指示を飛ばした。
「ああその通りだ、クロト、マサムネ。ギャスパーはまだまだ自分自身すらコントロール出来ていないのが現状だ。2人で力を合わせて、ギャスパーを導いて欲しい」
「パパの仰せのままに」
「勿論だ、我が父よ」
その指示を受けて、クロトと呼ばれたバグスター――ハコニワウォーズに案内役の副官として登場する同名キャラをモチーフにしたバグスターと、マサムネと呼ばれたバグスター――ホームガーディアンにてラスボスの司令官として登場する同名キャラをモチーフにしたバグスターは、そう応えた。
「私からもお願いね、クロトにマサムネ」
「お任せあれ、リアスママ。私達が彼を、我らが王の隣に立てる程の存在に導こう!何、私達には造作もない事だ。何故なら私達は、
神の子なのだからなぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
(だ、大丈夫なのかしら?)
リアスからの激励にも快く応じるクロト、だがシャフ度を決めながらそう自慢げに宣言する彼の姿を見て、リアスは何処か不安な気持ちを覚えたとか覚えなかったとか。
次章、ハイスクールDevil×Ex-aid――
「先日、カトリック教会本部ヴァチカン及び、プロテスタント側、正教会側で管理、保管されていた聖剣エクスカリバーが奪われました」
「奪ったのはグリゴリの幹部、コカビエルだ」
教会からエクスカリバーが盗まれた――
「そして遂に手に入れたんだ、聖剣をも破壊する力を!」
憎悪のままに暴走する祐斗――
「今こそ、戦争の号砲を鳴らす時だ!」
戦争を引き起こすべく、暗躍するコカビエル。
其処に――
「俺達の力、それは貴様が下らないと断じた平和な日常の可能性だ!」
今此処に、怒りの鉄拳が炸裂する!
第3章『月光校庭のTADDLE QUEST』