ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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41話_Godは死んだ

「ほぉ。初めましてだな、リアス・グレモリー。よもや眷属共々、噂に聞く仮面ライダーになっていたとは、思いもよらなかったぞ。」

「あら、気付いていたの、コカビエル?」

「ああ。顔が隠れていようと、お前の兄によく似た気配で分かるぞ。その忌まわしい気配でな」

 

エグゼイド達が校庭に入ると、其処には案の定と言うべきか、1人の堕天使が待ち構えていた。

何やら狂気を宿したかの様な風貌、5対もの漆黒の翼、クロトが言っていたコカビエルの特徴にそっくりな彼、言うまでもなくコカビエルその人であった。

 

「サーゼクスやセラフォルーが来るまで甚振ってやろうかと思ったが、案外楽しませてくれそうだ。噂が本当かどうか、こいつ等との相手で確かめさせてもらおうか」

 

校庭へと入って来たゲンム達仮面ライダーの姿に何処か面白げな表情になったコカビエルは、そう言いながら指を鳴らす、すると地表に幾つもの魔法陣が展開、其処から十数メートルにも及ぶ体長を有する三つ首の犬らしき姿の魔物が、計何十体もの大群で出現した。

 

「ケルベロス!冥界に続く門の周りに住む魔物を人間界に、しかも大群と言って良い程連れて来るなんて!行くわよ、皆!」

 

呼び出した魔物――地獄の番犬の異名で知られる魔物ケルベロスの大群を目の当たりにして驚きを隠せないゲンム、だがそれも一瞬の事、直ぐに指示を飛ばし、他のメンバーもまた其々の行動に移る。

 

「せいはぁっ!」

 

まずエグゼイドは、左腕に装着されたパーツによる強烈なパンチを見舞い、ケルベロスを1体1体吹っ飛ばす。

 

「食らいなさい!」

 

次にゲンムは、両肩に装着されている車輪型のパーツを手に取り、それに滅びの魔力を纏わせた状態で振るって敵を消滅させる。

 

「ふっ!はっ!やぁ!」

 

続いてノックスは、パンチンググローブを装着した様になった両腕を駆使し、フィールドを縦横無尽に駆け回りながら連撃を繰り出している。

 

「やっちゃうよ!」

 

風魔は、擬態の聖剣の代わりに手にしている短刀型のガシャコンウェポン――ガシャコンニンジャブレードを巧みに振るい、持ち前の素早さで翻弄している。

 

「僕は剣になる。僕と融合した同志達よ、共に行こう。部長、そして仲間達の剣となる!魔剣創造!」

『むむ?魔剣が持つ力だけではない、聖剣が持つ、聖なる力をも感ずる、だと?』

『成る程、禁手(バランス・ブレイカー)。それも魔剣と聖剣を併せ持ったそれを作り上げる代物か』

「ああ。『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』。聖と魔を有する剣の力で、未来を斬り開く!」

 

ブレイブは、先程の出来事が自らを高みへと上がらせたのか、自らに宿りし神器の更なる力『禁手(バランス・ブレイカー)』を発現、魔剣だけでなく聖剣の力をも宿した剣――聖魔剣を作り出し、薙刀型となったガシャコンソードとの二刀流で敵を薙ぎ払う。

 

「下がれぃ、外道に尻尾を振る事しか出来ぬ駄犬共めが!」

 

カイデンは、己の得物である二振りの刀で大立ち回りを繰り広げている。

何体ものケルベロス相手に余裕の表情でバッタバッタと切り裂くその佇まいは、一誠がバグスター1の実力の持ち主と称するだけはあると言っていいだろう。

 

「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ。この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する!デュランダル!」

 

ゼノヴィアは、エクスカリバーとは違った聖剣――デュランダルを呼び出し、敵を切り裂く。

デュランダル、それはフランスにおいてシャルルマーニュの聖騎士として知られる英雄ローランが持っていたとされている聖剣で、切れ味の鋭さで右に出る物はいないとされる程の殺傷力を有する。

尚、その出自故に『パチモンの割れ物』とイリナからボロクソに言われている教会のエクスカリバーとは違い、このデュランダルはれっきとした教会由来の物である、念のため。

 

「やぁっ!大丈夫ですか、黒歌先生!」

「大丈夫なのにゃ、アーシア!お陰で、出来たのにゃ、皆!」

 

一方、後方でサポートに回っている2人、パラガスは両肩のパーツから展開された筐体でメテオブロッカーをプレイし、揃えた事で消える筈のブロックが変形する事で生成されたエナジーアイテムを前線にいるメンバーへと送り込み、ポッピーはそんなパラガスへ降りかかるであろう攻撃を防ぐべくバグヴァイザーの銃口からハート型のビームバリアを放出する。

 

「お父様譲りの雷光ですわ!」

「むっ!その声は、バラキエルの娘か!」

 

そして空中戦を持ち味とするジェットコンバットの力で前線の激戦から離れていたスナイプは1人、コカビエルとドッグファイトを繰り広げている。

純粋な力量こそ堕天使勢力の最高幹部であるコカビエルの方が圧倒的に上、しかし両腕にガトリング砲が装着された事による火力の大幅強化によって、互角『に見える』展開を見せていた。

 

「ははは、流石は仮面ライダーと言った所か、ケルベロスの大群をこうもあっさり蹂躙するとはな!だがそうでなくては面白くない!」

「次はお前の番だ、コカビエル!戦争など起こさせやしない!」

 

エグゼイドとノックスが飛び掛かって格闘戦を仕掛け、ブレイブと風魔、カイデンとゼノヴィアが斬りかかり、ゲンムとスナイプが後方から射撃攻撃で援護し、パラガスとポッピーが支援する…

息の合った連携を見せる10人、先程スナイプ単体でコカビエルと一見すると互角の勝負を繰り広げていたのもあって、圧勝すると思われていた。

だが現実とは残酷な物、コカビエルに決定打はおろか効果的なダメージを与える事も叶わず、

 

「期待通りの実力だな、実に楽しい戦いだ!」

「くっ!何という実力、これが聖書にも名を連ねる堕天使の、三大勢力による大戦を生き延びた存在なのか!」

 

彼の表情から余裕そうな様子は揺るがない。

 

「さて、楽しませてくれた礼だ、1つ良い事を教えてやろう。何、其処の騎士らしき姿の仮面ライダーが持つ聖魔剣なるものが生まれた訳にも関わる物だ、悪い話ではあるまい?」

「何…?」

 

それが見せかけの物では無いと言わんばかりに、何かを告げようとするコカビエル。

ブレイブが持つ聖魔剣が何故存在し得るのか、本来交わるはずのない聖剣と魔剣が何故融合出来たか、その訳にも関わってくると聞いて思わず攻め手を緩めてしまう一行。

今現在コカビエルと戦闘中である事を抜きにしても、それはこの場でやってはいけなかった。

 

「聖剣と魔剣、相容れないこの2つが交われるのは何故か、それは即ち、聖と魔、それらを司る存在の制御がままならなくなった事を意味する。では何故制御が効かなくなったのか…

 

 

 

それは先の三大勢力による大戦の折、四大魔王だけでなく聖書の神も死んだからだ!」

『なっ!?』

 

隙が出来た故に思い通りに喋る事が出来たコカビエル、彼の口から発せられたのは、驚きの真実だった。

 

「神が、死んだ…!?」

「神が死んでいた、ですって!?そんなの聞いた事無いわ!」

「それはそうだろう。あの戦争で悪魔勢力が四大魔王全員を始めとした多くの上級悪魔を失い、天使勢力は聖書の神というトップや多くの天使を失った。我ら堕天使勢力は其処まででは無かったが、大本が天使である以上いずれ純粋な堕天使は減ってゆくだろうとはアザゼルの言葉だ。三大勢力のどこも人間に頼らねば種の存続が出来ないほど落ちぶれたのだ。そんな状況下で神が死んだなんて事実が公になって見ろ、天使勢力総崩れ間違いないのは勿論、対極に位置する悪魔勢力にも堕天使勢力にも、どんな混乱が待っているか、考えずとも分かるだろう?だから隠蔽していたのだよ」

 

聖書の神が死んだ、その余りにも強烈な真実に言葉を失う面々、

 

「う、嘘だ、嘘だ…!」

「主は、おられないのですか?では、私達に与えられる、愛は…」

「まあ、ミカエルは良くやっていると思うがな。聖書の神に代わって、天使と人間を纏め上げているのだから。システムさえ機能すれば、神への祈り、祝福、エクソシストの力、聖剣、そして神器…

ある程度は機能する。だがそれも今日この時までだ!今こそ、戦争の号砲を鳴らす時だ!ははははは!」

 

特に、聖書の神を信仰しているポッピーとゼノヴィアは、それを聞いて打ちひしがれていた。

自らが告げた真実を耳にして混乱に陥る光景を見届け、高笑いをするコカビエル、

 

 

 

『ハリケーン!クリティカル・フィニッシュ!』

「は、あがぁ!?」

 

そんな彼の身体を、凶刃が貫いた。

その下手人は、同じく聖書の神を信仰している筈の、風魔だった。

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