旧魔王派、悪魔勢力が現在の方式でトップである四大魔王を選出するより前、大戦によって当時の四大魔王が全員亡くなる前まではいわゆる世襲の形で引き継がれており、その血筋を引く悪魔をトップとした派閥の事を指す。
だが大戦による混乱に伴う内紛によって旧魔王派は敗北、冥界の片隅へと追いやられていたのだ。
今回、アザゼルの言う『禍の団』に加担し、三大勢力の首脳が集う会談の場に襲撃したのも、それに対する不満が爆発した結果だろう、現に、今しがた会議室に乗り込むも、出オチと言わんばかりに返り討ちとなったカテレアもまた旧魔王レヴィアタンの血筋を引く、旧魔王派の悪魔だ。
そして、堕天使勢力に属する筈のヴァーリもまた、旧魔王の一角を占めるルシファーの血筋を引くと主張し、その証拠だと言わんばかりに『白龍皇の鎧』を解除した彼は、何対もの悪魔の翼を展開した。
「我が名はヴァーリ・ルシファー。嘗ての大戦で死んだ先代魔王ルシファーの孫である父と、人間である母との間に生まれたハーフ悪魔だ。わが身に神滅具『白龍皇の光翼』を宿したのも、人間の血をも引いているが故だ」
「そ、そんな…」
余りの事実に驚きを隠せない悪魔の面々、それを他所に、ヴァーリは話を続ける。
「旧ルシファーの末裔であり白龍皇でもある俺は紆余曲折を経てグリゴリに身を寄せ、アザゼルの下で修業に励んだ末、今の実力を得られた。そんな俺の実力、血筋、そして白龍皇という看板に目を付けたのだろう。つい最近、其処で固まっているカテレア・レヴィアタンから禍の団に加わらないかと勧誘されたんだ。戦闘狂である俺の性根を見抜いてか『アースガルズと戦ってみないか?』等と口説かれてね。もし、今の俺にとって興味を引く存在と出会っていなければ、二つ返事で了解していただろうね。ただ、断らせて貰ったよ」
「そういやぁ、さっきから疑問に思っていたんだ。今言った通り、お前の性根ならその誘いにホイホイ乗っかってもおかしくねぇ。それを断るなんて、一体どんな存在に興味を引かれたんだ?」
自らが此処まで強くなった経緯を挟んで、禍の団からのスカウトを受け、それを断った事まで話したヴァーリ、だが其処で疑問を持ったアザゼルが口を挟んだ。
「どんな存在って、アザゼルはもう気付いているんじゃなかったのか?
仮面ライダーだよ」
「え、俺達が…?」
そんなアザゼルに何処か呆れた様な素振りを見せながらも答えを明かすヴァーリ、その答えに戸惑ったのは、名指しで指名された仮面ライダー、その開発者である一誠だ。
「ああ。先日コカビエルが此処を襲撃した一件の際、コカビエルを鎮圧・回収する様にとのアザゼルの命でこの街に入り、其処で君達仮面ライダーの戦いを見させて貰った。俺とて白龍皇の力を駆使しなければ梃子摺るであろうコカビエル相手に果敢に立ち向かった末に倒して見せた挙げ句、今こうして禍の団による襲撃も難なく鎮圧して見せたその実力もそうだが、あの時の君の言葉に感銘を受けたんだ。
自分達の強さは、コカビエルが下らないと断じた、日常の可能性であると。
その言葉で俺は君達仮面ライダーに、その強さだと言う日常の可能性に、それの留まる事を知らないだろう成長に興味を引かれてね、それを見届けてみようと思ったんだ。だが禍の団に入ってしまえばそれを見届ける事はおろか、強さの源である日常を潰す事になりかねない。だから誘いを断ったのさ」
まさか自分があの時コカビエルに言い放った言葉が、ヴァーリが道を踏み外そうとしたのを引き留めたとは思いもよらなかったのだろう、一誠はヴァーリの話を何処か照れ臭そうに聞いていた。
「尤も、俺が嫌だと言ってもカテレアはしつこく食い下がって来たんだが、何処かから連絡が入った途端、後ろ髪引かれる様子だったが引き下がってくれたよ。何か『赤い龍』について話があった様だが…」
「『赤い龍』だと!?まさか、禍の団は『赤い龍』を既に…!」
「かも知れないね。二天龍が出会った時、それは死ぬまで続く壮絶な戦いの幕開け、それが二天龍を宿した者の宿命だ。それを危惧して、俺のスカウトを断念したのかも知れないな」
だがそんな和やかな雰囲気も、ヴァーリが口にした『赤い龍』の存在が吹っ飛ばした。
赤い龍、正式には赤龍帝と呼ばれる存在は白龍皇と対をなす存在である。
嘗ての三大勢力による大戦で聖書の神も四大魔王も亡くなったのは、実は2体のドラゴン――後世で二天龍と呼ばれる2体による戦闘に巻き込まれた結果が大きい。
何が原因かは未だ解明されていない二天龍による戦闘によって甚大な被害を被った三大勢力は、聖書の神や四大魔王、そしてアザゼル達の協力によってその魂を神器に封印する事にし、結果として聖書の神や四大魔王の犠牲を払う形で成功した。
この二天龍の魂を宿した神器こそが、ヴァーリが宿す『白龍皇の光翼』、そして『
だが神器に封印されて尚、この二天龍による戦闘の余韻は残っており、白龍皇と『赤龍帝の籠手』を宿した存在――赤龍帝が出会った時には、周りをも巻き込む壮絶な戦いの末に双方亡くなるという事態が過去何度も引き起こされている。
白龍皇であるヴァーリへのしつこいまでの勧誘が突如として止んだのは、禍の団が既に赤龍帝を配下に加えた故に、ヴァーリとの仲間割れを回避する為…
その事実に、会議室に戦慄が走ったが、それだけでは終わらなかった。
「それだけじゃねぇぜ。禍の団のトップだが、ソイツは『
「「「な!?」」」
アザゼルが発表した禍の団のトップ、それはこの世界において最も敵に回すべきでない存在だった。
『無限の龍神』オーフィス。
無限を冠した二つ名に恥じる事無く、無限の強さを有すると言われているドラゴンで、ドラゴン族、いやこの世界ですらも最強と言われている存在である。
だが無限とは『無』でもある、感情らしい感情が無く、故に野望も有していないオーフィスは、その強さとは裏腹に、この世界において何かしらの爪痕を残した訳では無かったのだが…
「長年憎み合って来たが故に噴出するであろう不満、そして我々の成すべき事を否定する『禍の団』…
問題は山積みです。ですが、いや、そうであるが故に、今こそ我々が手を取り合い、平穏なる未来に向けて連携すべき時!アザゼル、サーゼクス!今こそ我々の、平穏なる未来へと歩みを進めましょう!」
「「ああ!」」
そんな不安要素しかない状況、だがそんな時だからこそ手を取り合って前に進むべき、そんな考えで一致したミカエル、アザゼル、そしてサーゼクス。
こうして、嘗ての大戦以降睨み合っていた三大勢力の和平は成立し、同時に同盟が結ばれる事となった。
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「…完成だ、マイティブラザーズXXが、遂に出来た」
それから程なく、一誠は自室でそう呟きながら、ある機械に差し込んでいたガシャットを取り出す。
そのガシャットはドクターマイティXXガシャットと同じ大きさで、色はオレンジと水色のツートンカラー、ラベルには『MIGHTY BROTHERS XX』の文字と、マイティアクションXにも登場している一頭身のキャラクターの色違いらしきキャラクターが2体描かれていた。
「然し、満足している暇は無い。禍の団が何時また襲撃を行うか分からない上、今までのガシャットだけでは対処出来ない程の実力者も控えている様だ。開発予定にあるガシャットの開発スケジュールを前倒しするだけでは足りない、今までとは方向性の違うガシャットの開発にも取り組まないと行けないな。皆を、この街を、そして今の日常を守る為に!」
『マイティブラザーズダブルエックス!』
そう呟きながら、今しがた完成したばかりのライダーガシャットを起動させる一誠、その眼には、揺るぎない決意が滲み出ていた。
次章、ハイスクールDevil×Ex-aid――
「此処が、冥界か…」
夏休みに入り、冥界のグレモリー領で過ごす事になったリアス達――
「私もまた、魔王になる事が夢です」
其処でリアスは、己の夢を明かす――
「私は、役立たずだから、何もかもが中途半端だから…!
だから、皆以上に頑張らないといけないんです!」
その夢に向かって皆が突き進む中、白音が倒れる――
「後は、これを、白音ちゃんに…」
白音の悲壮な決意を聞いた一誠は、ガシャットの開発を加速、そして、
『デンジャラスゾンビ!』
「グレードX、変身!」
リアスは、禁忌に手を出した――
第5章『冥界合宿のHATESATE PUZZLE』