ガシャットギアデュアルαの開発作業を終え、数日間眠っていた一誠も目覚めたこの日、魔王主催のパーティが開催される事から、それにリアスと同伴で参加する彼らは正装を着用していた。
まず一誠と祐斗は黒のタキシードを着用し、グレモリー領本邸エントランスにて女性陣が来るのを今か今かと待っていた。
すると其処に、
「お待たせ、イッセー、祐斗。待たせちゃって御免ね」
「大丈夫だよリアス、来たばかりだ。それよりも今日まで寝込んでいて済まなかった。開発作業が佳境に入ると徹夜続きになる癖が今回も…」
「本当ですよ、イッセー先輩。いきなりぐったりした時には、びっくりしたんですから。もしかしたらイッセー先輩の身に何かあったんじゃないかって…」
「本当に御免、白音ちゃん。それにしても、皆似合っているな。普段から綺麗だが、身なりを整えると数割増しだ」
「うふふ、ありがとうございます、イッセー君。イッセー君も似合っていますわ、タキシード姿」
「そにゃね、朱乃。イッセーの格好良さが際立って、惚れ直しちゃったのにゃ」
ドレスを着用、髪型が整えられ、メイクが施された女性陣が到着した。
元より美女・美少女揃いである女性陣だったが、パーティに参加すべく手の施された彼女達の姿は、何時にも増して綺麗になっていた、そんな己の恋人達の姿を手放しで称賛する一誠に、彼女達もまた彼の姿を褒め称えた。
が、
「ギャスパー、お前もドレスなのか…」
「良いじゃないですかイッセー先輩、ドレス着たかったんですもん。ボク女顔だから違和感ないですし」
「それを自分で言うのはどうかと思うけどね…」
男であるギャスパーもドレスを着用していた。
ある意味想像通りだったギャスパーの姿に一誠が呆れ交じりに呟いたのを聞いたギャスパーは、自分の顔立ちを自賛しつつ反論、そんな反応に祐斗はツッコミを入れていた。
「ぱ、パーティなんて初めてですから、今から緊張します…」
「そうね、アーシア。増して今回は魔王様が主催する場、由緒ある悪魔達が集い、交友を広く、強固な物とすべく色々動き回るのでしょうね、そんな場でイッセー君の恋人として、リアス部長の眷属として恥じない行動をしないといけないけど、パーティに参加した経験が無いのが不安ね…」
「今から嘆いていても仕方ないぞ、アーシア、イリナ。会場についたらもう出たとこ勝負だ」
尚、眷属になって日が浅い方である、嘗て教会に属していた3人は、初めてのパーティという事で緊張しきりだった。
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「これで一通りの挨拶回りは完了したか。流石に魔王様が主催するパーティか、由緒ある家柄からの参加者が多いな」
「お疲れ、イッセー君。流石はイッセー君、冥界でも人気急上昇だね」
「お疲れ様です、イッセーさん。徹夜明けなのに大変ですね…」
会場である地上二百階建ての高級ホテル、その最上階に到着したリアス達、その中で一誠はリアスに連れられ、一誠と交友関係を持ちたがっているらしい悪魔達との挨拶回りをしていた。
悪魔勢力においても人気となっているゲームを多数作り上げた天才ゲームクリエイター『IS』である事が知られた故か、或いはライザーとのレーティング・ゲームや禍の団との戦いにおいて勝利を呼び寄せたライダーシステムの開発者である事が知られた故か、一誠と交友を持ちたがる悪魔は余りにも多く、ざっと1時間余り挨拶回りに時間を費やされた。
中には一誠をトレード(此処で言うトレードとは、王の間で同じ駒同士の眷属を交換する事である)して欲しいとリアスに持ち掛ける悪魔もいたが、リアスは全て断っていた。
「お疲れ様、イッセー。寝起きに挨拶回りは疲れたろう、料理をゲットして来たぞ。アーシアもイリナも食え」
「ありがとう、ゼノヴィア」
「これ位、お安い御用さ。ほら、緊張の余り喉を通らないとしても、飲み物くらいは口にしておけ」
「ありがとうございます、ゼノヴィアさん。やっぱり緊張で喉がカラカラで…」
「私も。やっぱり他の皆は場慣れしているわね。これから私達も慣れていかないとね…」
ともあれ一通りの挨拶回りを終えた一誠はアーシア達がいるフロアの端へと行き、同じく来たゼノヴィアが持って来た大量の食べ物や飲み物の一部を受け取り、口にしていた。
「お久しぶりですわ、IS様」
「L。久しぶりだな、あのレーティング・ゲームの時以来か」
そんな一誠達に、レイヴェルが近寄り挨拶をして来た。
言うまでも無くレイヴェルはフェニックス家の令嬢、魔王主催のパーティに参加している事は何らおかしくはない、一誠もそれを理解している為、特に驚くことなく挨拶を返していた。
「ああ、レーティング・ゲームで思い出したが、君の兄は今どうしている?あの時、リアスとの一騎打ちにぼろ負けしたとは聞いていたが」
「ああ、あの愚兄ですか。あれ以来塞ぎ込んでいますわ、負けると思っていなかったリアス様とのレーティング・ゲームで無様に負けた事が余程ショックだったのでしょうね。まぁ、良い気味ですわ」
此処でふと、レーティング・ゲームで戦ったライザーの事を思い出したのか、一誠がライザーの現況を尋ねると、レイヴェルはバッサリという擬音が聞こえて来そうな程に手厳しく、というか見限っているかの様に返答した。
尚、自分が作り上げたゲームを、それを愛好してくれるゲーマー達を馬鹿にした一件を未だに根に持っていたのか、一誠もそんなレイヴェルの、実の兄に、己の王に対する物とは思えない対応に疑問を持つ事は無かった。
また、レイヴェルは既にライザーと、ライザー達の母とのトレードによって移籍している為、兄に対しては兎も角、己の王に対する不敬は成り立たない、一応。
「お隣、宜しいでしょうか?」
「ああ、どうぞ。先月リリースしたマイティブラザーズXXの感想も聞きたかった所だ」
「流石はIS様、それはもう素晴らしいゲームですわ!協力プレイを前提としたアクションにステージギミック、元となったマイティアクションXとはまた違ったベクトルの面白さでしたわ!タッグモードはまだまだと言った所ですが、ソロモードは既にレベル・インファナルまでパーフェクトクリアして見せましたわ」
「もうレベル・インファナルを!?早いな、流石はLと言った所か」
それは兎も角、一誠の隣の席に座ったレイヴェル、話題は先月発売されたマイティブラザーズXXについての物となり、その面白さの余り此処が社交の場である事も忘れて興奮し切りな様子で絶賛していた。
「よう、ISにL!案の定お前達も来ていたか、俺も来た甲斐があったぜ。混ぜて貰って良いか?」
「Zか、構わないさ。あの時、Zの感想を聞いていなかったしな」
「お久しぶりですわ、Z様。ささ、どうぞ此方に」
それを聞きつけたのか、ゼファードルも眷属達を引き連れ、会話に加わった。
因みに流石のゼファードルも、魔王主催のパーティに参加するとあってか、普段のヤンキー丸出しな格好では無く、ちゃんとした正装で会場入りしていた。
「あ、そうそう、ISには俺の眷属達を紹介していなかったな。折角だし、紹介しても良いか?」
「そういえば、そうだったな。宜しく頼む」
「おう!といっても、半分ちょいはお前も良く知っている奴だけどな。お前ら、こっちだ」
「良く知っている奴…まさか…?」
此処でふと、己の眷属を紹介していなかった事に気付いたゼファードルが、眷属達を呼び寄せ、紹介しようとする、と、
「久しぶりだぜ、IS!まさか悪魔としてもISと会えるとはびっくりだ!」
「遊一、此処パーティの場だぞ、ISに会えて嬉しいのは分かるけどテンションを抑えろ」
「仕方ないですよ、鉄男。遊一ですし」
「雪奈、流石にそれで済ましたら駄目でしょ」
「
U1と呼んだ、エビを思わせるメッシュを入れた髪型が特徴的な元気いっぱいの少年、鉄心と呼んだ、首回りが見えにくい(よく言えば)マッシブな体躯の少年、ルキナと呼んだ、ロングな髪含めて青ずくめな風貌の少女、そしてカーリーと呼んだ、牛乳瓶の底を思わせる眼鏡に、某「粉砕!玉砕!大喝采!」でお馴染みな社長の弟を思わせる服装に身を包んだ少女の姿に、驚きを隠せなかった。
それも無理はない、彼らは天才ゲーマー『Z』の4人の弟子として、顔見知りだったからだ。