ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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75話_希望と絶望の魔法、その名はWizard!

「あら?此処は何処でしょうか…?」

 

同時刻、一誠達と同様に目が覚めた朱乃だったが、やはりと言うべきか、目前の光景に己が目を疑った。

 

「私達の新居と同じく洋館らしいですが、庭先に湖なんて無かった筈」

 

彼女が今いる場所は、新居である洋館の、自らに割り振られたそれとよく似た部屋、ではあったのだが、その窓に映る風景が、自分の住まう場所では無いと知らせていた。

 

「何か、重大事態の様ですわね。そうだ、ガシャットは無事でしょうか…

ジェットコンバットガシャットが無い?何でしょう、代わりに差されていたこのガシャットは…?」

 

これまたやはりと言うべきか、重大な事態が起こっていると気付いた朱乃、ゲーマドライバーのガシャットホルダーに差しているガシャットを確認したが、変身に用いる紺色のガシャットはあった一方、レベル3に強化させるオレンジ色のガシャットは無く、代わりにあった黒と赤のリバーシブルなカラーリングで、ラベリングが施されていないガシャットの存在に、朱乃は疑問を覚えた。

 

「とはいえ、バンバンシューティングガシャットが無事なのは幸いですわね。脱出を急ぎましょう」

 

だがそれも一瞬の内、紺色のガシャットがあっただけでも良しとした彼女は、この場を切り抜けるべく行動を開始した。

 

「何処へ行く?」

 

が、それから数分経った頃、某「ドリルは男のロマン」を主題にしたロボットアニメにおいて地球を支配していた螺旋王とよく似た声が彼女を呼び止めた。

 

「雷光よ!」

『バンバンシューティング!』

 

その声の主がこの事態の黒幕だと読んだ朱乃は其処に振り向くと共にガシャットを起動、更に雷光の魔力を顕現、振り向いた先にいた白を基調とした魔法使いと思しき姿の、仮面ライダーと言えなくもない戦士に向けて降り注いだ。

 

『ディフェンド!エクスプロージョン!ナウ!』

「きゃぁ!?」

 

それに対応している隙を突いてスナイプに変身しようとした朱乃、だがそれは予想外の事態に阻まれてしまった。

何か電子音声と思しき声がしたかと思ったら、突如として朱乃の目前の空間が爆発、それが彼女に直撃してしまったのだ。

ガシャットの起動時に出現するスクリーンは、ちょっとやそっとの攻撃ではびくともしない防御壁としても使える、その為それを前面に出現させる事で仮に相手が攻撃して来ようと問題ないと判断していた朱乃はそれに対応出来ず、爆発の勢いに押されるまま大きく吹き飛ばされてしまった。

 

『グラビティ!ナウ!』

「くっ!?こ、これは、重力…!」

 

まさかの事態で少なくないダメージを負いながら、尚も変身しようとガシャットを握っていた手を動かす朱乃、だがそうはさせないと言わんばかりにまたも音声が響く、と同時に彼女の五体がまるで地面に縫い付けられたかの様に動かなくなってしまった。

その直前に聞いた音声、そしてその状況に至らせたであろう急激に重くなった身体…

其処から朱乃は、己の身に強大な重力が圧し掛かっているのだろうと気付いた。

後方からの狙撃という戦闘スタイル故か身体的な能力は高くない上、先程の爆発でダメージを受けていた朱乃に、それは余りにも効果的過ぎる枷となってしまった。

 

「ほう。力の差を見せつけられ、尚も絶望せず私に立ち向かうか」

 

自らは仰向けになった上、強大な重力によって地面に縫い付けられた状態、一方で白い戦士は、先程朱乃が放った雷光の魔力など物ともしていないと言わんばかりに無傷。

状況は絶望的にも関わらず、朱乃は白い戦士への敵意を隠す事無く、顔を向けて睨み付けながら、ガシャットを握る手を動かそうと奮闘していた。

 

「もしあの時イッセー君が助けてくれなかったとしたら、きっと私かお母様が殺されていたかも知れません。そしてもしお母様が殺され、私だけが生き残ったとしたら、きっと私は自身に流れる堕天使の血に絶望し、自暴自棄になっていたかも知れません。イッセー君が、私が至ったかも知れない絶望を、希望に変えてくれた…!

今度は私が、誰かの絶望を、希望に変える番ですわ!」

 

そして己の想いと共に気迫を高めた朱乃は、己を縛り付けていた重力の枷を振り払い、白い戦士に正対する様に立ち上がった。

 

「『MAGIC THE WIZARD』。あらあら、魔法使い対決という事でしょうか」

『マジックザウィザード!』

第七戦術(セブンス・タクティクス)、変身!」

『ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!ババンバン!バンババン!イェーイ!バンバンシューティング!』

 

朱乃が重力の枷から解き放たれたと同時に、己の枷も解き放たれた、かどうかは分からないが、謎のガシャットが突如として発光、それに気づいた朱乃が取り出すと、既にラベリングされていて、『MAGIC THE WIZARD』というタイトルと、黒を基調とした魔法使いと思しき姿の、仮面ライダーと思われる存在がポーズを取る姿がデカデカと描かれたラベルが貼られていた。

それを起動すると、朱乃の背後に『MAGIC THE WIZARD』のタイトル、魔法使いと思しき仮面ライダーが決めポーズを取る姿がデカデカと描かれたスクリーンが出現、既に起動していた紺色のガシャットと共にゲーマドライバーに装填、何時も通りの手順でスナイプに変身した。

 

『アガッチャ!ド・ド・ドラゴ・ラーラララーイズ!フレイム!ウォーター!ハリケーン!ランドォォォォ!オールドラゴン!』

 

それと共に彼女の足元から赤い魔法陣が出現、それがスナイプの身体を通過すると、胸には龍の頭、背中には龍の翼、腰には龍の尻尾、そして手足には龍の爪を模したパーツが装着された姿――ウィザードシューティングゲーマーレベル7に変化した。

 

「さあ、ショータイムですわ!」

『ボルゲーノ!ナウ!』

 

ウィザードシューティングゲーマーと化したスナイプは、決め台詞と共に白い戦士へと飛び掛かる、白い戦士もそうはさせまいと言わんばかりに、身に着けていた指輪をベルトの、手を思わせるデザインのバックルにタッチさせる、すると先程流れたのと同じ様な音声と共に魔法陣が戦士の防御壁みたく出現、其処から膨大な炎が吹き上がったが、スナイプも負けじと胸に装着された龍の頭から炎を発射、相殺させる。

 

「やぁっ!食らいなさい!」

「くっ!はぁっ!」

 

その間に白い戦士との距離を詰めたスナイプは手足の爪、腰の尻尾を用いて接近戦を仕掛ける、白い戦士も笛の様な形の槍っぽい武器で応戦するが、武装の多さから来る手数の差は、接近戦に慣れていない朱乃の技量を加味しても防ぎきれるものではなく、次第に押されていった。

 

『ガシャット!キメワザ!マジックザ・クリティカル・ストライク!』

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

そしてスナイプは何時も通りの手順で黒と赤のガシャットを(爪パーツを装着した状態で器用に)左腰のスロットに装填しその力を解放、上空へと飛び立ってからドリルキックを放ち、白い戦士に直撃した。

その衝撃を受けては流石の白い戦士も耐えられずに爆発、跡形も無く消え去った。

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