ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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76話_欲望と終末の器、その名はOOO!

「此処は一体…?」

 

同じ時間に目覚めた白音は、例によって目前の光景に疑問を覚えた。

彼女が今いる場所は、特撮番組の戦闘シーンで良く見られる広い空間だった。

 

「緊急事態、という訳ですね…

不味いです、ガシャットギアデュアルαもありません。あるのはバクレツファイターガシャットと、何でしょうか、このガシャット?」

 

今の状況が自分にとって良くない物と即座に見抜いた白音は、懐に入れていたであろうガシャットギアデュアルαを取り出そうとしたが、ある筈のそれは無く、あったのは変身用の朱色のガシャットと、緑と黄色のリバーシブルなカラーリングで、ラベリングが施されていないガシャットだけであった。

 

「っ!こんな時に敵襲ですか…!」

 

知らないガシャットの存在に疑問を覚えた白音だったが、それを考える時間は与えられなかった。

彼女のいた部屋に、恐竜みたいな姿の異形が入って来たのだから。

 

「貴方には、愛する男性がいるそうですね。ですがその男性は、貴方だけを愛している訳ではない、そうでしょう?」

「…何故それを?」

 

その異形がこの事態を引き起こしたかは定かでは無いものの、自分の敵である事は間違いないと判断した白音が構える中、某地球防衛隊日本支部特捜班隊長らしき声の異形が、まるで彼女の人間(悪魔)関係を知っているかの様な疑問を投げかけた。

思いもよらぬ事を聞いて来たが故に気が逸れてしまった白音、それがいけなかった。

 

「愛する男性が貴方に見向きしてくれなくなる前に、貴方への想いを永遠の物としたいとは思いませんか?愛する男性が醜く変わる前に、美しい内に完成させたいとは思いませんか?」

「うぐっ!?がはっ!」

 

その隙を突くかの様に距離を詰め、白音の胸倉を掴んだ異形は、何処か意味深な問いかけをしながら、彼女を地面に叩きつけたのだ。

 

「物事は終わりを迎える事で初めて完成します、貴方の人生が終わる事で、愛する男性の、貴方への想いは完成するのです。私が完成させてあげましょう」

「あぐっ!いぎっ!」

 

尚も言葉を重ねながら白音を執拗に叩きつける異形、だが、

 

「お断りします!」

「ぬぅ!?」

 

一瞬の隙を突き、異形の腹部を蹴飛ばした白音、戦車として転生した彼女のパワフルな一撃には異形も怯み、彼女を掴んでいた手を離した。

 

「生憎ですが、イッセー先輩が私だけしか見ている訳では無いのは、私以外の女性をも愛しているのは承知の上です。いや、それを知った上で私はイッセー先輩を好きになり、恋人になりました。イッセー先輩の心は誰よりも大きく、誰よりも澄んでいて、それでいて深みがあって…

そんなイッセー先輩だからこそ、色んな人から好かれ、惹かれ、愛されていって、その絆は限りなく広がり、そして濃密な物となって行き、イッセー先輩もそんな絆を力強く背負って行くのでしょう。私も昨日のイッセー先輩よりも、今日のイッセー先輩の方が好きですし、きっと明日の、そのまた先のイッセー先輩をより好きになのだと思います。私の好きなイッセー先輩は、そんな存在なのですから」

 

異形から距離を取る事に成功した白音は態勢を立て直しながらも、先程異形が投げかけた問いかけに律義に回答していた。

 

「だから私は、貴方の言う『完成』など望まない!私はイッセー先輩の恋人の1人として、大好きなイッセー先輩への想いを抱いて生き続ける!」

 

勿論と言うべきか『NO』という回答を、恋人である一誠へ抱く想いの強さと共に。

 

「『JUNGLE OOO』…

オーオーオー?それともOの複数形(O’s)でオーズでしょうか?まあ良いです、使ってみましょう!」

『バクレツファイター!』

『ジャングルオーズ!』

 

その想いに応えるかの様に、謎のガシャットが突如として発光、それに気づいた白音が取り出すと、既にラベリングされていて、『JUNGLE OOO』というタイトルと、鳥らしき赤い頭部、虎らしき黄色の両腕、昆虫らしき緑の脚部を持つ仮面ライダーと思われる存在がポーズを取る姿がデカデカと描かれたラベルが貼られていた。

それを、朱色のガシャットと共に起動すると、白音の背後にバクレツファイターのスクリーンと共に『JUNGLE OOO』のタイトル、赤と黄色と緑の仮面ライダーが刀剣らしき武器を構える姿がデカデカと描かれたスクリーンが出現した。

 

「Oの複数形でしたか、まあ今はそんな事どうでもいいですね。ラウンド7、変身!」

『ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!ぶち込め正拳!バクレツファイター!』

 

ふと覚えた疑問が解決したが今はどうでもいいと切り替え、2つのガシャットをゲーマドライバーに装填、何時も通りの手順でノックスに変身した。

 

『アガッチャ!タトバ!ガタキリバ!シャウタ!サゴーゾ!ラトラーター!プトティラ!タジャドルオーズ!』

「欲望のままに、ぶっ潰します!」

「ぬぅっ!」

 

すると、ノックスの周りを覆う様に赤色のメダルらしき物体が多数飛び回り、その中の鳳凰を思わせる2枚のメダルが巨大化、うち1枚はノックスの胸部に、もう1枚は左腕に装甲として装着され、背中からは鳥を思わせる3対の赤い翼が生えた姿――オーズファイターゲーマーレベル7に変化した。

新たなる形態となったノックスは異形に向かってそう言い放ちながら、背中の翼で広大な空間を飛行しつつ、左腕の装甲から炎の弾丸を異形に向けて連射した。

異形も手足で振り払ったり、重力を操作すると思しき波動で潰したりと対応するが、次第に対処し切れず、炎に焼かれていく。

 

『ガシャット!キメワザ!バクレツ!ジャングル!クリティカル・ストラッシュ!』

「セイヤァァァァ!」

「ぐぅ!?わ、私が、完成してしまう…!」

 

弱り出したと見たノックスはそのまま、ゲーマドライバーに装填していたガシャットを2つとも右腰のスロットに装填してその力を解放、身体から吹き上がる炎がまるで巨大な鳳凰であるかの様な姿となり、そのまま異形へと飛来した。

その鳳凰の体当たりが直撃した異形は、そんな意味深な言葉を残して爆発、消えていった。

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