「え、ええ!?こ、此処は何処ですかぁ!?」
同刻、ギャスパーも、目覚めたばかりの自分の眼に映る光景に驚き、慌てふためいた。
ギャスパーが目覚めた場所は、寺を思わせる場所の、庭先だった。
「な、なんで悪魔のボクがお寺さんの敷地内にいるんでしょうか、頭痛も何故かしないし…」
悪魔である自分が、神聖な場所である寺の敷地内にいるのに何故か頭痛がしない事も相まって暫く混乱が収まらなかったギャスパーだったが、どうにか平静を取り戻し、
「そうだ、ガシャットは…
あれ、何でしょうかこの黒いガシャット…?」
自分の身に何かしらの事が起こったのだろうと判断、左腰のホルダーを確認したが、何時もホルダーに差していた緑色のガシャットの代わりに差さっていた、黒とオレンジのリバーシブルなカラーリングで、ラベリングが施されていないガシャットの存在に、ギャスパーは疑問符を浮かべた。
が、その疑問を考える時間は、ギャスパーには与えられなかった。
「ば、爆発!?この近くで一体何が!?」
『私は全知全能の存在。私が世界を変える!』
突如として響き渡った爆発音、それに続けと言わんばかりにギャスパーごと揺れ動く地面。
それに驚いたギャスパーが外に出ると、遥か遠方で赤い一つ目、背中から天使を思わせる翼を持った黄金の巨人が、少年の様な声でそう告げると共に地上へと攻撃を行っていた。
一つ目から放たれる強大なビーム、両手から放たれる黄金のエネルギー弾、地上へと産み落とされる一つ目兵士の大群…
その圧倒的と言って良い猛攻に対し、攻撃を受けた街の人々は逃げ惑うしか無かったが、誰一人として逃がさないと言わんばかりに一つ目の兵士達が回り込んで来た。
(ど、どうしよう…
ボクがクロノスに変身して戦わなきゃ、あの人達が皆殺しにされちゃう。あの人達を守る力が、救い出せる力があるのに、それをせずに見殺しなんて出来ない…
でも、今使えるガシャットはハコニワウォーズしかない。あんな強大な力を持った相手にレベル2のボク一人で叶う訳ない。イッセー先輩もリアスお姉様も、黒歌先生も白音ちゃんも、他の皆もいない。ボクは、どうしたら良いんだ…)
そんな現状を全て見ていたギャスパーは今すぐにでもクロノスに変身して、逃げ惑う人々を救い出したいという思いがあった一方、巨人達の圧倒的な強さによる猛攻の前に、自分一人ではどうにもならないと及び腰になっていた。
(ボクがいかなきゃあの人達は、巨人達によって殺される、でも弱いボクが行っても結局は同じ、だったらこのまま、でも…!)
巨人に対する恐怖と、逃げ惑う人々を救いたいという想いの板挟みとなり、思考が負のスパイラルに陥って行くギャスパー、
『恐怖に囚われ、何事もネガティブに考えてはいけない!後ろ向きに考えれば考える程、悪い方向に事は進んでしまう!それを自分の所為と捉えては、負のスパイラルに陥ってしまう!だが自分はやれる、自分なら出来る!そう信じてゆけば事はそう進んでゆく!そう!勝利のイマジネーションだぁぁぁぁ!』
(クロト、さん…?
そうだ、勝利の、イマジネーションだ!)
そんなギャスパーを救い出したのは、己のパートナーであるクロトから常日頃言われ続けていた言葉だった。
(凄く怖くて、心細くて、今直ぐにでも逃げ出したくなる。でもボクがやらなきゃ、あの人達皆殺される!ボクがやるんだ、ボクは仮面ライダーの王に、ゲムデウスさんの相棒に相応しい男となるんだ!)
「勝利の、イマジネーションだぁぁぁぁ!」
クロトから、それこそ刷り込み教育と言われても過言では無い位に言われ続けた『勝利のイマジネーション』、それを思い出したギャスパーは己を奮い立てた。
「『KAIGAN GHOST』…
どなたか分かりませんが、ボクに力を貸して下さい!」
『ハコニワウォーズ!』
『開眼ゴースト!』
そんな彼の奮起に呼応したのか、謎のガシャットが突如として発光、それに気づいたギャスパーが取り出すと、既にラベリングされていて、『KAIGAN GHOST』というタイトルと、パーカーを羽織った、黒とオレンジをベースカラーとした幽霊を模したであろう仮面ライダーと思われる存在がデカデカと描かれたラベルが貼られていた。
それを黒い変身用のガシャットと共に起動すると、ギャスパーの背後にハコニワウォーズのスクリーンと共に『KAIGAN GHOST』のタイトルと、幽霊を模した仮面ライダーが決めポーズを取る姿がデカデカと描かれたスクリーンが出現、
「
『ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!ハコニワウォーズ…!
アガッチャ!ゴー!ゴゴー!ゴゴー!開眼!レッツゴー!ゴー!ゴゴー!ゴゴー!開眼!覚悟!』
それらをゲーマドライバーに装填、レバーを開くと、何時もの手順でクロノスに変身した直後、虹色に光るパーカーを纏った幽霊らしき存在が出現、それを纏うと共に全身が虹色に発光し、胸のディスプレイには∞を模した装甲が着けられた姿――ゴーストウォーズゲーマーレベル7となった。
「命、燃やします!」
新たなる姿と化したクロノスは、何時もと違った決め台詞を言うと共に跳躍、まるで幽霊であるかの様に浮遊しながら巨人達に突撃した。
「ふっ!はっ!やぁっ!」
「あ、ありがとうございます!助かりました!」
「お礼は良いですから、早く逃げて!此処はボクに任せて下さい!」
今までとは比べ物にならない程の力を得たクロノスは、その力で一つ目の兵士達をバッタバッタと薙ぎ払い、追い掛け回されていた人々を逃がしてゆき、
『ガシャット!開眼・クリティカル・ストライク!』
「はぁぁぁぁ!」
『ぐぁぁぁぁ!?ば、馬鹿な、全知全能である私が…!』
全て救い出したと判断した所で、何時も通りの手順で黒とオレンジのガシャットを左腰のスロットに装填してその力を解放、飛び蹴りを放って巨人に直撃させた。
「お前は、間違えるな…!」
そのキックが貫通し、巨人の身体を通り抜ける最中、巨人の中に取り込まれていたであろう、某逆輸入俳優と何処か似ている青年がクロノスにそう、悲痛な形相で忠告するのを、彼はしっかりと聞いた。
「はい、ボクはこの力を、ボクに宿った神器の力を、
飛び蹴りが決まり、巨人が爆発四散する中、クロノスは青年の忠告を聞き入れ、そう返した。