84話_Second Termの始まり
冥界への帰省、若手同士のレーティング・ゲーム、街に戻ってからの唐突な新居への引っ越し、一誠もその存在を知らなかったガシャットの入手…
様々な出来事が起こった夏休みも終わり、駒王学園は2学期に入った。
再び始まる学園での日常、だが今日は其処に、新たな人々(?)が加入した。
「今日から皆さんの指導を行う事となりました、アーサー・ペンドラゴンです。担当教科は英語です。どうか宜しくお願いします」
まず学園の講堂にて、始業式とセットで行われた教職員の新任式、其処で、金髪で西洋人風の端正な顔立ち、と祐斗と何処か通ずる(ただ、眼鏡を掛けているという大きな違いはあるが)風貌の男性――アーサーが新任の教師として紹介された。
「今日からこのクラスの一員となった、ヴァーリ・ルシファーだ。宜しく頼むぞ、皆」
次に一誠のクラスにて、ヴァーリが転校生として紹介された。
実を言うと堕天使勢力は、既に特使として派遣する事が決まっていたヴァーリの他に、彼と個人的な付き合いのある実力者達を送り込む事にした様で『本来の』エクスカリバーの使い手として知られるブリテン王アーサーの末裔であり、自身もまた凄腕の剣士であるアーサーが英語教師として、孫悟空の名で有名な猿の妖怪、闘戦勝仏の末裔である
が、
「今日からこのクラスに加わる事になりました、レイヴェル・フェニックスと申します。皆さん、宜しくお願いしますわ」
「ゑ?な、な、なんで此処にいるんですか!?」
そんな堕天使側の事情とは関係なく、学園に加わった存在がいた。
その、白音とギャスパーがいるクラスに加わった生徒に驚きを隠せない白音、それもそのはず転校生として紹介されたのは、ついこの間の冥界への帰省の際、再会したばかりのレイヴェルであり、その時には2学期付けで駒王学園に転校して来るとの話は全く無かったのだから。
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「まさかレイヴェルまで転校して来るとは思わなかったわ…
ヴァーリ達については、グリゴリから事前に連絡があったから分かってはいたけど…」
「申し訳ありませんわ、リアス様。何分、急にあがった話でしたので、リアス様に連絡する暇も無く…」
その日の放課後、オカルト研究部の部室、其処には何時ものメンバーに、ヴァーリを始めとした堕天使勢力からの特使、そしてレイヴェルがいた。
レイヴェルの転校についてはリアスも知らなかった様で、白音からレイヴェルの事について聞かれた時の驚き振りは、それはそれは凄いの一言だった。
「おいおいおい、悪魔勢力の、フェニックス家の報連相はどうなってんだ?大事な娘っ子を預ける先に何の連絡も無しとか」
「いや、少なからず連絡はしてある筈だろう。駒王学園の学園長は悪魔勢力を束ねる魔王サーゼクス・ルシファー、そんな場所となれば元72柱の一角でしかないフェニックス家が許可はおろか連絡も無しに人員を送り込める筈は無い。よって少なくともサーゼクス・ルシファーに話は通っているだろう。となれば考えられるのは…」
「お兄様、ドッキリを仕掛ける積りで私達に黙っていたのね…
というかフェニックス家はどうして加担したのか、というよりそもそも何故レイヴェルをこの学園に…?」
「魔王の皆様はどんな状況でも芸人さんの如きユーモア精神を忘れない、素晴らしい方々なのですね!」
「ルフェイ、其処は感心する所ではありませんよ。というか美猴、貴方に報連相の不備を突っ込める資格があるとでも?」
そんな光景を見た美猴が連絡の不備について指摘していたが、ヴァーリが指摘する通り此処駒王学園の学園長はリアスの兄であり魔王でもあるサーゼクス、そんなサーゼクスに連絡も無しにレイヴェルの転入を通せる筈も無いし、仮に通ってしまったとしたら悪魔勢力を揺るがしかねない大問題だ。
ヴァーリの指摘を受け、これが兄であるサーゼクス達が仕組んだドッキリだと気付いて頭を抱えたリアス、それを仕掛けたサーゼクスに、金髪で可愛らしい、然し兄妹故かアーサーと何処となく似た顔立ちの少女――ルフェイは何故か感心していた。
それはともかく、そうなるとそのドッキリの切っ掛けとなるレイヴェルの転校は何故行われたか気になりだしたリアス。
実を言うと、グレモリー家との関係構築を諦めきれないフェニックス家、というよりその支援者の声を受け、フェニックス家長女であるレイヴェルを、リアスの眷属であり恋人でもある一誠に嫁入りさせるという目的があっての転校だったのだ。
レーティング・ゲームでリアスが勝った事によって結局は破談となったライザーとの婚約だが、はっきり言ってほぼ決まりかけていた婚約の話を唐突にひっくり返された事に納得の行かない支援者は多かった様で、その埋め合わせは有って然るべきとの声が大きかった。
サーゼクスもその声を無視する事、どんな傷も一瞬で全快させるアイテム『フェニックスの涙』を生産出来るというアドバンテージから悪魔勢力において少なくない影響力を有するフェニックス家を軽視する事は出来ず、また一誠とレイヴェルが前々から親密な仲だった事、当のレイヴェルが一誠に対して恋心を抱いていた事、一誠がISとして世に送り込んだ数々のゲームによる実入りが驚くほど良かった事、トドメに一誠が開発したライダーシステムを用いてリアス眷属が見せた活躍が目覚ましかった事もあってか、レイヴェルの人間界への留学という名の、兵藤家への嫁入りはあっさり決まった。
(支援者の思惑がどうあれ、これは千載一遇のチャンスですわ!天才ゲーマーLの名に賭けて、必ずやIS様のハートを
政治的な思惑が絡む物ではあれど、恋した相手へ近づくチャンスを得て心の中で意気込むレイヴェル、その想いはそれ程遠くない未来に結ばれる事となる訳だが、それはまた別の話。
「まあ、レイヴェルさんの転校に関わる話は一先ず置いておきましょう。先日行われた若手悪魔同士によるレーティング・ゲームの映像を見させて頂きましたが、実に素晴らしい物でした」
「そうだな、アーサー。強大な戦力を有するサイラオーグ・バアル眷属を事も無げに捻じ伏せるという信じがたい展開を見せつけたゼファードル・グラシャラボラスの手腕も凄まじいの一言だったが、やはり目玉は、仮面ライダーとなったお前達の圧倒的と言って良い実力だ」
「はい!私はIS様が変身して2人になったあの仮面ライダーが格好良かったです!2人となり力合わせて困難に立ち向かう姿、元となったマイティブラザーズXXを彷彿とさせました!」
「俺はリアス嬢が変身したあのゾンビみてぇな仮面ライダーだねぃ。『超越者』と称されるサーゼクス・ルシファーと同じ状態に達したとか、やっぱすげーな、イッセーの開発手腕は」
それはともかくとして、話は夏休み中に行われたレーティング・ゲームに移った。
奇跡が起こってもあり得ないと言われていた大金星を導いたゼファードルの王として求められる指揮能力等の見所はあったが、アーサー達が注目したのは仮面ライダーに変身したリアス達の実力だった。
「そうか、其処まで褒められると、開発者冥利に尽きる。折角だ、その仮面ライダーの力、模擬戦で体感してみないか?」
「良いのか?此方からお願いしたかった程だ、是非とも乗らせて貰うが」
「ああ。丁度、新しいガシャットが完成した所だったからな」