どちらも知ってるとなお良い。
『
過去において殺人鬼が愛用していた
しかし、何をもって『殺人鬼』と判断されるのか。
何人殺すことで『殺人鬼』と成れるのか。
ある歴史家は言う。
「一人殺せば殺人者。十人殺せば殺人鬼。百人殺せば殺戮者。千人殺せば英雄さ」
ある占い師は言う。
「最初の殺人は特別。後は蛇足のようなものだ。だから二人目以降は人として殺せない」
ある預言者は言う。
「何だかんだ言っても、人殺しは総じて鬼と成る。剣客なんて全て殺人鬼みたいなもんよ」
ある鍛治師は言う。
「俺の打つのは人を斬りたくなる、人斬りとなる、殺人鬼と成る刀だ。俺? 俺はあくまで製作者。人斬りではなく刀作りが仕事さ。作った後、その刀が何人斬ろうが、どこで折れようが知ったこっちゃないね。だがまあ、強いて言うならば、──どこまで完了に近づけるか、ってのは気になるところだな」
これは完成を超え、しかし完了することができなかった、とある一本の刀の話。
折れず曲がらず、全てを斬り裂き、数多の刀身を持つが如く、儚げで美しい、強固にして堅牢で、比肩するもの無き力を持ち、時には悪となり、だが人として生き、正しく在ろうとする、誠実なる心は、人によっては或いは毒で、最後には炎によって灰燼に帰す。
そして
「錆くん。
「なんですか、
「隙です。突き合ってください」
「ん?」
「……間違えた。好きです。付き合ってください」
「いいですよ。お姉さんと一緒だったら」
「ん、おねぃちゃんに聞いておく。期待してて」
「りょ」
「おねぃちゃん」
「ん? なんだい病子」
「好きな人ができたの」
「な、なん……だと。どこのどいつだ? お姉ちゃんが殺s、じゃなくて様子を見てきてあげよう。だからそいつの名前を早く言うんだ」
「同じクラスの、錆透くn「分かった
「……それともおねぃちゃん『が』欲しいのかな」
「私は『ついで』なのかな」
「それでもいい」
「錆くんの
「もう『女王』なんてどうでもいい」
「錆くんとおねぃちゃんさえいればいい」
「三人だけの世界だったらいいのに」
「そうしたら錆くんを誑かす他の
「私、知ってるんだ」
「錆くんが他の雌に告白されてるの」
「錆くんはいつも断ってる」
「でも私の告白は断らなかった」
「おねぃちゃんと一緒って条件だけど、付き合ってくれる」
「うふふ」
「あはは」
「あはははははっ」