万能全刀のラスティ・ハート   作:四季式

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刀語×クライムエッジのクロスオーバー。
どちらも知ってるとなお良い。


プロローグ。

 『殺害遺品(キリング・グッズ)

 

 過去において殺人鬼が愛用していた道具(得物)が、その所有者の願望や由来を具現化した能力を得た骨董品(アンティーク)

 しかし、何をもって『殺人鬼』と判断されるのか。

 何人殺すことで『殺人鬼』と成れるのか。

 

 ある歴史家は言う。

「一人殺せば殺人者。十人殺せば殺人鬼。百人殺せば殺戮者。千人殺せば英雄さ」

 ある占い師は言う。

「最初の殺人は特別。後は蛇足のようなものだ。だから二人目以降は人として殺せない」

 ある預言者は言う。

「何だかんだ言っても、人殺しは総じて鬼と成る。剣客なんて全て殺人鬼みたいなもんよ」

 ある鍛治師は言う。

「俺の打つのは人を斬りたくなる、人斬りとなる、殺人鬼と成る刀だ。俺? 俺はあくまで製作者。人斬りではなく刀作りが仕事さ。作った後、その刀が何人斬ろうが、どこで折れようが知ったこっちゃないね。だがまあ、強いて言うならば、──どこまで完了に近づけるか、ってのは気になるところだな」

 

 

 

 

 これは完成を超え、しかし完了することができなかった、とある一本の刀の話。

 

 折れず曲がらず、全てを斬り裂き、数多の刀身を持つが如く、儚げで美しい、強固にして堅牢で、比肩するもの無き力を持ち、時には悪となり、だが人として生き、正しく在ろうとする、誠実なる心は、人によっては或いは毒で、最後には炎によって灰燼に帰す。

 

 そして(ヤスリ)をかけられたように名は削られ、故にその名は(サビ)となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「錆くん。(サビ)(トオル)くん」

 

「なんですか、病院坂(ビョウインザカ)病子(ヤマネ)さん」

 

「隙です。突き合ってください」

 

「ん?」

 

「……間違えた。好きです。付き合ってください」

 

「いいですよ。お姉さんと一緒だったら」

 

「ん、おねぃちゃんに聞いておく。期待してて」

 

「りょ」

 

 

 

 

 

 

 

「おねぃちゃん」

 

「ん? なんだい病子」

 

「好きな人ができたの」

 

「な、なん……だと。どこのどいつだ? お姉ちゃんが殺s、じゃなくて様子を見てきてあげよう。だからそいつの名前を早く言うんだ」

 

「同じクラスの、錆透くn「分かった()ってくる」……行っちゃった。……錆くんはおねぃちゃんも欲しいみたいだし、ちょうどいっか」

 

「……それともおねぃちゃん『が』欲しいのかな」

 

「私は『ついで』なのかな」

 

「それでもいい」

 

「錆くんの所有物(モノ)になれるなら、何だってする」

 

「もう『女王』なんてどうでもいい」

 

「錆くんとおねぃちゃんさえいればいい」

 

「三人だけの世界だったらいいのに」

 

「そうしたら錆くんを誑かす他の(メス)もいなくなるのに」

 

「私、知ってるんだ」

 

「錆くんが他の雌に告白されてるの」

 

「錆くんはいつも断ってる」

 

「でも私の告白は断らなかった」

 

「おねぃちゃんと一緒って条件だけど、付き合ってくれる」

 

「うふふ」

 

「あはは」

 

「あはははははっ」

 

 

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