「やあやあ、よく来たね。話は二人から聞いているだろうが、自己紹介は大切だ。僕はこの大学で教授職をしている
「はじめまして。
「ほう、しっかりした挨拶だ。ふたりのことをよろしく頼むよ。なにかと危なっかしい子達だからね」
「
「……偽物?」
「ははは、酷い言い様だなふたりとも。なんなら透君に君らの自慰の頻度や妄想ノートの隠し場所を教えてもいいんだぜ?」
「やっぱ掛け値無しの変態だな。そしてやめろ」
「やっぱり本物。そしてやめて」
それらの情報は非常に興味があるが、ふたりが嫌がっているので泣く泣く断念。
……後でこっそり聞いておこう。
「まあ挨拶はこのくらいにして、透君。このふたりは片方だけでもじゃじゃ馬だ。なぜ妹だけでなく姉まで要求したんだ?」
「……それは、私も気になる」
「そういえば理由は聞いてなかったな」
「それは────
姉妹丼って、ロマンじゃないですか」
「……は?」
「……おお」
「あっはっはっはっは!! そうか、ロマンか。それなら仕方ないね!」
さすが学者さん。
ロマンの重要性を分かっている。
「いやいやいや。じゃあ何か? あたしはその『ロマン』とやらのためだけに恋人にされたのか⁉︎」
「いえ、さすがにそれだけが理由ではないですよ」
「それでもかなりのウェイトを占めていそうな物言いだな!」
それは勿論。
漢のロマンのひとつである『姉妹丼』なのだから。
「病子も何か言ってやんな!」
「……ロマンは正義」
「裏切られたーーー⁉︎」
病子さんもよく分かってらっしゃる。
まあインドア派っぽいし、
ああ、僕はそこまでがっつりオタクというわけではないよ。
ある程度ネタが分かるくらいのレベルだ。
とりあえず、ドリルはロマンの塊。
「さて、面白おかしいギャグパートはここまでにしといて、透君。君は
「はい。おそらくは」
なんでもないように僕は答えた。
「なッ──⁉︎」
「──えっ?」
病院坂姉妹には、しかし予想外の事だったようで、目を見開いてこちらを向いた。
「やはりか」
「ふたりから聞いていた話の中にもヒントはあったが、確信したのは君の眼を見た時だ。君は人を殺したことがあるね?」
「はい」
先程と同じく、
「しかし分からないこともある。君は殺人経験のある
君の
「正解です。いえ、確信はあっても確証はないので『正解だと思う』が正しいですね。ですが敢えてこう名乗りましょう」
僕は仰々しく口上を述べる。
「我こそは伝説の刀鍛冶・四季崎記紀が打ちし血刀、全刀『