メア   作:漆黒のマカロン

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3話

12月19日。

私とお兄さんはお祭りに来ていました。

 

『わぁ!お兄さん!人がいっぱい!いろんな食べ物があるよ!!』

『そうだね。メア、はぐれないように手を繋ごうか。』

『うん!』

お祭りには色んな人が来ていたけど、特に恋人同士が多かったです。

みんな楽しそうで、幸せそうでした。

お兄さんはと言うと、あの日から特に変わった様子はありませんでした。

いつも通り、幸せな日々が続いていました。

けれど、なんだか今日のお兄さんは変。

落ち着きがないし、ぼーっとしていて、気分が悪そう。

 

『お兄さん!あれはなんて名前の食べ物なの?』

 

私はお兄さんに元気を出してほしくて話しかけました。

けれど、お兄さんから返事がかえってきません。

 

『...お兄さん?』

 

そこでお兄さんはハッとして私の方へ向き直りました。

 

『あ、あぁ...ごめん。どうしたんだい?メア』

『お兄さん...どうしたの?なんだか様子が変だよ?』

 

お兄さんは私を見て一息つくとしゃがみこんで、私と真正面に向き合うと、こんなことを言いました。

 

『メアは...世界で一番の、幸せ者になりたいかい?...なりたいと...思ったことがあるかい?』

『世界で一番の...?』

 

急にそんなことをいい出すなんてお兄さん、どうしたんだろう?

 

『んー、そういうのは思ったことないかなぁ』

『どうしてだい?...メアは、今まで幸せのない、辛い人生を送ってきたんだろう?世界で一番の幸せ者になりたいと思ったって、贅沢ではないだろう?』

『私はね、お兄さん...』

 

私はお兄さんに微笑みながら答えました。

 

『私は、お兄さんと一緒にいるだけで、充分幸せだよ。』

 

お兄さんは目を見開いて微笑むと私をぎゅっと抱きしめました。

すごく強くて、ちょっと痛かったけど、お兄さんの腕が震えてる気がしたから、そのままじっとしていました。

 

『メア。僕は君を、世界で一番の幸せ者にしたい。』

 

お兄さんは私に手を差し出しました。

 

『メア。手伝ってくれるかい?』

 

私はお兄さんに言いました。

『私だけが、世界で一番幸せになるのはいや。お兄さんも、一緒がいい』

『君が幸せになることが、僕の幸せだよ。だからメア...』

 

『君が...僕らが世界で一番の幸せ者になる為に...手伝ってくれるかい?』

『うん!そういうことならもちろん!お兄さんの為になら、なんだってするよ!』

 

私はなんの躊躇いもなく、お兄さんの手を取りました。

だって、私はお兄さんを信じていたから。

 

 

 

お兄さんと幸せに、なりたかったから。

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