12月19日。
私とお兄さんはお祭りに来ていました。
『わぁ!お兄さん!人がいっぱい!いろんな食べ物があるよ!!』
『そうだね。メア、はぐれないように手を繋ごうか。』
『うん!』
お祭りには色んな人が来ていたけど、特に恋人同士が多かったです。
みんな楽しそうで、幸せそうでした。
お兄さんはと言うと、あの日から特に変わった様子はありませんでした。
いつも通り、幸せな日々が続いていました。
けれど、なんだか今日のお兄さんは変。
落ち着きがないし、ぼーっとしていて、気分が悪そう。
『お兄さん!あれはなんて名前の食べ物なの?』
私はお兄さんに元気を出してほしくて話しかけました。
けれど、お兄さんから返事がかえってきません。
『...お兄さん?』
そこでお兄さんはハッとして私の方へ向き直りました。
『あ、あぁ...ごめん。どうしたんだい?メア』
『お兄さん...どうしたの?なんだか様子が変だよ?』
お兄さんは私を見て一息つくとしゃがみこんで、私と真正面に向き合うと、こんなことを言いました。
『メアは...世界で一番の、幸せ者になりたいかい?...なりたいと...思ったことがあるかい?』
『世界で一番の...?』
急にそんなことをいい出すなんてお兄さん、どうしたんだろう?
『んー、そういうのは思ったことないかなぁ』
『どうしてだい?...メアは、今まで幸せのない、辛い人生を送ってきたんだろう?世界で一番の幸せ者になりたいと思ったって、贅沢ではないだろう?』
『私はね、お兄さん...』
私はお兄さんに微笑みながら答えました。
『私は、お兄さんと一緒にいるだけで、充分幸せだよ。』
お兄さんは目を見開いて微笑むと私をぎゅっと抱きしめました。
すごく強くて、ちょっと痛かったけど、お兄さんの腕が震えてる気がしたから、そのままじっとしていました。
『メア。僕は君を、世界で一番の幸せ者にしたい。』
お兄さんは私に手を差し出しました。
『メア。手伝ってくれるかい?』
私はお兄さんに言いました。
『私だけが、世界で一番幸せになるのはいや。お兄さんも、一緒がいい』
『君が幸せになることが、僕の幸せだよ。だからメア...』
『君が...僕らが世界で一番の幸せ者になる為に...手伝ってくれるかい?』
『うん!そういうことならもちろん!お兄さんの為になら、なんだってするよ!』
私はなんの躊躇いもなく、お兄さんの手を取りました。
だって、私はお兄さんを信じていたから。
お兄さんと幸せに、なりたかったから。