バーテックスは敵である   作:日々はじめ

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第二章 結城友奈は勇者である
第1話 乙女のはにかみ


 讃州中学に通う私こと結城友奈はサンサンと照り付ける太陽の下を東郷さんと一緒に登校中です!

 東郷さんは昔大きな事故で両足が動かなくなっちゃったけどらしいんだけどそれを感じさせないほどの明るさをもったとてもいい人です。

 

 「友奈ちゃん、どうしたの?」

 「ううん、ただお隣さんが東郷さんみたいないい人でよかったなぁ~って」

 「もう、何言っているの……」

 

 そうやって顔を何故か赤らめる東郷さんもとても可愛いです。

 私たちは、讃州中学で勇者部という部活に所属しています。部長の犬吠埼風先輩にその妹さんの犬吠埼樹ちゃん、そして私と東郷さんの4人で所謂ボランティア活動みたいなのをやっています。

 幼稚園で劇をしたり、ゴミ広いをしたりさまざまな活動をしているんです。

 特に、東郷さんは多芸でマジックができたり料理がうまかったりパソコンも扱えます。

 前に、シルクハットから鳩が出てくるマジックを見せてもらってなんでやろうと思ったの?と聞いたところ困惑していた辺りから風先輩は2年前に何かあったのよと言ってくれて少し罪悪感に襲われたのは内緒の話です。

 

 「ねぇねぇ、東郷さん。今日の勇者部の活動って何やるかわかる?」

 「ううん、風先輩からは何も聞いてないの。ごめんね、友奈ちゃん」

 「あ、謝らないで東郷さん!」

 

 あははと力なく笑う私は端から見ればどう映るのかな?

 そして、他愛のない話をしていると学校につきました。

 すると、目の前に見覚えのある二人がいました。

 いつも、部を支えてくれる風先輩と樹ちゃんです。

 

 「風先輩、樹ちゃん!おはようございます!!」

 「おわっ!ってなんだ友奈か。びっくりさせないでよ。女子力が疑われるような声出しちゃったじゃん。と、東郷おはよう」

 「お、おはようございましゅ……!」

 「おはようございます。風先輩、樹ちゃん。あと、そこまで緊張しなくてもいいのよ?」

 

 樹ちゃんが下を噛んでしまい恥ずかしさのあまり赤面していると何処と無くフォローする東郷さん。

 まるで、娘とお母さんのようです。

 た、確かに東郷さんは中学生にしては一部がその……発育してるけど……。

 

 「じゃあ、皆。放課後部室でね」

 

 風先輩の声に私たちは揃えて返事をしました。

 教室でのホームルームが終るとクラスが賑やかになります。

 私が東郷さんと話をしていると突然ソレは起こった。

 

 「ーーー?あれ、みんなどうしたの?」

 「えぇ……。何か怖いわ、友奈ちゃん」

 「大丈夫だよ、東郷さん!!」

 

 さっきまで騒がしいクラスはまるで時が止まったように……。ううん、これ本当に時が止まってる。

 その事実に気が付くと次に警報が鳴り響いた。

 警報の原因は私の携帯……?東郷さんの携帯からも警報が鳴っている。

 その画面には、樹海化警報とだけ記されていた。

 すると、当たり一面光に飲み込まれていく。

 

 「友奈ちゃん!」

 「東郷さん!」

 

 私が東郷さんを守るように覆い被さり何もないとわかると顔を上げた。

 そこは、神秘だった。

 美しい木の根が地面を見たし、美しい光景が目の前に広がっていた。

 

 「友奈、東郷、無事!?」

 「風先輩!?それに、樹ちゃんも!!」

 

 私と東郷さんが目の前の光景に圧倒されているとそこに風先輩と樹ちゃんが駆けつけてきました。

 すると、風先輩が驚くことを口にします。

 

 「ーーー実はね、皆に隠していたことがあるの。この勇者部っていうのは仮初め、本当は本物の勇者として神樹様のお役目を果たす、そういうものなの」

 

 突如として豹変した雰囲気に私たちはたじろぐ。

 そして、その言葉を飲み込む。

 お役目として勇者を果たす。何故かその言葉は妙に軽快とストンと胸の奥に落ちた。

 そして、風先輩は恐らくはこれを知っている。

 

 「なんで知っているのかっていう顔をしているわね……。えぇ、私は大赦から送り込まれた存在なの。そして、貴方たちの監視も命じられている。どう、納得した?」

 「お姉ちゃん……」

 

 大赦というこの世界を調停する機関から派遣されていたのに驚くと同時に樹ちゃんの反応からそのことは今初めて聞かされたらしい。

 けれど、勇者と言っても何と戦い、どう戦うかはわからない。

 東郷さんは未だにこの現実を受け入れられていないのか小声で「夢じゃない……」と呟いていた。

 震える東郷さんの手を握り風先輩に問いかけます。

 

 「風先輩、私たちは何をすればいいんですか?」

 「流石は一番の勇者気質ね。この部活に所属した際にインストール一つのアプリを開いて頂戴。それを使えば勇者に返信できるわ、こういう風にね!!」

 

 そういってアプリのボタンをタッチすると風先輩は黄色を貴重とした服装と外見には到底似合わない大剣を握り締めていた。

 

 「そして、私たちは本当の敵バーテックスから神樹様を守らなければいけない。もし、バーテックスが神樹様に辿り着いてしまったらこの世界は崩壊する。わかった?」

 「ちょ、ちょっと待ってください!!まったくもって風先輩の言っていることがわかりません!バーテックスとか勇者とか……」

 「東郷さん、落ち着いて。けど、私は決めたよ。未だ良く意味がわからないけどここで戦わなかったお父さん、お母さん、そしていろんな人に被害が及ぶことだけはわかった。だったら、勇者部として、勇者として、ーーーー戦う!」

 

 東郷さんの言う通りだ。

 風先輩の言っていることは全然わからない。

 けど、バーテックスっていう奴からこの世界を守らなければいけない。

 だったら、私は戦うよ。

 そして、風先輩のようにアプリのボタンをタッチする。すると、体全身を光が包み桜色を主体とした衣装に変化する。

 

 「流石は友奈ね……。東郷、巻き込んでごめんなさい。樹も。二人は何処か危なくないところに避難しておいて。私と友奈が今から来るであろうバーテックスと戦う」

 「……お姉ちゃん。私も戦う。ここで引いたら多分これからお姉ちゃんの妹だって胸を張って言えないと思う……。だからーーー!!」

 

 私の次に樹ちゃんも変身した。

 樹ちゃんは緑を主体した色彩だ。

 そして、残る東郷さんも変身を試みてもなぜか行かない。

 どうやら、風先輩が言うには強い意思と安定した精神状態がなければ変身出来ないらしい。

 その事実に消沈したのか明らかに顔色が悪くなった東郷さんは一人で車イスで移動しはじめました。

 

 「東郷さん……」

 「ごめんなさい、友奈ちゃん、樹ちゃん、風先輩。私が、私だけがこんな……」

 「気にすることじゃないわ。戦うか戦わないか。それも命を賭してまでのものだからね」

 「……皆を頼みます」

 

 その言葉に頷き私たちは普通ではあり得ないほどの速度で神樹様の中を駆け抜けた。

 東郷さんはもう見えなくもなっていた。

 

 「最初だから何も気負いすることはないわ。私が攻撃するから二人はサポートよろしく!」

 「はい!」

 「うん!」

 

 そして、待つこと数分。

 バーテックスがやって来た。

 いつからいたのかわからない。けれど、気付いたら壁の目の前にいた。

 白を基調とし、所々赤い線が入った不気味な鎧を来ているような人間のようなもの。

 風先輩から聞くにバーテックスは大型だというのを聞いていたがあれはいったいなんなのだろうか?

 それを聞こうと風先輩の顔を見ると顔は真っ青に染まっていた。

 

 「風、先輩……?」

 「ははっ……。ウソでしょ……?まさか初戦で当たるなんてね……。運が悪すぎるにも程があるでしょ……。作戦変更よ。友奈、樹。貴方たちも私と一緒に攻撃。私がなんとかリードするから」

 「お姉ちゃん、どうしたの!?」

 「アイツはーーー。今は説明する暇なんかないわね。この戦いが終わったら教えてあげる。だから……。死なないでよ、二人とも!!」

 

 

 その言葉の後に彼女は言葉を小さく溢した。

 

 「愛しているわよ、樹」

 

 その言葉は、相手のバーテックスの地面を蹴る音で消えていった。

 

 ■■■

 

 わからない。わからない。わからない。

 風先輩の言っていることがわからない。

 バーテックスとか勇者とか。戦わなければ世界が滅びるとか。そして、私は今ある感情を抱いている。

 怖い……。本能がこの光景を恐れている。

 そして、私は2年前の記憶を失ってからの始めて見た光景を思い浮かべる。

 同じだ。あの時と。

 けど、あの時はもう一人女の子がいた。もしかしたらあの子も勇者と言う存在ではなかろうか?

 あの、ふわっとした雰囲気になぜか落ち着く感じの。

 確か、貴方の名前は……。

 

 「貴方の名前は……。乃木、園子……?」

 

 東郷三森は頬を流れる涙に気付かないまま彼女の名前を紡いだ。

 

 「乃木、園子……。園子……その……っち……グッ!」

 

 何故かわからないが最後の呼び名は妙にしっかりと来る。

 しかし、その名を呼ぶと酷い頭痛に襲われた。

 頭が割れるような激痛に叫ぶことすら許されず彼女の意識は闇へと落ちていった。

 

 そして、落ちり行く意識の中彼女はもう一人の名前を無意識に呼んだ。酷く悲しそうに。ただ、ポツリと。

 

 「……銀……」と。

 

 




あのバーテックスは一体なんなんだ……?(すっとぼけ)
一度アニメを見返すためにアマゾンでポチった私を誰か誉めるべき、誉めて。
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