少年の異世界戦記~NARUTO編~(凍結中)   作:クロイツヴァルト

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護衛任務と酔っ払いと霧隠れと

 

 

 結果から言うならばあのサバイバル演習は合格したと言える。丸太に括り付けられたサスケに弁当を食べさせるなと言われたのに俺が分け与えた事でカカシが現れて合格を言い渡したのだ。ルールを守れない奴はクズだが仲間を大切にしない奴はもっとクズだというカカシの言・・・。任務か何かでそう思う様になったのか分からないが、何故チームワークが必要なのかを演習科目として全員が考えさせられるものとなった。ただ一つ追記するのならサスケがライバル心を抱いた事とナルトの事を少なからず認めると言った微笑ましい事があった。

 

 「もー飽きたってばよ!お爺ちゃん、こんな低ランク任務ばかりでつまらないんだってばよ!」

 

 「「(そろそろ言い出すころだと思った)」」

 

 大名夫人の猫の捕獲もとい捜索任務を終えて第七班が火影様の所で任務の事で話をしていたが、堪り兼ねたナルトがくってかかる。それを尻目にサスケも頷き納得していた。そしてサクラも同様なようであった。

 

 「ナルト!お前はまだ下忍になったばかりだろ!新人は新人らしく下積みをしっかりしてだな」

 

 「よいイルカよ。そろそろ言い出す頃合いかと思っていた所じゃ。」

 

 「しかし、火影様」

 

 「お前達にもう一度説明するが、儂ら忍者が請け負う任務はSからEランクに分けられておりSランクに近づくにつれて過酷で厳しく難しい任務がある。それに受けれるのはS、Aが上忍、特別上忍。B、C中忍。D、Eが下忍となっておる。そしてSランクの任務については火影である儂の許可が無いと任務に就く事すら出来ん特に危険な任務じゃ。その中で今回はナルト達にはDランクの護衛任務をやって貰いたい。」

 

 その火影様の言葉にナルトを始め、サスケやサクラも新しい任務に浮かれていた。

 

 「火影様、それはどんな任務なのんですか?」

 

 サクラは待ちきれないのかそう火影様に聞く。

 

 「うむ、要人の護衛をしてもらおうと思っておる。丁度Dランクで依頼があったのじゃ。どうじゃ?」

 

 「勿論やるってばよ!」

 

 「(ずっと下らない任務で飽き飽きしていた所だしナルトにしては気が効くな)・・・そうだな。」

 

 「(しゃーんなろう!子供でも出来る事ばかりで飽きてたところなのよね)やった。」

 

 三人の様子を見て溜め息を吐くカカシに同情したのか戒翔が腰の辺りをポンポンと叩く。

 

 「引率大変だな・・。」

 

 「戒翔、手伝ってくれるか?」

 

 「子供の引率は大人の役目だから俺は想定外の事態じゃなきゃ手伝わないぞ?」

 

 「・・・Dランク任務だから大丈夫とは思うけど」

 

 「いつの世も油断ならないものですよカカシ先生」

 

 「まったく君は年相応には見えないね。」

 

 呆れ顔のカカシと小声で会話しつつも火影様とナルト達、そして要人警護を依頼してきた人物は編み笠を被り酒が入った徳利を片手にホロ酔い気味のおっさん、名前をタズナと言った人物はナルト達を見てガキだけで大丈夫なのかと直球で言う。その言葉に三人があからさま過ぎる態度を出してまたもカカシと一緒に溜め息を吐く戒翔なのであった。

 

 ―――――――――――――――――――――――――

 

 「木の葉の里を出るのは俺もナルトも初めてだからはしゃぐのは良いがそこらの石ころに躓くなよ?」

 

 「大丈夫だってばよ!」

 

 「カカシ先生、波の国ってどんなところなの?」

 

 「波の国は小さな島国が寄り集まっている小さな国だ。」

 

 「そうじゃ。そしてわし等の国は陸路が無く場所を行き来するためには航路を使うしかない不便な国じゃ。まぁ慣れてしまえば超住みやすい国じゃ!」

 

 そう話しながら街道を進む第七班。そんな所に道端に水たまりがあるが、カカシ、戒翔以外は見向きもしなかった。そして全員が水たまりの横を通り過ぎた時・・・

 

 「っな!?」

 

 「先ずは」

 

 「一匹!」

 

 両方から刃の付いた鎖がカカシ目掛けて襲い掛かりあっと言う間に雁字搦めにされたカカシは無残な肉片にされてしまう。カカシを肉片にしたのはボロのマントを身に纏い、口はガスマスクの様な物で覆った二人の忍者であった。そんな異常事態にサクラは悲鳴を上げ、ナルトは放心すると言う愚行を犯す。

 

 「っあ」

 

 「二匹目!」

 

 「いやぁぁぁぁぁ!?」

 

 敵忍者の声に反応したナルトとサクラは劈く様な悲鳴を上げる。しかし・・

 

 「ぐあぁぁ!?」

 

 「・・・仲間に手ぇ出すとはいい度胸だな?」

 

 突き出した手に紫電を走らせた戒翔がナルトを背に隠しながら先程の紫電に撃ち貫かれた敵をなんの感情も見せない瞳で見下ろしていた。

 

 「カ、カイト・・」

 

 「ナルト、大丈夫か?」

 

 「う、うん。」

 

 サクラの安否を確認した戒翔の表情は先程とは打って変わって優しげな瞳で見ていた。

 

 「・・・サスケの方は良い線行っているけどやっぱりあの国の忍者相手じゃ分が悪いか。サクラはタズナのおっさんの所に行っていろ。」

 

 それだけ言うと戒翔はサクラの返事を待たずにサスケの下に走る。

 

 「・・・大丈夫か?」

 

 「なんとかな・・。」

 

 丁度、敵の攻撃を利用して飛び退ったサスケの所に戒翔が割り込み牽制とばかりに苦無と手裏剣を数発投げながら聞くと難しい顔をしながらも答える。

 

 「相手は中忍クラスの実力者だ。どうする?俺が潰してもいいが?」

 

 「流石に一人で行かせられる訳ない。俺が囮をするだから・・・しっかり決めろ。」

 

 「ふふ、了解した。ギルガル・ギルティ・ギルディアス 我に従え氷の女王、来れ永久の闇、永遠の氷河。」

 

 サスケの言葉に少し笑みを零しながらも戒翔は忍術とは別の力・・カカシの前で見せた魔法を使うべく詠唱を開始する。瞬間、周囲の気温が下がり始める。

 

 「なんだ!?」

 

 「樹が凍っていくだと!?」

 

 「一応加減はしてやるが・・最大威力であれば周囲4000フィートを瞬時に凍て付かせる広域殲滅魔法だ!貴様らに逃れられる術は無い!サスケ、そこから離れろ!」

 

 二人の敵忍者が驚く中、不敵な笑みを浮かべる戒翔はサスケを呼ぶとそれにすぐに反応したサスケは敵忍者を蹴り飛ばし、その勢いを使い戒翔のすぐ横に着地する。

 

 「生ある者には等しき死を、其れは安らぎなり。【凍る世界】」

 

 戒翔の詠唱が終わるのと同時に敵忍者は氷の棺に閉じ込められる。それを見ていたサクラとサスケ、タズナ、そして・・・

 

 「何時までそこで呆けていれば気が済むんだ?子供だけにこんなヤツラを相手に差せるとはいい性格しているな・・・カカシ先生?」

 

 木の陰に隠れて気配を消していたカカシに対して告げれば申し訳なさそうに出て来るカカシ。それを見たサクラとサスケは驚き、肉片になっていたと思ったのか背後を見れば細切れになっていたのは身代わりに使われた丸太だけであった。

 

 「俺もあの水たまりに気付いていたから良いものの・・・あまり褒められた事じゃないとおもう。狙いがどちらなのか見極める為とは言えね?」

 

 嘆息しながら戒翔はそう言う。カカシはそれに対して

 

 「あはは、そこまで分かっていたのか・・。だけど肝心の情報源を殺しちゃったから結局は分からず仕舞いになっちゃったけどね。」

 

 「は?まだ死んでないぞ?」

 

 仕返しとばかりにそう言うカカシに対して戒翔はあっけらかんと告げる。

 

 「・・・全身氷漬けなのにか?」

 

 「完全に殺すのならこの魔法は完成した直後に粉々に粉砕されるし、最後のワードが違う。身動きが取れない様に印も組めない様にして尚且つ自殺防止の為に全身を凍らせただけだ。顔の付近だけ術を解くから尋問すればいいと思うけど?」

 

 そう言って戒翔は氷漬けになっている2人の忍者の顔付近の氷を融かす。

 

 ―――――――――――――――――――

 

 「ナルト、無事でよかったよ。」

 

 「戒翔は凄いわね、あんなに怖い奴らを簡単に倒しちゃったんだから。」

 

 「サスケの方が過ぎと思うぞ?俺みたいに反俗気味な能力がある訳じゃないのに霧隠れの忍者鬼兄弟の1人を相手にして善戦していたんだから。」

 

 「鬼兄弟?」

 

 「俺も途中で思い出したんだが、金を積まれれば殺しも安易に行う危ない奴らだって事だ。ナルトも何時もの修行の事を思い出していれば出来たかも知れないけども初の実戦で動きが鈍ったのかな?」

 

 「戒翔、今回の任務は・・・」

 

 「完全に俺達には荷が勝ちすぎていると思うが・・」

 

 「もう私は無様な姿を見せない!もうあんな事にならない様に!もう助けられるようなドジはしない!」

 

 「おい・・ナルト」

 

 「っん・・・この痛みと血に賭けて私は誓うんだってばよ!」

 

 戒翔の制止を振り切り左手に持った苦無を右手の甲に刺し鋭い目つきで戒翔達を見る。

 

 「ナルト、それは良いが・・・その出血量だとそのまま失血死するぞ?」

 

 「え・・・」

 

 カカシの言葉に凍りつくナルトだが、次の瞬間にはワーキャーと騒ぎながらカカシに手当されていた。

 

 「・・・なんとも締まらないな。」

 

 戒翔の呟きは虚しく消えるのであった。

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