驚愕!誰にも知られることがなかった本当の童話集   作:筆先文十郎

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元ネタはヘンゼルとグレーテルです。


和菓子の家

昔々、あるところにヘンゼルという男の子とグレーテルと女の子がいました。兄妹は口減らしのために親によって森に捨てられ、森の中を彷徨っていました。

「おなかが空いたよ」

すると二人の視線の先には自分達が見たことのない家がありました。

兄妹は興味深そうに家を見ます。白い壁に触れるとプルンとゼリーのような感触があります。

二人は知りませんでしたが、壁はういろう。扉は麩菓子(ふがし)茅葺屋根(かやぶきやね)にも見える屋根はよく見ると芋のかりんとうで作られていました。

お腹を空かした兄妹は始めてみる和菓子で出来た家に恐怖心を抱いたものの、家から漂う()いだことのない美味しそうな匂いに耐え切れず、少しだけ家を食べました。

「「美味しい!」」

二人は先ほどまでの恐怖を忘れて無我夢中で和菓子の家を貪りました。気づいた時には質量保存の法則を無視して、和菓子で出来た家は二人の小さな子どもの腹に収まってしまいました。

その時です。足音が自分達のほうへ近づいてきたのです。

「さてと、今日は何を作ろう……か…………」

現れたのは二人が見たこともない白い作業着を着た老齢の男が呆然と家だった場所を見ていました。

「お、俺の……俺の家、が…………」

「「ご、ごめんなさい!」」

言葉を失う男に兄妹は頭を下げます。

「本当は悪いことだと思ったんです……」

「でも、美味しそうな匂いがして一口食べてみたらすごく美味しくて。気づいたら……」

二人はポロポロと涙を流しながら謝罪の言葉を述べました。

「……」

少しだけ立ち直った男が二人をじっと見ます。

「一つだけ聞こう」

その言葉に二人はビクッ!と震ええます。

「俺のお菓子、美味かったか?」

「「は、はい!」」

その質問に二人は先ほどまで泣いていたのが嘘のように口走ります。

「あの白い壁。もちっとしていて面白い食感でした!味もさることながらあんな病み付きになる面白いものがこの世にあったなんて!!」

「あの黒い扉。パサッとした食感にカリッとした食感であり、甘味とコクあって!」

「あの屋根の部分は甘くて歯ごたえがあって、本当に美味しかった!」

二人は一時間以上も食べたお菓子の素晴らしさを語った後、男は

「そうか、美味しかったか!」

心の底から嬉しそうな笑みを浮かべながら二人の肩を叩きました。

「だったらおじさんがまた作ってやるよ!」

「「ありがとうおじさん!」」

こうして二人は和菓子職人の男に和菓子を食べさせてもらうことになった。

その後二人は自分達も男のようなお菓子を作りたいと言い出し、試しに教えたところ筋がいい。そこで男は二人に自分の持っている技と知識を包み隠さず教えました。

そして10年後。

二人が一人前の和菓子職人になるのを見届けると、男は静かに息を引き取りました。

二人は森を出ると和菓子を作りながら町で売り歩くことにしました。今まで見たこともないお菓子に町の人々はこぞって二人の和菓子を買っていきました。

そのお金を元手に二人は土地とその土地を耕してくれる人を雇いました。和菓子に必要な米や小豆、お茶を作ってもらうためでした。

それにより町に新たな雇用が生まれ失業者が激減。食い扶持減らしで家を追い出された経験のある二人は自分達で生きていけるように無料の学校を作りました。学校だけではなく低額の病院施設も作りました。

また才能はあってもお金がなくて発揮できない人には資金を援助しました。

そうするうちにヘンゼルとグレーテルの名前は国中に知れ渡りました。多くの人は二人を支持しましたがもちろん快く思っていない人たちはいました。

貴族や名主たちです。彼らは二人を貶めるために様々な手を尽くしました。しかしそれは逆効果でした。

二人を守ろうと二人に恩義を感じる者、親しむ者が一致団結。ついには革命軍として圧政を強いていた旧政権を打倒。

トップに立った二人は高い税を撤廃。道路や橋などの公共なものに税金を使うようにしました。

その後二人は国がある程度安定すると信頼できる人間に後を任せると和菓子で人々を笑顔にさせるために自分達が作った国を後にしました。

 

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