アーラシュに憑依したオリ主がネギま!の修学旅行中にステラする話   作:偽馬鹿

13 / 34
短めですが、これで一区切りです
これ以降の話は色々終わってからということで(イベント的な意味で)


拾われっ子我侭になる

目が覚めたら知らない天井だった。

 

スピカは飛び起きて辺りを見渡す。

アーラシュを探しているのだ。

最後の記憶ではきっと大丈夫なはず。

みんなの協力のおかげで何とかなった……気がする。

 

見渡せば、すぐ隣にアーラシュ。

傷もなにもなく、普通の状態。

いや、傷がある状態なんて見たことないのだが。

 

 

 

「無断で死ぬなんて許さない」

 

 

 

スピカは呟き、ぎゅっとアーラシュの手を握った。

魔力の流れを感じると同時に、アーラシュとの繋がりを感じられた。

 

「……ふふっ」

 

笑顔が零れる。

なんだか嬉しくなったのである。

 

今まではふらりといなくなってしまいそうな不安があったのに、今はそれがない。

魔法的な繋がりとはいえ、頑強な絆ができたことでそれまでの不安がなくなったのだ。

 

というか逃げたら責任取ってもらうから。

乙女の柔肌傷つけた罪は重いよアーラシュ?

 

 

 

少しすると建物の外から大きな声がする。

それも2つ。

 

声のする方へ向かってふらふらと歩いていくと、刹那とネギ先生が暴れていた。

 

「……何、コント?」

「本人達は真剣だろうがな」

 

スピカは暴れている刹那とネギ先生を見ながら一言。

エヴァンジェリンは軽く笑いながらお茶をすする。

別に関わらなくても大丈夫そうだ。

 

 

 

暫く経つとその2人に突っ込む明日菜と木乃香がいたが、その頃にはスピカはアーラシュの隣へと戻っていた。

 

 

 

「いや、あんたも一旦帰るからね!?」

「えー」

 

 

 

スピカは明日菜に引きずられるような形で、クラスメイト達の泊まるホテルへと連れ去られるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼の話

満足いかないというエヴァンジェリンに連れられて観光をしていた。

お土産も買い、満足したと言うまで振り回されたスピカであったが、不思議と楽しかった。

 

「……ん、なんだ?」

「なんでもないわ」

 

それもこれも、アーラシュと一緒だからだろうか。

昨日の出来事もあり、いくらか素直になったスピカである。

その証拠に、スピカはアーラシュと手を握って一緒に歩いていた。

 

「むむ、この感じ……かなりのラブ臭を感じるわ」

「何?」

「ぐおおおおおお目があああああ!?」

「ハルナー!?」

 

スピカの扱いに慣れていないハルナが目潰しを喰らう。

眼鏡をかけているのだが、ノリがいいのかダメージを受ける。

いや、かけていたとしても勢いよくぶつければ普通に痛いだろうが。

 

 

 

暫く難しい話が続くと、小さな建物が見えてきた。

長の話では、それはネギ先生の父親の持ち物だという。

 

スピカはあまり関心はなかったが、ネギ先生が目を輝かせているのを見て様子を見ることにした。

スピカは空気を読むことを覚えたのだった。

偉い? とでも言いたげな顔でアーラシュを見るが、軽くスルーされた。

 

「ふっ」

「ん?」

 

スピカは不機嫌そうにそっぽを向くがアーラシュは気付く素振りを見せない。

いや、気付きながらもスルーしている可能性がある。

とスピカは憤り、アーラシュの足を思いっ切りを踏みぬいた。

 

「痛っ」

「ふふん」

 

痛みに反応したアーラシュと、当然とでも言いたげなスピカ。

放置する方が悪いのだ。

スピカはちょっと我侭になった。

 

 

 

写真も撮り、やることもなくなったスピカ達は、新幹線に乗り込んだ。

そしてスピカは更に我侭を言い、アーラシュの隣を陣取った。

エヴァンジェリンが苦笑したような気がしたが、スピカはスルー。

いや、スルーしきれず少しむくれたが。

 

「もう離れちゃ嫌よ」

「わかったよ」

「絶対よ。約束なんだから」

「約束するよ」

 

スピカはアーラシュに約束してもらい、ご機嫌のまま眠りに落ちた。

やはり昨日までの疲れが残っていたのだ。

 

すると、アーラシュはスピカの頭を撫で小さく呟いた。

それは誰にも聞こえないほど小さい声。

しかし、それはスピカの耳にしっかりと残ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「約束するよ、マスター」

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。