アーラシュに憑依したオリ主がネギま!の修学旅行中にステラする話   作:偽馬鹿

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ネギせんせーの英雄の卵エクササイズ2

「……」

 

ネギは考えていた。

アサシンのマスターだった悪魔。

そして、その雇い主である謎の人物について。

 

ネギ自身、悪魔が悪い悪魔だとは思えなかった。

仕事上仕方なくという面もあっただろう。

それと同時に彼自身の楽しみもあったのだろうが。

 

 

 

アサシンについても考えてみようと思ったが、彼女はネギに対して何もアクションを起こさなかった。

それどころか、ネギから離れようという意志を感じたほどだ。

何か理由があったのだろうか。

 

考えてみたものの、まともにぶつかりあったこともない相手を理解できるほどネギは万能ではなかった。

 

 

 

「マスター」

 

思考に沈む直前、ランサーがネギに話しかけてきた。

彼はアサシンと相対していた。

もしかしたら何かわかるかもしれない。

 

「ランサー、あのね……」

 

 

 

「思い悩むな」

「えっ」

 

ランサーはネギの頭をポンと叩き、優しい声で言う。

 

「思い悩むな。マスターには少々早い話だ」

 

ランサーはぐりぐりとネギの頭を撫でた。

若干不満なネギだったが、甘んじてそれを受ける。

 

「私も、同僚から周りをよく見ろと言われたものだ」

「え……?」

 

眩しそうな顔をしたランサーが、昔を懐かしむように語る。

 

いや、実際昔の話なのだ。

ランサーは過去の英雄がクラスにあてはめられて存在している。

つまりランサーは故人であり、かつて過ごした日々があるのである。

 

 

 

「だからマスター、君も周りをよく見るといい。力を貸してくれる仲間がいるはずだ」

 

ランサーの言葉にはっとなる。

そうだ、僕には助けてくれる仲間がいる。

たとえ自分1人だけでは解決できないことも、力を合わせれば何とかなるかもしれない。

 

そして思う。

ランサーにもきっと仲間がいたのだろう。

その仲間たちがどんな人たちだったのか。

ネギはとても興味を抱いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……しかし、サーヴァント同士がこれだけ密集していて戦闘にならないとは不思議だな」

 

ランサーが呟く。

そういえばそうだ。

戦争というからには、もっと激しい戦いがあるものだと思っていた。

 

しかし、蓋を開けてみるとサーヴァントはほとんど生徒が召喚していて、戦いに発展しなかった。

いや、戦いになっては困るのだが。

 

「でも、まだ正体が分かっていないサーヴァントもいます」

 

アーラシュが言っていた、黒いサーヴァント。

ライダーも何度か接触したという。

そのサーヴァント正体が未だにつかめない。

 

「マスターが分かっている分、もどかしいな」

「何が目的なんでしょうか……?」

 

分からない。

分からないが、人を襲っている以上見過ごせない。

 

それに、まだ一切情報が手に入っていないサーヴァントもいる。

油断することはできない。

何が原因で何が起こるか分からないのだ。

 

 

 

決意を新たに、ネギは別荘を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まだ1日経ってないぞ」

「あっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の話。

 

その日は休日だった。

ネギは他のサーヴァントたちと協力してパトロールをすることにした。

 

師匠は家に籠って何かをするらしい。

内容は誰にも教えてくれなかった。

ついでのようにスピカも残るという。

何か問題でもあったのだろうか。

 

 

 

「いいですよー。頑張りましょうねー」

「もー」

 

ふんす、と聞こえて来そうな表情で力こぶを作るキャスター。

どうやらやる気のようだ。

ネギは負けていられないと気合いを入れなおした。

 

 

 

「仲良しこよしは趣味じゃねぇが……まあ、あっちの方が気に入らねぇからな」

「結局どういう理屈なんだよそれ……」

 

ライダーはどことなく不満気だったが、最終的には協力してくれることになった。

ちうさんはお腹を押さえて腹痛に耐えているようだった。

心配したのだが、うるせーと張り倒されてしまった。

 

 

 

「だ、大丈夫ですか夕映さん?」

「大丈夫です。一晩寝たらばっちりですよ」

 

ぐ、とガッツポーズを作って見せる夕映。

しかし、どことなく力がないように見える。

本当に大丈夫だろうか。

 

「私も見張ってますし、大丈夫ですよー」

「のどかさん……」

 

ふんわりとした笑顔を浮かべるのどか。

なんだか安心して任せられそうだ。

 

「まあ大丈夫でしょ。私達もついてるし」

 

明日菜が肘でちょいちょいとネギをつっつく。

どうやら任せろという合図らしい。

ネギは小さく笑いながら、わかりましたと返事をする。

 

「ワタシも戦うアルヨー!」

「後方支援なら任せて!」

 

古菲と朝倉も胸を張って返事をする。

その元気な様子に頼もしいと思ったネギ。

 

 

 

きっと上手く行く。

確証はなかったが、ネギはそう思った。

 

 

 

 


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