アーラシュに憑依したオリ主がネギま!の修学旅行中にステラする話   作:偽馬鹿

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古戦場怒りの(ry
短めですが、よろしければどうぞ


コスプレライダーちう4

「くそっ……今日は豪勢だなっ!」

 

ライダーは悪態をつきながら黒い何かと相対していた。

数は3。

ライダーを囲むように並ぶ黒い何かは、触手のようなものを伸ばしてライダーを攻撃してる。

 

ライダーは触手を剣で切り払い、薔薇で受け止め、擬似直感で回避する。

既に10分以上経過しているが、両者ともに致命傷には至っていない。

 

 

 

「大丈夫かよライダー……」

 

千雨は少し離れた路地の外から、路地の奥で繰り広げられている戦闘をのぞき込んでいた。

確かに致命傷は避けているが、服の所々は裂けていて素肌が見えている。

そしてそこからは黒く滲んだ怪我のようなものも見えていた。

 

「ライダーはここで見てろっていうけどな……」

 

やはり何もできないというのはもやもやする。

あんなところに突っ込んでも何もできないことはわかるが、それでもだ。

 

やはり魔法でも習うべきだろうか。

いやだけど、付け焼刃でどうにかなる問題じゃない。

 

 

 

千雨がぐるぐると思考していると、戦闘に動きがあった。

同時に放たれた触手をライダーが壁を蹴りながら跳び上がり回避。

そしてそのまま黒い何かの本体の内1つを叩き割ったのだ。

 

「ん? ……まあいい、このまま終わらせるっ!」

 

ライダーは残りの2体に向かって駆け出し、すり抜けざまに切り裂いた。

どうやら最初に斬った相手が一番厄介だったらしい。

残りの2体は抵抗する間もなくあっさりと消滅した。

 

 

 

「お、終わったのか……?」

「ああ、俺様の完勝だ」

「あーはいはい。凄いですねー」

 

ドヤ顔のライダーを軽くいなし、千雨は辺りを見渡した。

新しい黒い何かが出てくる様子はない。

ひとまずは安心である。

 

「お前、最近俺様の扱いが雑になってないか……?」

「そんなことねーよ」

 

俺様は皇帝だぞーという妄言(ではないのだが)をスルーし、千雨は考える。

唐突に増えた黒い何かについてである。

 

少なくとも何か理由があるからだろう。

例えば()()()()()()()()()()()()()()とか。

 

 

 

「……いや、そうあって欲しくはないな」

 

誰かが死んでいる、なんてことを考えるのは嫌だ。

こちとら元一般人だ。

もっとこう、安心安全な感じが一番いい。

 

まあ千雨の現状は、そんな環境からかけ離れているわけだが。

 

 

 

「マスターが何を考えてるか大体分かるが、今はそれどころじゃねぇかもしれないぜ」

「? どういうことだよライダー」

 

いつも不敵な笑みを浮かべているようなライダーが、ムカッとしたような顔をしている。

何か気に入らないことがあったのか。

 

辺りを見渡してみると、違和感があった。

先程ライダーが切り裂いた黒い何かはすぐ消滅した。

しかし、最初に斬った黒い何かは()()()()()()()

 

ブスブスと黒い何かは泡立っていて、少しずつ消えていく。

すると、そこには何かが残った。

 

 

 

それは()()()()()

 

 

 

「っ」

()()()()()()()()()()()()()()()。人間を襲う理由も分かったな」

 

平然とそう語るライダー。

千雨は唐突な真実に動けなくなっていた。

 

 

 

「な、んだよそれ……!」

 

けれど、再起動した千雨は駆け出した。

まだ間に合うかもしれないと、()()()()()()()に駆け寄ろうとしたのだ。

 

 

 

「なんとなく分かってたんだろ? これが()()()()()()()()()

 

しかし、ライダーはそれを制止する。

()()()()()()()()

そう言って離れろと身体を押した。

 

「っ……!」

 

千雨は歯噛みした。

 

そう、分かっていた。

自分の手が届かない戦い。

ライダー任せのそれは、本来ルールのない()()だったのだから。

 

それが何の因果かクラスメイトと共闘することになり。

悪魔とかいうファンタジーに出てくる敵役とも戦うことになった。

そんな風に、どこか現実離れした世界観の戦いが続くものだと、心のどこかで思っていたのかもしれない。

 

 

 

「マスターが気に病むのは勝手だがな」

 

落ち込む千雨にライダーは声をかける。

千雨が振り返り、ライダーの顔を見た。

その顔は、苦虫を潰したような顔だった。

 

「そいつを殺したのは俺様だ。()()()()()()

 

心底嫌そうな声。

これはそう、別にお前の為じゃないんだからね、というアレだ。

 

「……なんだよ、もう」

 

少し気分が晴れた。

折角ライダーが気を使ってくれたのだ。

それに乗っかることにしよう。

 

 

 

「とりあえずこれは……どうすればいいんだ?」

 

 

 

さあ行こう、といったところで躓く千雨。

この状況を放置することもできず、どうにか絞り出した答えが交番であった。

 

前途多難である。

 

 


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