第15話 買い物は女子の修羅場です!?
新学期が始まってもう半月が経ちクラス替えなどで静かだった教室は一段と賑やかになっていた。無論穂乃果達以外知り合いがいなかった俺も徐々に話せる女の子達が増えていた。この日も俺はいつも通り授業の間休み時間を使って日向ぼっこをしている。季節はまだ春で今日は五月後下旬並みの暖かさでポカポカしていて気持ちよくつい居眠りをしてしまう。日向ぼっこしていると穂乃果、海未、ことりの3人が俺の所にやってきた。
「ねぇ〜、太一君!」
「ん?何だよ穂乃果、人が気持ちよく日向ぼっこしているのに邪魔しやがって…」
「もう!聞いてよ!」
と穂乃果がポカポカ肩を叩いてくるが別に痛くなく丁度肩が凝っていたので意外にも気持ちいいがしつこいので聞くことにする。
「わかった、わかった!何があったんだ!?」
「はい、実は五月の初め頃隣の神奈川県と伊豆一泊2日の旅行という行事があるのですが…」
「あぁ…そういや先生が言ってたな、それがどうした?」
「ですので、一緒に行動する班を決めなくてはいけません」
「そういう事な…俺はどうしようかな?」
「私たちは海未ちゃんと、穂乃果ちゃんの3人であと一人足りないから太一くんでどうかな〜って思うんだけど…」
「俺は全然いいぞ!」
「さっすが!太一君話が早い!これで決まりだね!」
「場所は神奈川だけど、何処に行くんだ?」
「そういや何処なんだろ?」
「そこは先生も話していませんでした」
「それならお母さんに聞いたよ♪」
「理事長に?マジで!?」
「何処にいくの?」
「それはね…♪」
ことりの言ったプランはこのようになっていた。
9時、学校集合
9時20分、学校出発
11時50分、横浜中華街でお昼と自由時間
13時50分、横浜中華街出発
14時30分、小田原城見学
17時30分、旅館到着分かれて各部屋へ
2日目
9時から14時、温泉街散策自由時間
14時10分、温泉街出発
17時20分、学校到着解散
「と言うことになってるよ♪」
「ことり…意外にやってはいけない事をやっちゃってるな…」
「まぁ良いじゃん!」
「聞いた感じだと2日目の服装は私服可になってるな…今度の日曜日買いに行こうかな…」
「じゃあ穂乃果も行く!」
「ことりも♪」
「では…私も」.
という事になり、日曜日に、服を買いに行く事になった。
〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜
当日、日曜日
ピンポーン!と家のインターホンが鳴る、まだ集合時間までかなりあるがこの時間に鳴らすのはアイツしかいない。
「ったく…早過ぎんだよ」
玄関の覗き窓を見ると案の定穂乃果だった。
「太一君!そこにいるんでしょ!?見えてるよ!」
穂乃果は玄関越しに俺がいる事を感じ取ったらしく強気で言った。流石に誤魔化すのもできないし、可愛そうなので俺はドアを開ける。
「やっときた〜おそいよ〜」
「来るのが早過ぎんだよ」
「だって暇なんだもん!」
穂乃果は、暇だから来たと言うが生憎俺は暇じゃない、この後、穂乃果達3人と初めてのショッピングなので服を出来るだけカッコよくしたいので、誰にも家に入らせたくなかった。
「おっじゃましま〜す!」
「おいおい!待てよ!?誰が入って良いって言った!?」
ドアを開けた途端に穂乃果は強引に家の中に入り、リビングの俺専用のソファーに横たわった。相変わらずだらしない…
「え〜良いじゃん!」
「特に理由が無いなら帰れ!俺は暇じゃね〜んだ!」
「だって〜家にいるとお店のお手伝いしないといけないから嫌なんだもん!」
「うちは、お前の暇つぶしスポットじゃねーぞ!何も用が無いなら帰んな!」
「もう…太一君の意地悪…」
少しだけ強く言ってしまった…穂乃果は少し涙目になっており今にも泣きそうだった。流石に強く言い過ぎたな…しゃあない今回だけだぞ今回だかんな!
「わかった、わかった!居ても良いよ!」
「本当!?流石太一君!やさしい!」
「急に態度変えやがって…」
さっきまで涙目だった穂乃果は急に笑顔になる。こいつめ…いつか覚えとけよ…
俺の許可を貰った穂乃果はソファーで横になりテレビを見ていた。その間俺は家の家事を一つ一つ片付けていた。
リビングを行ったり来たりしているとソファーにつく穂乃果に目がいくいつもは学校の制服しか見ていなかったため彼女の私服を見ると新鮮味を感じた。彼女の服は青色の長袖の服で下がショートパンツ、穂乃果らしい可愛さだ。
「ん?どうしたの?」
「いや、何でもない…もう待ち合わせの時間だし行こうか?」
「うん!」
家事を終わらせ俺はお気に入りの私服に着替えて穂乃果と一緒に家を出て海未とことりと待ち合わせしていると駅前に向かった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜(
「あっ!穂乃果ちゃん!太一くんこっちだよ」
「いたいた!おはようことりちゃん海未ちゃん!」
「おはよう!海未、ことり」
「はい、おはようございます。二人はいつも通り元気のようで」
駅にはすでに海未とことりが待っていた。
「太一くんその服かっこいいね♪」
「本当か?結構選ぶのに時間がかかったから喜んでもらってうれしいわ」
「いつも制服でしか見たことなかったので少し新鮮味を感じます」
「ことりと海未だってその服結構可愛いぞ!」
「本当!?嬉しいな〜えへへ」
「そ、それは…ありがとうございます…」
「え〜穂乃果は?」
「穂乃果の十分にあってるって」
「えへへ嬉しいな〜」
穂乃果の服を褒めて本題に入ろうこのままでは話が進まない
「んじゃあ合流できたし行こうか」
「うん!」
俺たちは近くのショッピングモールに向かった。
〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「大っきいな〜」
「そうだな、愛知にはこんなに大きいショッピングモールは無いな」
「ことりは何回か行ったことあるけどいっぱい服があるよ♪」
「なら尚更楽しみだ早く行こうぜ!」
俺たちが来たショッピングモールはこの辺では一番大きく家具、家電、服、食品などがあり、ほぼ何でも売っているらしい。今回は旅行用品と服を買いにきただけなので一緒に買えるな。
「どこ行こうか?」
「まずは服じゃない?」
「ことりも服かな」
「ではそれでよろしいのでは?」
「よし!じゃあ服屋から見て行こう」
最初は2日目の自由時間に着ていく服を買うことになった。
「ここは有名な服屋『サトクロ』だな俺もよく買うな」
「じゃあ別れて服を決めようかな?」
「そうだね」
「では、ここで別れて服を決めたら集合して会計でどうでしょうか?」
「わかった!」
「じゃあまた後で!」
そう言い俺たちは空々しい気になった場所へ向かった。
「それじゃあ俺も探そうかな〜」
2日目当日の天気は晴れで珍しくこの時期では一番気温が高いらしいので薄着で動きやすい服を選ぼう色は少し白っぽいの……よし!これで行こう。他の気になる候補を3つくらい選んで集合予定の場所に向かった。
「誰もいない…」.
集合場所には誰もいなかった。3人はまだ熱心に服を選んでいた、ことりに至っては未だに一着も決めていないようでこれは長くなりそうだった。
「ごめん長くなっちゃった!」
「すみません、遅れました…」
十分位すると穂乃果と海未が選び終わってやってきた。
「ことりはまだかかりそうか?」
「そうですね、私が声をかけた時にはラスト一着と言ってましたが…」
「まぁ、待ってるか」
気長に待っていたがかなり遅く気づけば20分もたっていた。
「ごめん〜遅れちゃった」
「やっと来た〜」.
ことりは沢山の服を持ってきた、その数はかなりの量で俺の3倍はあった。
「さぁ服も決まったしお会計をしますか」.
「太一君はどんな服を買ったの?」
「俺か?俺はこれだ!」
俺は自分が買う服を穂乃果達に見せる。この服は意外に俺の目に入り一眼見たときこれだ!と思った俺にはカッコいいと思うがこいつらはどう思うかだよな。
「どうだ?」
「う〜ん…」
「なんか…」
「しっくり来ませんね…」
「え!?」
まさかの3人からの評価はあまり良くなかった。なんでだ?いいだろ?
「なんでだ?」
「何か太一君ぽくないんだよね…」
「じゃあ誰が良いんだ?」
俺は他の3点の服を見せるがあまり良い評価をもらえなかった。
「じゃあ私達が決めてあげる!」
「へ?」
何故かわからないが3人が服を選んでくれるらしい、俺は試着室に連れられてそこで待機させられている。
「じゃあこれ着てみて!」
「お、おう…」
俺は穂乃果に渡された服に着替える。
「どうだ?」
「良いよ良いよ!穂乃果はこれが良いと思う!」
「ダメです!次は私が選びます!」
穂乃果が選んだ服は海未か納得いかず次は海未が服を選ぶ。
「はい、ではこれを着てください」
海未に服を渡された俺はまた試着室に入り着替える。
「今度こそどうだ?」
「良いと思いますよ」
「本当か!?」
やっと合格をいただいたのでこれで終われると思ったが…
「ダメだよ海未ちゃん!ここはことりにお任せ♪」
「え〜!?」
「ちょっと待ってて!」
海未が選んだ服は今度はことりが納得いかず服を選びに行った。
「はい♪これに着替えて!」
ことりに服をもらい俺はまたまた試着室に入る。
「どうだ?」
「だめだよ!やっぱり穂乃果のだよ!」
「いえ!私のです!」
「違うよ!ことりのだよ!」
「おい!お前ら喧嘩なんかすんなよ!」
「「「太一(君、くん)は誰のが一番いいの!?」」」
穂乃果達3人が、喧嘩を始めた。こうなったら面倒くさい。えぇい!こうなったら自分のでいいわ!
「俺か?俺はやっぱり自分が決めたやつだ!」
「え〜穂乃果のにしてよ〜!」
「ずるいです!私のにしてください!」
「ことりだよ!絶対!」.
はぁ…どうするんだ一体?はぁこれは女子の買い物の修羅場だな……
この後1時間位穂乃果達と、服をどれにするかを討論したが、結局俺が選んだ服になった。
久しぶりのオリジナル回だったのでいつもより長くかけました〜次回もお楽しみに!
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