「その人、きっとベムラーさんだ。」
「ベムラーさん?たしか・・・一番最初に発見された怪獣娘さんだっけ?」
「うん、今は私立探偵をやってるって聞いた。」
「そう名刺には書いてあるね。」
イベントは終わっても今日の仕事はまだ終わらない。ゴモラ宛てに届いた大量のファンレターやプレゼントの仕分けがある。
「私立探偵が何の用なんだろう?聞いとけばよかったな。」
「シンジさんの身辺調査とかじゃないかな?」
「僕頼んでないよそんなの。」
「そうじゃなくて、GIRLSからの依頼だったんじゃないかな。」
「なら調べるべきは僕じゃなくて、父の方だろう。僕はただの一般市民だし。」
一通のファンレターの封を綺麗に切り、中身を確認する。目を通しても毒はないので、綺麗に戻してボックスへ入れる。今のでちょうど30通目だ。
「シンジさんのお父さんって、今どこにいるかわかるの?」
「いんや、全く。あの家は一時期寝て起きるのに使っていただけらしいし、チョーさんはその時に作られたんだって。バディライザーだけは、最近海外から小包で送られてきたみたい。」
「海外って?」
「『フリドニア』って国らしい。他にも『ロリシカ』とか、色んな所を転々としてたらしいけど。」
後の二つは島の名前らしいが。父とチョーさんの間で、定期的に情報交換が行われていたらしい。自分の知らないところで、自分の情報が見知らぬ誰かに渡されていたのかと思うと寒気がする。
「会いたい・・・とか思う?」
「・・・全然。会ったところでなぁ・・・って感じ。」
何を話せばいいのか。父のことを何も知らないのだから。
「さっ、口動かしてないで仕事しよ。まだまだいっぱいあるし。」
と、次の手紙を手に取って目を通すと、一瞬表情が凍り付いた。
「どうしたの?」
「いや・・・なんでもない。」
「・・・よくあることだよ、そういうの。」
「・・・『こういう人たち』がいるってことはわかってたけど、醜いね。」
これ以上雰囲気が暗くならないうちに話を切り上げたが、余計に暗くなった。その手紙、否燃えるゴミを雑に封筒にしまうと、足元の箱へ投げ入れた。まあアンチもファンの内とは言うし。
「今はこうでも、いつかは変わるよ。いや、ボクたちが変えるんだ。ゴモたんは特に頑張ってると思う。」
「ミカは強いんだな。」
つい先日まで、記憶の片隅にまで飛んでいた幼馴染の背中が、今は大きく見えた。
「その言葉、直接本人に言ってあげればいいと思うよ。」
「・・・恥ずかしいな。」
「まぁまぁ。これも一歩を踏み出す修行だと思って。」
ふふふ、といたずらっぽく笑って見せるアギさんにシンジは苦笑するが、おかげで落ち込んでいた気分も回復した。
「アギさんも、ミカの影響を受けたんじゃないかな?」
「そう、かな?」
「うん、アギさんも優しいし、なんだかあったかいよ。」
「も、もう!そういうのはボクに言うんじゃなくてゴモたんに言いなよ・・・。」
一瞬赤面したかと思うと、ぷーっと頬を膨らませて抗議してくる。それからは特に言葉は交わさなかったけれど、つつがなく明るい雰囲気で最後までこなせた。ほんの一部、そういう人たちがいるだけで、いい人たちの割合の方が圧倒的に多い。
『ハァハァ、ゴモたんの立派なツノ(意味深)prprしたいお///』
ただやっぱりこういうのは許しておけないなぁ。今すぐ破り捨てたい衝動を抑えて、後でまとめて焚書してやる。
====☆====☆====☆====☆====☆====☆====
「おしごとおーっわり!ごはん食べにいこー!」
「かえりたい。」
「せっかく名古屋に来てるんだから、名古屋に行こうよ!」
と、今は観光中。この後食べ歩きにも付き合わされるので、目一杯腹は空かせておく。
「ほら見てー、シャチホコー!アギちゃん並んで撮ってくる?」
「ダメだよ!」
名古屋城、金のシャチホコで有名であり、名城、金鯱城、金城なんていう風にも呼ばれる。
ミカとアギさんがわいわいしている様子を少し離れたところから見ていると、やはり普通の女の子にしか見えなかった。本当に、本当に不思議な存在だ、怪獣娘とは。
「ねー、シンちゃんもそんなとこにいないで、写真撮ろー!」
以前、初めて彼女たちに会った時も同じ感想を抱いていたような気がするが、そこはやはり変わらない。故に知りたい、彼女たちの事を、もっと。
「なあ、ミカ。」
「なーにーシンちゃん?」
「今度、2人で一緒に遊ばないか?」
「うん、いいよ!」
「・・・え?」
「え?」
「シンちゃん、なんだって?もう一回言ってくれないかな?」
「だから、今度2人で遊ぼうって。」
「今度ぉ?」
「うん。」
「2人でぇ?一緒にぃ?」
「そうだよぉ。」
「わーい!行く行く!」
「あーぅ。」
自身の背丈の倍は跳躍し、抱き着きもとい押しつぶして来た。これもここ数日の間では日常茶飯事で慣れたもんだ。
「慣れても痛いけど。」
「えー?なに突然?シンちゃんから誘われるなんて嬉しいなー!」
「いや、ゴモラ(をはじめとして怪獣娘さん)のこと、もっと知りたいって思ったから。」
「いやーん!恥ずかしいよー!」ベシッベシッ
「痛いから!」
後で思い返したことだが、この時は言葉足らずだったなと後悔した。
ともあれ、デートの予約をとりつけたところで、上機嫌のミカからこの後ミソカツ、ミソおでん、ミソ煮込みうどんのフルコースをおごられた。でもそんなに食えないから!
「うぅ・・・胃が破ける・・・。」
「青汁飲む?」
「これじゃあ小倉トースト食べられないよ・・・。」
「まだ食べる気だったの?」
====☆====☆====☆====☆====☆====☆====
「ただいまー。」
「おかえりなさいませ、シンジさま。お風呂が沸いております。」
「うん。」
シンジ、お疲れの帰宅。住み始めた頃は、天井の高さに違和感を覚えていたここでの暮らしにも慣れた。とは言っても、一日の内の活動時間の長さで言えば圧倒的に外にいる時間の方が大半だが。
「夕飯はいかがいたしましょうか?」
「んー・・・そんなに空いてないから、軽い物でいいや。」
「承知しました。」
「・・・チョーさん。ひとつ聞いていいかな?」
「なんでございましょうか?」
「父って、どんな人だったの?」
「あなたのお父上、ソウジ様は聡明なお方であられました。私と言う優秀なロボットを作ったこともさることながら、お若いころは生物学、脳科学、人間工学の分野において様々な研究や論文を書いておられました。」
「・・・それが怪獣娘と関係あるのかな?」
「シンジさまが生れた頃は、『怪獣娘』ではなく、『怪獣』の研究をなされていたようです。」
「『怪獣』の?」
怪獣。怪しい獣。今では見る事も無くなったけれど、昔々に確かに存在していたという危険で強大な生物。
「そのデータって、あるの?ここに。」
「その件に関する情報には、プロテクトがかかっています。」
「ちぇー。」
少しでもGIRLSに貢献できればと思っていたけれど、そう簡単に行っちゃくれないか。
「まあそれは一旦置いておくとして、他には?」
「ソウジ様は、常にシンジさまのことを考えておられ、定期的にシンジさまのご様子を覗われておりました。」
「それってつまり、僕の情報が、僕の知らぬところで受け渡しされてたってこと?よくないなぁ、そういうの。」
鞄に個人情報を書きまくった名札をつけていた人間とは思えない発言。
「それに、僕の事を思ってたなんて信じられないなぁ。この歳まで放置されてたんだよ?」
「毎月仕送りをするよう、指示されておりました。」
「お金の問題じゃないんだよ・・・。」
「愛はお金で買えなくとも、Iはお金で買えると、TVでは言っておりますが?」
「そういう問題じゃなくって、どうしたら顔も知らない、どんな性格なのかも知らない人間の事を好きになれる?」
シンジの持つ、父への不信感はその一点に尽きる。そしてこの一点が、覆しようのない王手なのである。
「はぁ、言いたいこと言えたらスッキリした。風呂入ってくる。」
「はい、いってらっしゃいませ。」
まあ、ここにいない人間の事でとやかく言っていても始まらない。それよりも、ミカとのお出かけについて考えていた方がよっぽど有意義だと思考を切り替えていく。
(どこがいいかな・・・。お昼はまたお好み焼きかな?)
湯船から上がって、髪を乾かしながらうんうんと考える。あっそういえば、と。
「右手・・・もう治ってる・・・よな?」
治癒力が上がっていても、ズキズキとしばらくは傷んでいたので包帯は変えていたのだが、今日はもう痛くなくなっていた。相当深く傷が入ったために回復も遅れていたのだろう。
「傷は男の勲章・・・男なら、どーんと行かねばな。」
====☆====☆====☆====☆====☆====☆====
「雨かぁ・・・。」
「雨だねー。」
そしてデート当日。案の定というか予想通りというか雨だ。
「ごめんね、雨男で。」
「いいっていいって、シンちゃんのせいじゃないよ。」
GIRLS本部前を集合場所として、午前の10時を予定していたが、お互い30分前行動で同じタイミングで合流できたのだからすごい。
「それで、シンちゃんはどこに連れてってくれるのかな?」
「ミカはどこか行きたいところある?」
「うーん・・・シンちゃんがいるならどこでもいいよ?でもお昼は粉もんがいい!」
「今日のお昼はカレーの気分だなー。」
「おっ、カレーもいいね!カツカレーたべたーい!」
「カツカレーか・・・それがいいな。」
まずは映画でも見ようということになって、映画館に向かうこととした。
「ちょっとミクちゃん、あんまり押さないで。」
「よく見えないよー。」
「声が大きいです、聞こえちゃいますよ。」
近くに、いるな。普通に聞こえる範囲にいるけど、今は無視しておこう。ミカは既にポップコーンとチュロスを買っている。
「ポップコーンはキャラメルでしょ。」
「いやいや王道の塩だよ!チュロスが甘いんだし。お好み焼きがあればもっとよかったけど。」
「シアターに匂いの強いものはダメでしょ。」
でも売店の前とか、イイにおいがしてるね。機械のガラス越しに見える、こんもりと積もって黄金色に照らされた山をみると、ついつい財布を取り出したくなる。シンジはドリンクしか買わなかったけど。
「90分ぐらいだと、お腹もすかないし、それにこの後昼食だし。」キュー
「その割には、お腹の自己主張が激しいけど?」
「お昼まで我慢する。」
「塩!バター!キャラメル!のコンボ!」
「そんなに食べて大丈夫なんですか?」
「こぼさないようにね。」
元気なのはいいけど、シアターでは静かにね。
~73分後~ 予想より意外と短かった。
「いや~、楽しい映画だったねぇ!シンちゃん泣いてたし。」
「ぐすっ、登場シーンのBGMはアレ卑怯だよ・・・。」
子供向け番組だと侮るなかれ、子供向けだからこそ『本物』で出来ているのだから。そういうミカもポップコーンを食べる手を止めて見入っていた。シンジは氷が溶けて少し薄くなっていたジュースを飲み干して、時間を確認した。お昼には少々早いかもしれないが、店を探すがてらぶらつくのもいいだろう。ちょっと目を離した隙にポップコーンの容器が空になっていたことにまた少し驚いたが。
「すっっっっっっっげー!おもしろかったー!ビュンビュン飛んじゃってバンバン行っちゃってもー最高ー!」
「お゛ぁ゛あ゛あ゛・・・。」
「ミクちゃん、落ち着いて。」
一人でも多く楽しんでもらえて、同士が増えたなら幸いだ。後でちょっと語り合いたい気分だが、それよりもまずはミカとの予定が先になるけれど。
「でも、付き合ってくれてうれしいな。一人で観に行くのもちょっとだけ物悲しかったし。」
「まああえて言うなら、女の子とのデートでヒーローもの観に行くのは正直どうかと思うけどね!」
「ご、ごめん。どういうのにすればいいか、正直迷っちゃって・・・。」
「んもー、こういうシチュエーションで行くとすれば、選択肢はひとつじゃんか?」
くいっくいっと、親指で指さされたポスターを見て。『ああ、そりゃそうだよな。』と納得した。
「じゃあ、今度はアレ観に来ようか。」
「うん、また今度はね。」
折よく『次』の予定もできた。なんかイイね!と心の中でガッツポーズを決めたが、また気を使わせてしまったかとモヤモヤした。
(このままじゃイカン。もっとオトナな対応力を目指さなければ・・・!)
「それでシンちゃんは、お昼どうしたい?」
「よし、そうだな・・・。」
選択肢は多いぞ。先ほどカレーがいいと言っていたので、もちろんカレー屋さんに行くべきだろう。しかし一口にカレー屋といっても、町で評判のカレー屋さんもあれば、全国展開されたチェーン店もある。辛さがウリの店や、歴史を重ねた老舗、雑誌で載った人気店、どれを選ぶか。それに『カレー』というカテゴリーでいえば、本場のインドカレー屋さんや、タイカレー屋なんかもある、でっかいナンがおかわり自由とかの。タンドリーチキンも食べたい。しかしそこにはおそらくミカの好きな『カツカレー』はない。
「うーん・・・。」
「シンちゃーん?」
いや、カレーならファミレスでも食べられる。旅行先で、食事に悩んだらとりあえず『カレーライスとコーヒー』してたシンジにはそれが慣れていた。カレー以外のメニューもたくさんあるし、ついつい目移りするけど、そこが楽しいってのもあるだろう?(結局カレーを選んでたんだけど)
「光か闇か・・・。」
「おーい?」
しかしミカは最初粉もんがいいとも言っていた。だからお好み焼き屋さんという選択肢だってなくはない。僕に気を使ってカレーにしようとしているのなら、ここは譲り合って僕の方からお好み焼き屋さんに・・・いや、東京ならもんじゃ焼きをやっているところも多い。でももんじゃ焼きって粉もんって言えるんだろうか?たしかにどちらも材料が似た物で、鉄板で焼いて、コテを使うけど、焼いても固まらないし。いや、お好み焼きなら広島風ってのもあるぞ、焼きそばが入ってるやつ。以前、ベロクロンさんがやってるとか聞いたこともあるけど、そこもいいんじゃないのか?
「うま味かダシか・・・。」
「もう!シンちゃーん!」
「ウ゛ェッ、何?!」
「注文決めた?」
気づいたらもう店内の席に座っていたのだから始末に負えない。
「・・・チキン カレー、ライス大盛で。」
「じゃ、私カツカレー特盛で!あとマンゴーラッシーとミニサラダ!」
おかしいな、辛いは辛いんだけどなんか塩の味がする。
「シンちゃん、水のむ?」
「ありがと・・・。」
情けねえったらありゃしない・・・。ただの水がしょっぱく思えた。
====☆====☆====☆====☆====☆====☆====
『終わらな~いで欲しいっなっ?ねっ!』
デートと言えばここ・・・だと思うスポット一位のカラオケボックス。その一室では人知れず、今を時めくアイドルのミニライブが行われている!って、なんか夢がある。
「ほ?」
「ほらほらもっともっと乗ってよ!」
「ぶっ続けで10曲も歌ってて、辛くない?」
「へーきへーき!ライブで鍛えてるから!」
「すごい、人気だよな。ミカ。」
「えっへへー?すごいでしょ!」
「うん、ミカはすごいよ。」
「ちょっ、どうしたの急に?」
てへへ、とちょっと照れたように頬をかく仕草がまたかわいい。
「ミカ、すっごい努力してるでしょ。アイドル活動も、怪獣娘としても。がんばってるミカ、とても輝いて見えるよ。」
「うん、大変なこともあるけど、楽しいし!GIRLSに入ってから、色んな子たちと出会えたし。」
「僕には・・・そんなに前向きになれないな。不安な事いっぱいで・・・ちょっとだけ、ちょっとだけね。ミカのことが羨ましいなって思ってたんだ。ミカならなんだって出来ちゃいそうだって、そんな気がするから。」
「そんなことないよ、私まだレッドちゃんに勝ててないし。いっぱい努力してるつもりだけど。」
「それでも、ミカならいつか越えられる。そう思うんだ。」
「ありがと、シンちゃん。」
胸の中を色んな感情が渦巻いて、何を言えばいいのかわわからない。
「それで、シンちゃんの調子はどうなの?あれから。」
「僕は全然、からっきしダメだ。バディライド出来なきゃ、結局僕はただの人間なんだ。」
「そんなに気に病むことなんてないじゃない、シンちゃんはシンちゃんだよ。」
優しく微笑んでくれたその顔が、今の僕には辛かった。そして今わかった。なんでこんなにモヤモヤしているのか。
「だってこのまま、なにも出来なかったら・・・。」
「ミカに、愛想つかされるんじゃないかって。」
「ミカだけじゃなくて、アギさんたちにも。」
「シンちゃん・・・。」
「このバカちんがっ!!」
「ぶほっ!」
悪い子には鉄拳制裁。部屋が壊れるんじゃないかと思うが、そこはゴモたん、しっかり手加減してくれた。
「私やアギちゃんたちが、そんな人間だと思ってたの?!」
「いや・・・そんな・・・。」
「シンちゃんのこと心配してたんだよ!私もアギちゃんもみんな!」
「うん・・・。」
「友達の事、見捨てたりするわけなんかないじゃん・・・!」
「ごめん、ミカ。」
こんなの絶対間違ってるってわかってた。けど不安で仕方が無かった。その結果、目の前にいる女の子を悲しませてしまった。ダメダメだ、やっぱり僕って。
「だから、もっと私たちのことを信じて?」
「うん・・・わかった。」
「じゃ、罰としてシンちゃんもなんか歌って!振りつけ付きで!」
「えっ。」
「ほらはーやくー!」
「うひー!」
結局、時間いっぱいまで体を動かし続けることになった。けど途中からミカと一緒に歌ったりもして、楽しい時間を過ごせた。やっぱりミカはすごいって思った。
====☆====☆====☆====☆====☆====☆====
「あーたーのしかったー!」
「つかれた・・・。」
すっかり暗くなってしまった。時間が過ぎるのが早いと思えるってことは、それだけ楽しかったってことだ。
「今日は、ありがとね。誘ってくれて。」
「ううん、僕の方こそありがとう。ちょっとスッキリしたよ。」
「そりゃどーも。」
ニカッと笑って応えてくれた。夜なのに眩しい。
「そういえばひとつ、聞きたいことがあるんだけど。」
「なーに?」
「ミカが頑張れる理由、なんだろうって。」
「私が頑張る理由か・・・。」
うーんとちょっと考えると、スラスラと言い切った。
「私は、みんなを笑顔にしたいから。大怪獣ファイトでも、アイドルでも。それになにより、『ゴモラ』のことを好きになって欲しいから!」
まっすぐ未来のビジョンを見据えて、より一層輝いて見えた。この都会の夜のネオンにも負けないほど強く瞬く、星のように。
地球の夜空では小さな6等星も、何万光年と離れた場所では太陽よりも強く輝いている。ミカが、どんな思いでこの言葉を紡いでいたのか、僕はまだ知る由もなかった。
「この情報は・・・たしかなものなんですか?」
「そのツテの、確かな情報よ。信憑性は高いわ。」
「もし本当だったとしたら・・・。」
「これ以上、シンシンを怪獣娘と関わらせるのは危険ですね・・・。」
「人類にも、怪獣娘にとっても危険な存在よ。アレは。」
遅筆と言うか駄文と言うか、長ったらしくて読む方にストレスじゃないだろうか?ふと不安になる。
なお、ベロクロンさんはまだ擬人化されていません。広島に現れたという繋がりで、名前だけ出ていただきました。
読み返してみると、その当時の自分は一体何を考えていたのかわからなくなって困る。