「よく来たな!ようこそ我らが基地へ!」
どうしてこうなった。現在シンジはボロアパートの一室に招かれている。正確には連れ込まれたというのが正しいが。
目の前にいるのは珍妙な集団。全員怪獣娘のようだ。が、GIRLSの所属ではないらしい。
「さっすがブラックちゃん!見事な誘拐っぷりだったね!」
「誘拐はマズいですよ!ノーバさんも何か言ってください!」
「何か。」
順を追って説明しよう。町をぶらついていたら、以前仕事を共にしたノーバさんをみかけたのでついていくことにした。
「ここがノーバさんのハウスね?」
そうしてこのボロアパートにやってきたわけだが、ここにきて果たして声をかけていいのかと迷った。仕事中だったら邪魔しては悪いし。
「あのぅ、なにか御用の方ですか?」
「えっ、あれ?主任?なぜここに?」
「はい?主任?」
振り返れば、GIRLS技術部主任、に雰囲気そっくりな人がいたので焦った。
「なんかわからんがかくほ~☆」
「グワーッ!」
と、さらに後ろから来た誰かに目隠しをされて、一室に連れ込まれたのが顛末だ。以上
「さてどうしてくれようか!さては君は我ら『ブラックスターズ』への入団希望者か!」
「いや、興味ねっす。」
「だはー!即答!」
お笑い芸人のグループなのかな?団長と思わしきブラックさんこと『ブラック指令』さんと、その横に女子高生の『ペガッサ星人』さん、お菓子食べてる『シルバーブルーメ』さんに、ゲームやってる『ノーバ』さん。そして隣の部屋で布団を敷いて寝ている『ガタアノゾーア』さん。
「では、スパイか!我らブラックスターズを敵視する組織の差し金!」
「特に敵対するような相手もいないような・・・。」
「今更誰も相手にしてないってブラックちゃーん!」
「そもそも何者なんですかあなたたちは?」
「ふっ、よくぞ聞いてくれたな!」
ゲームをしていたノーバさんも含めて全員が立ち上がると
「銀色のレイダー!シルバーブルーメ!」
「赤きスナイパー!ノーバ!」
「漆黒のリーダー!ブラック指令!」
「4人目のニューカマー!ペガッサ!」
「「「「4人、そろって、地球の支配者(仮)!」」」」
「「「「『ブラックスターズ』!!!!」」」」
どどーん、と名乗りを上げた。
「ほえー、というかノーバさんそういうキャラだったの?」
「む?ノーバの知り合いだったのか?」
「前の仕事で一緒になった。」
「そうか!では君も特殊部隊から我らへ派遣されてきたということなのだな!」
「違います。」
ノーバさんたちのいた部隊が解散になったということは聞いていた。キリエさんは大怪獣ファイターに鞍替えし、マグマ星人さんはベムラーさんの事務所に居候していると聞いていたけど、まさかノーバさんはこんなところにいたなんて。
「さっきからゲームばっかりしてません?」
「ノーバはいつもこうだ。」
こんなキャラだったのか。キリエさんもそうだったけどキャラが謎だった。
「で、地球の支配者?暗黒の支配者ならそこにいるけど。」
「そうだ!我々の最終目標は、世界征服なのだからな!ナーッハッハッハッ!」
「世界征服?」
「そうだよー、主にブラックちゃんの面白動画をインスタにあげたりしてるんだー!」
「SNSの帝王?」
今時世界征服なんて・・・しかし、ここ最近は『悪』というものに過敏になっていたシンジには聞き捨てならなかった。
「一体どんな活動を?」
「ふふ、よくぞ聞いてくれたな!ノーバ、今日の予言は?」
「これだ。」
ゲームをしていたノーバさんがメモ帳を寄越す。
『ミデコ ツカウ ケンエ ロオン』
「なんですかこれ?」
「ブラックさんは、夢の中でお告げを貰うんです。それをもとに毎回作戦を行っているのですが・・・。」
「毎回謎解きから始まるんだよねー。」
ミデコ?ツカウ?デコを使う?それにローンって、そういえばベムラーさんのローンはどうなったんだろうか。
「これは・・・縦に並べて、右から縦読みすればいいんだと思います。」
「ほう、となると?コ、ウ、エ、ン、デ、カ、ン、オ、ミ、ツ、ケ、ロ、『公園で缶を見つけろ』ということだな!さすがペガッサ参謀長!」
「ペガちゃんさっすがー!」
「グッジョブだ。」
なるほど、クイズじゃないか。胡散臭さが倍増しである。
「で、缶ってなんの缶?空き缶?」
「ああ、そういえば今日は町内清掃活動があったけど。」
「それだ!空き缶を回収して、金属資源を独占することで世界を牛耳れということなのだな!」
「マジ?」
発想は間違ってはいないが、もっと根本的なところで間違えてはいないか?
「そうと決まれば、ブラックスターズ出撃だ!」
====☆====☆====☆====☆====☆====☆====
「公園についたぞ!」
「参加者は・・・まばらですね。」
「せっかくの日曜なのに、ボランティアで時間つぶしたくはないだろうし。」
「ボランティアか・・・。」
「ん?どうしたシンジ名誉隊員?」
「いつから隊員に?」
「まだ参加するって言ってないんですけど・・・いや、休日に同級生とか同僚とかにバッタリ出会うのって、なんかそれは気まずくなりません?」
「あーなんかわかるかも?気分が平日モードになっちゃうやつ!」
「あはは、でも、ちょっと、わかる・・・かも?あ、あれは。」
口は災いの門というか、言霊の導きか、ペガッサさんの指差す先には、シンジにとっても見知った存在がいた。
「みなさ~ん、今日のゴミ拾いがんばりましょうね~♪」
「せっかくの日曜なのにー!」
「まあまあミクちゃん、みんなでやればすぐ終わるから。」
「げぇっ!あれはGIRLSの!」
「なぜ隠れる?僕もだけど。」
「GIRLSは我々ブラックスターズの仇敵、敵対関係にあるのだ!」
「なんで?」
「そんなもの、我らは闇、奴らは光だからだ!」
「いや、そこじゃなくて、僕も」
「あー!早くしないと空き缶全部持ってかれちゃうんじゃない?」
「むっ、そうだった!よーし、我々も手分けして集めるぞ!」
「「「了解!」」」
「・・・ラジャー。」
名誉隊員かどうかは別として、手伝いはしよう。ピグモンさんのことを見ると、手伝わずにはいられなくなる。とりあえず、ピグモンさんたちに見つからないようにあっちで拾うか。
「って、ノーバさん?」
「久しぶりだな、シンジ。」
「僕は半年ほど眠ってたので、それほどでも・・・ってわけでもないか。」
前回の事件で負傷したシンジは、半年間の昏睡状態と、さらに3か月の療養を経た。現在6月の蒸し暑さに汗ばんでいる。
「ノーバさんは、なぜここに?」
「私は好きでここにいる。」
「一見戦いとも無縁っぽいけど、それでノーバさん満足?」
「マグマやキリエとは違って、私はゲームがあればいいし、それに」
のわーっ!とブラックさんが転倒しているところを、シルバーさんが撮影しているのを横目に見ながら、ノーバさんは言葉をつづける。
「ブラックたちと一緒にいるのは、悪くない。」
「そうなのか・・・いや、ノーバさんだけがどこに行ったのかわからなくて、ちょっと心配してたんですよ。」
「心配されるほどやわじゃないよ、キリエもマグマも含めて。むしろお前のほうこそ、しょぼくれているんじゃないかと心配していたぞ。」
「・・・まあ、そこそこですね。」
「ならたまにはバカに付き合ってみるのもいいぞ。」
やっぱそれってブラックさんのこと内心バカにしてるってこと?そう聞く前にノーバさんは別の場所へ拾いに行ってしまった。一方ブラックさんは中身が入ったままの缶を拾い上げて濡れていた。そこをまたシルバーさんに撮影されている。
「たしかに見てて楽しい?」
「あのー、シンジ、さん?」
「ん?あれ、ペガッサさん?どうかしました?」
「その、なんていうか、その、ごめんなさい、こんなことに付き合わせてしまって。」
「いいですよ、どうせ暇してたところですし。」
実際GIRLSでの活動を休止している今は時間が余っている。有意義な使い方なのかと問われると疑問符がつくが、ノーバさんの言う通りたまには真面目にバカをやるのも悪くないと思っている。
「ところで、シンジさんって、普段一体何を?」
「普段、というか、本来は・・・ん?」
ふと、何気なく手に取ったゴミは、妙に重くって。
「なんだぁ・・・コレは?」
「こ、これって・・・?」
カチカチと何やらよからぬ音が中から聞こえてくる、ラグビーボールほどの大きさの金属の筒。そして側面にはデジタル時計のカウントダウン。
「ほ、ほぁああああ!ホ、ホンモノの爆弾?!」
「ふ、ふぇええええ!?」
どうしよう。
「とりあえず、解体を・・・!」
「で、出来るんですか?!」
「機械には強い方・・・なので。うん、避難勧告をお願い。」
「ブラックスターズに『逃げ』はない!」
「さすがブラックちゃん!無謀さは祖師谷イチだね!」
「さあシンジ名誉隊員よ!見事爆弾を解除して我らを救って見せたまえ!」
「結局他人まかせ。」
「いいからあんたらもさっさと逃げんかい!もうさっき通報したから!」
「なっ!私は仲間を置いて逃げたりはしないぞ!」
だからどうした。役に立たないのなら、ここにいる必要なくない?
「・・・。」
「ど、どうしました?シンジさん?」
「いや、見ず知らずどころか、あって間もない僕のことを仲間なんて呼んでくれるなんて、と思って。」
「それがブラックさんのいいところですから。」
「・・・なるほどな。」
人を引き付ける魅力があるんだな。
「さて、爆弾解除も残すところあと少し、最後は・・・。」
「白と黒、二本のコード!」
「・・・どっちがいいと思います、ブラック指令?」
「うぇっ!?わ、私か!」
ここまではなんとかできた、あとはリーダーに仰ごう。
「よし、よし!私に任せろ!・・・どっちだ、どっちのコードなんだ?」
白か黒か、どちらかを切ればタイマーは止まる。だがそれがどちらかがわからない。
「やはり、我々の色である黒・・・いや、むしろ黒を残すべきなのか?うぬぬ・・・。」
「あっ。」
「どったのペガちゃん?」
「いえその、私のダークゾーンの中に捨ててしまえば、爆発しても大丈夫なんじゃ?と思って。」
「そうか!その手があった!さすがペガッサ参謀長だな!」
「というか、最初にそれに気づくべきうだろう?」
「僕のここまでの頑張りはいったいなんだったというのか。」
「はぅう・・・ごめんなさい。」
ペガッサさんがネガティブになると、空間に黒い穴が開いた。これがペガッサ星人の能力であるダークゾーンだと、シンジにもわかった。
(やっぱり能力は主任と同じなのか。)
「おっしゃー、ノーバちゃん放り込んじゃってー。」
「そーい。」
「うむ、これで解決だ!我らのチームワークの勝利だな!ナーッハッハッハ!」
「ブラックちゃんまた何にもしてないー?」
「調子いいんだからもう・・・。」
そうではない、こういう人だから自然と人が集まり、力になるんだ。
「これでわかったな、シンジ名誉隊員!君もブラックスターズの一員だ!」
「確定事項?」
「もしもーし?」
「むっ?誰だ、せっかくいい気持ちだったのに。」
「またあなたたちですねブラックスターズ!」
「今度は何を企んでやがんだ?」
「げぇっ!GIRLS!」
っと、そういえばすっかり忘れていたというか、最初からここにも何人かいたGIRLSの面々に詰め寄らてしまった。さっき通報した関係でレッドキングさんも来ている。
「さては爆弾仕掛けたのもお前らだな!爆弾はどこにある!」
「ってか、シンジさんなんでそっちにいるの?」
「シンジ隊員を知っているのか?彼は我らの仲間だ!」
「なんだと?!まさかシンジが!そんなはずあるか!」
「え、シンジさんGIRLSの人だったんですか?」
「あれ、ペガちゃん知らなかった?結構有名人だよシンジは。」
「なんだと?!初耳だぞ!」
「ブラックはやっぱり知らなかったか。」
「オンドゥルルギッタンディスカシンジサーン!」
「シンシンを返してくださ~い!」
「うるさぁあああああああああい!!!」
宇宙にまで届きそうな叫びをあげると、急に場はシンと静まり返った。
「これは誤解だ!爆弾はもうないし、別に僕はブラックスターズに入ったわけではない!」
「なに?!どういうことだ?一つ屋根の下でお互いを知り合った仲ではないか!」
「だから誤解を招くような言い方をするんじゃない!」
「ちょっとどういうことシンちゃん・・・?」
なんか目から光が消えたミカが乱入。
「ずっと音信不通だったから、何があったのかなって心配してたのに・・・何があったのか全然教えてくれなかったし・・・。」
「その超振動をしまえよミカ?」
「なのに、なにしてるの?」
「なにもしてない。」
「何してるのって聞いてるの!」
ミカが一言発するごとに、地面には罅が入り、空気がブルブルと震える。
「お、おいゴモラ、ちょっと落ち着けよ。」
「レッドちゃんは黙ってて。」
「ミカ、マジで落ち着いて、なんか猛烈に誤解してるから。」
「他所の女に浮気しといて何が誤解なのさ!!!」
「だからそれが誤解なんだって!別に浮気とかしてないし!」
「えっ、浮気?」
「シンジさんサイテー。」
「違うから!いろいろ言えない事があるってのと今の状況は関係ないから!」
「そうだ!シンジ名誉隊員はただ我々のことをストーキングしていただけだぞ!悪く言われる謂れはない!」
「ストーキング??シンちゃんまさか、私たちだけに飽き足らず、他所でナンパを?」
「いやいやそんなことはない!シンジ名誉隊員は最初っから我々だけが目的のはずだった!」
「グワォオオオオオオオオオ!!!」
「ブラックさん!もうドツボにはまるから何も言わないでください!」
時間が経てば経つほど、状況は悪化していく。このままでは、怒れるのミカの暴風によって、街一つ壊滅させかねない。
「シンちゃんンンンンンンン????」
「ヒエッ!」
「オイ!お前らシンジ連れて逃げろ!ここはオレらでなんとかするから!」
「レッドちゃんどいて、そいつら殺せない!」
「はわわ、コワイ!」
ペガッサさんが慄いたとき、またもや空間に黒い孔が開いた。
「うぉおおお、諸君撤退だぁ!」
「にーげろー!」
「シンジぃ!後で顔出せよ!」
「わかってます!」
こうして、怒りのあまりEX化までしているゴモラを全員で押さえつけているところを、なんとか無事に撤退することができた。
====☆====☆====☆====☆====☆====☆====
「まえがみえねぇ。」
「半分は自業自得だろ。」
「まあ、どうしても言いたくないことがあったっていうのはわかったよ。私たちが力になれるなれないの問題でもないってことも。」
「わかってくれたのか、ありがとう。」
「でも、それで寂しいからって他所の女の子に手を出しに行くのはダメだよ!」
「わかってないじゃないか。」
そうじゃない、そうだろう、あーだこーだ、やいのやいの、口論は夕方過ぎまで続いた。
「それで、今のところはGIRLSに戻ってくるつもりもないのか?」
「はい、まだいろいろと心の整理が追い付いてないので。」
「オレもそれでいいと思うぞ。たまには自分探しでもしてくればいいさ。」
「はい・・・。」
「ただこれだけは忘れんな。お前はオレたちの立派な仲間だ。困った時は助けになれる。だから、いつでも呼んでくれよな。」
「ありがとう・・・ございます。」
ここにいる皆がうんうんと頷いて肯定する。
「シンちゃん・・・。」
「ミカ、ごめんな、心配ばっかりかけさせて。」
「ううん、シンちゃんのこと信じてたはずなのに、こんなになっちゃって、ごめんね。」
すっかり頭の冷えたミカがしゅんとしている。
「でもでも!悪い連中とつるむのはダメダメだからね!」
「わかってるよ、僕も好き好んでそんなことしないから、安心して。」
「本当だからね!シンちゃんと戦うことになるなんてなったら、イヤだからね!」
「ああ、僕も嫌だ。」
キュッと指を重ね、しばし2人だけの世界に浸ること数分。
「ええいっ、イチャついてんじゃねーぞ!」
「おっと、じゃあ僕は今日はこの辺で。またね、みんな。」
「おっすまたねー!」
シンジは笑顔でそそくさと退場する。
「しかし、ブラックスターズの連中と一緒にいるとは思わなかったな。」
「シンちゃんまさか反抗期?」
「いや、それはないだろ。あの人よしのことだから、どうせ頼み込まれて断るに断れずってとこだろ。」
申こと5月に、GIRLSはブラックスターズの起こした事件の対応に追われていた。というよりも、ガタノゾーアの暴走事件の、というのが正しいが。それ以来ブラックスターズは要注意人物として扱われている。
「まあ逆に、アイツが入ってたら更生するんじゃねえの?」
「ありえるかもねーナッハハハ。」
なお、そこまで危機感は覚えらえて無い模様。
「ミカやみんなに、こんなに心配されてたなんてな・・・。」
ふと、昔を思い出した。バディライザーヲ手にしたばかりったころの自分を。皆に頼らなければ何も出来なかったけど、ミカをはじめとしたみんなに支えられたおかげで、今の自分がある。
それと同時に思ったのは、自分自身は役に立てなかったとしても、一緒にいる仲間の力になれる、という点ではブラックさんと同じじゃないのか。そういう意味で、シンジとブラックさんは同類なのかもしれない。
「疲れたらお腹すいたな・・・。」
そんなことよりも晩御飯のことを考えながら歩いていると、なんだかいいにおいがしてきた。
「あれは・・・ラーメン屋台?」
今時珍しい、暖簾とぼんぼりのかかった屋台。ちょうどいいやと覗いてみる。
「らっしゃい!・・・ってシンジ隊員?」
「ブラックさん?!なんで?」
「これはその・・・資金稼ぎだ。」
これまた古風なハチマキを巻き、袖をまくって厨房に立つブラックさんがいた。
「それで、注文は?」
「・・・とりあえず一杯。」
「まいど!」
なんの力にもなっていないと言ったな、スマンありゃウソだった。すごく地味だけど、大変な任務をこなしていた。
「ブラックさんのこと、ちょっと尊敬してます。」
「ほう!そうかね、では私のとっておきの技を見せてあげよう!催眠術だぁ!」
胸元から5円玉を取り出すと、それをシンジの眼前に突き出す。
「あなたはだんだん眠くな~る・・・。」
「これまた古風な・・・グゥ。」
すぐさま意識を持っていかれる。
「ぐぉおお・・・。」
同時にブラック指令も意識を持っていかれた。
====☆====☆====☆====☆====☆====☆====
「・・・はっ?!」
シンジ、覚醒。
「うっ・・・どこだここ・・・?」
少なくとも自宅ではない、4畳半の布団の中。
「ぬぅ・・・マジでどこだここ。」
そして手のひらには柔らかい感触。この展開にも慣れたくないけど慣れてきた、一応確認を取る。
「・・・えぇっ!?」
同じ屋根の下、同じ部屋、同じ布団。そこでブラック指令さんと一緒。しかもブラックさん服着てないし。
「おっ、シンちゃんおはー♪」
「シ、シルバーさん??ってかシンちゃんゆーな。」
「昨日はお楽しみだったねぇ・・・♪」
「なぁっ?!」
「はわわ・・・。」
「ペ、ペガッサさん・・・?」
「え、えっちなのはいけないと思います!」
「違う!これはちがう!」
「うるさい。」
一人、ノーバさんだけは平常運転。
こうして、脅迫写真をスッパ抜かれたシンジは、ブラックスターズに協力を惜しまなくなったのであった。
ということで今回から怪獣娘黒編となります。怪獣娘の次の公式展開はいつになることやら。