それでは前置きはこれくらいにしておいて、本編、はっじまっるよー!
俺たち『地霊殿チーム』が第1種目を一位通過したその後、紫の声が響き渡った。
「さぁ、ここでどのチームも逆転のチャンスがあるボーナスチャンスの時間よ!」
「へぇー、そんなのあるのか。」
「えぇ、たまーにあるんですよ。勝利したチームが強過ぎた場合に発生する時が多いです。前までは『霊夢チーム』や『紅魔館チーム』が種目で勝利した時に発生していましたが・・・」
「今回の発生源はお兄ちゃんみたいだね。」
「マジかいな。」
「マジだね。さすがにあれは咲夜より強いよ。」
「俺ってそんなチート級なのか・・・?」
「『ちーときゅう』って何ー、お兄ちゃん?」
「まぁ、簡単に言うと『強すぎる』とか『凄すぎる』とかそんな感じ。」
「そーなんだー。」
「うん、そうだよ、多分。」
「あ、多分なんだね。」
「うろ覚えだからね。」
「そっかー。」
そんな何気ない会話をしてると、
「話を進めてもいいかしら?」
「え、あ!はい!すみませんでした・・・。」
「ふふ、大丈夫よ、気にしないで。それじゃあ、ルールを説明するわね!」
『おぉー!』
「この妖怪の山に一つだけあるこの金の旗を取ってくればそのチームにボーナスポイントで5ポイントあげるわ!そしてこれは探す人は1人だけど仲間に協力してもらってもいいわ!」
「なるほどね。協力ありの旗の捜索というわけね。」
「そういうことですね。」
だが俺はそこでなぜか疑問を抱いた。
「(待てよ・・・でも何かが引っかかる・・・何が引っかかるんだ・・・?)」
「あれ?でもおかしいですね・・・。」
「なにがおかしいんですか?」
「いつもは2つか3つなのに何故今回は1つなのでょう・・・と思いまして・・・。」
「え、いつも1つじゃないんですか?」
「えぇ、1つだけというのは今回が初です。」
「(1つだけが初・・・?それに1人だけで探すのに協力あり・・・?そして紫はわざわざその旗を見せた・・・この妖怪の山に『1つだけ』あると・・・。・・・あ。)」
「どうかしましたか、ユウマさん?」
おそらくさとり様は俺の心を読んだのだろう。
「いえ、ただ・・・『勝利を確信した』だけです。」
「!!・・・詳しく聞かせて頂いてよろしいですか?」
「もちろんです。」
☆
「なるほど、そういうことですか。」
「はい。おそらく間違いないかと。」
「さぁ!捜索役は集まってちょーだい!」
紫さんは探す人に集まるよう指示した。
「あ、時間ですね・・・誰が行きますか?」
「今回はさとり様が行ってください。あんまり動かないので楽ですから。」
「分かりました。体力が少ない私に気をつかってくださってありがとうございます。」
「いえ、恋人の体をいたわるのは当然のことですから。」
「ふふ、それでは、行ってきます。」
「はい。行ってらっしゃい、さとり様。」
「お姉ちゃん頑張って!」
「さとり様!ファイトです!」
「さとり様!応援してます!」
「ありがとう、あなた達。」
私は愛する人達にお礼を言って紫さんが集まるよう指示した場所へと向かった。
☆
「さて、参加者が集まったところで紹介といくわよ!まずは『霊夢チーム』から『半人半霊の庭師』魂魄 妖夢!」
「よし、頑張ろっか!」
「つづいて『紅魔館チーム』から『永遠に幼い紅き月』レミリア・スカーレット!」
「運命は私たちの勝利で決まりかしらね?」
「つづいて『鬼チーム』から『地殻の下の嫉妬心』水橋 パルスィ!」
「私は出さないって話だったのに・・・妬ましい・・・。」
「つづいて『チルノチーム』から大妖精!」
「が、頑張ります!」
「あれ、大ちゃん2つ名言われてなくね?」
「名無しだからないんだよ、お兄ちゃん。」
「あ、確かに大妖精ってあくまで名称だからか。」
「そーゆーこと。」
「つづいて『地霊殿チーム』から『怨霊も恐れ怯む少女』古明地 さとり!」
「この勝負も・・・勝たせていただきます!」
「あら、さとりにしては随分強気じゃない?」
「あ、レミリアさん。いえ、あの人が勝利を確信したと言っていたので負けるわけにはいかないだけです。」
「ふふ、あなたって恋人には夢中になるタイプなのね。」
「え、あ、ふぇえ!?///・・・そ、そうなんでしょうか・・・?///」
「えぇ、その気持ちは大好きであるために大事なことだけど、家族への愛情も忘れずにね。」
「!・・・当然です!」
さとり様達、何を話してるんだろう・・・俺はふとそう思った。そして、あのスキマ妖怪の声が響いた。
「準備はいいかしら?それじゃあ位置について、よーい・・・」
『パァン!』
紫は弾幕を弾けさせ、『パァン!』という音を出したとともにみんながいっせいに飛び立って行った。ただ一人を除いては・・・。
『なんでさとりは動かないの?』
『もしかして戦意喪失?』
みんながただ一人動かなかったさとり様を気にしていた。そしてさとり様はゆっくりと紫の方へと振り返り紫の前まで飛んだ。
「あら、どうしたのかしら、さとり?」
「紫さん・・・その旗をもらえますか?」
『!!?』
さとり様の発言にみんな驚いていた。紫と『地霊殿チーム』の俺たち以外は。
「なぜもらおうとしたのか理由をお聞かせ願えるかしら・・・ユウマ?」
「あ、俺なのね。」
「えぇ、どうせあなたの指示でしょ?」
「御明答。それじゃあ説明すると・・・」
俺は紫に指示されさとり様にそうさせた説明を始めた。
「紫、お前はまず旗を見せたよな?」
「えぇ、見せたわね。」
「そして見せた旗は机に置いたままだよな?」
「えぇ、そうね。」
「そしてお前は『一つだけ』あるって言ったよな?」
「えぇ、言ったわ。」
「お前は『この妖怪の山のどこかに』という言葉をつけてここにはないどこかにあると錯覚した。でもここだって妖怪の山、紫は嘘をついちゃいない。」
「つまり?」
「つまりはこのボーナスは引っ掛け問題のようなもので協力があっても探せるのは一人ということは頭を使って協力しろってことだから実際はお前のその机に置いている旗が目的の金の旗ってゆーわけだ!」
「ふふ、素晴らしい推理だわ。その通りよ。先に金の旗を見つけたのは『地霊殿チーム』の古明地 さとり!よってこの旗は『地霊殿チーム』のものとなり、5ポイント付与されるわ!」
『嘘!?』
「いいえ、本当よ。それじゃあこのボーナスチャンスを勝ち取ったのは・・・『地霊殿チーム』!!」
「よっしゃあぁ!」
「ありがとうございます、ユウマさん!」
「すごいよ、お兄ちゃん!」
そういうとさとり様とこいしちゃんは俺に抱きついてきた。こっちの喜びの方が俺的には嬉しいわ。
「これにて、ボーナスチャンス競技、終了よ!」
これで旗取りのボーナスチャンスは終了した。その後飛んで行ったみんなは呼び集められ帰ってきたやいなや、『どうりでどこを探してもなかったわけだわ。』と言っていた。
はい、久しぶりに書いたらまた寝落ちしました。消えてなかっただけまだマシだね、うん。それじゃあ締めはこれくらいにしておいてもしかしたらまた何ヶ月後とかになるかもだけどその時はまたよろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ