今日は土曜日。
ゆとり教育の中でぬくぬくと育つ俺たちは今日は学校が休みだ。
ご飯に目玉焼きにお味噌汁という簡単だがおいしい朝食を食べ終わった俺は今日をどう過ごすか考え耽っていた。
.......とりあえず二度寝でもするか。
そう思いベットに潜り込もうとした瞬間、アラームで朝の仕事を終えたはずの携帯が鳴った。
どうやらメールが来たらしい。
開いてみると理沙からだった。
『今日空いてるかな?どこか一緒に遊びに行かない?』
...これはデートのお誘いか?俺が一人で勘違いしてるわけじゃないよな?
断る理由もないのでオーケーのメールを打っているとまたメールが来た。
今度は...恋那?なんだ?
『どこか遊び行こうよ。いいよね』
あんにゃろう...少しは理沙を見習って相手の都合もだな......。
まぁ恋那だし仕方ないか。
しかし、どうするかな。
ダブルブッキングするわけにもいかないし、そうなると片方は断らなければならないわけだが。
まぁ普通に考えて断るなら恋那だよな。友達より彼女の方が大事だ。
「.........」
...大事なんだが...恋那に誘われるなんてこの先ないかもしれないし、今日はまぁ...恋那と遊びに行くか。
理沙とはいつでもいけるしな。うん。
俺は理沙に打っていたオーケーのメールの内容を打ち直した。
『ごめん、今日はちょっと無理かな。また今度いこう』
これでいいだろ。
「送信、っと」
数分すると理沙から了解のメールがきた。
これで心置きなく恋那にメールが返せるな。
なんだか悪いことをしてるような気がして気が気じゃなかったのは秘密である。
「おそいぞ恋那」
「え~紅葉が早いんだよー。僕ちゃんと約束の10分前だよ?。それとも僕と遊ぶのが楽しみ過ぎて待てなかった?」
「言ってろ」
「ひどいな~。あっ、アイスティーください」
近くのファミレスを待ち合わせ場所に指定したのだが、恋那がきたのは約束の時間の10分前だった。
まったく...俺は一時間前から待ってたっていうのに...。
はっ?別にほんとに楽しみにしてたわけじゃねえし。ちげえし。
「それでどこいく?」
「んあ?どっか行きたいところあったから誘ったんじゃねえの?」
恋那は首を左右に振ると。
「特にないよ~?紅葉に会いたかっただけだもん」
「...........」
などといういつもの無防備な発言をするのだった。いい加減にしてほしいです。ちょっと嬉しいとか思ってないです。
「でもせっかくだしやっぱりどこか行きたいね」
「ん~...ゲーセンでもいくか?」
「そんな人が多いところやだよ」
「じゃあ...カラオケ?」
「僕カラオケ嫌いなんだ」
「わがままなやつだな~...しょうがない、商店街でも回るか」
「おっ、ウィンドウショッピング?いいねいこういこう」
俺たちは会計を済ませてファミレスを出た。
誰持ちかって?割り勘ですが何か?
「紅葉こっち~」
「ちょっとまてよ...いい加減飽きたぞ...」
「ほらほらこっちこっち~」
人の話をきけよっ!?
「ほらこれ可愛くない?」
「なんだお前でも可愛いものとか興味あるのか」
「えー...なにそれしんがーい」
「怒んなよ。悪かったって」
割と本気で不満げな顔をしていたので少し反省して謝った。
恋那も女の子だしそりゃ興味もあるか。
「あっ、あっちいこ紅葉ー」
「あっ、おい!」
こっちがせっかく謝っても次にはこれである。はぁ......。
ったく......。
楽しいなちくしょう。
「秋月君......なんで?」
あちらこちらの店を回る俺たちの姿を見つめる影が...そこにはあった...。