御気に登録が増えて、有り難い限りです!!
上手く纏めていけるかどうか分かりませんが、駄文を重ねてまいります。
皆さんの一年が、充実した年と感じられる事を願っています。
さぁ!!宝くじ買いに行こうっと!!
美しく晴れ渡ったアレルドォリア山脈の空。一年を通して極端に晴れ間が少なく、長年麓のサレハドで暮らす長老にとっても天候を予測するのは大変に難しい。
その晴れ間に4000m程度の頂に向かう一団があった。美しい白毛に包まれた大きな魔獣を先頭に、ヒトの男女がそれに続いていた。
「やっぱり、雪白さんは別格ですねぇ。命精魔法で強化しても追いつくのが難しいです・・。」
雪白と呼ばれた魔獣から、少し離れた場所で。背の小さな女性が、溜め息をつきながら感嘆を込めて前を行くザンバラ髪の男性に声を掛ける。
「雪白は別格だよアカリちゃん。それにしても命精での強化が上手くできてるねぇ?マクシーム仕込みかい?」
声を掛けられた男性が、後ろを振り返らずに気さくに返事を返す。しかし、その佇まいは決して警戒を緩めてはいない。
「ええ。『勇者』として『白槍』に入団したんですけど、基本魔法しか使えない状態だったので・・。ミッチリ教え込まれました。『外れ勇者』なんて言われて・・気にしていたんですけど、訓練と実戦の繰り返しで悩んでる暇はなくなってしまいましたね。」
少し、遠い目をして。過去を懐かしむ様に呟くアカリ。
「あいつらしいなぁ・・?ガタイはデカいくせに、細かい気配りは結構出来るし・・。訓練と実戦の繰り返しにしても、悩む暇も無い程躰を動かす事によって気を紛らわせようとしていたのかもな?」
「でも、用務員さん・・いえ・・蔵人さんの命精強化の方が凄いです!マクシームさんみたいに常に爆発している様な強化ではなく。なんとゆうか・・冷たいマグマがユックリと体中に巡っていて・・え~と・・雪白さんに近いです!凄く感知が難しいってゆうか・・?」
「ああ・・死ぬほど鍛えられたけど。これでも、未だに尻尾が跳んでくるよ?アレルドォリア山脈の魔獣達は魔法感知にとても敏感でね。隠密の狩りの為にはユックリ、静かに強化していかなきゃならないんだ。でないと、簡単に逃げられる。なんど雪白に怒られたか・・・。」
コチラも過去を思い返したのか、ゲンナリした態度で遠い目つきになる蔵人。
「でも・・怒られる前は手のひらサイズに小っちゃくて、ミーミー泣いてばかりいたんだぜ?食事の世話をしていたのも俺だしな。」
ゲンナリしたのも束の間。ニヤニヤ笑いを浮かべながら、鬼の首でも獲ったかの様に雪白の幼少期を振り返る。
「手・・・手のひらサイズの雪白・・・さん・・・。ミーミー泣いて・・・。」
蔵人の話を聞き、想像の世界に旅立って逝くアカリ。陶然とした様子で胸の前で手を組んで、何故か目をキラキラさせていた・・・。
「そう!ミーミー、みゃーみゃー泣きやがってさ?ホントに呆れかえって・・・ぐごぉ!!?」
蔵人の会話の途中に電光石火で跳んできて、遅いと思ったら、何てこと話してんの?!とばかりに雪白パンチが蔵人の顔面に炸裂する!!
「だって・・?!ホントの事だろ・・ふごぉ!!?」
まだ言うか?!!と、間髪入れずに雪白ワンツーが見事に決まり!斜面に倒れる蔵人!!
そんな取っ組み合いの傍で、永遠に時間が止まったかのようにトリップしているアカリ・・・。人跡未踏のアレルドォリア山脈にあって、在り得ない光景が展開していた・・・・。
アレルドォリア山脈の4000m級の山の頂上部分。どんな地殻運動でそうなったのかは分からないが、頂の部分は抉られた様な地形で、小さな箱庭の様になっていた。
「これがトラモラ草だったとは・・。」
「とても貴重なもので。今、蔵人さんが持っている量で1000ロド程度の金額になりますよ?」
「いや・・カレー風味で、味付けに丁度良かったから結構大量に採ったんだけど・・まだあるね。」
「王都の貴族や、王族。一部の豪商しか味わえないモノなんですが・・・。今では香辛料が貿易で出回ってきたために、そっちの方が料理では多用されますね。でも、そのお蔭で逆に高値がついてしまって。昔より価格が上がっています。」
「王都に持っていけば、一財産になるね?」
「保存方法と運搬に細心の注意を払わなければ、独特の風味が消えてしまうので・・。王都まで持っていくには蔵人さんの加護か、秀人さんのポケットの能力があれば大金持ちになれるかもです!!」
「それに、アカリちゃんに聞いた話じゃ。アレルドォリア山脈に入れるのは決まった時期だけで、許可された者しか入っちゃいけないらしいしな・・?」
「それがネックなんですよねぇ・・?でも、雪白さんが居るなら冬のアレルドォリア山脈も問題にならなそうですし・・・。」
「それは、あまり使いたくはないな・・。話が漏れて、また討伐に来られちゃ困ってしまう・・。」
「あ・・・。すいません・・そんなつもりじゃ・・・。」
「いや、いいんだ。秀人の『商店』の品ぞろえを見てしまうと、お金と討伐素材がたくさん欲しくなるよな?特にアカリちゃんは女の子だし。イロイロと必要なモノが・・・ぐはぁ!!!?」
頂の箱庭で、雪面を優しく掘り返しながら柔らかそうな草を採集している蔵人達。そんな蔵人達を、箱庭の一番高い場所で見守る雪白。
未だ、親魔獣には及ばない体格と実力。そして、知識の無さが彼女を常に警戒させていた。親魔獣の壮絶なまでの最後が記憶の奥底に留まっていて、必要以上の教育のムチを蔵人達に振るう原因にもなっていた。
やれやれ・・私も、まだまだ修行が足りないわね・・・と考え込んでいた時。蔵人の余計な気配りを敏感に感じ取り、2人の元に駆け寄ると。雌に対して言ってはならない事を言っていたようなので。また!お前か!!?とばかりに、見事なドロップキックが炸裂させる!!
4足魔獣が、何故ドロップキック?!と、考えてはいけない・・。出来たモノは出来たからである。
ご丁寧に、採集を終えた場所で制裁を受ける蔵人・・。見かねたアカリが仲裁に入る。
「す・・・すまない・・・。どうにも、女性との会話には慣れていなくて・・。」
蔵人の今までの人生に於いては、女性と会話する機会が極端に少なかった為。年頃の女性に対する気配りを学習できていなかった。いや、機会などは作り出そうと思えばいくらでもあった。その機会に向けての情熱や配慮が無かったのが原因であり。その原因もまた、自分自身が創り出したものだった。
「いえ・・良いんです!ハンターをやっていると、そんな配慮してくれる人は少ないですから!!マクシームさんなんて、もっとヒドイですか・・」
「グルゥ・・・。」
アカリが場を和ませようとハイティーンらしい気遣いで、二人に声をかけている最中に、雪白から警告の唸り声が響く。
警告の唸りを上げ、2人が武器を構え警戒態勢をとった事を確認すると。音もなく頂の場所にかけ上り、気配のした洞窟側と反対の斜面に視線を這わす。
居た!アレルドォリア山脈では見た事も無い、異様な雰囲気を纏った蔵人達の様な姿かたちの5体の集団。それぞれに蔵人達が使う様な武器を携えている。
そこまで確認した所で、秀人が付けてくれた耳のあたりの『便利で邪魔臭いモノ』が、甲高い音を発してくる。
『警告!警告!動体レーダーに反応!未確認集団接近中!スノウクィーンより方位284度、距離626m、高度差113m地点!個体数5!』
細かい意味は分からないが、コチラに注意を促している事だけは分かる。気配を消していた為、まだ気づかれてはい無い。しかし、禍々しいまでの雰囲気を纏っていて。自分の中の経験と勘が戦いを捨て、逃走を選ばせていた。
「ミャオ!」
短い声で『便利で邪魔臭いモノ』に音を伝える。コイツの使い方を教えてくれた秀人が言っている意味は少ししか分からなかったが、これで全員に警告が伝わる筈だ。
そして、言い終わると同時に蔵人達に向かって静かに走り出していた。
雪白の警告の吠え声を聞いて、蔵人は雰囲気を一変させて武器を構えて何事かに備える。魔獣の類なら狩に行けるが。雪白の警告の声がいつもと違う。
今まで出会った事が無い、異質のモノを感じ取ったようだ。
「アカリちゃん!どうやら普段と違うらしい!気を付けて!」
武器を構えてアカリに気を配る。実戦経験では蔵人を凌駕するアカリは、既に戦闘警戒になっていた。雪白の警告から、ただならぬ雰囲気を感じたためだった。
「蔵人さんこそ!雪白さんの警告の仕方がいつもと違います!!」
頂に登った雪白を見ながら、声を潜めて話しかける。
『警告!警告!動体レーダーに反応!未確認集団接近中!スノウクィーンより方位284度、距離626m、高度差113m地点!個体数5!』
『ミャオ!』
二人の通信ユニットに雪白の警告が響く。それと同時に、雪白が気配と音をほぼ出さずにコチラに下りてくる。
『みんな!無事か!!スグに其処から退避しろ!!相手は
雪白が、2人と合流した段階で通信ユニットから聞き慣れた声が入って来る。
「え…?
『ああ!細かい説明は後だ!ドローンからの情報では、まだそちらに気づいていない。魔法を極力使わないでコッチまで降りて来い!距離を取れれば対処は簡単だ!』
「アカリちゃん・・。秀人の言う事に従おう。雪白も戦いを選んでいない。この中で最も実戦経験があるのは、間違いなくオッサンだ。」
「ミャ~」
秀人の説明にイロイロと疑問を挟み込みたいアカリだったが、アレルドォリア山脈を渡り歩いてきた二人に言われては意見をしまい込むしかない。
「そうですね・・秀人さんの所にもどりましょ・・」
『警告!警告!未確認集団、急速に接近中!時速37kmで登攀中!未確認集団の前方に小動物の集団を発見!スノウクィーン・パンプキンヘッド・アリス。三者の所在場所に向かっている模様!』
『逃げろ!!』
三人の頭に、秀人の冷静でいて熱い声が通信ユニットから響く。
しかし、三人の意識は頂上付近に顕われた雪と氷で形作られた棍棒を持ったモンスターに奪われていた。
棍棒で仕留めたのか、凍り付いた潜り兎を突如顕わした口で貪る様に食い散らかしていた。そして、満足そうに口元を歪めた後。
自分の足元に存在する魔法力を見つけ、獣の様に走り出していた・・・・。
『警告!警告!動体レーダーに反応!未確認集団接近中!スノウクィーンより方位284度、距離626m、高度差113m地点!個体数5!』
月の女神から警告と祝福を貰い、即座に洞窟から跳びだした瞬間にドローンの警告音声がヘルメット内に響き渡る。そして、未確認集団に対しての情報収集をドローンに命じる。集団の意図が掴めない為、十分に距離を取って観測するように指示も送っておく。
しかし、ドローンの索敵機器の有効探知範囲は1000m程度に設定してあったはずで。此処までの距離に接近を許すなど考えられなかった。
いや・・・ここは『異世界』・・。何があってもおかしくは無い・・。以前の常識は捨て去らなければならない。自分の認識の甘さで『市民』を・・いや・・三人を喪うなど許されない。何より、俺は『軍人』なのだから・・。
『ミャオ!』
雪白からの符丁が届く。幸いにして気づかれてはいないようだが、口調に違和感がある。警戒のレベルが上昇しているのが雰囲気から知れた。どうやら、雪白でも認識したことが無いものらしい。
「みんな!無事か!!スグに其処から退避しろ!!相手は
『え…?
「ああ!細かい説明は後だ!ドローンからの情報では、まだそちらに気づいていない。魔法を極力使わないでコッチまで降りて来い!距離を取れれば対処は簡単だ!」
月の女神・・ジェーンの話だと精霊が暴走した存在・・
倒す術は『聖霊魔法』を付与したモノでダメージを与えるしか無い。
クソ・・!!俺は『魔法』が使えない・・・今の装備では『物理破壊力』しか行使することが出来ない・・。どの様な存在か分からず、通常の武器で効果があるかも分からない・・。
いや・・今は三人の元に急ぐのが先だ。合流すれば何かしらの対抗手段を確立することが出来るかもしれない。先程の遣り取りで、
『警告!警告!未確認集団、急速に接近中!時速37kmで登攀中!未確認集団の前方に小動物の集団を発見!スノウクィーン・パンプキンヘッド・アリス。三者の所在場所に向かっている模様!』
「逃げろ!!」
くそっ・・!?先程まで小動物の集団なんて確認できなかった?!送られてくるカメラ映像を確認する限り、岩の中から突然出現したかのようだ・・。しかも、その集団の逃げていく先が三人の居る箱庭とは・・。対抗するすべがない以上、三人には逃げ切ってもらうしかない・・・!!
しかし、現実は秀人の期待と願望を打ち砕く様に動いている様で。三人が逃げ出す前に、頂に到達する
三人が見上げる頂の上で、傷のある皮鎧を着た、棍棒と盾をもった戦士がコチラを見下ろす。ただし、口がない。鼻がない。目がない。眉がない。耳がない。
その足元の地面を凍らせながら、一歩を踏み出そうとしている。
「っ
震えた声でアカリが呟いた。
アカリの呻く様に絞り出された声に、一瞬考える蔵人。自分は聖霊魔法が使えない。であるならば、雪白と一緒に食い止める間にアカリに倒して貰うしかない・・。
「……聖霊魔法は使えるか?」
「……ハズレ勇者でも勇者ですからね、叩きこまれましたよ。ただ、少し時間がかかります」
「……ならトドメは任せる。俺は距離をとって時間を稼ぐから、狙われないようにしろよ」
アカリは真剣な顔で頷く。少し震えているようだ。
確かに蔵人も恐怖を感じていた。
根拠のない、得体のしれない恐怖を、心の根っこ、人としての根源に感じていた。しかし、モンスターが放っている雰囲気・・何物も逃しはしない!とでもゆう圧力が、蔵人の恐怖を打ち払う。
逃げることが出来なければ、覚悟を決めて闘うしかない。
覚悟か・・・・秀人に告げられた言葉の意味を噛みしめる。立ち向かい、切り開くしかないのだ。
「さぁっ・・・!!勝負だ!!」
猛然と走り寄って来る
ドローンから送られてくるライブ映像を見ながら、猛然と斜面を駆け上がる秀人。三人が相対しているのは棍棒と盾を持った戦士型の氷の怪物一体のみ。
他の4体は、それぞれ別個に逃げ出した小動物を追いかけていて。当分、箱庭には向かってこない様に見える。しかし、蔵人達は当然魔法を使い始めるだろうし。その魔法力は怪物にとっては煌めく黄金に見えるかもしれない。(怪物に美的表現や、黄金の価値が分かるのならばだが・・)
一体だけにしても、実力のほどが分からない・・。三人が到達まで持ちこたえらない場合は・・いかん!何とかしなければ。しかし、距離があり過ぎる・・。
生体強化を受けた肉体を持ってしても、一分ほどでは現場の戦闘に介入できない・・。
まてよ・・確かレンタルが出来たはず!?『ポケット』を即座に呼び出し、
可能だ!?今の所持金額だと・・稼働時間11分・・・。十分だ!
レンタルの項目にチェックを入れ、決定を選ぶ。
『
今まで感じていた地面からの反動や、走ることによって受けていた合成風力が感じられなくなり。眼前に見慣れたホログラフィック・ディスプレイが表示され、17式紫電改Ⅱ型のステータスが現れる。
「音声認識を除外。脳波コントロールを優先。」
自分の声帯命令を受け取ったメインCPUが脳波コントロールを選択。外周カメラや索敵機器が拾った映像や感覚を、ダイレクトに脳に伝えていた。
身体の全周の映像が脳内に浮かび上がる。まるで、自分が
《ジャンプ・ジェット》 脳内で指示をだし、背部と脚部にあるジャンプ・ブースターが稼働状態に入る。軌道上昇到達点を頂きの上150m付近に設定する。
《レディ》 背部ユニットに装着されたドルタ式小型融合路から、爆発的なエネルギーを受け取ったブースターのゲージが一瞬でフル稼働状態に入る。
脳波コントロールを介して情報を受け取った秀人の脳波が、即座に命令を伝える。
《GO!!》
しかし、生体強化と、過酷なまでの訓練で鍛え上げられた肉体は見事に耐えきって見せた。いや・・・常人では意識を失う加速度の重圧の中で、秀人の思考は既に次の段階に入っていた。
《敵対勢力・・個体目標選択。パンプキンヘッド・スノウクィーンに接近中の個体をアルファ1。稜線下の個体を武装別に選別・・弓と推測される武装保持・・ブラボー1・2。槍と推測される武装保持・・チャーリー1。長剣と推測される武装保持・・デルタ1》
メインCPUから脳波を介してシナプスとの瞬間的なやり取りが行われ、ドローンとの連携により各集団や個体の位置情報がホログラフィック・ディスプレイ上に表示される。
《弓持ちから殺る・・スメラギの弾倉を背部ローディングユニットと連結。弾頭・榴弾二連。ブラボー1・2・・軌道上昇到達点で射撃開始・・》
肩口で構えたスメラギ12式強化ライフルの弾倉に、連結された背部ローディングユニットから選択された弾頭が送り込まれる。弾倉に入った弾頭は軌道内に投入され、スメラギのエネルギーユニットから、即座に電流がいきわたり射撃態勢を完了する。
スメラギと射撃管制CPUが電磁的に連結され、位相表示に従って未だ稜線下の目標を
軌道上昇到達点まで、0.12秒。
《軌道上昇到達点。》
《
口径20mm・銃身長1300mm・全長2010mm・自重30kgの巨大な『銃』から、電磁的な加速を受け取った弾頭が、打消し切れない摩擦熱を伴って4000m/sの速度で標的に迫る。彼我の距離は746m。
着弾と同時に20mm弾の高性能内部爆薬が起動、榴弾に相応しい爆轟と破壊を周辺にもたらし。間髪入れずに着弾した次弾で
ほんの数瞬の合間をおいて、もう一方の
《目標消失。標的を変更。チャーリー1・デルタ1をそれぞれ
《
先程の射撃効果から榴弾二発では過剰攻撃オーヴァー・キルと判断。弾数を一発にして
結果は、アレルドォリア山脈の美しい斜面に。不細工な二つの穴を創り出しただけだった。
《外周の目標を一掃。指示により、ドローンを警戒・索敵モードで小集団出現地点を重点走査。》
《目標アルファ1。パンプキンヘッド・スノウクィーンと近接戦闘中。》
脳内に次々と流れ込んで来る情報を一瞬で処理し、蔵人と雪白の状態を確認する。
目標となった
その瞬間を狙って、雪白が首を食いちぎっていた。
動きを止める
「まだだ・・!!」
しかし、秀人の研ぎ澄まされた感性と戦闘経験は恐るべき勢いで警告を発していた。
そして、秀人の脳波を受け取った紫電改が即座に反応。ブースターがフルで点火し、蔵人に迫る
気合を入れて
私の大切な縄張り・・。其処に侵入し、あまつさえ私の大切な者達を傷つけるなど断じて許す事など出来ない!!
たった数歩でトップスピードに達した雪白の必殺の斬撃が見舞われる。
雪白に脇腹を抉られ赤い血を流すが、流れるそばから凍りつく。
そこに、蔵人の放ったブーメランが顔面に突き刺さる。普段の狩りならば、獲物を傷つけ過ぎだ!と雪白に怒られる程の連携攻撃だったが。相手は
首がちぎれ跳び、完全に動きを止める
ここまでダメージを負えば、いかな
『まだだ・・!!』
二人の通信ユニットに響く秀人の声。
その声に合わせたかのように、串刺しになった土の杭を凍らせて、全て粉砕し、首のないままの
「ぐっ・・がぁ・・・!!。」
一撃で、音もなく物理障壁が破られる。物理障壁で吸収しきれなかった衝撃が頭部に伝わり脳を揺らす。
「くっ・・そがぁぁーー!!」
止めを刺さんと振りかぶられる棍棒を視界に捉えた瞬間、本能的な判断で土杭の先端を円状に展開し射出。
蔵人の土杭で10mほど跳ばされる
その動きを察知して、雪白が蔵人の躰を咥え逃走に移ろうとするが、蔵人の脚が
焦る雪白を嗤う様に、
『っ!!蔵人さーーん!!?』
二人の窮地に、時間よ止まれとばかりに叫び声を上げるアカリ。しかし、無情にも振りかぶられる棍棒。
しかし、
煙が収まる気配を見せ、2人ともに傷を受けていない事に疑問を感じるが。その答えが眼前にあった。
見た事も無い大きな甲冑を纏った戦士が、左手に顕われた二本の青白く発光する剣の様なモノで、
『待たせたな・・・。』
時が止まったかのような場所に、聞き慣れた声が響き渡っていた・・・・。