軌道降下兵   作:顔面要塞

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年内最初の投稿になります。お待たせしてしまった皆さん、申し訳ないです。

脳内妄想が暴走して、纏めづらくなってなってしまいました。

新しく、『オキニ』に登録してくださった皆様。ありがとうございます!!何よりの励みになるんで、『感想』なんかも・・・チラッ!!

 ええ・・・申し訳ないです・・。オキニだけで十分でごぜえます~。

 なにはともあれ。本年もよろしくお願い申し上げます!!


経験、逞しさ。あるいは・・・。

「っ!!蔵人さーーん!!?」

 意識などしない、考えての言葉では無かった。

 

 首を飛ばされても動き続け、蔵人さんに迫る怪物(モンスター)。確実に準備した聖霊魔法を弓に付与し、つがえ、放つだけで良かった筈が。

 あまりにも想像の範疇を越えた事態に、頭と体がついて行く事が出来ていかなかった。

 

 蔵人さんと雪白さんに迫る怪物(モンスター)の動きが、スローモーションの様に感じられる。今の感覚なら、確実に怪物(モンスター)に命中させることが出来る!

 

 しかし、その感覚に反して、肉体は反応を拒む様に動き出すことは無かった。あまりの緊張状態を感知した脳が、過剰とも言える脳内物質をばら撒き、アカリの感覚器官の反応を異常加速した結果であって、筋肉の反応はついてくることが出来なかった為であった。

反応しない肉体に歯痒さを感じながら。加速された思考はこれから起こるであろう事を、正確に予測出来た。

 

 怪物(モンスター)によって、無残に砕かれる蔵人さんを思い浮かべて目を瞑る事しか出来なかった・・。

 

 またも、祈る事しか出来ない自分・・。召喚され、友達が一人、また一人と。望まぬ境地に立たされて行くのを見送る事しか出来なかった・・。

 無理矢理召喚しながら、保護者の如く振る舞う王候貴族達・・・。それが嫌で、『加護』の力を頼りに『白槍』で自分を磨き続けた・・。

 

 それでも・・・全然足りていなかった・・。またも救われ、救い人を喪おうとしている・・。襲ってくる無力感・・。背後に廻る闇の気配・・・。

 

 そんなアカリの昏い感情を打ち破るかのように、空から輝きが降ってくるのであった。

 

 

 

 

 迫りくる怪物(モンスター)に対して覚悟を決める蔵人。

 

 雪白も侮れない相手だと感じている様で、『狩り』とは違う雰囲気を纏わせている。初めて憎悪を遠慮会釈なくぶつけてくる存在。純粋な殺意と殺意の交換・・。

 

 今までの『狩り』とは別個の次元。ぶつけ合うのは己の存在を懸けた殺意のみ。

 

 『狩り』でやり取りされるのは、お互いの生存本能。お互いに生きる為に全能力を賭ける。

 

 だが・・怪物(モンスター)は違う。生まれ落ちた瞬間から、存在が消え去る瞬間まで憎悪で動き。殺意を放ち続ける・・・。お互いに理解や思い入れなど存在する事すらない。

 

  だからこそ、油断しない筈だった。全能力を以って立ち向かわなければならない相手だった。

 

 しかし、結果はどうだろうか?

 

 怪物(ヤツ)の呆れかえるほどの執念によって一撃を貰い。為す術無く地面に打ち倒されているのは自分だった・・・。

 

 分かっていた・・・知っていた・・・それに向けて為すべき事を成した筈だった・・。そう、『筈だった・・』

 

 前の世界でも同じ事を言っていた・・・。成した筈が『奪われる』『消え去る』そして、『零れ落ちてゆく』

・・・。

 

 『其れ』を繰り返さないために生きて来たのじゃないのか?『奪い・奪われる』。そうならない為に『力』を求めたんじゃないのか?

 

 しかし、現実は目前に迫る怪物(ヤツ)の姿・・。雪白が背後から救い上げようとしているが、脚が怪物(ヤツ)の血によって凍り付いてしまっていた。

 

 ああ・・またも、同じ過ちを繰り返すのか?いや、そもそも過ちなのだろうか?いやいや・・ここにきて死を目前としているのに、何を哲学者の様な事を・・・。

 

 自然、笑みが零れていた。自分の中に起きた感情に戸惑いと驚きを覚え、何かを呟こうとしたが。その暇など、与えてくれそうも無いモノが迫ってきていた。

 

 

雪白が初めに感じたのは違和感だった。今まで通りならば、自分の能力を十全に発揮して『狩る』だけであったのが。不定形なヒトガタが放ってくるのは、黒く昏く、そして底知れぬ熱さを持った粘り着く不快感。

今までの生の中で出逢った初めての『憎悪』

 

しかし、戸惑いなど許されない。すでに闘いの場に入っている。油断や、あやふやな思考を弄んでいる暇など無い。どの様な『獲物』だろうと、自分の全力を持って『狩る』のが礼儀であった。

 

親によって与えられ、蔵人と供に生き抜いてきた人生に対しての誇りが。雪白の感情と思考に大きな働きを及ぼしていた。

 

自らの眼前で親の死を目の当たりにした事が、その考えに拍車をかけていた。

 

守るべきは己の生と蔵人の命。どの様な存在が眼前に顕われたとしても、揺るぐことなど無い決心。

 

普段通りに、二人で挑めば結果はついてきていた。初めこそ、自分も蔵人も実力が伴わず連携を取る事が叶わなかったが。今は違う。

 

そう考えていたし、『獲物』の首を刈り飛ばした時は勝利を確信していた。

 

しかし、今はどうだ?情け無い感情を曝け出し、蔵人を助け出すことしか考えていない。感情に支配されそうな思考の中で、冷静な魔獣の思考はヒトガタの脚に攻撃を加えるのが最善と判断していた。

 

だが、蔵人に育てられた雪白としての感情は蔵人の生存を願った。生の中で二度目に起きた大きな感情の爆発。もう、一人にはしないで…!大切なモノを喪うのはイヤ!

 

雪白の生の中で起きた二度目の、そして大きな転機となる感情の濁流は。高位魔獣としての冷静な動きを制限してしまい、自らと蔵人の未来を閉ざそうとしていた。

 

アカリ、蔵人、雪白……それぞれが最善と思い行動した結果が、恐怖と共に現実となると思われた。

 

しかし、三者に降りかかる筈だった悲劇は、台地を震わす白い爆煙によって阻まれたのであった。

 

 

 仲間を護る。

 

 仲間の窮地を目撃した秀人の意思は、それだけに染まっていた。

 

 しかし、戦い慣れた経験を積んだ脳は冷静な判断を瞬間的に下す。彼我の距離と武装の威力、対応時間、仲間たちの状態、対応すべき『敵』。

 全てを瞬間的に判断し、肉体と機体に命令を発する。

 

 秀人が下した総合的な判断を受けた脳波コントロールユニットが脳波パターンから察知し、急激な加速を紫電改のブースターユニットに指示を伝え。さらに、両腕部前部に装備されたプラズマ・ソードの左腕部に起動命令を出す。

命令を受けた左腕部プラズマ・ソード発生器から、ナノサイズのプラズマ制御マシンが展開。事前に与えられたプログラムに沿ってプラズマ・フィールドが形成され、青白い発光を伴ったプラズマ・ソードが展開される。

 

 アレルドォリア山脈の中空にあった機体は、紫電改の主機関であるドルタ式小型融合炉から与えられたエネルギーによって、蔵人の目前に迫っていた怪物(モンスター)に対して立ち塞がる様に降り立ち。左腕部に形成されたプラズマ・ソードによって、氷の一撃を防いでいた。

 

 《左腕部。プラズマ・ソードに対する攻撃質量、1.27t/s。接触部位の温度、急速に低下。影響なし。》

 

 脳内に瞬時に送り込まれる情報。

 

 眼前のモニターに映る怪物(モンスター)。全周カメラと各種センサー類が捉えた怪物(ヤツ)の数値。そして、仲間達の無事な姿。

 

 『待たせたな・・・・。』

 それらを確認し、自らの遅れをを詫びる様に皆に言葉をかける秀人だった。

 

 

 

 

 白い煙が晴れた大地に、白の斑模様を施した甲冑が三人の前に顕われていた。

 

 古式の戦国甲冑の様に見えるが、まったく古臭さを感じ無い素材で造り上げられている『ソレ』は。怪物(モンスター)の攻撃を平然と受け止め、陽の光を白い装甲で煌めかせながら、何事も無いようにアレルドォリアの地に佇んでいた。

 

 「秀人・・・?なのか・・・?」

 「秀人さん・・?」

 「ぐうぁる・・?」

 

アレルドォリア山脈の雪を舞い散らせながら顕われた白い甲冑に、驚きを隠せずに声を掛ける三人。三人に害意を持ち、危害を加えようとする者達から。守り、立ち向かう気概が、頼もしい後ろ姿から流れて来ていた。

 

 『アカリちゃん。洞窟を出る時に渡したファーストエイドキットから、蔵人に細胞活性剤を注入してくれ。ケースの中、蒼いラベルのヤツだ。大丈夫だ。(やっこ)さんの動きは止めてある。ユックリ確実にな?』

 

 アカリの通信ユニットから、秀人落ち着いた低い声が流れてくる。

 

 『蔵人!足が凍り付いてる。火精魔法でユックリ融かすんだ。慌てるなよ?アカリちゃんの処置を受けたら、三人で後方に下がってくれ。なに・・・直ぐに終わる・・。』

 

 怪物(モンスター)の攻撃を受け止めた目の前の白い甲冑から、秀人の指示が飛ぶ。

 

 「わかった・・・。あ・・アカリちゃん・・。すまないが、よろしく頼む。火精を展開させる・・くそっ!痛てえなぁ・・。」

 「コレですね、秀人さん?蔵人さん!打ちます!」

 「助かる・・お?痛みが無くなってきたな・・?コレ、まだ何本かあるのかい?」

 

 アカリが持った無痛注射器から、細胞活性薬剤と痛覚麻痺剤を注入された蔵人がドウデモイイ質問を投げかける。

 

 『あのなぁ・・・。一応、緊迫した場面なんだが・・・?』

 怪物(モンスター)の攻撃を抑えつつ、気の抜けた質問にテンションダダ下がりな声音で返す秀人。

 

 「お前の姿を見たら、緊迫感なんてぶっ飛んじまったよ・・・?ナンじゃそれ?」

 「蔵人さん。知らないんですか?パワードスーツってやつですよ!ああ・・素晴らしい姿・・・。あ?!私も乗ってみたいです!!」

 

 SFアニメの世界に造詣が深いのか。蔵人に負けず劣らず好奇心むき出しで話し始めるアカリ。雪白に対する時とは、また違った感情が出るのか声のトーンが違う。

 

 『アカリちゃんまでぇ?結構、マズい状況だったんですけど・・・?』

 アカリと蔵人との遣り取りでテンションどころか、戦っている意識さえ無くしそうになる。

 

 三人のフザケタ遣り取りを感じたのか。もう一度棍棒を振りかぶり、致命の一撃を放とうとする怪物(モンスター)

 しかし、頭部も既に無く。躰のほとんどの部分に怪我を負い、欠損した場所まである怪物(モンスター)の動きは。戦いの経験を十分に積んだ秀人にとっては、ひどく緩慢で隙だらけの動きでしかなかった。

 

 『悪いな・・・?コッチも忙しい。もう終わりにしよう。』

 

 怪物(モンスター)の緩慢な動きを十分に観察し終えると、右腕部のプラズマ・ソードを起動。

 

 左腕部で棍棒の攻撃を警戒しつつ、この世界の基準では計り知れないエネルギーを持ったプラズマ・ソードを。棍棒を振り上げてガラ空きになった怪物(ヤツ)の腹部に突き刺し、無くなった頭部に向けて切り上げる。

 

 プラズマの発する圧倒的な熱量によって、切り裂かれた躰から吹き出そうとする血は焼け付いた箇所で凍り付く事も出来ずにいた。

 

 いや、そのような変化は目視で確認する事は難しいし。その後に起こった惨劇を見れば些細な事でしかない。

 

 後方で、秀人の攻撃を見ていた三人にとっては。ただ、圧倒的な『力』が怪物(モンスター)の躰を引き裂き。続く、両腕で展開したプラズマ・ソードの流れる様な斬撃が、全ての部位を瞬時にバラバラに『解体』していた結果しか分からなかったのである。

 

 

 

 『終わったぞ・・・。』

 

 目の前で起こった『惨劇』・・。圧倒的な『力』で恐るべき力を秘めた怪物(モンスター)を瞬時に『解体』してしまった白き甲冑の動きに、言葉を発する事さえ忘れて見入ってしまっていた三人。

 

 時間にしては、ほんの数秒の出来事でしかなかった両者の攻防は。秀人の圧倒的な『力』を、三人の意識に刷り込む事でしかなかった。

 

 事実。秀人に声を掛けられた三人が事実を受け入れるまで、それなりの時間を要していた。

 

 「凄いものだな・・・。」

 「・・秀人さんですよね・・・?」

 「ぐぁ・・・・。」

 

 呆けた仕草で、三者三様に秀人に対して声をかける。それぞれが、秀人に対する考えと感情を言葉に載せていた。

 

 「あっ・・!?怪物(モンスター)が復活しない様に聖霊魔法で止めを刺さないと!」

 先ほどまでの攻防が頭の中に残っていた三人の中で。最初に聖霊魔法に気づいたアカリが、魔法行使の呪文を唱えようとする。

 

 『大丈夫だ・・。奴等に関しちゃ、もう問題ない。止めは必要ない。』

 細切れにされた怪物(モンスター)だったモノに背を向け。兜に見える頭部装甲の目に当たる部分から、鈍い緑色に光るモノアイを三人に向けながら話す秀人。

 

 「何か込み入った理由があるのか?」

 展開した火精魔法でやっと溶かし終えた凍り付いた部分を、アカリの命精魔法で治療されている蔵人が尋ねる。

 

 「そうですよ?秀人さんには聖霊魔法を教えていませんでしたし。隠し事は良くないと思います!」

 蔵人の言葉に同調するように、アカリも魔法を使わずして怪物(モンスター)を倒した秀人に回答を求めていた。

 

 『まぁ・・・話せないモノでもないんだが・・。上手く説明できるかどうか分からん。取りあえずトラモラ草は採集出来たんだろう?洞窟に戻って飯にしよう?そん時に話すよ。』

 

 「なんだそれ?この世界に召喚されてから、常識を外れた事ばかりで慣れちまったよ?神様が出て来ても、全然驚かんよ?」

 「私と、蔵人さんは既に神様に会っていますからね。大概の事には驚きませんよ?」

 早く話せとばかりに秀人に話を促す二人。

 

 

 そんな二人の様子を嘆息しながら眺める秀人。

 

 さっきまで死ぬかもしれない状態だったのに・・。やはり異世界に召喚された時に、精神構造の方も少し弄られたんじゃないだろうか?戦争や殺人などから無縁でいられた蔵人達の『世界』では、考えられない程ズレてきている。

 召喚されてから年数も経っているから、様々な状況が経験となって逞しくなったのだろうか?『逞しく育ってほしい・・世紀末ハム・・。』。

 

 いやいや・・・何を考えているんだ俺は。それよりも、2人の行動を諌めるべきだ。当面の面倒事から脱したとはいえ、怪物(モンスター)達が5体だけとゆう保証はない。

 ドローンに索敵させているとはいえ、何処からどのように顕われたのか全く分かっていないのだ。そうであるなら警戒を厳にして。負傷し疲労した肉体と精神を休ませる為に、根拠地に帰投すべきなのだ。

 その作業を終えてから、今の戦いの問題点を整理して話し合い。戦訓として取り入れ無ければならない。そうしてこそ、生き残る確率を上げていくことが可能なのだ。

 

 そこまでの事を一瞬で考え、言葉にして発しようとしたした時に、2人の頭に見事な動きで優雅で美しい尻尾の打撃音が響いてきていた。

 

 「スパパアーーン!!」

 

 擬音で表すならこのような音になるのではないのだろうか?

 

 二人の遣り取りを見守っていた雪白さんが、結構強めに尻尾による注意を与え。即座に洞窟方面に踵を返していた。

 

 「痛てぇ・・・・。」

 「あいたぁ~・・・・・。」

 痛烈な一撃を貰い、2人して頭を抱える。普段より強めなのは、自分も醜態を晒した気恥ずかしさからなのだろうか?チョットズルいと思うが、雪の女王はなんでも許されてしまうからイイのか?

 

 『二人とも。雪白先生の指導で分かると思うが。生き延びるチャンスをえたのだから、先ずは洞窟に戻って態勢を万全にしないと。怪物(ヤツラ)があれだけでは無いかもしれん。慎重に行動しなければな?』

 

 「でも、秀人の圧倒的な『力』ならば。呼吸する間に殲滅できるんじゃないのか?」

 「・・・・。」

 蔵人と同じ疑問を持ったアカリも、言葉に出さない代わりに沈黙と目で訴えていた。それほどまでに、2人の意識に刻まれた『力』は凄まじいモノだったのである。

 

 『あ~・・・。コレ、レンタル品なんだ・・。時間割。しかも秒単位でお金が吹っ飛んで行っている・・・。』

 

 そこまで発した秀人の言葉を裏付ける様に。瞬間的に白い甲冑が消えて、普段と同じ装備になる秀人の姿。

 

 「『ポケット』は資本主義の権化なのさ・・・。何事にも代償が必要でして・・。残高、2万一千七百円です・・」

 寂しそうな口調で残高を告げる秀人。

 

 「え・・・・・・?」

 「結構・・シビアですねぇ・・・・」

 

 アッとゆうまに切り替わった秀人の姿を見て。呆然と呟く二人。

 

 「でも?秀人さんが倒した怪物(モンスター)の装備が換金できるかもしれないです!凄く確率は低いらしいんですけど・・・。」

 秀人がもたらした衝撃から、女性らしい柔軟さ(ふてぶてしさ)で。いち早く立ち直ったアカリが、換金の為に装備を探す様に提案する。

 

 「そうなの?それじゃあ警戒を厳重にしながら探してみるよ。アカリちゃんは蔵人を連れて、雪白先生と一緒に洞窟に帰っていてくれないか?」

 

 アカリの提案を受け入れ。怪物(モンスター)が残したかもしれない装備を探す事を決意する秀人。資金は多くあっても困ることは無い。自分で探せないアカリちゃんの不満タラタラの物欲で染まった目が怖いんですけど・・・。

 

 自分で仕留めた『獲物』や『採取物』は、先着順って決めたからかなぁ・・?そんなに欲しいモノが『商店』にあるんだろうか?

 

 「ほいじゃ、洞窟でね。雪白先生が載せて行ってくれるらしいから、素直に喜んどきなさいよ?アカリちゃんの取り分も設定するから・・・。そんな目で見ないの?」

 

 警戒を厳重にしながら三人を見送る秀人。アカリちゃんの物欲に染まった視線が痛い・・・。

 

 逞しく育って欲しいけど・・。世紀末ハムというより、世紀末覇者的な何かに変わってしまうんじゃないだろうか・・?

 

 先程拾った氷の怪物の棍棒を持ちながら。棍棒を振りかぶりながら、世紀末マッドヒャッハーーするアカリちゃんを想像して。背筋が寒くなる秀人であった・・・・。

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