悪タイプ使いの成り上がり   作:煽りイカ

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リアル鬼ごっこ

レベル上げ帰り。道路を歩いていたら横に黒い車が止まった。

 

「あああああああ見つけた‼」

「あっやべ」

 

この前通り魔から助けた女の子だ。

よし逃げよう。

 

「だからなんで逃げるんですか!?」

 

何って? 勘かな、変なことに巻き込まれそうな感じだし。

後は溜めてたゲームを消化したいからさ。

 

「捕まえて‼」

「了解しましたお嬢」

 

な、なんだ怖いお兄さんが2人程出て来たぞ。

 

「おい! 待ちやがれ!」

 

だが加護で肉体を強化されている俺には追い付かない。マジでチートだな。

 

「早ええ!」

「クソ! 応援呼ぶぞ!」

 

はい?

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけたぞ!」

「逃がすなあああ!」

「待てコラアアア」

「少し時間取るだけだからよぉぉぉ!」

 

15分くらい経っただろうか。

結論から言うと30人位怖いお兄さんが増えた。

 

あの娘何者? どれだけ権力持ってるの!?

 

あっ、しまった行き止まりだ。

 

「やっと追い詰めたぜ」

「観念して捕まりな」

 

いや、まだ手がある。前後左右塞がれているならば、

 

「何!? 上だと!!」

 

手頃な台があったから助かった。塀の上を走り、屋根を渡り歩く。

これってフリーランニングだったけ?

 

こうして完全に逃げきるのだった。

 

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

 

ふうーもういいかな。念のためしばらく廃工場に隠れていたがもう大丈夫だろう。それより何者だあいつら?

 

まあいい帰ろう。夕飯作らないといけないからな。

 

そう思い帰ろうとしたその時、

 

「ううっ……」

 

気づかなかった先客がいたのか。見てみると横に男性がいた。

 

……満身創痍でだ、血とか出てる。

 

ええーなんで俺はこんなにトラブルに巻き込まれるのさ?

 

「すまねぇ親父ぃ……」

 

この人に何があったんだよ!? とりあえずすごいきずぐすりを使っておこう。

 

「ううっ」

 

吹き掛けて見るとあら不思議。傷が塞がっていくではありませんか。

 

「な、なんだ兄ちゃん助けてくれたのか……」

 

それにしても効くなこの傷薬。

それよりもこの傷ただの傷じゃないな穴みたいな傷だ。

まさかこれって……。

 

「兄ちゃん助けてもらって悪いんだが逃げろ」

 

待って? 何から逃げるの?

 

パァン

 

「見つけたぞ黒田ァ!」

 

発砲音がしたので振り向くとオーガみたいな奴がのしのし歩いてくる。

マジかよ拳銃持ってやがる! ヤバい非常にヤバい。

 

「ああ? なんだお前?」

 

こっちを見てきた。勘弁してくれ頼むから。

 

「仕方ねえ口封じに殺るか」

 

クソッ! 逃げ場無しかよ!

俺が死んだらこの人も死ぬ、戦うしかない。

 

「行け、ヤミラミ!」

「ヤミ!」

 

ポケモンで戦うけど。

 

「ヤミラミ、おにび!」

「ヤミ!」

「なっ! アチィ!」

 

おにびが奴に当たり地面を転げ回る。その隙を見逃す俺ではない。くらえええええええ!

 

「オラアアアッ!!」

 

腹部に蹴りをぶちこむ。そして思ったより吹っ飛ぶ。

 

「がばはっ‼」

 

生きの良い鳴き声と一緒にドラム缶にストライクする。死んでないよね……。

 

「兄ちゃん今のうちに逃げろ……」

 

は? KOじゃないの?

 

奴がドラム缶を退かして出てくる。うわータフだコイツ。

 

「ち、畜生、やりやがったな……」

「アイツは裏社会じゃ有名な殺し屋だ。ちょっとの事じゃ死なないぞ」

 

裏社会の殺し屋!? 俺はマズイ所まで足を踏み込んでいるらしい。

 

ちなみに3割程度で蹴ったんだけど優しかったのか? おっ手軽な石見っけ。

 

拳大の大きさの石を拾い、投げつける。

持っていた拳銃に当たり弾く。

 

「やりやがったなアアアア!!」

 

あ、ナイフを抜きやがった。

 

「ヤミ!」

「いや、俺がやるから任せろ」

 

たまには俺が戦うよ。

 

ナイフを持って相手が突っ込んでくる。

突き、斬るをしてくるが俺には当たらない。ゆっくりナイフが見える。

 

「どうした? 当たらないぞ」

「クソッ!」

 

もう終わらせるかな? 唯とアルセウスがご飯を待っている。

 

ナイフを突いた瞬間相手の間合いの中に入り込み、顎をアッパーで打ち抜く。

3m位宙に浮き、地面に落ちる。

 

「嘘だろ……"悪鬼"の比山を倒しやがった」

 

コイツそんな二つ名を持っていたのか……。

とりあえず気を失っており、鎖が落ちていたから縛ることにした。

 

「兄ちゃん……何者だい?」

「とりあえず立てます?」

「ああ」

 

と思ったが立ちにくく足を引きずる。ケガは治っているがすごいきずぐすりも万能ではないようだ。

 

「仕方ないや送って行くよ」

「重ね重ねすまない」

 

この人を家に送ったらダッシュで帰ろう。殺し屋に狙われるとか普通の人間ではないだろう。

 

ちなみに殺し屋は鎖で縛ってドラム缶の中に入れ、口を落ちていたガムテープで塞いでおいた。

誰か親切な人に助けてもらう事を祈っている。

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

 

「ここでいいの?」

「ああ助かったぜ兄ちゃん」

 

玉川の家よりも大きいや。武家屋敷と言うのだろうか。

門の前にいるのだかその横に立て掛けてある看板には【黒田組】と書かれている。

 

確か黒田組ってここら辺じゃ有名な極道だという話を聞いたことがある。穏健派で抗争をしないとか。

 

「若! 大丈夫ですかい!!」

「ああ平気だ歩きにくいが問題ない」

 

玄関に入ったらお兄さん達が慌てて駆け寄ってくる。この助けたおっちゃんは相当地位が高いらしい。

 

「ああ兄ちゃん、親父に会わせたいから上がってくれ」

「いえ、用事があるので失礼します」

 

あんまり関わりとか持ちたくないし、夕飯作りたいしね。この人置いたら帰るか。

 

ん? 後ろから多数の気配を感じる。

 

「ああ逃がしちまいましたね」

「あのガキ足速かったですね、他にもジャンプ力ありましたし」

「人相書きで探してますかい?」

「次見かけたら40人位導入して!! 必ず捕まえ……あっ」

「あっ」

 

今さっき鬼ごっこしてた人達が後ろから来た。

 

「パパァァ! ソイツ捕まえて‼」

 

パパ?

 

ガシッ

 

「少しだけ上がっていけや兄ちゃん、娘の話とか聞きたいしな、遅くなったら送って行くよ」

 

お前コイツの父親だったの? なにこの偶然?

こうして俺は捕縛されるのであった。

 

 

 

□ □ □

 

 

 

「ほう、お前さんが儂の息子と孫の命を助けてくれたのか」

 

今俺は組長の前に座っている。逃げられないように多くの組員に囲まれてだ。

 

「本当に助かった礼を言う」

 

そう言って頭を下げられる。

まあ礼を言われるためにやったことではないため少し困る。場所の事もあるため速く帰りたい。

 

「うふふ」

 

それで隣にその孫がいる。名前は黒田アリスと言うらしい、金髪なのはハーフだからだそうだ。

助けられた後から俺を探していたらしい。

 

「あのーそろそろ遅いので帰りたいのですが」

「おおっそうかわかった。車を用意しよう」

 

少し話した後、もう夜だと気づいた。

 

「何かあったら頼ってくれ、力になろう」

「ははっどうも」

 

そしてこの屋敷を後にするのだった。

 

 

 

□ □ □

 

 

 

「親父、調べ終わったぞ」

「それで? あの子の素性は?」

 

組長が調査の資料を読む。

 

「ほお、選ばれたポケモントレーナーの1人か」

「ああ、相当不運な目にあってるらしい」

「ん? 影山錬三の孫か……」

「知り合いですかい?」

「少し交流があったな。ずっと前だが」

 

懐かしいな、と言い。

 

「アリスのやつも惚れているみたいだし、このままくっつけて良いかもしれんな」

「いいんですかい? 若が聞いたら複雑な顔しますよ」

「大丈夫だろ、上手く言っておく。それにあの男は絶対に伸びる、かなりの地位まで行くだろうな」

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

車の中、アリスさんがベッタリと腕を絡めてくる。胸が豊満なため幸せを感じる。

 

「え〜とアリスさんは年いくつ?」

「アリスでいいですよ。18です」

「年上じゃん」

「いいんですよ。命の恩人ですから」

 

腕の絡みが強くなる。

 

「あっこれ私の電話番号とLINEIDです。何かあったら連絡ください」

「あっどうも」

「着きましたよお嬢」

「ええーもう‼」

 

ホントだ、もう家の前だ。

 

「それじゃ送ってくれてありがとう」

「はい、また今度お会いましょう」

 

車が去っていった。

 

さーて晩飯作るかな。

 

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