ザクザクッ
「ガオガエン、そろそろ休憩にしよう」
「ガオウ」
「はい麦茶」
「ガオ」
つい最近の事だがガオガエンに進化した。
ゲッコウガもカッコいいと思うがガオガエンもまた違ったカッコよさがある。プロレスラーみたいなポケモンでたくましさを見て感じる。
今何をしようとしているのかと言うと罠作りだ。
落とし穴である。
この前の一件により警戒しなければならないため対策を打つ。ポチエナ共が育つまで先手を取る。
「さてと続きをやりましょうか」
「ガオ」
とりあえず半径1M程の穴に3Mの深さ程掘る。その後穴に土や草や枝を被せその上におびき寄せるために道具を置いておく。
使い終わったすごいきずぐすりでも置いとくか。
罠と言うのは人を動かして嵌める物だ。
いい道具を置いていけば警戒もしないでまっすぐ進み罠にかかるだろう。
「ガオ」
「こんくらいにしておくか」
一応ジグザグマとかには近づくなと言っており、何かあったら知らせる様にしている。
土・草・枝を使い巧妙に隠し、水を入れたすごいきずぐすりの容器をセットする。
このような罠を3つ程作った。
□ □ □
「爺ちゃん、来たよ」
「おお来たか」
今日は金を納めに来た。
まだ金に余裕があるが爺ちゃんの顔とかも見たいからついでに金を納める。
それでお菓子も用意されている。
おもてなしと言う物はいい文明だ。
「それで最近どうじゃ?」
「ポケモンが進化したくらいかな」
「……黒田組と関係持ったろ」
「…………」
やべっなんでバレてんの?
「組長は悪人ではないがほどほどにしておいた方がいい」
噂じゃ悪い事は聞かないが気をつけたほうがいいか。
つーか組長の事知っているのか?
「いやいやその孫と仲良いだけだからさ」
「まあそのくらいだったらいいがのう」
それにしてもうまいなこのお菓子。
ポケモンにもあげたいから包んでもおう。
「まあ何かあったら教えてくれ。相談に乗ろう」
「うんありがとう」
きんのたまを渡し、お菓子をタッパに入れてもらった。
□ □ □
さあさあやって来ましたよ山にレベル上げするとしますか。
「スバッ!」
オオスバメ Lv23
あまり山に深く入っていないのにいい数字じゃないか。
「ガオガエン、のしかかり!!」
「ガオ!」
オオスバメが避けようと飛ぶがガオガエンの方が早く巨体が覆い被さり圧する。
HPバーが無くなる。
瀕死のためふらつきながら飛びながら逃げる。
あっ木にぶつかった。俺もふらついて物にぶつかった事がよくあるよ。
まあ戦いながら道具集めるか。備えあれば憂いなし。
ガオガエンの強さを実感しながらダウジンクマシンを使用するのだった。
□ □ □
「きゃあああああああ!!」
女の声!? 声から見てピンチみたいだ。
「急ぐぞ、ガオガエン」
「ガオッ!」
ここら辺はLvが高いから初心者向けではない。
誰だよここに来る奴は?
走っていくと見えてきた。まだポケモンが頑張って奮戦している。
あっ吹き飛ばされた。
「ガオガエン! かわらわり!!」
「ガオッ!!」
「キイ!」
よーし間に合った!
敵はマンキーだったが一撃でHPが無くなり逃げる。
偉いなこのポケモン。飼い主をよく守る為に頑張ったよ。…………おい、このポケモンは……。
「あー助かったわってカス山!?」
俺の名前は影山だ。間違えるなよ。
つーかこの呼び方は学校でよく呼ばれる名だ。
誰だっけこいつ?
「あんたクソのくせに強いポケモン持ってるじゃないの、生意気ね」
「は?」
助けたのに何故そんな事を言われなければならないのだろうか?
「は? じゃないでしょ。調子に乗るとかカス山がいい身分ね」
怒り通り越して呆れてきた。どんな教育をされればこんな奴に育つのだろうか?
それで誰なのこいつ?
「あの時のあんた本当に不様ね。響夜君の弟を傷つけたんだし自業自得よ。この犯罪者予備軍」
思い出した。コイツ聖沢のハーレムの1人で序列1位の女だ。あの時最初に駆け寄って来た女だ。
家が大富豪であり、叔父がウチの学校の理事長でありやりたい放題やっているクソビッチだ。
噂では性格が悪く、裏でヤバイ事をしており何人か退学にされた奴いると聞いた事がある。
現に聖沢の前では猫を被っており、本性を見せない。
嫌なやつを助けてしまった。
念のためアレを使っておくか。
「なんでこんな所にいるんだ? 危ないぞ」
「レベル上げに決まってるじゃないこのカス」
「そうか邪魔したな」
頑張って下山しろよクソビッチ。
スピアーの巣に入らないように祈ってる。アイツら凶暴だからな。
「待ちなさいよカス山」
「はぁ? こっちは忙しいんだレベル上げしてろよ」
「ポケモン寄越しなさい」
………は? なに言ってるんだコイツ?
「だーかーら下山するからポケモン寄越しなさいってば」
「下山するなら俺についてこい。安全な所に送っていくぞ」
正直送りたくないけど多少の縁。俺からの最低限の慈悲だ。
「アンタみたいなグズが強いポケモンを持ってるなんてどうかと思うわよ。私みたいなトレーナーが持つに相応しいわ。だから寄越しなさい」
ナニ言ってるのこの子?
助けられた上に安全な場所に送って行こうとしている人になんて事言ってるのだろうか?
助けたのにここまでされる筋合いは無いね。
「あらいいの? ここでアンタに襲われたって証言するわよ。アンタみたいな最底辺の言ってる事なんて信じるかしら。退学ね」
コイツは助ける価値の無い女だ。正直放って置けば良かった。
「ほらボール渡しなさい」
うざい奴だ。ビリリダマを渡したらどうなるだろうか?
…………あ、良いこと考えた。
「だが断る」
「はぁ?」
俺はガオガエンをボールに戻し、ステータス画面にボールを入れる。実はステータスの中に道具の他にもポケモンを6匹まで入れる事が出来る。
「大事な仲間だ。渡すわけないだろ」
「あのね~状況わかってるの? 痴漢とあなたは今一緒なの。襲われなかった証拠がない。ビデオカメラでも持っているの?」
「くっ」
「さっさとしなさいよカス山!!」
ステータスからボールを出し渡す。
「はっ、わかればいいのよ」
ボールを強くぶんどりそのまま去って行く。
バカだコイツ。気付いていない。
……あれ?
「おいポケモン忘れてるぞ」
「要らないわ」
「はい?」
「見た目が良いだけで使えないわコイツ」
トレーナーを守るために必死で頑張った部下になんて事言うのだろうか。
このポケモンは雑魚ではないし超レアだぞ。
「あげるわ。あなたみたいなカスにぴったりよ」
奴の配下のポケモンがすり寄ってくる。
そりゃそうだ認めたトレーナーについてくるのがポケモンだ。
「邪魔よ」
クソビッチがポケモンを蹴り上げる。
「ブイッ!!」
「あなた使えないのよ。もう付いて来ないで」
そして俺の方へ来て俺の腹を押すように蹴る。
それで木の根っこに引っ掛かり倒れてしまう。
「カス山の分際て手間かけさせないでよ、身の程を知りなさい」
こうしてクソ女は去って見えなくなった。
名前が最後まで思い出せなかった。
ちなみにクソ女に渡したボールは未使用のモンスターボールであり、ポケモンなんて入っていない。見事に騙されてやんの。無人発電所のビリリダマを思い出す。
もう少し人を疑った方がいいぞバカめ。確認しろ。
「ブイ……」
泣いてやがる。
さてコイツをどうするか。
「取り敢えず家来るか?」
俺はイーブイを抱き抱えてその場を後にした。
□ □ □
「なにこの子可愛いいいいっ!」
「やらんぞ、お前はこの前3匹目ゲットしたろうが」
唯がイーブイに抱きついている。まあ気持ちはわかるし人気だからな。
「でもこの子玉川さんのイーブイと違って白いよ?」
そうコイツは色違いのイーブイだ。
珍しいうえに珍しいポケモンであり滅多に会えないだろう。ソイツを捨てるなんてアホとかしか言えない。
ちなみに玉川のイーブイはエーフィかブラッキーになると思っていたがアイツに進化するとは予想してなかった。
「ブイ……」
…………やっぱりショックだろうな。信じていたトレーナーに捨てられるなんて泣きたくなるだろう。
「なあイーブイ」
「ブイ?」
「強くなりたいか?」
あの時俺も見ていて腹が立っていた。
「ブイ」
イーブイは頷く。
「俺がお前を育てる。頑張る限り捨てないし強くしてみせる。だから俺と一緒に来てくれないか?」
「ブ……イ」
迷ってるな。一押しするか。
「ほら自家製のケーキだ」
昨日アルセウスに頼まれて作った余りだ。
「ブイブイブイ」ガツガツ
なんかすごい勢いで食べている。
旨いのか? それとも腹が減っているのだろうか?
そして食べ終わったらしくゲップしていた。
「ブイ」
少し考えた後に首を縦に降った。
「よろしくなイーブイ」
また仲間が新しく増えたのだった。
「それ儂が後で食べよう思ったケーキ…………」
「あ」
後日またケーキを作った。