朝、自分の下駄箱前。
自分の上靴を取ろうとすると、
「何だこれ? 手紙か?」
「あっ、先輩っ! お早うございます!」
「おはよう」
「先輩、それなんですか?」
何だろう? 告訴状か何かか?
裏を見るとハートのシールで止められている。
「えっ!! 南恵里菜って書いてますよ!?」
「知っているのか?」
「読者モデルですよ、知らないんですか!?」
「名前は少し」
あまり流行には敏感じゃない。
全校生徒を把握してるわけじゃないし。
「1年の中だと1番可愛いって評判ですよ。ほらSNSにも写真ありますよ」
スマホを玉川から見せてもらうと可愛らしいギャルが載っている。多分盛っているな。
「カモン、ベトベトン」
「ベト」
「あれ? 何でベトベトンを?」
「お食べ」
「ベトー」
ラブレターをベトベトンに食べさせる。
アローラのベトベトンはゴミを食う。
「うぇ!? 何を!」
「どうせイタズラだろう」
前にもラブレターが入っていたことがあったが大体はリンチの招待状か罰ゲームだ。カミソリが入っていたことがあったけ。
「第一色々あったし無いだろう」
「ですけど聖沢先輩は生徒全員に好かれている訳ではありませんでしたし……」
ポケモントレーナーに成る前は玉川しか助けてくれなかった。今まで無視してきて手のひら返しはどうかと思う。
それに玉川1人か読モ10人をどっちか選ぶとしたら俺は迷わず玉川を選ぶ。性格も良いし美少女だし何より俺が這いつくばっていた時に手を差し伸べてくれた。読モ10人の命よりも重い」
「ええええええっ!!」
あれ口に出してた? うっかりしてた。
玉川の顔が赤い。
「わ、私教室にいってます。それでは放課後の買い出しにまた!」
「あ、ああ」
玉川は早歩きで行ってしまった。
そんな恥ずかしい事言ってたか?
玉川が大事だって事を普通に言っても問題無いと思うけど…………。
俺も教室行くか。
聖沢とのバトルから1週間たった。
俺は行動に移した。
□ □ □
数日前、
「うぃーす聖沢元気?」
「!」
ここは玉川の親族が経営している病院なので頼んで入らしてもらった。大怪我しているため所々に包帯やギプスをはめている。声も出ないようだ。
「!」
「喧嘩売りに来たんじゃない。真実を教えに来たんだ」
「?」
玉川の病院からノーパソを借りてUSBを差し込みとある動画を見せる。
『アンタみたいなグズが強いポケモンを持ってるなんてどうかと思うわよ。私みたいなトレーナーが持つに相応しいわ。だから寄越しなさい』
『ブイッ!!』
『あなた使えないのよ。もう付いて来ないで』
クソ女の一部始終と、
『取り敢えず冤罪を被せた事を俺に謝れ』
『すいませんでしたああ!』
『もう迷惑かけないと誓うなら助けるが?』
『誓いますぅ!』
『てめえやりやがったな!』
『ぎゃああ痛てぇぇぇぇぇ!!』
とクソガキの一部始終を見せた。
どう録画していたかと言うと時計型のビデオカメラだ。
前にスパイ映画を見た後スパイ道具をネットで探してたら見つけた。こんなのあるんだと科学の進歩に驚いた。
他にもキーホルダー型や眼鏡型のビデオカメラとかあるらしい。
金が入ったりしたため余裕ができたので通販で買った。これで冤罪防止し、このような事ができた。
ふとみると聖沢が泣いている。
そりゃそうだろ信じていた人間かアレだし。
「これが真実だ。これでも俺が悪いのか?」
「……」
何か可哀想になってきた。
よく考えたらコイツも被害者かもしれない。家族や仲間を信じるのは当たり前の行為だろうし……。
「もっと信じる相手を疑う事をおすすめする。評判が悪いと有名だからな」
「……」
「俺は行く。じゃあな」
ちなみに余談だが聖沢かフルボッコにされた後、ハーレムが2人程介抱していた。
クソ女やその他のハーレムの女は聖沢を落胆した目で見て何もしていなかった。
まだ2人程着いてきてくれるので聖沢は上っ面な人間では無かったかもしれない。
□ □ □
「こんにちはー広人さん!」
「来たかアリス」
「やだなぁ広人さんの呼び出しなら毎日でもOKデスヨッ!」
コイツテンション高いな。
「それで何の用です?」
「まずはこれを見てくれ」
クソ女の動画を見せる。
「あれ? この娘ミスリル電機の明日香さん?」
「知り合いか?」
「いいえ、友達が中学の同級生だったみたいなんですけど大金持ちを鼻にかけて威張っていたそうです」
高校と変わらないな。
性格も高校デビューしろ。
「何人か転校させたとか黒い噂を聞きますし、他の高校でも有名ですよ」
「うわぁ」
あの女めちゃめちゃ有名じゃないか。
「それでこの動画を見せて何をするんですか?」
「これで脅せないか? ミスリル電機を」
「………」
アリスが考え込む。
「この動画いくらかで買わないか? 脅迫が成功するかわからないけど」
「でも成功するかわからないですよね……。ですので安くしてください。一万で」
「売った」
相手は大富豪のため成功するかどうかわからないから安くしよう。
「情報屋に知り合いがいるので闇に葬られた事とか調べておきますよ」
「頼むぞ」
情報屋に知り合いが居るんだ……。すげぇ。
□ □ □
さてとクソガキの動画を小学校と教育委員会に送っておくか。エアガンを人に向けて打つとか危ない。
動画を見てこれで良い子だと思うのだろうか?
□ □ □
聖沢は転校した。
体は沢山骨が折れたりしているため全治4カ月だそうだ。まだ着いてきてくれるハーレムもいるらしい。
クソ女は退学となった。
黒田組の脅しが効いたらしく理事長が変わり、アリスの父親が理事長になった。
ミスリル電機の当期純利益から数割だけ黒田組に入るそうで組のみんなは喜んでいるそうだ。
情報屋が調べてみると裏ではヤバイ事をしていたのが発覚したのが脅しの決まり手だったらしい。それで余罪が多く出てきたので退学処分となった。理事長だけではなく教師も数人クビになったそうだ。
クソガキは全治3カ月の怪我で、その後更生用の寺に預けられる事になった。
人に発砲(暴行)
BB弾(不法投棄)
不法侵入
の3連コンボだ。
それで親にゲームを目の前で壊されたらしい。
さらに交通事故には本当にあったらしく、クソガキの飛び出しらしい。悔しかったらしく俺のせいにしたそうだ。
電気が通らない山奥の寺らしく、2年間は帰ってこないみたいだ。南無。
クソガキの取り巻きは先に自首したらしくこれまでの悪事を白状したらしい。川に落とされた時に縁は切れたそうで説教だけで済んだらしい。
俺は聖沢をボッコボコにしたが先に玉川が殴られた件や、クソガキをしばいた件の真実が暴露されて冤罪が確定との事で、既に1カ月停学しているのでもう処分は受けたとの事になった。
こうして俺の無実が確定したのだった。
□ □ □
放課後。
「それでは先輩の無実が晴れた事を祝して~」
「「「「乾杯!」」」」
って事でパーティーをすることになった。
テーブルには買ったりデリバリーした料理が並んでいる。どれも美味しそうだ。
「ピザよりも先輩の料理の方が美味しいですね……」
「ヤミ」
ピザ屋に失礼だろう。
他にも寿司とか中華とかタコ焼きとかあるから食え。
「うん、うまい」
「カア」
唯は俺が作った唐揚げを頬張っている。
そんな他人が作った料理が嫌かよ!?
「ガオ」
ガオガエンが背中に手を置いて慰める。
俺が作った唐揚げを食べながら。
その他のポケモンも俺の作った料理を食べている。
少し疲れたので縁側に座る。
よく考えたら俺も聖沢やクソ女と同じくリア充か……。金や権力で色々やってしまったし、多少罪悪感が感じられる。
どこかのアニメでも人を撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだと言っていた。俺は何も覚悟して無かった。
あーあ俺もクズの仲間入りか………。
「違いますよ」
「アリス?」
いきなり後ろから抱き締められる。
「ど、どうした?」
「声に出てましたよ」
うげっ聞こえてたか……。
「色々聞きましたが広人さんは何も間違えてませんよ。もしクズだったら皆はここにいません」
「……」
「もし誰かが広人さんが悪だと言うのならその正義が間違っています。誰かに酷い事をされたら私に言ってください。黒田組が味方になります」
「ありがと……」
「もっと頼ったり甘えて下さい」
心に空いた穴が埋められるようだ。
「さあ、アルセウスさんがいちごミルクのイッキ飲みをするそうですよ。行きましょう」
「……待った、もう少しこの状態を」
少し涙が出たから見られたくない。
しばらくは後ろから抱き締められた状態でいるのだった。
これにて第一部完です。
閑話を数話出してから書き溜めるため休みます。
一応補足を、エアガンは人に撃って当たっても当たらなくても罪になるそうです。使用する際には気をつけて下さい。