スーパーで肉が特売していて助かった。
まあ、金はあるが安売りしていると買いたくなる習性なのだ。
「主よ今度は映画館に行ってみたい」
「あっ、私も私も」
いいね俺も見たい映画館があるし丁度いい。
「じゃあ今度の日曜でいいか?」
「やったぁ」
平日は学校だし休みの日にいった方が良い。
まあ平日の映画というのも乙なものだ。サボって見るのも悪くないかもしれない。いや悪いか。
「ねえ手を繋いでいい?」
「……家までだぞ」
「ひゅーひゅー」
アルセウスか茶化してくる。
照れ恥ずかしいからやめて。
…………女子と手を繋ぐの久しぶりだな。
アイツ以来か。
すると過去の思い出が急にフラッシュバックする。特にクソみたいな記憶が溢れる様に………。
「ど、どうかしたの!?」
「どうした主!」
「い、いや何でもない」
「顔めちゃくちゃ怖いよ!」
顔に出てた? マジで?
嫌な思い出だからな………。
「………そんなに私と手を繋ぐの嫌だった?」
「いやいやいや違うって! 嫌な事思い出しただけだ!」
「だったら良いけど……」
気分悪くさせたかな?
「じゃあ近いうちに遊園地行こうか」
「うわーい!」
「イヤッホー!」
機嫌良くなったらしく腕に巻き付いてくる。
その際に胸が当たるが小さく、僅かに感触がある。それはそれで良い。
しかし玉川とアリスの方が遥かに圧勝しているんだよな……。
「主よ儂の身体について変な事考えてないか?」
お前の事じゃねえよ。
□ □ □
「ただいま」
いなくてもたまに言っちゃうよね。よくある。
「あれ?」
「どうした?」
「あそこの戸、閉めたはずじゃ……」
あっ確かに閉めた記憶がある。
ってことはつまり……。
「主よ後ろに下がれ」
アルセウス? いつものクソニートモードじゃない?
「ナニカいるみたいじゃぞ居間か?」
「とりあえず行ってみよう」
侵入者がいるみたいだ。
そしてアルセウスを前衞にし居間の前にやって来た。
居間に入る戸は開けていたのだか閉められており、中から物音がする。ポケモン出しておこう。
「開けるぞ」
ガラリッ!
「…………え?」
白い体、長めの尻尾を持ちそして鋭い目。
ポケモンを知っている人間だったらマスターボールを投げてゲットする超強力なポケモン。
ずずずずっ
? あれ俺の秘蔵の紅茶と菓子じゃないか? 何故食ってやがる!?
「ん?」
喋った!? アルセウスと同じく喋られるのか?
つーかなんでコイツは俺の家でくつろいでるんだ?
「君達……誰?」
「他人の家でくつろいでいる奴のセリフじゃない」
ミュウツーさんでした。
ええええええなんで俺の家に!?
「おい何で遺伝子ポケモンが俺の家にいやがる?」
ずずずずっ
ミュウツーは紅茶を飲む。
「ふぅ……ん?何って言った?」
うっわー苛つく。
そう言えば何処から入ったんだコイツ?
「お前何処から侵入した?」
「そこ」
「ヤミラミ、バークアウトを最小限で」
「ヤミ!」
「グハッ!」
見てみると窓ガラスが割れている。
最小限で打ったのは家で戦うつもりは無く、暴れたら散らかるためである。
「何すんだよ痛いじゃないか?」
「空き巣がなにいっとるんじゃ!?」
唯は事態に対応できずフリーズしている。
□ □ □
「くちゃくちゃ」
「それで何で俺の家にいたんだ?」
その場のノリで夕食を一緒に食べる事になった。
くちゃくちゃうるさいなコイツ。
「まあ簡単に言えばポケモントレーナーを見て回っているんだ」
「トレーナーを?」
「実は僕さ、神様に現実へ送り出されたポケモンなんだ」
退屈している神様だからありえるな。確かにそうした方がトレーナーはワクワクしてきそうだし。
他にも何かやってそうな気がする。
「まあ、僕はゲットされてるんだけどね」
「もうゲットされてるのか!?」
ミュウツーって強くなかったっけ?
どんなトレーナーだよ………。
「それで神様から個人情報が入ったタブレットを貰ってさ、マスターの許可もらって世界を回っているんだ」
「へぇ~どんな奴がいるんだ?」
「……加護を持っている奴の何割かが狂っていてさ」
「何それ?」
狂ってる? どゆこと?
「うん異常なんだ。簡単に言えば変人奇人って事」
「変態か」
神様も目を背けたよな……だからか?
いずれ会うこともあるだろう。正直楽しみだ。
「どんな変態がいるんだ?」
「まず近寄りがたいのは格闘・岩使いかな。次点でフェアリー使い。三人共極悪人じゃないけど異常者なんだ」
「他の奴は?」
「ピンからキリまでかな? タイプの加護を持っているトレーナーは大半は頭のネジが外れている。まともに見えるのは君と虫使いかな?」
虫使いか……、内面がどうか気になる所だ。
「タイプの加護以外にもまだ加護はあるのか?」
「例えばイーブイ進化系オンリーの加護を持っているトレーナーがいたな」
「うっわーいいなー」
イーブイに囲まれるとか鼻血が出そうだ。
「他にも600族オンリーや魚オンリーとかあったよ」
いろんなトレーナーがいるな。
魚オンリーだと海でしか役に立たなそうだ。
「とまあこんなとこかな。ハンバーグカレーご馳走さま。美味しかったよ」
「お粗末さまでした」
そう言えば選ばれたトレーナーに一人もまだ会っていない。まともな人間だったらいいんだけど……。
□ □ □
夜中。自室。
「ねぇ起きてる?」
「何だ?」
「好きな娘とかいる?」
「寝ろ!!」
結局ミュウツーは泊まり、朝食を食べたら帰った。
ミュウツーのトレーナーの登場はまだ先になります。