「影山君! 今すぐ茶頼君に謝って!」
「断る。どんな失礼をしたんだ?」
市役所の人間が変な事言ってくる。
救いの女神をバカにされたんだぞ。黙ってられるかよ。
「皆のポケモンのゲットを手伝ったのよ! 悪く言うのはやめて!」
「はぁ~」
ため息が出てきた。
悪事をして悪人扱いされるのは良いけど、何もしてないのに悪口言われるのは嫌だ。
「第一何もしていない影山君が偉そうなのはどうかと思いますよ!? 交流会の事も忘れていたし真面目にやる気はあるんですか!! 茶頼君がどれだけ色んな人のために動いたか解るの! その時影山君は何していたの!? 何も協力しなかったじゃないの!?」
「道具が無いのに自分に何をしろと? それに交流会の連絡はされていません。って言うかボールが無いから始めから期待していませんでしたよね?」
ダウジングマシンの事はもう市役所の耳には入っているだろう。それを聞いた時点で俺に連絡を入れるべきでは?
少しは手伝おうと思いましたよ。
「影山君は自己中心よ! そんなの社会で通用しないわ!」
「あっそ」
色々やってきたから否定はしない。
それに自分中心で何が悪い? 人は自分の都合で職場や恋人等を選んでいるだろうし、自分の人生を他人の都合に決められる筋合いは無い。
人助けをするのも自分勝手で動くだろうし。
さて、交流会のトリで選ばれたトレーナー同士が戦うらしい。
恩人をバカにしたんだ。ぶっ潰してやる。
□ □ □
『さあー今日のメインイベント! 選ばれたトレーナー同士のポケモンバトルです!』
始まった。
さてとアイツを先鋒で行きますか。
『勝負のルールは3対3のシングルバトルです。先に全部倒したトレーナーの勝利となります。解説の中野さん、このシンプルなバトルに両者どう出てきますでしょうか?』
『茶頼選手はパワーで戦う戦法を取り数々のトレーナーから勝利をしてきました。パワフルな戦いが予想されます。対して影山選手はガオガエン1匹でバッジ4個のトレーナーのポケモンを6匹倒す実力です。一筋縄ではいかないでしょう』
パワータイプか……単純に力任せと言うのも厄介かもしれない。頭は良くても体を鍛えていない人とかいるだろうし。
『茶頼選手と今さっきの話したのですがとっておきのポケモンを手に入れたそうです。自信を持って話をしていましたよ』
とっておき? 何だろうか。
「おい始めるぞ!」
「とっておきって何だ?」
「教えねえよ!」
秘密じゃないととっておきには成らないだろうね。楽しみにしていよう。
お~っとポケモンバトルの音楽がなり始めた。
さてと潰しますか。
「行け! ニドキング!」
「殺れ、ゲッコウガ」
おっ技のデパートじゃないか。
ガオガエンでも良かったのだがコイツもやる気があるから出してみた。
つきのいし無いと進化出来ないよねコイツ。 ゲームの経験者か? 因みにLv35。
「なっ……Lv45!?」
こっちの方が格上である。
「ゲッコウガ、れいとうビーム!」
「クガッ!」
ニドキングはどく・じめんなので効果抜群である。
例外無く普通に戦闘不能になる。
「ドォ!」
「ニドキング!!」
『れいとうビームが炸裂だぁぁぁぁ!』
さあ次は何だ? パワータイプだろ?
「行け! エビワラー!」
かくとうタイプか、相性はいいが通用するかな?
Lv36だし…………試してみるか。
「ゲッコウガ、技を受けてみろ」
「クガッ!」
「舐めやがって! エビワラー、かみなりパンチ!」
「ワラアッ!」
ダメージを受けるが少ししか減らない。
ゲッコウガも平気のようだ。
「続けろ! インファイト!」
「ワラアッ!」
『どうしたゲッコウガ! 技を受け続けている!」
あっ今さっきよりはダメージが受けたみたいだ。
やるじゃんチャラ男。
「チャンスだ! きあいパンチ!」
「ワーラアッー!」
どうしようか、ここで攻撃するのも悪くないかもしれない。でも頑張っているから待ってあげよう。
そして10秒たってやっと動きがあった。
やっときあいが貯まったみたいだ。
「ワラッ!!」
「いっけえー!」
ゲッコウガにきあいパンチが突き刺さる。
だけど、
「クガッ」
普通に平気だ。でもさっきよりダメージを受けた。
そろそろ反撃するかな。
「ゲッコウガ、なみのり」
「クガッ!」
ビッグウェーブが出て来てエビワラーを飲み込む。案の定瀕死になる。後1体だぜ。
「クソッ! これが俺のとっておきだ!!」
やっと出てきたかとっておき。
チャラ男がボールを投げた。何が出てくる?
「ギャオオオ!」
『最後はギャラドスの登場だぁぁぁぁぁ!』
Lv45
ほぉギャラドスLv45か、良いセンスしてるじゃん。
レートとかでよく使われてるポケモンだよね。
あれ? ギャラドスの頭のキズどっかで見た覚えがあるような………。
「ふっ、このギャラドスは前に海に行った時に捕まえたんだ。丁度瀕死だったから、げんきのかけらを使ってそのままゲットしたぜ!」
あっ思い出した。コイツ前にベトベトンが海で倒した奴じゃなかったけ?
「ギャオ!?」
ギャラドスは思い出したみたいで少し引いた。
俺の事覚えていたんだなお前。
「ギャラドス、かみくだくだ!!」
「ギャオオ!?」
ギャラドスは「マジで行くの!?」って顔してるぜ。敗戦が身に染みてやがる。
「ギャオオオオ!!」
覚悟を決めたみたいで、弾丸の様に突進してくる。
まあ迎撃するんですけどね。
「ゲッコウガ! あくのはどう!」
「クウウウガアアアアア!!」
あくのはどうが刺さり、吹き飛ぶ。
ギャラドスのHPかゼロになった。
「ギャラドス!!」
『おおおおっと勝負あり!! 影山選手の勝利だああああああ!!』
俺の勝ちだ。
道具全部貰うぞ。
□ □ □
さてと俺は勝利してその後案内されて応接室みたいな所にいる。何の用だろうか?
すると扉からチャラ男と偉そうなおっさんが入ってくる。あれ? このおっさんどっかで見たことあるような………。そんでもって俺の向かいに音を立てて座り、膨らんだ封筒を机に放った。
「100万ある」
何だ急に?
「道具を全部寄越す約束だけど許してくれって事か?」
「何の話だ? 息子の呂己男にポケモンを寄越せと言う事だ」
何言ってるんだこのおっさん? って親子なの!?
チャラ男が笑っているんだけどウザい。
「それであなたは誰?」
「この市の市長だか? そんな事もわからないのか君は?」
見た事はあるけど知りませんでしたね。
他の市の市長の顔を覚えろと言われてもね。
「それで答えは?」
「ノーに決まってるでしょう」
「はぁ~バカな奴だな」
バカだと? 嫌に決まってんだろうが。
親子って似るんだね。イラッとくる。
「君をブラックリストに乗せよう。もう県内の市役所では手続きやサービス等は受けられなくなる。君にもう居場所は無くなるぞ」
「アンタにそこまでの権力はあるのかよ?」
「上の方に弱味を握っている人間が居てね」
嫌な人間だな。虎の威を借りるようなものだろう。まあその方が案外楽かもしれない。
さ、帰ろう。付き合ってられないや。
地震や台風が来たときにこの市役所をアルセウスで壊す事を検討しておこう。
「良いのかい~? 君の大事な人間に不幸があるかもしれないよ?」
「! テメェ………」
何だとコイツ!? 腐ってやがる!
何でこんな奴が市長になってんだよ!?
自宅をぶち壊してやろうかお前?
prrrr prrrr
ん? 内線が鳴り始めた。
クソ市長が受話器をとる。
「ん? 何だね? ・・・・・分かった少し待ってて貰ってくれ・・・・・は!? お通ししてくれ」
驚いた顔をしているんだが、誰か来るの?
重要人物だろうか。
市長が暫く沈黙し待っていると足音が聞こえてくる。
扉から入ってきたのは、
「こんにちわ~広人さん」
あれアリス? 何で顔見知りがここにいるのさ。
「アリス? 何故ここに?」
「選ばれたトレーナー同士が戦うと聞いたので来ちゃいました。……まあ用事があって遅れましたがね」
「バトル終わったぞ」
「ええ、市長と会っていると聞いたので無理矢理入って来ました」
何で無理矢理に?
「………市長に何か言われてません?」
「言われた。嫌な取り引きを持ちかけた上に、俺の大事な人に何か不幸が有るかもしれないってさ」
アリスの目が鋭くなり、市長の顔が青くなった。
ん、知り合い?
「おいっ何だお前は!? いきなりでてきてでしゃばるんじゃねえよ!」
「は? 躾が成っていませんね~。おい市長、コイツ殴れ」
「何を言ってるんだおまグバハッ!」
チャラ男が床に叩きつけられる。
え!? クソ市長がチャラ男の顔面を殴った!!
ちょっと! ナニが起きているの!? 全然話がわからないんだけど。
「ああ、実はコイツ黒田組の奴隷なんですよ」
「奴隷?」
「脅してるんですよ、逆らえないんですよコイツ」
何か悪さをしてカモられているんだな。
「親父! いきなり何をするんだ!!」
「お前のためだ、許せ」
「まだ反抗しますか? もう一度殴ってください」
「待ってくださいアリス様! よく言っておきますので」
「脱税」
「親父待っグバッ!!」
二度目もぶった。
相当根深い脅迫されているみたいだ。
自業自得と言うのはこのような事なのだろうか。あまり悪事は働くべきでは無いな。
「広人さんはこれで満足ですか?」
「ああ、だがチャラ男の道具を全部貰わないと」
約束だし貰わないと。
「はぁ? ふざけんなよテメェ」
「ふざけてねえよ。約束だろ」
「まだ親に殴られたいんですか?」
「っ!」
チャラ男はしぶしぶ道具を出した。
□ □ □
黒田組の車の中。
「ふぅ~助かったぜアリス」
「良いんですよ広人さんの為ですし」
チャラ男の道具を少しだけ分けてあげよう。
良いもの見れた御礼だ。
「何かあったらまた駆けつけますよ」
「うわっ頼もしい」
コイツが忠犬見たいに見えてきた。いや、助けてくれた人間に失礼だな。
「あっそうだ、パパが広人さんに話があるって言ってましたよ」
「アリスの親父さんが?」
「はい、大事な話だそうです」
何だろうか? 明日学校にいるだろうから聞いてみよう。
「それで黒田組に頼みがあるんだけど……」
「私に出来ることならば」
後に分かった事だか交流会の連絡は本当にされていなく、勘違いだったそうだ。
って事で市役所の電話の件だか黒田組が依頼を仲介する事を頼み、それで仲介料で組に金が入るようになった。
そしてクソ女の会社だが、しばらく赤字経営が続いたらしい。
携帯壊れました………。