悪タイプ使いの成り上がり   作:煽りイカ

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抗争

波の音をが聞こえ、船の汽笛音が遠くから鳴る。横を見ると倉庫が連なっていた。

 

港と言うのはこのような場所を言うのだろうか。

 

「広人さぁぁぁん頑張ってぇぇぇ!」

「やっちまえー!!」

「沈めろぉー!!」

「ぶっ殺せぇ!!」

 

アリスと怖いお兄さん達が俺を応援してくれる。

絶対勝たなければ。

 

「さあ準備はいいかお兄ちゃんよ」

「速く倒してしまえ権東!」

「はい!」

 

ガタイの良い怖いお兄さんが、身なりの良い太った中年のおっさんに命令された。

 

ああ何故このような事になったのだろうか?

 

それは3日前に遡る。

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

学校

 

「それで何の用です?」

「実は他の組と抗争する事になってしまいまして………」

 

あれー? 抗争しない穏健派って聞いたけど。

 

「喧嘩を売ってきたのは数と権力が桁違いの赤馬組です」

 

聞いたことある。勢力が強くて有名な組でブラックな仕事をやっていると噂されている。

 

「身に覚えのない濡れ衣を着せてきた上に、周辺住民に危害を加えると」

 

大変だな黒田組も。嫌な奴に目をつけられたようだ。

どんな所にもタチの悪い奴らがいるもんだ。

 

「実は相手の組の組長のバカ息子がうちのアリスを自分の女に欲しいらしくて」

「それで身に覚えのない冤罪を被せたって事?」

「ええ、アリスの知り合いの情報屋に聞いたから間違いありません」

 

冤罪か……許せないな。

 

「それで何故俺にその話を?」

「実は……」

 

簡単に纏めると互いに被害を出すのは嫌だからポケモンバトルで決めようとの抗争になった。

 

そして黒田組が勝ったら咎め無し。

負けたらアリスはバカ息子の愛人に、組は吸収されるらしい。何この不平等?

 

皆の頭がデュエル脳みたいになってるのか?

最近よく思うんだよなぁ。俺がおかしいのかな?

 

「それで相手の組は選ばれたトレーナーが出るそうで」

「確実に勝ちたいからって事か?」

「恥ずかしながら」

 

しかたないか、コイツらをよく利用しているから無くなったら困る。

 

ここは一肌脱いだ方がいいな。

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

 

そして3日後冒頭に戻る。

 

「おい権東!! 速く潰してしまえ!!」

「了解しました若」

 

相手はバッジ7個。俺が倒せる範囲内。

アリスに手を出そうとした上に、濡れ衣着せて喧嘩を売ってきたんだ。返り討ちにしてやるよ。

 

「おいお兄ちゃん」

 

何だ? 舐めた言い方しやがって。

まあいいか、言わせてやろう。

 

「黒田組は吸収され配下になる。いつも調子に乗っているし痛い目に会うだろう。お兄ちゃんも巻き込まれて酷い目に会うよ」

「だから?」

「逃げるんなら逃げていいぜお兄ちゃん」

 

俺が負ける前提で話してるよコイツ。

相当自信家のようだ。まあいい、ポケモンバトルで語ろうか。

 

バトルの音楽が鳴り始めた。さ、ヤりますか。

 

「行け! ゴローン!」

「ゴロ!」

「潰して来い、ベトベトン」

「ベトォ」

 

ゴローン Lv41

ベトベトン Lv58

 

いや~よく育ったなアローラベトベトン。

結構山奥行って育てたよ。

 

「なっ………」

 

相手は口を開けて驚いている。

レベル差あれば皆驚くだろうよ。

 

ってゴローンが進化していない?

通信交換すれば進化するんだけど。

 

「クソッ! アームハンマー!」

 

はいベトベトンの急所には当たりましたが、少ししかHPが減りませんし、特に問題ありません。

 

「バケモンかコイツは?! じしんだゴローン!」

「ゴロォ」

 

これは効果抜群であるが少ししか効いていない。

受けるのも何だし反撃しますか。

 

「ベトベトン、かわらわり」

「ベトォ!」

 

バキッ

 

「ゴロォ!?」

「ゴローン!!」

 

ゴローンの額の方に当たりそのままKOする。

岩タイプだし効果抜群なのよね。

 

「行け! ネンドール!」

「ドォ!!」

「ネンドールか」

 

ネンドール Lv41

 

じめん・エスパーのポケモンか。

 

「ベトベトン、かみくだく」

「ベトォ」

 

カモだな。一撃でご退場願おう。

そしてネンドールが瀕死になる。

 

「ネンドール!!」

「さあ、あと2体」

「くっ!」

 

さあ次は何で来る?

 

「行け! ブニャット!」

「ニャ!」

 

猫で来ましたか。

進化すると太るんだよねコイツ。Lvは39。

 

「さいみんじゅつだ!!」

「ニャア」

 

あっそう言えばさいみんじゅつを覚えるんだっけ。忘れてた。

だけど命中率が6割だから微妙なんだよね。

 

「ベトォzzzzz」

 

あれ? かかった!?

まあ危なかったら戻せばいい話だ。

 

「チャンスだ、きりさく!!」

「ニャ!」

 

攻撃するも僅かに減る。

 

「まだだ、だましうち!」

「ニャ!」

 

今さっきとダメージが変わらない。

 

「ねこのてだ!!」

「ニャァ!」

 

おっ~と地面から振動が来てベトベトンに当たる。じしんが出たようだ。

 

しかしあまり効いていない様子だ。

 

「ベトォ?」

 

あ、起きた。

 

「かわらわり」

「ベト」

 

バキッ

 

「ニャア!?」

「ブニャット!!」

「あと1体。ピンチだな、逃げてもいいぜ?」

「くっ………」

 

最後の1匹。Lv40以上は確定だ。

 

「行け! ガマゲロゲ!」

「ガアマッ!」

 

ガマゲロゲ Lv45

 

おっ強そうなポケモンが出てきた。

みず・じめんだからくさが弱点だ。

 

「ガマゲロゲ! マッドショット!」

「ガマッ」

 

泥がベトベトンに投げられ、素早さが下がる。

効果抜群だか威力は無いようだ。

 

「攻めろ、ドレインパンチ!」

「ガーマッ!」

 

ダメージの半分を体力回復に当てる技だが、特にダメージは入っていないので少ししか回復しない。

 

「ベトベトン、かみくだく」

「ベトォ」

「ガ、ガマ!?」

「ガマゲロゲーーー!」

 

別に効果抜群じゃなくてもごり押しすれば戦闘不能になる。さあこれで全員瀕死だ。

 

よーし勝利。ガッツポーズ。

 

「広人さん! 最高です!」

 

アリスが抱きついてきた。

胸を押しつけられ、いい感じだ。

 

「さて、帰りますか。勝ったし用は無いし」

「ええ、送っていきますよ」

 

他県まで来たんだしお土産を買っていこう。

お菓子もいいがおかずみたいなお土産も選んでおこう。

 

あー疲れた。帰ったら唯にマッサージしてもらおうかな。

 

バァァァァァァン

 

うわっ何だ!?

後ろから聞こえたため振り返るとバカ息子が銃弾を空に放っていた。

 

「何の用だよ?」

「ふざけるなぁぁぁ!! 卑怯者が!! 」

 

どこが? 反則はしてないはずだけど………。

 

「何処が卑怯なんだ?」

「強さが可笑しすぎるだろうが!! あり得んだろう!!」

「強くても勝負は勝負だ」

 

加護があるから強いけど、それがどうした?

個人によって得手不得手があるのと一緒だ。

それに濡れ衣を着せておいて、不平等な戦いを挑んで卑怯って何なの? 矛盾してない?

 

「もう一度だ!! 権東、倒せ!」

「いえ………無理です。格上ですコイツ、何かの加護を持っています」

「この役立たずが!!」

 

鉄パイプで後頭部を殴り、悶絶してしまう。

いくらなんでもやりすぎだろう。自分が戦えないくせに何故威張れるのだろうか?

 

「お前がバトルすればいいじゃん」

「黙れ卑怯者!!」

「言ってろ」

「じゃあ私が代わりにバトルするのは? 選ばれたトレーナーではありませんし」

「ほぉ~良いだろう」

「約束は守れよ、追加で今後一切黒田組には手を出すな」

「わかってるわ!」

 

アリスがバトルするのか。

どうせ大したこと無い相手だと思うし大丈夫だろう。

 

(アリス平気か?)

(大丈夫ですよ)

 

アリスも強くなったし戦うところを見てみたい。

 

あっポケモンバトルの音楽が鳴り始めた。

 

「行け! ガラガラ!」

「ガラッ!」

「頑張って、コマタナ!」

「タナッ!」

 

ガラガラ Lv30

コマタナ Lv35

 

バカ息子が少し苦い顔をした。

 

ちなみに相手は全部で2体でアリスは3体持っている。

弟子にも加護が付くからLvだけで見ていたら危険だ。

 

「ガラガラ、ホネブーメラン!」

「ガラ!」

 

鋼には地面技が有効。だが致命傷にはならない。

 

「コマタナ、だましうち!」

「タナッ!」

 

コマタナがガラガラの後ろへ表れ、後頭部を攻撃する。

 

「そのままメタルクロー!」

「タナァッ!」

 

もう一度後頭部に攻撃を入れる。

急所に当たったようだ。そのままガラガラはダウンする。

 

「あれぇ~どうしたんですか? ポケモンを出してから10秒程しか経ってませんよ?」

「ぐぬぅぅ」

「ネークストプリーズ~」

 

強くなったなアリスは。

後煽りが俺よりも上手くないか?

 

「クソッ! 行け、ナゲキ!」

「ゲキッ!」

 

かくとうか………あーあ終わったな。

 

「ちきゅうなげだ!」

「サイコカッター」

「タナッ!」

 

このコマタナはたまご技にサイコカッターを覚えていた。エスパー技だから効果抜群である。

 

ナイフの様な物体が出て来てナゲキを切り裂く。急所に当たったみたいだ。

 

そのままHPはゼロになる。

 

「よーし勝ちましたよ広人さん!」

「よくやったぞ」

 

本当によく育っている。弟子の成長を見るのは師として嬉しいことだ。

 

俺はバカ息子に近づき前に立つ。

 

「わかっているな、約束は守れよ。絶対手を出すな」

「な、何だと汚い手を使いやがって……」

 

俺はポケットに偶然入っていた10円玉を出す。

10円を持ってそのまま相手に見せる。

そして

 

グシャリ!

 

「だったらルールを決めておくんだな。特にルールは無いし何でもアリのはずだ。俺達には非はない」

 

二つ折りにされた10円玉を地面に落とす。

 

さあ帰ろう。疲れたよ。




携帯まだ戻ってこない………。
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