ありがとうございます。
「ん? 誰か来ているのか」
見慣れない靴がある。誰だろう。
「来たか小僧」
「あれ? 何かご用件でも?」
唯パパじゃないですか。
来るなら言ってくれ。
「ああ少し頼みたい事があってな」
「何か飲みます?」
「ふん、いらん」
「私抹茶ミルク」
「ミルクティー」
「ハイハイ」
□ □ □
「んで、頼みたい事って」
「実はな……」
唯パパの話はこうだ。
知り合いの娘がとあるポケモンを助けたらしい。それで着いてきてしまい、いつも寝ている時に枕の近くに立っているそうだ。しかしそのポケモンが近くに立っている時に悪夢が起き、よく寝れないそうだ。
迷惑なのでなんとかして欲しいらしい。
「それでこのようなポケモンだそうだ」
唯パパが絵を見せると、
「こいつゴーストタイプ?」
「いや……」
確かにゴーストタイプに見えるんだけど悪タイプなんだよ。
やっと会えたわ。ダークライ。
「だけど何かおかしくないか?」
「どうして?」
「色々ポケモンを見てきたけど殆どが義理堅いんだ。助けられたのに悪夢なんて見せるのか?」
ポケモンバトルしてるけどトレーナーに忠誠心があるポケモンが多い。苦しめるような真似はしないと思うんだよな。
「って事は別の理由で近くにいるって事?」
「あり得るな」
「取り敢えず行ってみるか」
って事で現地に行くことになった。
□ □ □
「うっわーデカイ家」
アリスの家よりでかくないか。
なんっていうか黒服の人間が沢山いるんだけど。黒田組とは格が違うような気がする場所だなここ。
「それでこの家の主人の職業って何?」
「……知らない方がいい」
扉を開けると豪華な庭園が目に入った。京都とかでこんな庭園を見たことがある。芸術的だ。
そして家に入ると絵とか飾られており、高そうなツボとか所々にあり、入ってきた俺らを圧倒する。
この家の主人は大金持ちみたいだ。
「おお来てくれたか」
「ええ助っ人を連れてきました」
「どーも」
恰幅のいい初老の男性だ。
隣に小学生位の女の子がいる。
「それでダークライの事を聞きたいんだけど」
□ □ □
そして夜になった。
「そろそろ現れるみたいだな」
「うまいなこのあんパン」
「山崎みたいになるなよ」
「山崎?」
わからないならいい。
今回はアルセウスを連れてきており、通訳を頼む事にした。どうしても気になることがあるんだ。
「ん? 出てきてるみたいじゃ」
「よし行こう」
アルセウスが感知したようだ。乗り込んで話を聞こうと思う。就寝中のため静かに扉を開ける。
「……」
そこには黒い体に白い頭。首回りが赤いポケモンが佇んでいた。見たからには悪そうだが実は危害は加えない孤高のポケモン。
あんこくポケモン、ダークライ。
「……」
喋らないなコイツ、睡眠中だし気を使っているのだろうか。
「……」グイ
手で外を指しているようだし、寝ているときに迷惑だしな。外行こうか。
扉を開け、外に出て縁側に座る。
ジュースとか持ってくれば良かった。
「って事で何であの娘に憑いてるか教えてもらおうか」
「……クラ」
「何て言ってる?」
「面倒くさい事になっているらしいな」
「ダークラックラ」
「は?」
「ダークラッ」
「なんじゃと?」
「ダークラッイ」
「いやいや貴様は悪くない。当然の行いをしているぞ!」
「ダークラックライ!」
「成る程な」
全然何言ってるのかわからん。
「取り敢えず不味いことになっている」
「?」
「説明をしておこうか」
□ □ □
「おおっ皆の者、私の娘に憑いていたポケモンは消えた! もう心配することはない」
この家の当主が全員に話す。
取り敢えず罠を張ることに決めた。ダークライの無実を証明するために人芝居打って貰うことになった。
炙り出すために。
「娘は静かな場所で寝たいと言うから寝室の周りには近づかないように頼むぞ」
今のうちにカメラ設置しよう。
□ □ □
「さてとうまくいくかな?」
俺は今真田家の特別な車にいた。一見トラックなのだが中にはカメラの映像を送っているモニターが沢山見られ、家の周りや寝室周りの映像が映っている。
「だけど動くかな?」
「慎重だったら今日はしないだろう」
センサーとかもあるから寝てしまっても平気だろう。
とまあ数時間が経った。
「おい引っ掛かったぞ!」
「マジか」
マジで来るとは思ってなかった。
さて片付けに行きますか。
俺はボールを用意した。
□ □ □
さあ今回ダークライがやった事を説明しておこう。
ダークライは女の子に助けられ、それで義理堅い性格なのでその子に着いてきた。
しかしダークライは見てしまった。その子を殺そうとするポケモンを。ゴーストタイプを使った暗殺らしい。
ダークライは見捨てられないので夜だけでも近くにいるようにし守ることにした。
捕まえた暗殺者兼トレーナーから聞いたのだが、その子を殺すと喜ぶ人間がいるとか。遺産関係らしく、親戚が依頼主だそうだ。
ダークライも自身の特性を知っていたのだが、頼れる奴は居なかった。
犯人を捕まえたため依頼主を芋づる式に引っこ抜いた。近いうち処罰されるそうだ。
こうしてこの事件は終わった。
□ □ □
「ダークライ、俺と一緒に来ないか?」
「……」フルフル
だよね。寝返るわけないか。
アホな事聞いたな。
「ダークラッ」
「何て言ってる?」
「私は裏切れない。しかし恩義がある。仲間のダークライに声をかけておく、だって」
仲間いるんだ。
そりゃ楽しみですよ。
「じゃあなダークライ楽しみにしてるぞ」
「……」フリフリ
ダークライとまた会う約束をして、この屋敷を後にした。