「それじゃお前ら準備は出来たか?」
「「「「応」」」」
「ん?」
復讐実行の日である。
とある人間を呼び出した。
面子はアリス、スノウ、パラディン、森屋君だ。
荒事になるから男性陣を連れてきた。
それで………森屋君の靴下が片足のみ無いけど………。
ポケットが膨らんでいるし、あれを作ってるのかな?
他の奴もポケットが膨らんでるし。
「皆、ポケットに入っている凶器を出せ」
「バレてましたか」ポスッ
「………ちぇ」ドサ
「バレたか」ドサッ
「有る方がスムーズに行くと思いますけどね」ドサ
やっぱり森屋君はブラックジャック作ってやがった。
膨らみ具合から小石だろうか?
さて、木嶋君から出したものを確認してみよう。
「これは………メリケンサックとガスバーナーと殺虫スプレー?」
「ああビビらせた方がいいと思ってな」
少し荒くなるのはわかるんだが。
発想がヤンキーだな。
「ハイ次、スノウ。これはスタンガン?」
「………経験上油断しない」
「前スノウはハッキングの仕事関係で襲われた事があるからな。外行くときにはよく持っていくぜ」
コイツも修羅場潜ってんだな。
さすが凄腕ハッカーは違う。
「さ、アリスのは………え?」
「どうかしましたか広人さん?」
「おいこれ………」
「流石にヤバいんじゃ……」
「あれ? 見たことないんですか。パパがマイケル君から貰ってきたんですけど」
「これ………銃じゃん」
そう、拳銃である。
嘘だろお前。銃刀法って言葉知ってんのか?
あとアリスの親父さんも変なコネクションあるのね。
「この国の警察は何をしているんだ………」
「ここら一帯は買収済みデース」
また弱味を握ってるとかそんなものだろうか。
本当に敵じゃなくて良かった。
「取り敢えずその他の道具も持ったし──あ」
おっ~とターゲットが来たようだ。
作戦開始だ野郎共!
□ □ □
「広人!」
「雅美………」
このクソ女が。軽々しく俺の名前を呼ぶんじゃあない!
つーかよく顔見せられたな。
「それで話したい事ってなんだ?」
「実はね……私脅されてたの、それで妊娠させられて」
「ほう」
「ああしないと殴るって無理矢理………」
脅されていてあの態度はなんだろう。
あの時俺達に言った言葉、思い返してくれないか?
「それで? 何が言いたい?」
「また……やり直したいの!」
「………」
「私、間違ってた。金と顔よりも大事なのは内面、そんな子供でもわかる理屈をわからなかった。本当に反省してる!」
「だったら顔見せるなアバズレ!!」バキッ!
「ギャアァァ!?」
俺が殴ろうとしたらアリスがメリケンサックを装備しボディーブロー。
凄い低音が鳴ったし骨折したかな?
「アンタなによ!?」
「あのねぇ広人さんに何したのか忘れたんですか?」
「仕方無いじゃない! 殴るって脅されてたのよ!」
「あなたにとって広人さんはその程度の存在なんですね! そんな人間に広人さんの隣は絶対勤まりません」
「何よアンタ! 私はどれだけ長い時間広人と居たと思ってるのよ。一緒にお風呂も入ったしベッドで寝たこともある。アンタなんか二年以下の付き合いでしょう? 部外者が口を出さないで!」
「そんな仲良かったのに何故捨てたんですか!? 裏切られてどんなに苦しかったか広人さんの気持ちがわかるんですか!!」
「広人は優しいのよ!? 何だって許してくれたの。前不良から守ってくれて打撲だらけになったのよ? 絶対許さないなんて無いわ」
「その好意を無駄にしたのは誰だ雌豚!!」バキ!
「キャアァァァァ!?」
俺がまた殴ろうとしようとするとアリスがまたボディーブローだ。
なんだろうかこの勘違い女は。
本当にビッチ過ぎて引く。
つーか裏切っておいてまたヨリを戻すなんて都合が良すぎる。
裏切りと言うのは本来リスクが高い。
信頼が無くなると信用されなくなるし、他の人間からも信用されなくなる事もある。
金で信頼を作るのでは無く、信頼で金を作れと言う話とか聞いたことある。
ポルポも信頼が大事だってジョルノに言ってたし。
この女は側に置く価値が無いな。
俺は木嶋に合図を出す。
「雅美! 脅されてたってなんだよ!!」
「え゛」
ここで彼氏の広樹君が登場だ。
家の事で相談したいと最初に呼び出しておいた。
修羅場なのにゃ。
「なんで俺を捨てるんだよ。芝居打って責任を広人に押し付けたのに!」
「うるさいわね! 私は嫌だって言ったわよ」
「お前だって最終的には折れたんじゃなかったか!?」
「だってアンタの経歴に傷がつくでしょ。それにあの時調子のって外してやりたいだなんて言ってたわよね!? だから妊娠したんじゃない!」
「はぁ!? だったら許可するんじゃねえよ!」
「全部アンタが考えたことよ。私は脅されて話し合わせていただけ。わかった?」
「ふざけんな! 広人の物を分け前でもらったろうが!」
なんて品の無いカス達だ。
何故ここに産廃が存在するんだ?
「広人! 思い出して私との思い出を!!」
え、近づいてきてキスしてきやがった!?
ううっ舌が口の中に入ってくる。
「広人………思い出して」
「な……」
広樹が絶句する。
自分の女が他の男とキスするなんてショックだし。
「このアバズ………レ!?」
「なっ!」
「………マジ?」
「ど、泥水で口を洗ってる………」
そんなに驚くことか?
汚いから水で洗うのは当然だよ。
あー昨日雨降って良かった。
そうだ、うがいもしておこう。汚いし。
ガラガラペッ!
「ひ、ひどい………」
「………お前がやったことの方がひどい」
「何よそれ! キスして水溜まりで口を洗うなんて非常識よ!」
「………非常識か、じゃあ聞くが
お前今何股だ?」
「……へ?」
ん? どう言う事?
雅美の顔が青ざめていく。
「実はハッキングでこんな事を調べられるんですよ」
アリスは紙を雅美とクソ兄貴に渡す。
覗いてみよう。なになに。
まさみ:明日どう?
吉彦:いいよ。夜ホテル予約してるけど?
まさみ:行く行く! よっちゃん大好き
孝弘:9時駅に集合ね
まさみ:久しぶりのデートね
孝弘:遊園地の後どうする?
まさみ:うーん。ホテル!
孝弘:おk
かっつん:今日の夜どう?
まさみ:いいよー
キャアアアアアアアアアアアア! ビッチじゃねえかよ!?
「………LINEや裏アカで確認したところ、八股前後だが?」
「な、なによ………でっち上げよ」
「ほぉ~じゃケータイ見せてくださいよ。潔白ならばやましい事は無いですよね~?」
「………ちなみに広人が告白した時点で4股程」
「はあ!?」
危ねぇー! ビッチだし病気もらってる可能性あるから手を出さなくて良かった。
「広人信じて!」
「あ?」
「私は脅されてたのよ!」
「脅しで屈するって事はそこまで俺は大事じゃないって事じゃないのか? それに金と顔が悪いからフッたお前を信用できる訳無いだろ」
「ひ、ひどい……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
ひどい? 吐いた唾をまた口に入れるのか?
覆水盆に還らすって言葉知らないの?
それで雅美は逃げていった。
「広人ぉ………」
「なんだカス?」
「絶対許さねぇ! バトルでも恥をかかせやがって! ふざけるなクズがぁぁぁぁぁ!」
「俺を陥れて追い出した奴とは思えないセリフだ」
コイツに罪悪感ってものは無いのか?
あったら罰を軽くできたんだけど。
「覚えていろ! 絶対に後悔させてやる!!」
クズ兄貴がこの場を去る。
はぁ。
何をする気だ。
多分あのタヌキみたいなおっさんが政治家って聞いたし、チクリか?
それとも爺ちゃんに直談判か(笑)
まあどっちでも外れても無駄だかな。
「森屋君、例のブツをスノウに」
「ええ、バッチリですよ」
「………編集を急いでやる」
□ □ □
一時間後。
「父さん! 爺ちゃんの電話番号教えてくれ! 広人を許せねぇ。抗議しよう!!」
「………」
「広樹……」
「な、なんだよ。父さんも母さんも………」
二人とも顔が絶望している。
「広樹………」
「とうしたんだ? 広人をとっちめてやろうぜ」
「父さん………左遷されるんだ」
「は?」
左遷、辺境へ追放だと言うことだ。
「へっ、へぇそうだったのか。どこへ異動するんだ」
「シベリアだ」
「………シベリア? 寒そうだな」
「すまないな広樹、家族みんなで移住するんだ……」
「……はい?」
「皆一緒よ」
戸惑う。
理解できないだろう。そんな急に言われると。
「な、なんだよ!? 俺は大学の推薦があるんだぞ!」
「この前の集団暴行の件、それでこの動画だ。今さっき大学から推薦は反故すると電話がきた」
「動画?」
「これだ」
さっきから父親パソコンを見ていた。
動画を再生する。
『なんで俺を捨てるんだよ。芝居打って責任を広人に押し付けたのに!』
『うるさいわね! 私は嫌だって言ったわよ』
『お前だって最終的には折れたんじゃなかったか!?』
『だってアンタの経歴に傷がつくでしょ。それにあの時調子のって外してやりたいだなんて言ってたわよね!? だから妊娠したんじゃない!』
『はぁ!? だったら許可するんじゃねえよ!』
『全部アンタが考えたことよ。私は脅されて話し合わせていただけ。わかった?』
『ふざけんな! 広人の物を分け前でもらったろうが!』
題名は『冤罪の真実』
さっきのやり取りである。濡れ衣の真実だ。
リンクに色々貼られている。
「これは本当なんだな?」
「あ……う………」
弁論が出来ない。
「薄々広人はやってないと気付いていた。しかし間引きは必要だったんだ。広樹の方が優秀だから支援を広人の分を回せば間に合うと……」
「父さん……」
「だが弱者は切り捨てられるのが今の社会だ。広樹、お前は悪くない」
「う、う……父さん」
「会社からは五千万払えば左遷を取り消す事が出来ると言っていた。噂によると広人は金持ちだそうだし頼んで出してもらおう」
「そ、そうだ育てた恩を返してもらおう。当たり前だ」
しかし、連絡先はわからない。
祖父に連絡し、橋渡ししてもらうことになった。
が、
『断る』
「え?」
『当たり前だろうが、証拠も無く広人を家から追い出し金を無心。DNA鑑定をしろと言ったんじゃが忘れたか?』
「だ、だけど私達家族がピンチなんだ」
『ピンチ? 息子を陥れた上に弱者ぶるのか? 下らんな』
「頼むよ! 家族じゃないか!」
『じゃあ金を返してもらおうか。五千万』
「五千万!? 借金は二千万じゃ!」
『お前の妻がこの前借りに来たぞ』
「は?」
『何に使うかは聞いとらん。そうそう、広人が家の利権を売ってくれたぞ。それで借金総額一億って所かの? 広樹との賭けで勝ったそうだから聞いてみろ?』
「頼むよ……血の分けた家族じゃないか。金を貸してくれよぉ……」
『金を返してからそれを言え。そうだ広人から伝言がある。バカめとな』ガチャリ
数秒沈黙する。
「佳子……何に金を使った……」
「投資よ……今日当たり連絡が来るわ。フフッ」
「……何処に金を投資した?」
「ドパーズ林業よ。絶対儲かるって言ってたわ。10倍になって返ってくるそうよ」
「そこは………三日前倒産したぞ………」