悪タイプ使いの成り上がり   作:煽りイカ

66 / 103
オフ会

「それにしてもすっげーネオン」

 

 アメリカのニューヨークの夜の街並み。

 進んだ都市だとよくわかる。

 

 焼肉屋まで歩いて行ける距離まであってよかった。

 しかし、銃を持ってる人間とかも多いので油断はしない。

 

 あ、俺銃効かないか。

 当たると痛いけど死なないし。

 

 そういえばナイフとかどうなるんだろうか? 

 試したくない。

 だが刺されても一晩で回復しそうだ。

 

「この国治安悪いからな…………」

「人通りの少ない道は歩かない、1人歩きは避ける、大金は持ち歩かない、現金は人前で見せちゃダメだって」

「ん? 木羽?」

「奇遇だね。僕も用事があったんだ」

 

 ん? 木羽君。

 そっちも用事あったんだ。

 

「まあな、この道まっすぐの店だから話でもしようか」

「僕もさ、いいよ」

 

 ? 気になった事があるから聞こう。

 

「世界大会って今日初めて聞いたけど、そっちは聞いてた?」

「確か市役所には通達されてないってさ」

「普通すると思う」

「森屋君の情報網でそんな話を事前に聞いた」

 

 あのゲスーロって奴の仕業か? 

 有り得るな。準備不足を狙ってるかもしれない。

 

 まあ、無駄だがな。

 もう準備は完了している。

 

 新入りも強くなったしな。

 

「森屋君の情報網って言ったけど、知り合いに権力者とかいるの?」

「知らないの? 森屋君は政治家一族の人間だよ?」

 

 あ、そういえば国会中継で森屋って単語があったような。

 しかも家が豪華だった。

 

「実は森屋家の山に無断で入って初めて会ったんだ」

「不法侵入……」

 

 不法侵入か……紳士のおじさんやミュウツーもやってたな。

 

 ……あれ? 

 

「エスパータイプの加護持ってる人っていた?」

「いや? しらないよ?」

 

 …………ミュウツーの飼い主が来てると思ったけど。

 

 来てないのか? もしかして顔バレが怖い人間なのか? 

 国際指名手配とか。

 

「あ、ここだ」

 

 このステーキハウスだ。

 肉汁の匂いが漂ってきた。

 

 入口に入ろうとすると、

 

「あれ、着いてくるのか?」

「え? だって……」

 

 木羽は三本指を立てる。

 

 ちなみにこれは前々から取り決めてたことで、四姉妹の偉い順にちなんで指を立てることにしていた。

 

 三本って事は三女って事だ。

 

「担当の女神は姉妹だったんだな…………」

「ああ、偶然だね…………」

 

 俺は二本指を立てた。

 次女である。

 

「中入ろうか」

「うん」

 

 店に入った。

 ん〜いい匂いっ。

 

「すみませーん。『四女神』で予約してるんですけどー」

「こちらです」

 

 俺達は小部屋に移動することになった。

 あ〜肉を焼きたい焼きたい焼きたい。

 

 ついでにたい焼き食べたくなってきた。

 日本に帰ったら食べよう。

 

「さて、この部屋か」

「人の気配があるな……」

 

 カラカラ

 

「あれ、誰も居な━━」

 

 フミッ

 

「うおっ!?」

「わっ!」

 

 何か踏んだ!? デジャヴ!? 

 

「また踏まれてしまいましたね」

 

 こ、コイツは草タイプを使うトレーナー、カルロ! 

 

「これも奇遇…………」

 

 カルロは四本指を立てた。

 こいつもか。

 

 なんでコイツ踏まれるのが好きなのだろうか? 

 

「座りません? 水でも飲んでお話しましょうか」

「まあ、いいけど」

 

 長女担当トレーナーはどうなったのだろうか。

 まだ来ていない。

 

「そういえば何で踏まれるんだ?」

「実は私は靴職人でして、踏まれればどれだけいい靴かよく分かります」

「ええっ」

 

 あ〜他の奴にも踏まれてたなコイツ。

 

「靴は人間が出ているので、踏まれればどんな人間が分かるんですよ」

「そうなのかよ…………」

 

 人を見る目があるとは聞くが、踏まれて人間がわかるんだな。

 

「俺はどんな結果?」

「寛容…………ですね。滅多な事じゃ怒りませんよね?」

「あー確かに大した事じゃ俺は怒らない」

 

 玉川殴られたり、二葉を馬鹿にされてキレたり。

 結構怒っている事おおいけど大した事じゃないと怒らないな。

 

「木羽は? 踏まれてなかったけ?」

「ええ、虫への愛にありふれてます」

「当たってる」

 

 虫タイプでポケモンリーグを制覇しただけはある。

 毎日のように山に登って虫ポケの研究をしていると森屋君から聞いたし。

 

「待たせたわね!!」ガラガラガラ

「あ?」

 

ドラゴン使いのメリルだったけ?

勢いよくドアを開ける。

 

 フミッ

 

「きゃあ!?」

「あれ!? いつの間に!?」

 

 カルロがいつの間にかメリルに踏まれてた。

 今さっきまで近くで座ってたんだけど。

 

「何よアンタ!?」

「靴職人です」

「いや訳わかんないわよ!?」

「この人は……」

 

 赤髪のツインテール。

 えっと確かメリルだっけ? ドラゴンを使うとか。

 

 あ、一本指を立てた。

 コイツが長女の担当か。

 

「さて、肉を頼みましょうか」

「…………」

 

 

 ■

 

 

 ジュージュー

 

 お、美味そう。

 音が鳴りながら皿に乗ってる。

 

 赤身の肉のステーキ。

 あまり日本じゃ食べないから珍しい。

 

「美味い…………」

「肉最高……」

 

 うめぇー熟成してるぜ。

 流石肉文化だなアメリカは。

 

 ご飯欲しくなってきた。

 だけどご飯食べずにおかずを食べるのもいいよね。

 

「そういえば広人の担当の女神ってどんな奴?」

「普通に真面目そうな奴だけど」

「…………他は?」

「私の担当は偉そうで痛い奴よ。すぐカッコつけるわ」

「私の担当は明るいですけどドライですね」

「僕の担当は口数少ないんだけど、四姉妹とも性格違うね…………」

 

 やっぱり人も神も一緒だな。人によって性格も違うように神も違うようだ。

 

「四つ子って聞いたけど外見同じなのか?」

「確認しよう。紫の髪で和服、140cmくらい。左側頭部に紫のリボン。座敷童子ってのが正しいのかな?」

「俺もそんな外見だ。だけど二葉は緑のリボンだぞ」

「私も外見は一緒です。ですがピンクと黄色のリボンです」

「私の担当は赤と青のリボンよ?」

 

 外見は一緒だけどリボンの色と数は違うのか。

 

 リボンを取り替えられて喋らなかったら判別できなさそうだ。

 

 それにしても肉美味いな。

 

「たまに殴りあいとか起きるって」

「怖いな」

 

 二葉とかも参加してるのだろうか? 有り得る、逆ギレして喧嘩になりそうだ。

 口数少ない人間もキレたら暴れるのがなぜか想像出来る。

 性格上、1番目と4番目が火種になったりして。

 

 少しか話せなかったけど機会があればもっとゆっくり話してみたいな。

 

「肉ってお代わりできるかな?」

「俺もお代わり」

 

 そして4人ともお代わりするのだった。

 美味すぎるわ!! 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。