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「うむ、面白い」
「どうしたの? マスター?」
とある場所、とあるトレーナーとポケモン。
トレーナーは資料、ポケモンはコーヒーを片手に。
「ああ、この資料だ」
「鞍田隆一郎の事を調べたのか」
「まあね。もしかしたらお得意様になるかも知れないし、情報を知るの方が後々得だと思うしね」
「て、何が書いてあるの?」
ポケモンはコーヒーを飲む。
「エリート警察一族の出身。色々あってクビになってるんだ」
「色々? 勤務中に服でも脱いだの?」
「そんな可愛い事で捕まらないよ」
トレーナーも喉が乾いたのか飲み物に手をつける。
「実は独断で人身売買組織を潰したんだ」
「それじゃ正義の味方みたいなものじゃん」
「外見はそうだけどね。実は違うんだ」
「?」
トレーナーは資料をめくる。
「実はその人身売買組織は警察とグルなのさ」
「え?」
「犯行を見て見ぬふりの代わりに多額の金銭や情報を貰っていたらしい」
「クソじゃん」
「本当にね」
実際、日本人は健康な人間が多いから臓器売買で狙われる事が多い。
外国人に売られるのもよくある。
「それで事実歪曲されて、捕まった犯人は証拠不十分で釈放。独断で無実の人間を捕まえた責任で家を追い出された」
「権力って持ち過ぎると腐るんだね」
「歴史が証明してくれてるね。それでその組織は懲りずに人を誘拐したりして売買していた」
「あ、この前潰した組織だっけ?」
「うん、今はチャイナにいると思うよ? 生死不明だかね…………」
「軍資金溜め込んでたからラッキーだったね」
人身売買生活を楽しんでいるだろうか。
生死不明だが。
「チャイナといえばアイツか」
「知り合いいるの?」
「まあな、変な奴だが気のいい奴だ」
■
「行くぞ我が筋肉ぅ!」
「…………」
イヤイヤ筋肉関係ないやん。
ポケモンの実力で語り。
さて、正念場か? 連続で強敵だしな。
この前戦ったけど強い方だし。
「ん? 自分の筋肉も負けてはいないと思ってるだろう」
「思ってないです」
【山の番人】鞍田隆一郎 懸賞金 1億6000万
結構強そうだな。
何を出してくるかな。
『それでは準々決勝第一試合始めます!』
「行くぞ!」
「返り討ちだ」
こっちも切り札を持っている。
負けられん。
「行け、ベトベトン!」
「プテラ! 行ってこい!」
最初はプテラか。
「プテラ、メガシンカ!」
プテラは光の玉に包まれる。
「グオオオウ!」
メガプテラの登場だ。
確か特性はかたいツメだったな。
攻撃力と素早さがウリのポケモンだ。
「ストーンエッジ!」
「キシャアアアア!」
あ、外れた。
あっぶねぇ。
「いわなだれ!」
「ベトベト!」
ヒット! 半分以上のHPを奪ったぜ!
技当たらなくてラッキーだな!
「もう一度ストーンエッジ!」
うぐ! ダメージは大体4割くらいか。
「いわなだれだ!」
「くっ、プテラ…………」
先手当たってたらこっちが負けてたかもな。
まじで油断が出来ない。
「行け! レジロック!」
「…………」
来たよレジロック。
準伝説ですな。
と、言っても防御力高いし分が悪い。
「戻れ、ベトベトン。サザンドラ頼むぞ」
「ガアアアア」
特攻お化けのサザンドラさんに頼むとしよう。
「れいとうパンチ!」
「何いい!!?」
クソッタレ! 半分以上のダメージを受けちまった!
コイツれいとうパンチとか覚えられたんだな。
「きあいだまだ!」
「くっ! レジロック!」
特防は普通の筈だ。
「…………」
は? HPがギリギリ残ってるだと……耐えやがった!
「れいとうパンチ!」
「ガウウ!?」
クッソタレ! 倒された!
「戻れサザンドラ!」
俺はベトベトンを出す!
「アームハンマー!」
「ベトベト!?」
危ない……赤色だが残った。
「かわらわり!」
よし、倒せた。
やべえなこのおっさんは。
「頼むぞ!」
出てきたのは暗い灰色をした、城の石垣のようなものに足が4本生えているような外見。
目のついた石のような1つ1つの部分が生命体であり、それが積み重なって1つの個体を作り出している。
タマタマとかナッシーとかもそんな感じだろうか。
コイツ、ツンデツンデをゲットしやがった!!
「……」
「ふっ」
おい待って!? ウルトラビーストいるのかよ!!
…………って事は他の奴らも持ってる可能性とかあるかも。
「ベトベトン! かわらわり!!」
確かコイツは素早さが低かったはず。
格闘は4倍ダメージ。
「…………」
ダミだ。
4割くらいしかダメージを受けてないや。
「ツンデツンデ、アイアンベッド!」
「…………」
ベトベトンは瀕死になる。
まさかこんなポケモンがいたとはな。
「ふっ、どうした? 我が筋肉に魅せられたか?」
「冗談」
まさか奥の手その1を見せる時が来たとはな。
「頼むぞ!」
俺はボールを投げる。
人々を深い眠りに誘い夢を見せる能力を持つ。新月の夜に活動するポケモン。
怖そうな外見だが悪気の無い特性。
あんこくポケモン ダークライ
( ・_・)(・_・)(・_・ )ザワザワ
やっぱりザワザワしてる。
結構有名だし映画にも出た。
何故持ってるかて?
前助けたダークライの仲介により、ダークライ達の住処に連れててって貰ったのである。
その中で優秀なダークライに声を掛けて誘っておいたのだ。
「行くぞ、ダークホール!」
「…………」zzz
「ツンデツンデ!?」
ちなみにダークホールの通常の命中率は5割だが、このダークライは7割程の命中率らしい。
それなので口説いて連れてきた。
おはぎを与えるとスムーズに交渉出来た。
「よし、ダークライ…………きあいだま」
「クラィ!」
4倍ダメージ。更には特攻が強い種族値。
更に更にナイトメア。
「…………」
「ご苦労、ツンデツンデ」
俺らの勝ちだ。
■
「次の世界大会では負けんぞ!」
「ああ、またやろうな」
まだ切り札はあるしな。
「飲み物買ってくか。何か飲む?」
「いや、プロテインを常備してるから結構」
プロテインって常備してるものなんだな。
「次は紳士と森屋君か」
「あの紳士か……確かとっておきがあると言っていたな」
マジかよ、楽しみだな。
俺達は席に戻るのだった。